第104回午後第71問の類似問題

第100回午後:第54問

Aさん(48歳、女性)は、子宮頸癌(cancer of the uterine cervix)の手術を受けた。その後、リンパ節再発と腰椎への転移が発見され、放射線治療を受けた。現在は、外来で抗癌化学治療法を受けている。癌性疼痛に対しては、硫酸モルヒネ徐放錠を内服している。 Aさんへの外来看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 「吐き気がしても我慢してください」

2: 「毎日、1時間のウォーキングをしましょう」

3: 「家族に症状を訴えても心配をかけるだけです」

4: 「便秘で痛みが強くなるようなら、緩下剤で調節してください」

第110回午前:第40問

Aさん(63歳、男性)は、右肺癌lung cancerで化学療法を受けていたが、右腕を動かしたときに上腕から肩にかけて痛みが生じるようになった。検査を行ったところ骨転移が認められ、疼痛の原因と判断された。WHO3段階除痛ラダーに基づいてがん疼痛のコントロールを開始することになった。  この時点でAさんに使用する鎮痛薬で適切なのはどれか。

1: 非オピオイド鎮痛薬

2: 弱オピオイド鎮痛薬

3: 強オピオイド鎮痛薬

4: 鎮痛補助薬

第105回午前:第44問

Aさん(59歳、男性)は、糖尿病(diabetes mellitus)で内服治療中、血糖コントロールの悪化を契機に膵癌(pancreatic cancer)と診断され手術予定である。HbA1c 7.0 % のため、手術の7日前に入院し、食事療法、内服薬およびインスリンの皮下注射で血糖をコントロールしている。Aさんは、空腹感とインスリンを使うことの不安とで、怒りやすくなっている。 Aさんに対する説明で適切なのはどれか。

1: 「手術によって糖尿病(diabetes mellitus)は軽快します」

2: 「術後はインスリンを使用しません」

3: 「少量であれば間食をしても大丈夫です」

4: 「血糖のコントロールは術後の合併症を予防するために必要です」

第110回午前:第89問

Aさん(38歳、女性)は、大腸癌colon cancerの終末期である。癌性腹膜炎cancerous peritonitisによる症状緩和の目的で入院し、鎮痛薬の静脈内注射と高カロリー輸液が開始された。Aさんは自宅で過ごしたいと希望したため、医師と看護師で検討し、症状緩和をしながら自宅退院の方向で退院支援カンファレンスを開催することになった。  退院支援カンファレンスの参加者で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 薬剤師

2: 言語聴覚士

3: 臨床検査技師

4: 介護支援専門員

5: ソーシャルワーカー

第108回午後:第67問

Aさん(52歳、男性、独身)は、銀行員。切除不能の大腸癌(colon cancer)と診断され、外来で抗癌薬の点滴静脈内注射を受けることになった。Aさんは「治療を受けながら仕事を続けたいのですが、どうすれば良いか教えてください」と外来看護師に相談した。 外来看護師が行うAさんへの助言で最も適切なのはどれか。

1: 「所属部署の変更を上司に申し出ましょう」

2: 「副作用が出てから対応を考えましょう」

3: 「会社の健康管理部門に相談しましょう」

4: 「有給休暇を使って治療を受けましょう」

第103回午後:第48問

Aさん ( 56歳、男性 )は、進行結腸癌 (advanced colonic cancer)の術後に両側の多発肺転移が進行し、終末期 で在宅療養中であったが呼吸困難が増悪したため入院した。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は 95%であるが、安静時でも呼吸困難を訴え、浅い頻呼吸となっている。発熱はなく、咳嗽はあるが肺炎 (pneumonia)の併発はない。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 仰臥位を保つ。

2: 酸素投与は行わない。

3: モルヒネ塩酸塩の投与を検討する。

4: 安静を保つため訪室は最低限とする。

Aさん(53歳、男性、会社員)は、1週前から倦怠感が強く、尿が濃くなり、眼の黄染もみられたため、近くの医療機関を受診し黄疸と診断された。総合病院の消化器内科を紹介され受診した。時々、便が黒いことはあったが、腹痛はなかった。既往歴に特記すべきことはない。来院時のバイタルサインは、体温36.8℃、脈拍68/分、血圧134/82mmHgであった。血液検査データは、アルブミン4.2g/dL、AST〈GOT〉69IU/L、ALT〈GPT〉72IU/L、総ビリルビン14.6 mg/dL、直接ビリルビン12.5mg/dL、アミラーゼ45IU/L、Fe27μg/dL、尿素窒素16.5mg/dL、クレアチニン0.78mg/dL、白血球9,200/μL、Hb11.2g/dL、血小板23万/μL、CRP2.8mg/dLであった。

第106回午前:第93問

細胞診の結果、クラスⅤで膵頭部癌(pancreatic head carcinoma)と診断された。上部消化管内視鏡検査で十二指腸に出血を伴う膵癌(pancreatic cancer)の浸潤を認め、胃切除を伴う膵頭十二指腸切除術が行われた。術後、中心静脈栄養法〈IVH〉を行ったがインスリンの投与は必要ないと判断さ れた。経過は良好であり、食事が開始された。 このときのAさんに対する説明で適切なのはどれか。

1: 便秘が起こりやすい。

2: 脂質の制限は不要である。

3: カロリー制限が必要となる。

4: ダンピング症状が起こりやすい。

第101回午後:第52問

外来で抗癌化学療法を実施していた胃癌(gastric cancer)の患者に、皮下埋め込み式ポートによる中心静脈栄養法を開始することになった。患者・家族への指導で正しいのはどれか。

1: 入浴は禁止する。

2: 針は2週間留置可能である。

3: 注入時刻は、患者の生活に合わせる。

4: 使用済みの針は缶に入れ、市町村の分別ごみに出す。

第108回午後:第42問

Aさん(64歳、男性)は、2年前に前立腺癌(prostate cancer)と診断され、内分泌療法を受けていた。1か月前から体動時に強い痛みが腰部に生じるようになり、外来を受診したところ腰椎転移と診断された。 Aさんに生じている痛みで最も考えられるのはどれか。

1: 関連痛

2: 体性痛

3: 中枢痛

4: 内臓痛

Aさん(55歳、男性、自営業)は、父親(78歳)と2人暮らし。Aさんは、2年前から食後に心窩部痛を感じていたが、医療機関を受診していなかった。午後3時、Aさんは胃部不快感を訴えた直後、突然コップ1杯程度の吐血があり倒れた。父親が救急車を呼び、救急病院に搬送された。到着時、意識はジャパン・コーマ・スケール(JCS)Ⅰ- 3。バイタルサインは、体温36.4℃、呼吸数20/分、脈拍124/分、整、血圧86/50mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)95%。顔面は蒼白で、皮膚は湿潤している。四肢冷感を認める。眼瞼結膜は軽度貧血様であるが、黄染を認めない。腹部は平坦で腸蠕動音は微弱、心窩部に圧痛を認めるが、筋性防御はない。胃部不快感は受診前よりも改善している。担当した医師に父親が「息子は黒い便が出ると言っていた」と伝えた。

第108回午後:第120問

Aさんは、医師から「検査の結果、スキルス胃癌(scirrhous gastric carcinoma)でした。膵臓や広範囲な腹膜への転移があって手術ができない状態でした。おそらく余命半年だと思います」と告知され、1週後に退院となった。退院後3か月、Aさんは外来看護師に「ずいぶん腰痛と腹痛がひどく、腹水が溜まって動くのも大変になってきました。最期は人工呼吸器の装着など延命をしたくないのですが、それを意識がなくなったあとにも医師に伝える方法はありますか」と尋ねた。そこで、看護師はAさんにリビングウィルの説明をすることにした。 Aさんに対して看護師が行うリビングウィルの説明で正しいのはどれか。

1: 「法律で定められた文書です」

2: 「父親のグリーフケアに必要な書類です」

3: 「Aさんの自由意思で作成することができます」

4: 「一度作成すると内容を変更することはできません」

第104回午後:第52問

A さん(48 歳、女性)は、卵巣癌 (ovarian cancer) の腹膜播種性転移で亜イレウス状態になった。栄養療法のために、右鎖骨下静脈から中心静脈カテーテルの挿入が行われたが、鎖骨下動脈を穿刺したため中止された。処置直後の胸部エックス線撮影で異常はなかったが、 4 時間後、A さんは胸痛と軽い呼吸困難を訴えた。最も考えられるのはどれか。

1: 血胸 (hemothorax)

2: 肺炎 (pneumonia)

3: 肺転移

4: 胸膜炎 (pleuritis)

第103回午前:第51問

Aさん(56歳)は、膵癌 (pancreatic cancer) で幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を受け、膵臓は約 1/3に なった。経過は良好である。 Aさんの消化吸収機能で正しいのはどれか。

1: 脂肪吸収が低下する。

2: ビタミンの吸収障害が起こる。

3: 蛋白質が小腸粘膜から漏出する。

4: 炭水化物を消化する能力は低下しない。

Aさん(74歳、女性)は、右肺尖部癌(apical lung cancer)と診断され、外科的治療は困難で、外来で抗癌化学療法を実施していた。半年後、胸壁への浸潤が進行したため、抗癌化学療法目的で入院した。Aさんは5年前に夫を亡くしてからは1人暮らしをしており、入院前は、近所に住むAさんの娘が毎日訪問していた。

第101回午前:第96問

Aさんは現在、在宅酸素療法2l/分に加えて定期薬としてオキシコドン塩酸塩水和物徐放薬10 mgを 1日2回内服し、臨時追加薬としてオキシコドン塩酸塩水和物を使用している。 訪問看護師がAさんに対して行う疼痛管理の指導として適切なのはどれか。

1: 痛みがないときは定期薬の内服を中止する。

2: 食事が食べられなかったときは、定期薬の内服を中止する。

3: 臨時追加薬を内服した日付と時刻とを記録する。

4: 痛みが強いときは、臨時追加薬は間隔を空けずに追加内服する。

第105回午前:第72問

Aさん(60歳、男性)は、胃癌(gastric cancer)の手術目的で入院した。大動脈弁置換術を受けた既往があり、内服していたワルファリンをヘパリンに変更することになった。 確認すべきAさんの検査データはどれか。

1: PT-INR

2: 赤血球数

3: 白血球数

4: 出血時間

5: ヘモグロビン値

第103回午前:第74問

Aさん(70歳、男性)は、肺癌 (lung cancer) で骨転移がある。現在、Aさんは入院中であるが、 積極的な治療は望まず「家で静かに暮らしたい」と在宅療養を希望し、 24時間体制の訪問看護を利用する予定である。介護者である Aさんの妻と長男夫婦は「不安はあるが本人の希望をかなえたい」と話している。退院前に、訪問看護師が行う Aさんの家族への支援で優先度が高いのはどれか。

1: 訪問介護の利用を勧める。

2: 家族全員の看取りの意思確認をする。

3: 退院後の処置を習得するよう指導する。

4: 相談にいつでも対応することを伝える。

第103回午前:第75問

Aさん(45歳、女性)は、筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉(amyotrophic lateral sclerosis)のため自宅で療養中である。 Aさんは球麻痺症状が出現したため、経口摂取に加え、胃瘻による経管経腸栄養管理が開始された。Aさんは球麻痺症状が出現したため、経口摂取に加え、胃瘻による経管経腸栄養管理が開始された。訪問看護師が行うAさんと Aさんの家族への指導で適切なのはどれか。

1: 水分は経口による摂取を勧める。

2: 注入時間に生活パターンを合わせる。

3: 経口摂取中の体位は頸部前屈位とする。

4: 胃瘻からの半固形化栄養剤の使用は禁止する。

第108回午前:第55問

Aさん(80歳、男性)は、空腹時の胃の痛みが2週間続くため受診し、1週後に胃内視鏡検査を受けることになった。 検査を受けるAさんへの看護で適切なのはどれか。

1: 検査前日の夜に下剤を服用することを伝える。

2: 検査前に 前立腺肥大症( prostatic hyperplasia)の既往の有無を確認する。

3: 検査中は仰臥位の姿勢を保持する。

4: 検査後はすぐに食事ができることを説明する。

Aさん(53歳、男性、会社員)は、1週前から倦怠感が強く、尿が濃くなり、眼の黄染もみられたため、近くの医療機関を受診し黄疸と診断された。総合病院の消化器内科を紹介され受診した。時々、便が黒いことはあったが、腹痛はなかった。既往歴に特記すべきことはない。来院時のバイタルサインは、体温36.8℃、脈拍68/分、血圧134/82mmHgであった。血液検査データは、アルブミン4.2g/dL、AST〈GOT〉69IU/L、ALT〈GPT〉72IU/L、総ビリルビン14.6 mg/dL、直接ビリルビン12.5mg/dL、アミラーゼ45IU/L、Fe27μg/dL、尿素窒素16.5mg/dL、クレアチニン0.78mg/dL、白血球9,200/μL、Hb11.2g/dL、血小板23万/μL、CRP2.8mg/dLであった。

第106回午前:第92問

腹部造影CTにて膵頭部癌(pancreatic head carcinoma)が疑われ、内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉が行われ、膵液細胞診と膵管擦過細胞診とが行われた。また、内視鏡的経鼻胆道ドレナージ〈ENBD〉が行われ、ドレナージチューブが留置された。処置後18時間、チューブからの排液は良好で、腹痛はなく、Aさんはチューブが固定されている鼻翼の違和感を訴えている。バイタルサイン は、体温37.1℃、脈拍76/分、血圧128/80mmHgであった。血液検査データは、総ビリルビン11.2mg/dL、直接ビリルビン8.2mg/dL、アミラーゼ96IU/L、白血球9,800/μL、CRP3.5mg/dLであった。 このときのAさんへの看護で正しいのはどれか。

1: 禁食が続くことを伝える。

2: ベッド上安静が必要であることを伝える。

3: 鼻翼にドレナージチューブが接触していないか確認する。

4: ドレナージチューブを持続吸引器に接続する準備をする。

第111回午後:第42問

Aさん(55歳、男性、会社員)は胃癌gastric cancerの終末期である。  Aさんの訴えのうちスピリチュアルペインの表出はどれか。

1: 「腹痛がずっと続いています」

2: 「吐き気が続くと思うと不安です」

3: 「今後の生活にかかるお金が心配です」

4: 「これまでの自分の人生が意味のないものに思えます」

第101回午後:第53問

Aさんは、胃癌(gastric cancer)の終末期で、肺の癌性リンパ管症(lymphangiosis carcinomatosa)による呼吸困難があり「夜も眠れない」と訴えている。フェイスマスクによる酸素(8l/分)とモルヒネ塩酸塩(20 mg/日)とを投与中である。呼吸数30 /分。脈拍 120/分。痛みの訴えはない。 看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 酸素流量を15l/分に増やす。

2: モルヒネ塩酸塩の増量を検討する。

3: 呼吸は数日で楽になると説明する。

4: ネブライザーによる吸入で気道を加湿する。