第104回午後の過去問


第104回午後:第1問

日本の平成 24 年(2012 年)における合計特殊出生率はどれか。

1: 0.91

2: 1.41

3: 1.91

4: 2.41

第104回午後:第2問

警察庁の「平成 24 年(2012 年)中における自殺の状況」の自殺者の原因・動機のうち最も多いのはどれか。

1: 学校問題

2: 家庭問題

3: 勤務問題

4: 健康問題

第104回午後:第3問

食中毒 (food poisoning) の原因となるのはどれか。

1: セラチア

2: カンジダ

3: サルモネラ

4: クラミジア

第104回午後:第4問

要介護状態の区分の審査判定業務を行うのはどれか。

1: 介護認定審査会

2: 介護保険審査会

3: 社会福祉協議会

4: 社会保障審議会

第104回午後:第5問

社会的欲求はどれか。

1: 安全の欲求

2: 帰属の欲求

3: 睡眠の欲求

4: 排泄の欲求

第104回午後:第6問

乳幼児で人見知りが始まる時期はどれか。

1: 生後 1〜2 か月

2: 生後 6〜8 か月

3: 生後 18〜24 か月

4: 生後 36〜42 か月

第104回午後:第7問

人口年齢区分における 15 歳から 64 歳までの年齢区分はどれか。

1: 従属人口

2: 年少人口

3: 老年人口

4: 生産年齢人口

第104回午後:第8問

平成 24 年(2012 年)の国民生活基礎調査で、世帯総数における核家族世帯の割合に最も近いのはどれか。

1: 30 %

2: 45 %

3: 60 %

4: 75 %

第104回午後:第9問

介護保険法に基づき訪問看護を行うことができる職種はどれか。

1: 医師

2: 薬剤師

3: 理学療法士

4: 介護福祉士

第104回午後:第10問

嚥下困難のある患者への嚥下訓練において連携する職種で最も適切なのはどれか。

1: 歯科技工士

2: 言語聴覚士

3: 義肢装具士

4: 臨床工学技士

第104回午後:第11問

体温を調節しているのはどれか。

1: 橋

2: 小脳

3: 中脳

4: 視床下部

第104回午後:第12問

意識障害がある患者への救命救急処置で最も優先されるのはどれか。

1: 保温

2: 輸液

3: 酸素吸入

4: 気道確保

第104回午後:第13問

低体温が起こるのはどれか。

1: 尿崩症 (diabetes insipidus)

2: 褐色細胞腫 (pheochromocytoma)

3: 甲状腺機能低下症 (hypothyroidism)

4: Cushing〈クッシング〉症候群 (Cushing syndrome)

第104回午後:第14問

チアノーゼが出現するのはどれか。

1: 血清鉄の増加

2: 血中酸素分圧の上昇

3: 血中二酸化炭素分圧の上昇

4: 血中還元ヘモグロビン量の増加

第104回午後:第15問

貧血の定義で正しいのはどれか。

1: 血圧が下がること

2: 脈拍を自覚すること

3: 立ち上がると失神すること

4: 血色素量が減っていること

第104回午後:第16問

抗癌薬の副作用(有害事象)である骨髄抑制を示しているのはどれか。

1: 嘔吐

2: 下痢

3: 神経障害

4: 白血球減少

第104回午後:第17問

貼付剤として用いられる薬剤はどれか。

1: フェンタニル

2: リン酸コデイン

3: モルヒネ塩酸塩

4: オキシコドン塩酸塩

第104回午後:第18問

患者とのコミュニケーションで適切なのはどれか。

1: 専門用語を用いて説明する。

2: 視線を合わせずに会話をする。

3: 沈黙が生じたら会話を終える。

4: 患者の非言語的な表現を活用する。

第104回午後:第19問

成人の安静時における所見で異常なのはどれか。

1: 体温 36.2 ℃

2: 呼吸数 12/分

3: 脈拍 116/分

4: 血圧 128/84 mmHg

第104回午後:第20問

成人男性の間欠的導尿においてカテーテルを挿入する長さで適切なのはどれか。

1: 6〜8 cm

2: 12〜14 cm

3: 18〜20 cm

4: 24〜26 cm

第104回午後:第21問

最も高い照度を必要とするのはどれか。

1: 病室

2: 手術野

3: 外来の廊下

4: ナースステーション

第104回午後:第22問

成人の鼻孔から噴門までの長さで適切なのはどれか。

1: 5〜15 cm

2: 25〜35 cm

3: 45〜55 cm

4: 65〜75 cm

第104回午後:第23問

輸液ポンプに設定する項目はどれか。

1: 流 量

2: 開始時刻

3: 薬剤の濃度

4: 薬剤の処方内容

第104回午後:第24問

医療用酸素ボンベと酸素流量計とを図に示す。酸素の流量を調節するのはどれか。

1104_1

1: ①

2: ②

3: ③

4: ④

第104回午後:第25問

直流除細動器の使用目的はどれか。

1: 呼吸の促進

2: 血圧の降下

3: 不整脈 (arrhythmia) の治療

4: 意識レベルの評価

第104回午後:第26問

内臓痛が生じるのはどれか。

1: 臓器の切開

2: 管腔臓器の受動的な過伸展

3: 細胞内カリウムイオン濃度の上昇

4: 細胞外ナトリウムイオン濃度の上昇

第104回午後:第27問

蛋白質で正しいのはどれか。

1: アミノ酸で構成される。

2: 唾液により分解される。

3: 摂取するとそのままの形で体内に吸収される。

4: 生体を構成する成分で最も多くの重量を占める。

第104回午後:第28問

膀胱で正しいのはどれか。

1: 漿膜で覆われている。

2: 直腸の後方に存在する。

3: 粘膜は移行上皮である。

4: 筋層は 2 層構造である。

第104回午後:第29問

ホルモンとその産生部位の組合せで正しいのはどれか。

1: エリスロポエチン ──── 膵臓

2: アドレナリン ──── 副腎皮質

3: 成長ホルモン ──── 視床下部

4: レニン ──── 腎臓

第104回午後:第30問

糖尿病神経障害 (diabetic neuropathy) で正しいのはどれか。

1: 運動神経は温存される。

2: 感覚障害は中枢側から起こる。

3: 三大合併症の中では晩期に発症する。

4: 自律神経障害は無自覚性低血糖に関与する。

第104回午後:第31問

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症 (human immunodeficiency virus infection) で正しいのはどれか。

1: 経皮感染する。

2: 無症候期がある。

3: DNA ウイルスによる。

4: 血液中の B 細胞に感染する。

第104回午後:第32問

気胸 (pneumothorax) について正しいのはどれか。

1: 外傷は原因の 1 つである。

2: 自然気胸 (spontaneous pneumothorax) は若い女性に多い。

3: 原因となるブラは肺底部に多い。

4: 治療として人工呼吸器による陽圧換気が行われる。

第104回午後:第33問

心電図で T 波の上昇の原因となるのはどれか。

1: 高カリウム血症

2: 低カリウム血症

3: 高カルシウム血症

4: 低カルシウム血症

第104回午後:第34問

前立腺癌 (prostate cancer) の治療薬はどれか。

1: インターフェロン

2: a 交感神経遮断薬

3: 抗アンドロゲン薬

4: 抗エストロゲン薬

第104回午後:第35問

日本国憲法第 25 条で定められているのはどれか。

1: 国民の平等性

2: 国民の生存権

3: 国民の教育を受ける権利

4: 国及び公共団体の賠償責任

第104回午後:第36問

社会福祉協議会の活動で正しいのはどれか。

1: ボランティア活動を推進する。

2: 就労の支援活動を推進する。

3: 男女共同参画を推進する。

4: がん対策を推進する。

第104回午後:第37問

疾病の発生要因と疫学要因の組合せで正しいのはどれか。

1: 食事 ──── 宿主要因

2: 職業 ──── 宿主要因

3: 細胞免疫 ──── 環境要因

4: 媒介動物 ──── 環境要因

第104回午後:第38問

職場における疾病予防の対策のうち三次予防はどれか。

1: 健康教育の実施

2: 人間ドックの受診勧奨

3: じん肺健康診断の実施

4: 職場復帰後の適正配置

第104回午後:第39問

看護師の業務で正しいのはどれか。

1: グリセリン浣腸液の処方

2: 褥婦への療養上の世話

3: 酸素吸入の流量の決定

4: 血液検査の実施の決定

第104回午後:第40問

サーカディアンリズムを整えるための援助で適切なのはどれか。

1: 毎朝同じ時刻に起床するよう促す。

2: 日中はカーテンを閉めておくよう促す。

3: 昼寝の時間を 2〜3 時間程度とるよう促す。

4: 就寝前に温かいコーヒーを摂取するよう促す。

第104回午後:第41問

仰臥位の患者の良肢位について正しいのはどれか。

1: 肩関節外転 90 度

2: 肘関節屈曲 0 度

3: 膝関節屈曲 90 度

4: 足関節底屈 0 度

第104回午後:第42問

抗癌薬の点滴静脈内注射中の患者が刺入部の腫脹と軽い痛みを訴え、看護師が確認した。直ちに行うのはどれか。

1: 刺入部を温める。

2: 注入を中止する。

3: 注入速度を遅くする。

4: 点滴チューブ内の血液の逆流を確認する。

第104回午後:第43問

死後の処置について最も適切なのはどれか。

1: 体内に挿入したチューブ類の除去は家族同席で行う。

2: 枕の高さを低くし開口を防ぐ。

3: 死亡後 2 時間以内に行う。

4: 口腔内は吸引しない。

第104回午後:第44問

グリセリン浣腸の効果で正しいのはどれか。

1: 腸管の蠕動を促進する。

2: 腸管内の炎症を和らげる。

3: 腸壁の水分吸収を促進する。

4: 腸管内のガスの吸収を促進する。

第104回午後:第45問

皮膚の構造と機能について正しいのはどれか。

1: 皮膚表面は弱酸性である。

2: 粘膜は細菌が繁殖しにくい。

3: 皮脂の分泌量は老年期に増加する。

4: アポクリン汗腺は全身に分布している。

第104回午後:第46問

与薬方法で正しいのはどれか。

1: 筋肉内注射は大殿筋に行う。

2: 点眼薬は下眼瞼結膜の中央に滴下する。

3: バッカル錠は、かんでから飲み込むよう促す。

4: 口腔内に溜まった吸入薬は飲み込むよう促す。

第104回午後:第47問

全血の検体を 25 ℃の室内に放置すると低下するのはどれか。

1: 血糖

2: 乳酸

3: 遊離脂肪酸

4: アンモニア

第104回午後:第48問

看護師の人員配置基準について定めた法律はどれか。

1: 医療法

2: 労働基準法

3: 保健師助産師看護師法

4: 看護師等の人材確保の促進に関する法律

第104回午後:第49問

放射線治療による放射線宿酔 (radiation sickness) について正しいのはどれか。

1: 晩期合併症である。

2: 食欲不振が出現する。

3: 皮膚の発赤が特徴的である。

4: 症状は 1 か月程度持続する。

第104回午後:第50問

呼吸困難を訴えて来院した患者の動脈血液ガス分析は、pH 7.32、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉72 Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉50 Torr、HCO3- 26.0 mEq/L であった。このときのアセスメントで適切なのはどれか。

1: 肺胞低換気

2: 過換気症候群 (hyperventilation syndrome)

3: 代謝性アシドーシス

4: 呼吸性アルカローシス

第104回午後:第51問

A さん(50 歳、男性)は、上腹部痛が突然出現したため、冷や汗をかき腹部を押さえながら家族と来院した。A さんは十二指腸潰瘍 (duodenal ulcer) の既往がある。このときに観察する徴候として最も適切なのはどれか。

1: Romberg〈ロンベルグ〉徴候

2: Blumberg〈ブルンベルグ〉徴候

3: Courvoisier〈クールボアジェ〉徴候

4: Trendelenburg〈トレンデレンブルグ〉徴候

第104回午後:第52問

A さん(48 歳、女性)は、卵巣癌 (ovarian cancer) の腹膜播種性転移で亜イレウス状態になった。栄養療法のために、右鎖骨下静脈から中心静脈カテーテルの挿入が行われたが、鎖骨下動脈を穿刺したため中止された。処置直後の胸部エックス線撮影で異常はなかったが、 4 時間後、A さんは胸痛と軽い呼吸困難を訴えた。最も考えられるのはどれか。

1: 血胸 (hemothorax)

2: 肺炎 (pneumonia)

3: 肺転移

4: 胸膜炎 (pleuritis)

第104回午後:第53問

A さん(42 歳、男性、会社員)は、 1 人で暮らしている。毎日、たばこを 20 本吸い、缶ビールを 3 本飲んでいた。A さんは週末にラグビーをした後、帰りに焼肉を食べるのを楽しみにしている。高尿酸血症 (hyperuricemia) で治療を受けることになり、尿酸排泄促進薬が処方された。缶ビールを 1 本に減らしたが、尿酸値が高い状態が続いている。身長 172 cm、体重 67 kg。その他の血液検査データに異常はない。A さんへの生活指導で最も適切なのはどれか。

1: 禁煙

2: 体重の減量

3: 過度な運動の回避

4: 蛋白質摂取の禁止

第104回午後:第54問

Raynaud〈レイノー〉現象のある患者への指導で正しいのはどれか。

1: 頻繁に含嗽をする。

2: 日傘で紫外線を防止する。

3: 洗顔のときは温水を使用する。

4: 筋力を維持するトレーニングを行う。

第104回午後:第55問

脳血管造影を行う患者の看護について最も適切なのはどれか。

1: 前日に側頭部の剃毛を行う。

2: 検査 30 分前まで食事摂取が可能である。

3: 検査中は患者に話しかけない。

4: 穿刺部の末梢側の動脈の拍動を確認する。

第104回午後:第56問

A さん(59 歳、男性)は、経尿道的前立腺切除術後 1 日で、強い尿意を訴えているが腹部超音波検査で膀胱に尿は貯留していない。A さんは、体温 36.9 ℃、脈拍88/分、血圧 128/86 mmHg であった。尿は淡血性で混濁はなく蓄尿バッグ内に 3時間で 350 mL 貯留している。この状態で考えられるのはどれか。

1: 尿道狭窄

2: 尿路感染症 (urinary tract infection)

3: 膀胱刺激症状

4: 膀胱タンポナーデ

第104回午後:第57問

日本の平成 24 年(2012 年)の養護者による高齢者虐待の種類で最も多いのはどれか。

1: 身体的虐待

2: 心理的虐待

3: 介護等放棄

4: 性的虐待

第104回午後:第58問

高齢者の総合機能評価〈CGA〉について正しいのはどれか。

1: 介護者の介護負担は含まない。

2: 多職種チームで結果を共有する。

3: 疾患の改善を目指すことが目的である。

4: 主な対象者は重度の要介護高齢者である。

第104回午後:第59問

A さん(70 歳、女性)は、夫の B さんと死別し、軽費老人ホームに入居している。A さんは「今、再婚をしたいと思う好きな人ができたのに、70 歳で再婚なんて恥ずかしいよと息子に叱られました。とても悲しいです」と話した。A さんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 「息子さんの気持ちは理解できます」

2: 「他の職員の考えを聞いてみましょう」

3: 「好きな人ができることは素敵なことですね」

4: 「亡くなった B さんのことは忘れてしまったのですか」

第104回午後:第60問

軽度の嚥下障害がある患者への誤嚥性肺炎 (aspiration pneumonia) の予防法で正しいのはどれか。

1: 流動食にする。

2: 軽く下顎を挙上して飲み込んでもらう。

3: 食後は 10 分程度の座位を保持する。

4: 口腔内を吸引しながらブラッシングする。

第104回午後:第61問

Parkinson〈パーキンソン〉病 (Parkinson’s disease) の症状について正しいのはどれか。

1: 満月様顔貌になる。

2: 腕を振らずに歩く。

3: 後ろに反り返って歩く。

4: 頭を左右に大きく振る。

第104回午後:第62問

A 君( 5 歳、男児)は、先天性水頭症 (congenital hydrocephalus) で脳室-腹腔〈V-P〉シャントが挿入されている。定期受診の際、看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。

1: 頭囲

2: 聴力

3: 微細運動

4: 便秘の有無

第104回午後:第63問

二分脊椎 (spina bifida) の子どもに特徴的な症状はどれか。

1: 排泄障害

2: 体重増加不良

3: 言語発達の遅延

4: 上半身の運動障害

第104回午後:第64問

セクシュアリティの意義と関連する事項の組合せで正しいのはどれか。

1: 生殖性の性 ──── ジェンダー

2: 性別としての性 ──── 常染色体

3: 連帯性としての性 ──── 種の保存

4: 性役割としての性 ──── 社会的規範

第104回午後:第65問

正常な月経周期に伴う変化で正しいのはどれか。

1: 排卵期には頸管粘液が増量する。

2: 月経の直後は浮腫が生じやすい。

3: 黄体から黄体形成ホルモン〈LH〉が分泌される。

4: 基礎体温は月経終了後から徐々に上昇して高温相になる。

第104回午後:第66問

A さん(38 歳、女性、パート勤務)は、腹痛のため、姉に付き添われて救急外来を受診した。診察時、身体には殴られてできたとみられる複数の打撲痕が確認された。腹痛の原因は夫から蹴られたことであった。A さんは「家に帰るのが怖い。姉には夫の暴力について話したくない」と泣いている。外来での看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 打撲痕を姉に見てもらう。

2: 配偶者暴力相談支援センターに通報する。

3: 暴力を受けたときの状況を具体的に話すことを求める。

4: A さんが日頃から夫を怒らせるようなことがなかったか聞く。

第104回午後:第67問

プロセスレコードについて正しいのはどれか。

1: 看護過程の 1 つの段階である。

2: 患者と家族間の言動を記述する。

3: 看護師の対人関係技術の向上に活用する。

4: 患者の精神症状をアセスメントする方法である。

第104回午後:第68問

集団精神療法の効果が最も期待できるのはどれか。

1: 過眠症

2: 躁状態

3: 薬物依存症

4: 小児自閉症

第104回午後:第69問

A さん(80 歳、女性)は、 1 人で暮らしている。内科と整形外科とを受診しているが、 2 週前から内服薬の飲み間違いがあり、主治医から訪問看護師に服薬管理の依頼があった。A さんがセルフケアを維持して内服するための訪問看護師の服薬管理の支援で最も適切なのはどれか。

1: 内服薬は薬局から訪問看護師が受け取る。

2: 自宅での内服薬の保管場所を分散する。

3: 内服指導を診療科ごとに依頼する。

4: 内服薬を 1 回分ごとにまとめる。

第104回午後:第70問

A さん(70 歳、男性)は、 1 人で暮らしている。慢性閉塞性肺疾患 (chronic obstructive pulmonary disease) のため 1 週前から在宅酸素療法(0.5 L/分、24 時間持続)が開始された。A さんは階段の昇降時に息切れがみられる。自宅での入浴の方法に関する訪問看護師の説明で最も適切なのはどれか。

1: 脱衣は看護師が全介助する。

2: 浴槽に入ることは禁止する。

3: 身体を洗うときはシャワーチェアを使う。

4: 入浴中は携帯用酸素ボンベを利用できない。

第104回午後:第71問

A さん(60 歳、男性)は、 1 年前に膵癌 (pancreatic cancer) と診断されて自宅で療養中である。疼痛管理はレスキューとして追加注入ができるシリンジポンプを使用し、オピオイドを持続的に皮下注射している。訪問看護師の A さんへの疼痛管理の指導で適切なのはどれか。

1: シリンジの交換は A さんが実施する。

2: 疼痛がないときには持続的な注入をやめてもよい。

3: レスキューとしてのオピオイドの追加注入は A さんが行う。

4: レスキューとして用いるオピオイドの 1 回量に制限はない。

第104回午後:第72問

医療における安全管理のシステム設計の原則で正しいのはどれか。

1: 個人の反省を促す。

2: 人の記憶力を重視する。

3: 作業のプロセスを標準化する。

4: いくつかの業務を同時に実施する。

第104回午後:第73問

A さん(79 歳、女性)は、癌の化学療法を受けていたが、脳出血 (cerebral hemorrhage) を起こし意識不明の状態になった。A さんの家族は回復する見込みはないと医師から説明を受けた。家族は A さんの延命を望んでおり、医師と今後の治療方針を決定する前に看護師に相談した。A さんの家族への対応で最も適切なのはどれか。

1: 医師に方針を決めてもらうよう伝える。

2: 病院の倫理委員会に判断を依頼するよう伝える。

3: A さんのアドバンスディレクティブ〈事前指示〉を確認するよう伝える。

4: 経管栄養法を開始することで A さんの身体の状態は維持できると伝える。

第104回午後:第74問

災害急性期における精神障害者への看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 名札の着用を指示する。

2: 災害の状況については説明しない。

3: 不眠が続いても一時的な変化と判断する。

4: 服薬している薬剤を中断しないように支援する。

第104回午後:第75問

災害発生後、避難先の体育館で生活を始めた高齢者への対応で最も適切なのはどれか。

1: トイレに近い場所を確保する。

2: 持参薬を回収して被災者に分ける。

3: 区画された範囲内で過ごすよう促す。

4: 私語を控えて館内の静穏が保てるように指導する。

第104回午後:第76問

自己管理を行う上で自己効力感を高める支援として最も適切なのはどれか。

1: 自己管理の目標はできるだけ高くする。

2: 必要な知識をできるだけ多く提供する。

3: 自己管理の方法で不適切な点はそのたびに指摘する。

4: 自己管理で改善できた点が少しでもあればそれを評価する。

5: 対象者が自己管理できない理由を話したときは話題を変える。

第104回午後:第77問

1 歳 0 か月の幼児の標準的な身長と体重の組合せで正しいのはどれか。

1: 身長55 cm ──── 体重6 kg

2: 身長75 cm ──── 体重6 kg

3: 身長75 cm ──── 体重9 kg

4: 身長100 cm ──── 体重9 kg

5: 身長100 cm ──── 体重12 kg

第104回午後:第78問

A さん(28 歳、初産婦)は、妊娠 11 週である。身長 160 cm、体重 52 kg(非妊時体重 50 kg)である。現在は身体活動レベルⅠ(非妊時は身体活動レベルⅡ)で妊娠経過は順調である。現時点で非妊時と比べて食事に付加することが望ましいのはどれか。

1: 糖質

2: 葉酸

3: 蛋白質

4: カリウム

5: カルシウム

第104回午後:第79問

A さん(60 歳、男性)は、統合失調症 (schizophrenia) で 20 年前から抗精神病薬を服用している。常に口を動かしているため、何か食べていないか看護師が口の中を確認するが、何も口には入っていない。A さんは「勝手に口と舌が動いてしまう」と言う。A さんに現れている症状はどれか。

1: 被害妄想

2: 作為体験

3: カタレプシー

4: 遅発性ジスキネジア

5: 静座不能〈アカシジア〉

第104回午後:第80問

小児医療に関する課題とその対応の組合せで正しいのはどれか。

1: 低出生体重児の増加 ──── 人工乳による哺育の推進

2: 育児不安が強い親の増加 ──── 子どもの自立支援

3: 障害児の在宅医療のニーズの増加 ──── レスパイトケアの充実

4: 小児救急医療を受診する子どもの増加 ──── ドクターカーの充実

5: 成人になった小児慢性疾患患者の増加 ──── 親の意思決定の支援

第104回午後:第81問

小脳の機能はどれか。 2 つ選べ。

1: 関節角度の知覚

2: 振動感覚の中継

3: 姿勢反射の調節

4: 随意運動の制御

5: 下行性の疼痛抑制

第104回午後:第82問

白血球減少症 (leukopenia) で正しいのはどれか。 2 つ選べ。

1: 好塩基球数は増加する。

2: EB ウイルス感染によって起こる。

3: 白血球数が 3,000/μL 以下をいう。

4: 好中球減少症 (neutropenia) では細菌に感染しやすくなる。

5: 無顆粒球症(agranulocytosis)は単球がなくなった病態をいう。

第104回午後:第83問

下垂体ホルモンの分泌低下により生じるのはどれか。 2 つ選べ。

1: 性早熟症 (sexual precocity)

2: 低身長症 (short stature)

3: 先端巨大症 (acromegaly)

4: Sheehan〈シーハン〉症候群 (Sheehan syndrome)

5: Cushing〈クッシング〉症候群 (Cushing syndrome)

第104回午後:第84問

抗コリン薬の投与が禁忌の疾患はどれか。 2 つ選べ。

1: 疥癬 (scabies)

2: 緑内障 (glaucoma)

3: 大腿骨骨折 (femoral fracture)

4: 前立腺肥大症 (prostatic hyperplasia)

5: 前頭側頭型認知症 (frontotemporal dementia)

第104回午後:第85問

新生児の養育に関する親への指導で適切なのはどれか。 2 つ選べ。

1: 「体温 37.0 ℃で受診させましょう」

2: 「沐浴は児が満腹のときに行いましょう」

3: 「授乳後は顔を横に向けて寝かせましょう」

4: 「衣類は大人よりも 1 枚少なくしましょう」

5: 「オムツはおなかを締めつけないように当てましょう」

第104回午後:第86問

一般的な思春期の発育の特徴について正しいのはどれか。 2 つ選べ。

1: 骨端線が閉鎖する。

2: 性的成熟は男子の方が女子より早く始まる。

3: 成長ホルモンが性腺に作用して第二次性徴が起こる。

4: 男子では身長増加のピークの前に精巣の発育が始まる。

5: 女子では身長増加のピークの前に乳房の発育が終わる。

第104回午後:第87問

前頭葉の障害に伴う症状で正しいのはどれか。 2 つ選べ。

1: 人格の変化

2: 感覚性失語

3: 自発性の欠乏

4: 平衡機能障害

5: 左右識別障害

第104回午後:第88問

精神科病棟における身体拘束時の看護で正しいのはどれか。 2 つ選べ。

1: 1 時間ごとに訪室する。

2: 拘束の理由を説明する。

3: 水分摂取は最小限にする。

4: 患者の手紙の受け取りを制限する。

5: 早期の解除を目指すための看護計画を立てる。

第104回午後:第89問

A さん(72 歳、女性)は、 1 人で暮らしており、要介護 1 で訪問看護を利用している。昨日の訪問時、看護師は高級な羽毛布団を見かけ、A さんに尋ねると購入の覚えがないと話した。別居している長男は、週 1 回電話で A さんの様子を確認している。看護師の対応として適切なのはどれか。 2 つ選べ。

1: 長男への連絡

2: 羽毛布団の返品

3: 成年後見人の選任

4: 近隣住民への聞き取り

5: A さんの判断能力の評価

第104回午後:第90問

5 %のクロルヘキシジングルコン酸塩を用いて 0.2 %希釈液 2,000 mL をつくるのに必要な薬液量を求めよ。ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第 1 位を四捨五入すること。 解答: ① ② mL ① 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ② 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

A さん(45 歳、男性)は、便に血液が混じっていたため受診した。検査の結果、直腸癌 (rectal cancer) と診断され、自律神経を部分温存する低位前方切除術が予定されている。

第104回午後:第91問

術後に予測されるのはどれか。

1: 排尿障害

2: 輸入脚症候群 (afferent loop syndrome)

3: ストーマの陥没

4: ダンピング症候群 (dumping syndrome)

第104回午後:第92問

術後 1 日。順調に経過し、A さんは離床が可能になった。腹腔内にドレーンが 1 本留置され、術後の痛みに対しては、硬膜外チューブから持続的に鎮痛薬が投与されている。看護師が A さんに痛みの状態を尋ねると、A さんは「まだ傷が痛いし、今日は歩けそうにありません」と話す。このときの対応で最も適切なのはどれか。

1: 体動時に痛む場合は歩行しなくてよいと説明する。

2: 歩行には看護師が付き添うことを提案する。

3: 歩行練習を 1 日延期することを提案する。

4: 鎮痛薬の追加使用を提案し歩行を促す。

第104回午後:第93問

術後 6 日。ドレーンから茶褐色で悪臭のある排液があった。A さんは、体温 38.2 ℃、呼吸数 20/分、脈拍 82/分、整であった。A さんの状態で最も可能性が高いのはどれか。

1: 腸炎

2: 胆汁瘻

3: イレウス (ileus)

4: 縫合不全

5: 術後出血

A さん(65 歳、男性、会社員)は、午後 2 時、会議の最中に急に発語しづらくなり、右上下肢に力が入らなくなったため、同僚に連れられて救急外来を受診した。既往歴に特記すべきことはない。来院時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ- 3 、瞳孔径は両側 2.0 mm。呼吸数 18/分、脈拍 60〜80/分、不整で、血圧 176/100 mmHg。右上下肢に麻痺がある。午後 4 時、A さんの頭部 CT の所見で特に異常は認められなかったが、MRI の所見では左側頭葉に虚血性の病変が認められた。

第104回午後:第94問

この後の治療でまず検討されるのはどれか

1: 血流の再開

2: 脳浮腫の予防

3: 出血性素因の除去

4: 脳血管攣縮の治療

第104回午後:第95問

A さんは心原性の脳梗塞 (cerebral infarction) と診断され、入院後に治療が開始された。入院後 5 日、意識レベルがジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-30 まで低下した。頭部 CT で出血性梗塞と脳浮腫とが認められ、気管内挿管・人工呼吸器管理を行い、マンニトールを投与してしばらく経過をみることになった。この時点の看護で適切なのはどれか。 2 つ選べ。

1: 電気毛布で保温する。

2: 瞳孔不同の有無を観察する。

3: 水分出納を正のバランスに管理する。

4: Cushing〈クッシング〉現象に注意する。

5: ベッドを水平位にして安静を維持する。

第104回午後:第96問

減圧開頭術後 2 週。気管内チューブは抜管され、意識レベルはジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-10 である。右上下肢の麻痺と運動性失語とが認められ、発語は少ない。利き手は右手である。A さんとのコミュニケーションの方法で最も適切なのはどれか。

1: 筆談を促す。

2: 文字盤を用いる。

3: 大きな声で話す。

4: イラストを用いる。

A さん(68 歳、女性)は、 2 年前に高血圧症 (hypertention) と診断され、カルシウム拮抗薬を服用している。高血圧をきっかけに、喫煙を 1 日 30 本から 5 本に減らし、飲酒を週 3 回から 1 回に減らした。また、減量に取り組み、 2 年間で BMI が 25.5 から 22.9 に変化した。A さんは町の健康診査で骨密度が低下していることが分かり、整形外科を受診し骨粗鬆症 (osteoporosis) と診断された。A さんは「子どもができなかったし、夫もすでに亡くなりました。 1 人暮らしで家事は自分で行っているので、骨折や寝たきりの状態は困ります」と話した。

第104回午後:第97問

A さんの骨粗鬆症 (osteoporosis) の要因として最も考えられるのはどれか

1: 肥満

2: 喫煙

3: 出産経験がないこと

4: カルシウム拮抗薬の服用

第104回午後:第99問

看護師が A さんに運動を勧めたところ、A さんは「子どものころから運動は苦手で運動を続ける自信がない」と答えた。指導の内容で最も適切なのはどれか。

1: 歩行器を使って外出する。

2: 腰背部の背屈運動をする。

3: 介護予防サービスを利用する。

4: 買い物のときに 30 分程度歩く。

A ちゃん(生後 4 か月、女児)は、 4 、 5 日前から鼻汁と咳嗽とが出現し、今朝から 38.0〜39.0 ℃の発熱があり水分摂取が困難になったため受診した。検査の結果、RS ウイルス抗原陽性で急性細気管支炎 (acute bronchiolitis) と診断され入院した。入院時、口唇色と顔色はやや不良、呼吸数 60/分、心拍数 150/分、血圧 90/52 mmHg で、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88 %であった。血液検査データは、赤血球 480 万/μL、Hb 12.8 g/dL、Ht 39 %、白血球 12,000/μL、CRP 5.5 mg/dL。動脈血液ガス分析は、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉45 Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉58 Torr であった。胸部エックス線撮影で肺野に異常陰影は認められない。

第104回午後:第100問

このときの A ちゃんに準備すべき物品で優先度が高いのはどれか

1: 加湿器

2: 酸素吸入器

3: 人工呼吸器

4: 酸素濃度計

第104回午後:第101問

A ちゃんは点滴静脈内注射が開始された。処置中、A ちゃんは嗄声で啼泣したが流涙はなく、激しく抵抗することもなかった。処置後に病室に戻ったが、皮膚の弾性が低下しており活気がない。看護師が A ちゃんの呼吸状態と併せて観察する項目で優先度が高いのはどれか。

1: 哺乳力

2: 排尿の有無

3: 排便の有無

4: 瞳孔の大きさ

5: 眼瞼結膜の色調

第104回午後:第102問

去痰薬の吸入を 1 日 3 回と、口腔内と鼻腔内の吸引を適宜実施するよう指示が出された。去痰薬の吸入後、聴診をすると呼吸数 48/分、右上葉の呼吸音が減弱していた。A ちゃんの排痰を促す適切な体位はどれか。

1: 仰臥位

2: 腹臥位

3: 右側臥位

4: 左側臥位

A ちゃん(10 歳、女児)は、両親と 3 人で暮らしている。発熱と顔色不良とを主訴に受診し入院した。血液検査データは、Hb 7.5 g/dL、白血球 75,000/μL、血小板 4 万/μLであった。骨髄検査の結果、急性リンパ性白血病 (acute lymphocytic leukemia) と診断された。医師が両親と A ちゃんに対し、病名と今後の抗癌薬治療および入院期間について説明した。両親はショックを受けていたが現実を受け止め、今後の治療や入院生活について質問し、経済的な不安を訴えた。

第104回午後:第103問

両親に情報提供する社会資源として最も適切なのはどれか

1: 養育医療

2: 自立支援医療

3: 児童扶養手当

4: 高額療養費制度

5: 小児慢性特定疾病の医療費助成

第104回午後:第104問

A ちゃんは中心静脈カテーテルが挿入され、寛解導入療法が開始された。抗癌薬が投与された後、維持液が 100 mL/時間で持続点滴されている。A ちゃんは「点滴が始まってから何回もおしっこが出ている。点滴を止めてほしい」と話している。A ちゃんの訴えを受け止めた後の A ちゃんに対する看護師の説明で適切なのはどれか。

1: 「体の中の水分が足りないから必要だよ」

2: 「白血病細胞をやっつけるために必要だよ」

3: 「ご飯があまり食べられないからご飯の代わりに必要だよ」

4: 「やっつけた白血病細胞のせいで腎臓を悪くしないために必要だよ」

第104回午後:第105問

入院後 4 か月。A ちゃんは治療が順調に進み、退院して外来で維持療法を行うことになった。今後、学校に通学する際の A ちゃんと母親に対する説明で適切なのはどれか。

1: 「体育は見学してください」

2: 「授業中はお母さんが付き添いましょう」

3: 「給食はみんなと同じものを食べてよいです」

4: 「日焼け止めクリームを塗って登校してください」

5: 「体育館での全校集会は参加しない方がよいです」

A さん(30 歳、経産婦)は、妊娠 40 週 1 日で、妊娠経過は順調であった。本日、午後 5 時に体重 3,900 g の女児を正常分娩した。会陰縫合術を受け、分娩時出血量は400 mL であった。分娩後 2 時間のバイタルサインは、体温 37.1 ℃、脈拍 64/分、血圧 124/70 mmHg であった。排尿後の子宮底の位置は臍下 1 横指、収縮良好で帰室した。A さんは午後 8 時に夕食を全量摂取し、寝るまでに水を 500 mL 飲んだ。

第104回午後:第106問

翌朝、A さんは体温 36.8 ℃、血圧 116/66 mmHg であった。就寝後から朝まで排尿はなく、子宮底の位置は臍高であった。A さんの状態で経過観察してよいのはどれか

1: 尿意なし

2: 脈拍 110/分

3: 軟らかく触れる子宮底

4: 会陰切開縫合部の痛み

第104回午後:第107問

産褥 2 日の午前 10 時。A さんは「 9 時に排尿したとき、 3 cm 大の血の塊がでました。大丈夫でしょうか」と訴えた。このとき、体温 37.3 ℃、脈拍 60/分、血圧120/64 mmHg であった。子宮底の位置は臍高で軟らかく、後陣痛は増強している。乳管口の開口数は左右 3 本ずつで初乳がみられ、乳房の発赤、硬結および熱感はない。A さんの状態で最も疑われるのはどれか。

1: 産褥熱 (puerperal fever)

2: 乳腺炎 (mastitis)

3: 子宮復古不全 (subinvolution of the uterus)

4: 妊娠高血圧症候群 (pregnancy-induced hypertension)

第104回午後:第108問

産褥 5 日。A さんは、体温 37.0 ℃、脈拍 66/分、血圧 118/60 mmHg であった。子宮底の位置は恥骨結合上 3 横指で、収縮は良好であった。児の体重は 3,950 g。直接授乳を行っており、授乳後に児はよく眠っていた。A さんは「本日退院ですが、家で気をつけることは何でしょうか。教えてください」と話す。A さんに対する退院後の指導で最も適切なのはどれか。

1: 「浴槽に入って清潔にしてください」

2: 「蛋白質の少ない食事にしてください」

3: 「悪露が増えたときは受診してください」

4: 「授乳ごとに赤ちゃんへ追加のミルクを飲ませてください」

A さん(52 歳、女性、専業主婦)は、夫と 2 人の息子との 4 人で暮らしている。A さんは内向的な性格であり、順番にまわってきた町内会の役員を引き受けたことで悩むことが多くなった。 2 か月前から食欲不振と不眠が続いている。 1 か月前から家事ができなくなり、死んでしまいたいと言い始めたため、夫が付き添って精神科を受診したところ、うつ病 (depression) と診断された。

第104回午後:第109問

A さんは「いつも体がだるくて、何もしたくない。生きていても皆に迷惑がかかるだけだ」と話す。体重減少と長期間続く不眠のため、疲れ果てた様子をみせていることから、その日のうちに入院し、薬物治療が開始された。入院当日の観察項目で優先度が高いのはどれか

1: 清潔状態

2: 水分摂取量

3: 意識レベル

4: 他者との交流状況

第104回午後:第110問

入院後 1 か月。A さんは「私は役に立たない人間です。昔から妻や母親としての役割を果たせていませんでした」と発言している。食事は 3 分の 2 を摂取できるようになり、夜間も眠れていることから、主治医は認知療法への参加を勧めた。この時点の認知療法で修正するのはどれか。

1: 内向的な性格

2: 低下した意欲

3: A さんと息子との親子関係

4: 自分は役に立たない人間だという考え方

第104回午後:第111問

入院後 2 か月。A さんと夫は主治医と面接し、A さんは 2 週後に自宅への退院を目指すことになった。それ以来、A さんは積極的に病院から自宅への外出を繰り返すようになったが、夕方に外出から戻ってくるとすぐにベッドに入り臥床していることが多くなった。うつ病 (depression) の回復期にある A さんについて情報収集する項目で優先度が高いのはどれか。

1: 希死念慮の確認

2: 外出時の食事内容

3: 外出時の服薬状況

4: A さんの家庭の経済状況

A 君( 8 歳、男児)は、携帯型電子ゲームやサッカーが好きである。A 君は宿題をしているときに、突然意識を失い、10 数秒持続する四肢の屈曲を伴うけいれんを起こした。その後、全身の筋肉の収縮と弛緩を繰り返すけいれんが 10 秒程度続き、A 君の呼吸は停止しチアノーゼが認められた。けいれんが終了し呼吸は回復したが、意識障害が持続していたため病院に救急搬送された。

第104回午後:第112問

A 君の意識は徐々に回復したが、健忘が認められる。頭部 CT 検査で頭部外傷は認められなかった。A 君は、てんかん (epilepsy) の疑いで入院した。A 君に対する検査で優先度が高いのはどれか

1: 脳波検査

2: 知能検査

3: 人格検査

4: 脳脊髄液検査

第104回午後:第113問

入院後 1 週。A 君は同じ病室に入院している他の患児と話したり、漫画を読んだりしてベッド上で過ごしている。入院後は抗てんかん薬を服用し、発作はみられていない。このときの A 君への指導内容で最も適切なのはどれか。

1: 1 人で入浴する。

2: 病棟の外を散歩する。

3: 好きな携帯型電子ゲームで遊ぶ。

4: 病棟レクリエーションへ参加する。

第104回午後:第114問

入院後 1 か月。A 君の退院が決定した。A 君の家族に対する説明として適切なのはどれか。 2 つ選べ。

1: 「今後サッカーは禁止です」

2: 「十分な睡眠をとらせてください」

3: 「規則正しい服薬が発作を予防します」

4: 「発作時はタオルを口にかませてください」

5: 「学校には病名を知らせる必要はないでしょう」

A さん(35 歳、男性、建設業)は、両親と 3 人で暮らしている。 3 年前の仕事中に屋根から転落して、第 12 胸髄を損傷した。 1 か月前から車で作業所に通い、作業中はほとんど車椅子に座っている。週 1 回の訪問看護を利用している。

第104回午後:第115問

訪問時、仙骨部に軽度の発赤を認めた。褥瘡悪化予防のために A さんに勧める内容で最も適切なのはどか。

1: 仙骨部のマッサージを行う。

2: リクライニング式の車椅子を利用する。

3: 作業中にプッシュアップ動作を取り入れる。

4: 座るときは膝関節と股関節を 60 度に曲げる。

第104回午後:第116問

A さんは繰り返し使用できるカテーテルによる間欠的自己導尿を行っている。排尿のセルフケアの指導として最も適切なのはどれか。

1: 24 時間の蓄尿を勧める。

2: カテーテルの挿入は無菌操作で行う。

3: 急に発熱した場合は医師に連絡する。

4: カテーテルを保管するケースの消毒薬は週 1 回交換する。

第104回午後:第117問

A さんは自宅のトイレを利用している。緩下薬を内服し、 2 日に 1 回浣腸を行っている。猛暑が続く 8 月の訪問時に A さんは最近便秘がちで尿量も少ないと訪問看護師に繰り返し訴えた。A さんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 水分の摂取を促す。

2: 浣腸の回数を増やす。

3: ポータブルトイレの利用を勧める。

4: 医師に別の緩下薬の処方を依頼する。

A さん(37 歳、女性)は、アジアの出身で 1 か月前に日本人の夫 (40 歳) と娘 (12 歳)とともに日本に移住した。母国語以外に簡単な言葉であれば日本語と英語は理解できる。A さんは、胸のしこりに気付き 1 週前に受診し、検査の結果、乳癌 (breast cancer) と診断された。今後の治療について説明を受けるため外来を受診する予定である。夫から「仕事が忙しく説明に立ち会えない。妻は日本語が上手く話せないがどうしたらいいですか」と電話があった。

第104回午後:第118問

このときの夫への対応で最も適切なのはどれか

1: 電話で治療について説明をする。

2: 英語での説明を医師に依頼すると伝える。

3: 母国語の医療通訳者について情報提供する。

4: 日本語を話せる娘に通訳を依頼するよう伝える。

第104回午後:第119問

術前に、術後の A さんの苦痛の程度を確認する方法について説明をすることになった。苦痛の程度を確認する方法として最も適切なのはどれか。

1: 日本語を覚えてもらう。

2: 母国語と日本語の対応表を準備する。

3: ナースコールの利用方法を説明する。

4: まばたきをしてもらうことを説明する。

第104回午後:第120問

入院初日。A さんの同室の患者から、A さんが使用している香水の香りが強く気分が悪くなるので何とかして欲しいという訴えがあった。病棟では香水の使用を禁止している。看護師が香水の使用をやめるように説明すると、A さんは医師から何も言われていないと話した。A さんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 個室の利用を勧める。

2: 同室の患者を説得する。

3: 禁止されている理由を説明する。

4: 医師の許可があればよいと説明する。