第107回午前の過去問


第107回午前:第1問

平均寿命で正しいのはどれか。

1: 0歳の平均余命である。

2: 20歳の平均余命である。

3: 60歳の平均余命である。

4: 死亡者の平均年齢である。

第107回午前:第2問

平成27年(2015年)の病院報告による一般病床の平均在院日数はどれか。

1: 6.5日

2: 16.5日

3: 26.5日

4: 36.5日

第107回午前:第3問

シックハウス症候群(sick house syndrome)に関係する物質はどれか。

1: アスベスト

2: ダイオキシン類

3: 放射性セシウム

4: ホルムアルデヒド

第107回午前:第4問

介護保険法に基づき設置されるのはどれか。

1: 老人福祉センター

2: 精神保健福祉センター

3: 地域包括支援センター

4: 都道府県福祉人材センター

第107回午前:第5問

QOLを評価する項目で最も重要なのはどれか。

1: 高度医療の受療

2: 本人の満足感

3: 乳児死亡率

4: 生存期間

第107回午前:第6問

原始反射はどれか。

1: 手掌把握反射

2: 視性立ち直り反射

3: パラシュート反射

4: Landau〈ランドー〉反射

第107回午前:第7問

思春期にみられる感情の特徴はどれか。

1: 情緒的に安定し穏やかになる。

2: 思い通りにならないと泣き叫ぶ。

3: 親に対して強い愛情表現を示す。

4: 依存と独立のアンビバレント〈両価的〉な感情をもつ。

第107回午前:第8問

老年期の身体的な特徴はどれか。

1: 総水分量が増加する。

2: 胸腺の重量が増加する。

3: 嗅覚の閾値が低下する。

4: 高音域における聴力が低下する。

第107回午前:第9問

一般病床の看護職員の配置基準は、入院患者【  】人に対して看護師及び准看護師人と法令で定められている。 【  】に入るのはどれか。

1: 2

2: 3

3: 4

4: 6

第107回午前:第10問

嚥下に関わる脳神経はどれか。

1: 嗅神経

2: 外転神経

3: 滑車神経

4: 迷走神経

第107回午前:第11問

肝臓の機能で正しいのはどれか。

1: 胆汁の貯蔵

2: 脂肪の吸収

3: ホルモンの代謝

4: 血漿蛋白質の分解

第107回午前:第12問

頻回の嘔吐で生じやすいのはどれか。

1: 血尿

2: 低体温

3: 体重増加

4: アルカローシス

第107回午前:第13問

関節や神経叢の周辺に限局して起こる感覚障害の原因はどれか。

1: 脊髄障害

2: 物理的圧迫

3: 脳血管障害

4: 糖尿病の合併症(diabetes mellitus)

第107回午前:第14問

良性腫瘍と比較して悪性腫瘍でみられる特徴はどれか。

1: 被膜がある。

2: 遠隔転移する。

3: 周囲組織に浸潤しない。

4: 増殖速度が緩やかである。

第107回午前:第15問

肝障害の指標となる血液生化学検査の項目はどれか。

1: CRP

2: 尿素窒素

3: アミラーゼ

4: ALT〈GPT〉

第107回午前:第16問

排便を促す目的のために浣腸液として使用されるのはどれか。

1: バリウム

2: ヒマシ油

3: グリセリン

4: エタノール

第107回午前:第17問

他の医薬品と区別して貯蔵し、鍵をかけた堅固な設備内に保管することが法律で定められているのはどれか。

1: ヘパリン

2: インスリン

3: リドカイン

4: フェンタニル

第107回午前:第18問

面接時の質問方法でopen-ended question〈開かれた質問〉はどれか。

1: 「頭痛はありますか」

2: 「昨晩は眠れましたか」

3: 「朝食は何を食べましたか」

4: 「退院後はどのように過ごしたいですか」

第107回午前:第19問

異常な呼吸音のうち高調性連続性副雑音はどれか。

1: 笛のような音〈笛音〉

2: いびきのような音〈類鼾音〉

3: 耳元で髪をねじるような音〈捻髪音(るいかんおん)〉

4: ストローで水に空気を吹き込むような音〈水泡音〉

第107回午前:第20問

患者をベッドから車椅子へ移乗介助するときの車椅子の配置を図に示す。 左片麻痺のある患者の介助で最も適切なのはどれか。

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第107回午前:第21問

経腸栄養剤の副作用(有害事象)はどれか。

1: 咳嗽

2: 脱毛

3: 下痢

4: 血尿

第107回午前:第22問

静脈内注射を行う際に、必ず希釈して用いる注射液はどれか。

1: 5% ブドウ糖

2: 15% 塩化カリウム

3: 0.9% 塩化ナトリウム

4: 7% 炭酸水素ナトリウム

第107回午前:第23問

充塡された酸素ボンベの保管方法で正しいのはどれか。

1: 横に倒して保管する。

2: 保管場所は火気厳禁とする。

3: バルブを開放して保管する。

4: 日当たりの良い場所で保管する。

第107回午前:第24問

褥瘡発生の予測に用いるのはどれか。

1: ブリストルスケール

2: Borg〈ボルグ〉スケール

3: Braden〈ブレーデン〉スケール

4: グラスゴー・コーマ・スケール

第107回午前:第25問

平成26年(2014年)の国民健康・栄養調査において、運動習慣のある女性の割合が最も高い年齢階級はどれか。

1: 30〜39歳

2: 40〜49歳

3: 50〜59歳

4: 60〜69歳

5: 70歳以上

第107回午前:第26問

健常な成人の血液中にみられる細胞のうち、核が無いのはどれか。

1: 単球

2: 好中球

3: 赤血球

4: リンパ球

第107回午前:第27問

自発呼吸時の胸腔内圧を示す曲線はどれか。

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第107回午前:第28問

急性大動脈解離(acute aortic dissection)について正しいのはどれか。

1: 大動脈壁の外膜が解離する。

2: 診断には造影剤を用いないCT検査を行う。

3: Stanford〈スタンフォード〉分類B型では緊急手術を要する。

4: 若年者ではMarfan〈マルファン〉症候群(Marfan syndrome)の患者にみられることが多い。

第107回午前:第29問

平成24年度2012年度における社会保障給付費の内訳で多い順に並んでいるのはどれか。

1: 年金 > 医療 > 福祉その他

2: 年金 > 福祉その他 > 医療

3: 医療 > 年金 > 福祉その他

4: 医療 > 福祉その他 > 年金

第107回午前:第30問

法律とその内容の組合せで正しいのはどれか。

1: 児童福祉法 ──── 受胎調節の実地指導

2: 地域保健法 ──── 市町村保健センターの設置

3: 健康増進法 ──── 医療安全支援センターの設置

4: 学校保健安全法 ──── 特定給食施設における栄養管理

第107回午前:第31問

排泄行動が自立している入院中の男性高齢者が、夜間の排尿について「夜は何度もトイレに行きたくなります。そのたびにトイレまで歩くのは疲れます」と訴えている。 この患者の看護で適切なのはどれか。

1: おむつの使用

2: 夜間の尿器の使用

3: 就寝前の水分摂取の制限

4: 膀胱留置カテーテルの挿入

第107回午前:第32問

良質の医療を受ける権利を宣言しているのはどれか。

1: リスボン宣言

2: ヘルシンキ宣言

3: ジュネーブ宣言

4: ニュルンベルク綱領

第107回午前:第33問

看護における問題解決過程で誤っているのはどれか。

1: 多面的な情報を分析する。

2: 看護問題の優先順位は変化する。

3: 家族を含めた看護計画を立てる。

4: 看護問題は疾患によって確定される。

第107回午前:第34問

検査に用いる器具を別に示す。 Weber〈ウェーバー〉試験に用いるのはどれか。

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1: ①

2: ②

3: ③

4: ④

第107回午前:第35問

患者と看護師が面談をする際、両者の信頼関係を構築するための看護師の行動で最も適切なのはどれか。

1: 患者の正面に座る。

2: メモを取ることに集中する。

3: 患者と視線の高さを合わせる。

4: 事前に用意した文章を読み上げる。

第107回午前:第36問

成人に経鼻経管栄養法を行う際の胃管を挿入する方法で適切なのはどれか。

1: 体位は仰臥位とする。

2: 管が咽頭に達したら頸部を後屈する。

3: 咳嗽が生じた場合は直ちに抜去する。

4: 嚥下運動よりも速い速度で挿入する。

第107回午前:第37問

ボディメカニクスを活用して、看護師が患者を仰臥位から側臥位に体位変換する方法で正しいのはどれか。

1: 患者の支持基底面を狭くする。

2: 患者の重心を看護師から離す。

3: 患者の膝を伸展したままにする。

4: 患者の体幹を肩から回転させる。

第107回午前:第38問

入浴の際に血圧が低下しやすい状況はどれか。

1: 浴槽に入る前に湯を身体にかけたとき

2: 浴槽の湯に肩まで浸かったとき

3: 浴槽から出たとき

4: 浴室から脱衣所に移動したとき

第107回午前:第39問

輸血後、数日から数週間経過してから出現する副作用(有害事象)はどれか。

1: 溶血性反応

2: 末梢血管収縮反応

3: アナフィラキシー反応

4: 輸血後移植片対宿主病(post-transfusion graft-versus-host disease)〈PT-GVHD〉

第107回午前:第40問

上部消化管内視鏡検査について適切なのはどれか。

1: 2時間前から絶飲食とする。

2: 前投薬には筋弛緩薬を用いる。

3: 体位は左側臥位とする。

4: 終了直後から飲食は可能である。

第107回午前:第41問

全身麻酔下で食道再建術を受ける患者への術前オリエンテーションで適切なのはどれか。

1: 「口から息を吸って鼻から吐く練習をしてください」

2: 「手術の直前に下剤を飲んでもらいます」

3: 「手術中はコンタクトレンズをつけたままで良いです」

4: 「麻酔の際は喉に呼吸用の管を入れます」

第107回午前:第42問

生活習慣が発症に関連している疾患はどれか。

1: 肺気腫(pulmonary emphysema)

2: 1型糖尿病(type1 diabetes mellitus)

3: 肥大型心筋症(hypertrophic cardiomyopathy)

4: 重症筋無力症(myasthenia gravis)

第107回午前:第43問

難病の患者に対する医療等に関する法律〈難病法〉に基づく医療費助成の対象となる疾患はどれか。

1: 中皮腫(mesothelioma)

2: C型肝炎(hepatitis C)

3: 慢性腎不全(chronic renal failure)

4: 再生不良性貧血(aplastic anemia)

第107回午前:第44問

慢性疾患の患者に対する自己管理の支援で最も適切なのはどれか。

1: 患者自身の失敗体験をもとに指導する。

2: 病気に関する広範囲な知識を提供する。

3: 症状に慣れる方法を身につけるように促す。

4: 自分の身体徴候を把握するように指導する。

第107回午前:第45問

Aさん(56歳、男性)は、化学療法後の血液検査にて好中球数300/mm3であった。 Aさんの状態で正しいのはどれか。

1: 入浴を控える必要がある。

2: 日和見感染症(opportunistic infection)のリスクが高い。

3: 口腔ケアには歯間ブラシを用いる必要がある。

4: 化学療法の開始前と比べリンパ球数は増加している。

第107回午前:第46問

Aさん(35歳、男性)。身長175cm、体重74kgである。1か月前から腰痛と右下肢のしびれが続くため受診した。腰椎椎間板ヘルニア(lumbar disc herniation)と診断され、保存的療法で経過をみることになった。 Aさんへの生活指導として適切なのはどれか。

1: 「体重を減らしましょう」

2: 「痛いときは冷罨法が効果的です」

3: 「前かがみの姿勢を控えましょう」

4: 「腰の下に枕を入れて寝ると良いですよ」

第107回午前:第47問

老年期の心理社会的葛藤を「統合」対「絶望」と表現した人物はどれか。

1: ペック,R.C.(Peck,R.C.)

2: バトラー,R.N.(Butler,R.N.)

3: エリクソン,E.H.(Erikson,E.H.)

4: ハヴィガースト,R.J.(Havighurst,R.J.)

第107回午前:第48問

平成26年(2014年)の国民生活基礎調査における65歳以上の高齢者がいる世帯について正しいのはどれか。

1: 単独世帯は1割である。

2: 三世代世帯は3割である。

3: 夫婦のみの世帯は4割である。

4: 親と未婚の子のみの世帯は2割である。

第107回午前:第49問

Aさん(66歳、男性)は、Lewy〈レビー〉小体型認知症(dementia with Lewy bodies)であるが、日常生活動作〈ADL〉は自立している。介護老人保健施設の短期入所〈ショートステイ〉を初めて利用することとなった。施設の看護師は、同居している家族から「以前、入院したときに、ご飯にかかっているゴマを虫だと言って騒いだことがあったが、自宅ではそのような様子はみられない」と聞いた。 入所当日の夜間の対応で適切なのはどれか。

1: 虫はいないと説明する。

2: 部屋の照明をつけたままにする。

3: 細かい模様のある物は片付ける。

4: 窓のカーテンは開けたままにする。

第107回午前:第50問

Aさん(70歳、女性)。夫(72歳)と2人暮らし。慢性腎不全(chronic renal failure)のため腹膜透析を行うことになった。認知機能や身体機能の障害はない。腹膜透析について説明を受けた後、Aさんは「私のように高齢でも自分で腹膜透析をできるのか心配です。毎日続けられるでしょうか」と話した。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 「誰でも簡単にできます」

2: 「ご家族に操作をしてもらいましょう」

3: 「訪問看護師に毎日見守ってもらいましょう」

4: 「同年代で腹膜透析をしている人の体験を聞いてみましょう」

第107回午前:第51問

Aさん(80歳、女性)。大腿骨頸部骨折(femoral neck fracture)のため人工骨頭置換術を受けた。手術後14日、Aさんの経過は順調で歩行訓練を行っている。歩行による疼痛の訴えはない。 現在のAさんの状態で最も注意すべきなのはどれか。

1: せん妄

2: 創部感染

3: 股関節脱臼(hip dislocation)

4: 深部静脈血栓症(deep vein thrombosis)

第107回午前:第52問

胎生期から小児期の血清免疫グロブリン濃度の年齢による変動を図に示す。 ①が示しているのはどれか。

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1: IgA

2: IgD

3: IgG

4: IgM

第107回午前:第53問

Aちゃん(生後4か月、女児)は、嘔吐とけいれんのため病院を受診した。受診時、Aちゃんは傾眠状態で、顔色不良と眼球上転がみられたため入院となった。受診時の体温は36.8℃であった。四肢は硬直し、数か所の内出血斑があった。大泉門は平坦であったが、次第に膨隆を認めるようになった。このときの頭部CTを別に示す。 Aちゃんの所見として考えられるのはどれか。

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1: 急性脳症(acute encephalopathy)

2: てんかん(epilepsy)

3: 硬膜下血腫(subdural hematoma)

4: 細菌性髄膜炎(bacterial meningitis)

第107回午前:第54問

性同一性障害(gender identity disorder)〈GID〉/ 性別違和(gender dysphoria)〈GD〉について正しいのはどれか。

1: 出現するのは成人期以降である。

2: ホルモン療法の対象にはならない。

3: 生物学的性と性の自己認識とが一致しない。

4: 生物学的性と同一の性への恋愛感情をもつことである。

第107回午前:第55問

ルービン,R.(Rubin,R.)による母親役割獲得過程におけるロールプレイはどれか。

1: 友人の出産体験を聞く。

2: 人形で沐浴の練習をする。

3: 購入する育児用品を考える。

4: 看護師が行う児の抱き方を見る。

第107回午前:第56問

産科外来を初めて受診した妊婦。夫婦ともに外国籍で、日本の在留資格を取得している。 この妊婦への説明で正しいのはどれか。

1: 「母子健康手帳は有料で入手できます」

2: 「妊婦健康診査は公費の助成を受けられます」

3: 「出生届は外務省に提出します」

4: 「生まれた子どもは出生時に日本国籍を取得できます」

第107回午前:第57問

大震災の2日後、避難所にいる成人への心理的援助で適切なのはどれか。

1: 宗教の多様性への配慮は後で行う。

2: 会話が途切れないように話しかける。

3: 確証がなくても安全であると保証する。

4: ストレス反応に関する情報提供を行う。

第107回午前:第58問

修正型電気けいれん療法について正しいのはどれか。

1: 保護室で行う。

2: 全身麻酔下で行う。

3: 強直間代発作が生じる。

4: 発生頻度の高い合併症は骨折である。

第107回午前:第59問

自殺念慮を訴える患者で、自殺が最も切迫している状態はどれか。

1: 自殺の手段が未定である。

2: 自殺する日を決めている。

3: 将来の希望について時々話す。

4: 普段と変わらない様子で生活している。

第107回午前:第60問

養護者による虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者が、高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律〈高齢者虐待防止法〉に基づき通報する先として正しいのはどれか。

1: 市町村

2: 警察署

3: 消防署

4: 訪問看護事業所

第107回午前:第61問

Aさん(83歳、男性)は、脳梗塞の後遺症(cerebral infarction)で右片麻痺があり、在宅療養中である。 嚥下障害のため胃瘻を造設している。義歯を装着しているが、自分の歯が数本残っている。 Aさんの口腔ケアについて、介護者への指導で適切なのはどれか。

1: 義歯を装着したまま歯を磨く。

2: 経管栄養直後に実施する。

3: ペースト状の歯磨剤を使用する。

4: 歯垢の除去には歯ブラシを用いる。

第107回午前:第62問

特別訪問看護指示書による訪問看護について正しいのはどれか。

1: 提供できる頻度は週に3回までである。

2: 提供できる期間は最大6か月である。

3: 対象に指定難病は含まない。

4: 医療保険が適用される。

第107回午前:第63問

要介護2と認定された高齢者の在宅療養支援において、支援に関与する者とその役割の組合せで適切なのはどれか。

1: 介護支援専門員 ──── 家事の援助

2: 市町村保健師 ──── 居宅サービス計画書の作成

3: 訪問看護師 ──── 日常生活動作〈ADL〉の向上のための訓練

4: 訪問介護員 ──── 運動機能の評価

第107回午前:第64問

日本の医療保険制度について正しいのはどれか。

1: 健康診断は医療保険が適用される。

2: 75歳以上の者は医療費の自己負担はない。

3: 医療保険適用者の約割が国民健康保険に加入している。

4: 健康保険の種類によって1つのサービスに対する診療報酬の点数が異なる。

第107回午前:第65問

日本の医療提供施設について正しいのはどれか。

1: 病院数は1995年から増加傾向である。

2: 2013年の人口対病床数は先進国の中で最も多い。

3: 介護老人保健施設数は2000年から減少傾向である。

4: 精神科の平均在院日数は1990年から先進国で最短である。

第107回午前:第66問

看護師が自ら進んで能力を開発することの努力義務を定めているのはどれか。

1: 医療法

2: 労働契約法

3: 教育基本法

4: 看護師等の人材確保の促進に関する法律

第107回午前:第67問

災害医療について正しいのはどれか。

1: 災害拠点病院は市町村が指定する。

2: 医療計画の中に災害医療が含まれる。

3: 防災訓練は災害救助法に規定されている。

4: 災害派遣医療チーム〈DMAT〉は災害に関連した長期的な医療支援活動を担う。

第107回午前:第68問

小腸で消化吸収される栄養素のうち、胸管を通って輸送されるのはどれか。

1: 糖質

2: 蛋白質

3: 電解質

4: 中性脂肪

5: 水溶性ビタミン

第107回午前:第69問

性周期が規則的で健常な成人女性において、着床が起こる時期に血中濃度が最も高くなるホルモンはどれか。

1: アルドステロン

2: プロゲステロン

3: エストラジオール

4: 黄体形成ホルモン〈LH〉

5: 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉

第107回午前:第70問

腹部CTを別に示す。胆石が半年間で胆囊内をAからCまで移動した。 Cの状態を表すのはどれか。

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1: 嵌頓

2: 侵入

3: 転位

4: 停留

5: 迷入

第107回午前:第71問

胸腺腫(thymoma)に合併する疾患で多くみられるのはどれか。

1: Parkinson〈パーキンソン〉病(Parkinson disease)

2: 筋ジストロフィー(muscular dystrophy)

3: 重症筋無力症(myasthenia gravis)

4: 多発性硬化症(multiple sclerosis)

5: 多発性筋炎(polymyositis)

第107回午前:第72問

頭部CTを別に示す。 論理的思考を制御する領域はどれか。

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1: A

2: B

3: C

4: D

5: E

第107回午前:第73問

糖尿病(diabetes mellitus)の合併症のうち、健康日本21(第二次)の目標に含まれるのはどれか。

1: 腎症

2: 感染症

3: 網膜症

4: 神経障害

5: 血行障害

第107回午前:第74問

創傷の治癒過程で炎症期に起こる現象はどれか。

1: 創傷周囲の線維芽細胞が活性化する。

2: 肉芽の形成が促進される。

3: 滲出液が創に溜まる。

4: 創の収縮が起こる。

5: 上皮化が起こる。

第107回午前:第75問

Ménière〈メニエール〉病(Ménièreʼs disease)の患者への指導内容について正しいのはどれか。

1: 静かな環境を保持する。

2: 発作時は部屋を明るくする。

3: めまいがあるときは一点を凝視する。

4: 嘔吐を伴う場合は仰臥位安静にする。

5: 耳鳴があるときは周囲の音を遮断する。

第107回午前:第76問

車椅子での座位の姿勢を別に示す。 このような姿勢を長時間続けることで最も褥瘡が発生しやすい部位はどれか。

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1: 右肘関節部

2: 右大転子部

3: 左坐骨結節部

4: 左膝関節外側部

5: 左足関節外果部

第107回午前:第77問

平成26年(2014年)の人口動態統計において、1〜4歳の死因で最も多いのはどれか。

1: 肺炎(pneumonia)

2: 心疾患(heart diseases)

3: 悪性新生物(malignant neoplasms)

4: 不慮の事故

5: 先天奇形、変形及び染色体異常

第107回午前:第78問

Aちゃん(8歳、女児)は、白血病(leukemia)の終末期で入院しているが、病状は安定している。両親と姉のBちゃん(10歳)の4人家族である。 Aちゃんの家族へ看護師が伝える内容として適切なのはどれか。

1: 「Aちゃんは外出できません」

2: 「Bちゃんは面会できません」

3: 「Aちゃんが食べたい物を食べて良いです」

4: 「Aちゃんよりもご家族の意思を優先します」

5: 「Aちゃんに終末期であることは伝えないでください」

第107回午前:第79問

Aさん(28歳、女性)は、2歳の子どもを養育しながら働いている。 Aさんが所定労働時間の短縮を希望した場合、事業主にその措置を義務付けているのはどれか。

1: 児童福祉法

2: 労働基準法

3: 男女共同参画社会基本法

4: 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律〈男女雇用機会均等法〉

5: 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉

第107回午前:第80問

難病患者が自分の病気について学ぶことで不安を解消しようとする防衛機制はどれか。

1: 否認

2: 昇華

3: 知性化

4: 合理化

5: 反動形成

第107回午前:第81問

新人看護師のAさんは、夜勤の看護師からの引き継ぎが終了した後、日勤で行う業務を書き出した。  Aさんが書き出した以下の業務のうち最も優先して行うのはどれか。

1: 頭部の搔痒感を訴える患者の洗髪

2: 夜間せん妄のあった患者との散歩

3: 午後に入院する患者の診療録の準備

4: 翌日に検査を受ける予定の患者への説明

5: 人工呼吸器を装着中の患者の状態の確認

第107回午前:第82問

車軸関節はどれか。2つ選べ。

1: 正中環軸関節

2: 腕尺関節

3: 上橈尺関節

4: 指節間関節

5: 顎関節

第107回午前:第84問

パルスオキシメータを別に示す。 表示されている数値が示すのはどれか。2つ選べ。

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1: 脈拍数

2: 酸素分圧

3: 酸素飽和度

4: 重炭酸濃度

5: 二酸化炭素濃度

第107回午前:第85問

網膜剝離(retinal detachment)について正しいのはどれか。2つ選べ。

1: 確定診断のために眼底検査を行う。

2: 前駆症状として光視症がみられる。

3: 初期症状として夜盲がみられる。

4: 失明には至らない。

5: 若年者に好発する。

第107回午前:第86問

労働基準法で定められているのはどれか。2つ選べ。

1: 妊娠の届出

2: 妊婦の保健指導

3: 産前産後の休業

4: 配偶者の育児休業

5: 妊産婦の時間外労働の制限

第107回午前:第87問

ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染症(human immunodeficiency virus infection)について適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 本人より先に家族に病名を告知する。

2: 国内では異性間性的接触による感染が最も多い。

3: 適切な対応によって母子感染率を下げることができる。

4: 性行為の際には必ずコンドームを使用するよう指導する。

5: HIVに感染していれば後天性免疫不全症候群〈AIDS〉(acquired immunodeficiency syndrome)と診断できる。

第107回午前:第88問

Aさん(63歳、男性)。BMI24。前立腺肥大症(prostatic hyperplasia)のため経尿道的前立腺切除術を受け、手術後3日で膀胱留置カテーテルが抜去された。数日後に退院する予定である。 Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 散歩を控える。

2: 水分摂取を促す。

3: 長時間の座位を控える。

4: 時間をかけて入浴する。

5: 排便時に強くいきまないようにする。

第107回午前:第89問

精神科病院で行動制限を受ける患者への対応で正しいのはどれか。2つ選べ。

1: 行動制限の理由を患者に説明する。

2: 原則として2名以上のスタッフで対応する。

3: 信書の発受の対象は患者の家族に限定する。

4: 精神保健指定医による診察は週1回とする。

5: 12時間を超えない隔離は看護師の判断で実施する。

第107回午前:第90問

3L/分で酸素療法中の入院患者が、500L酸素ボンベ(14.7MPaで充塡)を用いて移動した。現在の酸素ボンベの圧力計は5MPaを示している。 酸素ボンベの残りの使用可能時間を求めよ。 ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。 解答:[ ① ][ ② ] 分 ① 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ② 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

Aさん(56歳、男性)は、コンビニエンスストアの店長で自動車を運転して通勤している。不規則な生活が続き、ストレスが溜まることも多く、十分な睡眠がとれないこともあった。荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現し受診したところ、狭心症(angina pectoris)が疑われたため検査をすることになった。脂質異常症(dyslipidemia)の既往がある。

第107回午前:第91問

Aさんの運動負荷心電図検査(トレッドミル運動負荷試験)の結果を別に示す。 このときの心電図の所見で適切なのはどれか。

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1: 発作時はST低下がある。

2: 発作時はP波が低下している。

3: 安静時は異常Q波がある。

4: 安静時は冠性T波がある。

5: 安静時と発作時ともにQRS幅が拡大している。

第107回午前:第92問

検査の結果、Aさんは労作性狭心症(angina of effort)と診断され、硝酸薬、カルシウム拮抗薬および抗血小板薬を内服することになった。その後、外来通院を続け、以前と同様に負荷のかかる作業もできるようになった。内服治療から1か月後、胸部の圧迫感が強くなり、時々左上腕から前腕にかけての放散痛も出現するようになったため、経皮的冠動脈形成術〈PCI〉を受けた。カテーテルは右大腿動脈から挿入されていた。 手術中から抗凝固療法を実施している。 手術直後の観察項目として適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 乏尿の有無

2: 皮膚の黄染

3: 出血の有無

4: 両足背動脈の触知

5: 刺部位の感染徴候

第107回午前:第93問

Aさんの経過は順調で、手術後4日に退院することになった。Aさんは「家に戻ってもまた症状が出るのではないかと心配です」と話した。 Aさんに対する退院指導の内容として適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 「水分摂取を控えましょう」

2: 「肉類を多く食べましょう」

3: 「睡眠時間を確保しましょう」

4: 「自動車の運転はやめましょう」

5: 「次回の外来受診までは重い荷物を運ぶ作業は控えましょう」

Aさん(55歳、男性)。胃癌(gastric cancer)のため胃全摘出術を受けた。術中の出血量は300mLで、輸血は行われなかった。既往歴に特記すべきことはない。入院時身長166cm、体重78kg。手術後1日、硬膜外持続鎮痛法が行われているが、Aさんは創部痛が強いため呼吸が浅く、離床はできていない。このときのバイタルサインは、体温37.1℃、呼吸数22/分、脈拍120/分、血圧162/90mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(鼻カニューラ2L/分 酸素投与下)。Hb13.8g/dL。尿量60mL/時。意識清明、心音および呼吸音に異常なし。頸静脈怒張なし。下肢に浮腫なし。創部に熱感や発赤を認めない。腹腔ドレーンからは少量の淡血性排液があるが膿性ではなく、異臭もない。

第107回午前:第94問

このときのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。

1: 貧血のため脈拍が速い。

2: 疼痛のため血圧が高い。

3: 創部感染のため体温が高い。

4: 心不全のため呼吸数が多い。

第107回午前:第95問

手術後5日からAさんの食事が開始された。Aさんは食事の後に、めまい、顔面紅潮、動悸、下腹部痛を伴う下痢が出現し、冷汗がみられるようになった。 現状で最も考えられるのはどれか。

1: 術後せん妄

2: 乳糖不耐症

3: 偽膜性大腸炎(pseudomembranous colitis)

4: ダンピング症候群(dumping syndrome)

第107回午前:第96問

手術後14日、Aさんは食後に出現していた症状が落ち着き、退院が決まった。 Aさんへの退院指導の内容で適切なのはどれか。

1: 1回の食事量を増やす。

2: 海草を積極的に摂取する。

3: 食後の冷汗が出現した際には身体を温める。

4: 空腹時はコーヒーなどの刺激物の摂取を避ける。

Aさん(75歳、女性)。1人暮らし。脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左不全麻痺があり、要介護1の認定を受けている。最近、夜間に中途覚醒することが多い。昨夜、トイレに行く際に転倒し、右手をついた。転倒後から右上肢の痛みがあり、翌朝になっても痛みが強かったため受診した。エックス線写真の結果から、右の上腕骨近位部骨折(proximal humerus fracture)と診断され、入院した。

第107回午前:第97問

Aさんの骨折に対して保存療法が行われることとなった。骨折の固定法を図に示す。 Aさんの骨折部の固定として適切なのはどれか。

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第107回午前:第98問

入院後2日。Aさんは日中、ベッドで横になってテレビを観ていることが多い。 Aさんが尿意を訴えたため、看護師が付き添ってトイレに行くことになった。 移動の方法として適切なのはどれか。

1: 右腕を使って起き上がる。

2: しばらく座位をとってから立ち上がる。

3: 骨折部の痛みがあるときも歩いてトイレに行く。

4: ベッドの高さは腰掛けたときにつま先が床に着くよう調整しておく。

第107回午前:第99問

Aさんは入院後 7日で退院し、介護老人保健施設に入所した。現在はリハビリテーションを行っている。 退所後の再転倒を予防するためのAさんへの指導で適切なのはどれか。

1: 家の中で過ごす。

2: 歩幅を小さくして歩く。

3: 足関節の底背屈運動をする。

4: 就寝前に睡眠薬を内服する。

Aちゃん(3歳、女児)は、父親(会社員)と母親(会社員)との3人暮らし。Aちゃんは、生後11か月のときに、卵による食物アレルギー(food allergy)と診断され、医師の指示で卵の除去食療法をしていた。保育所では卵を除去した給食が提供されている。Aちゃんは保育所の給食の時間に、隣の席の園児の卵が入ったおかずを摂取し、蕁麻疹と咳嗽が出現した。保育士に連れられて救急外来を受診した。Aちゃんは保育士に抱っこされ、「かゆい」と訴えており、咳込みがみられた。

第107回午前:第100問

受診時に観察する項目で優先度が高いのはどれか。

1: 体温

2: 心拍数

3: 腸蠕動音

4: 蕁麻疹の範囲

第107回午前:第101問

Aちゃんは、食物アレルギー(food allergy)によるアナフィラキシー(anaphylaxis)と診断された。アドレナリンの筋肉内注射の後、点滴静脈内注射による補液と酸素吸入が開始された。バイタルサインは問題なく、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉99%であったが、経過観察のため入院となった。Aちゃんは「お母さんに会いたい。おうちに帰りたい」と泣き始めた。母親は、保育所から連絡を受けて病院に到着し、医師から現在の病状について説明を受けた。母親は「Aは大丈夫ですか」と看護師に不安を訴えていた。 母親への看護師の対応として最も適切なのはどれか。

1: 入院中の生活の留意点を説明する。

2: 父親が到着するまで待合室で待機してもらう。

3: 来院時から現在までのAちゃんの様子を伝える。

4: A ちゃんが食物アレルギー(food allergy)と診断されたときの母親の思いを聴く。

第107回午前:第102問

翌日、Aちゃんは症状が落ち着いたため退院することとなった。母親は「卵を除去した給食を出してもらっていたのですが、また今回の様なことが起こるのではないかと心配です」と不安な様子である。 このときの母親への指導として最も適切なのはどれか。

1: 「保育所はしばらくお休みしましょう」

2: 「給食内容を保育所の栄養士に相談しましょう」

3: 「今後の給食時の対応を保育士と相談しましょう」

4: 「保育所の園児に保育士からアレルギーについて説明してもらいましょう」

在胎38週4日、骨盤位のため予定帝王切開術で出生した男児。看護師はインファントラジアントウォーマー下で児の全身を観察した。羊水混濁はなかった。 身体所見: 身長49.0cm、体重2,900g、頭囲33.0cm、胸囲32.0cm。直腸温37.8℃、呼吸数55/分、心拍数150/分。大泉門は平坦、骨重積なし、産瘤なし、頭血腫なし。胎脂は腋窩にあり。筋緊張は強く、四肢は屈曲位。皮膚は厚い。うぶ毛は背中の1/2にあり。耳介は硬い。精巣は両側ともに完全に下降。外表奇形はなし。 検査所見: Apgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後10点。臍帯動脈血pH7.30。

第107回午前:第103問

この児のアセスメントで適切なのはどれか。

1: 新生児仮死

2: 成熟児

3: 高体温

4: 水頭症(hydrocephalus)

第107回午前:第104問

出生後2時間。児のバイタルサインを確認したところ、直腸温37.5℃、呼吸数75/分、心拍数160/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉87%であった。心雑音はなし。鼻翼呼吸および呻吟がみられた。四肢末端にチアノーゼあり。 この児の状態で考えられるのはどれか。

1: 胎便吸引症候群〈MAS〉(meconium aspiration syndrome)

2: 呼吸窮迫症候群〈RDS〉(respiratory distress syndrome)

3: 心室中隔欠損症〈VSD〉(ventricular septal defect)

4: 新生児一過性多呼吸〈TTN〉(transient tachypnea of newborn)

第107回午前:第105問

"日齢7 。児の体重は2,930g(前日より30g増加)。バイタルサインは、腋窩温37.0℃、呼吸数50/分、心拍数140/分。大泉門は平坦。排尿 7回/日、排便10回/日の普通便である。経皮的黄疸計による測定値12.5mg/dL。児の母親は母乳育児を希望している。母乳分泌量は良好で乳房トラブルはない。直接授乳を1日12回しており、搾乳や人工乳は哺乳していない。母親は看護師に「体重は生まれたときから30gしか増えていませんが、大丈夫でしょうか」と話した。 母親への対応で最も適切なのはどれか。"

1: 「乳房を温めましょう」

2: 「哺乳量を測りましょう」

3: 「搾乳も追加であげましょう」

4: 「このまま直接授乳を続けて良いですよ」

Aさん(50歳、男性)は、23歳で統合失調症(schizophrenia)を発症し、精神科病院へ5回入院したことがある。1年前に、被害妄想が原因で隣人に暴力を振るい措置入院となった。入院後2か月で自傷他害の恐れは消失し、医療保護入院へ切り替えられたが、幻覚や妄想があり家族へ1日に何回も電話をかけていた。その後は家族へ電話をかける回数が減り、病棟での生活も安定してきた。幻聴は続いているが、自分の身の回りのことは自分で行えるようになった。作業療法も継続して参加できていることから、退院を検討することになった。

第107回午前:第106問

Aさんの退院について、両親は「退院は反対。入院前のように隣人とトラブルになるのではないかと不安です。私達も高齢になってきたので負担が大きいです」と話した。 このときの両親への看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 退院後に活用できる社会資源について情報提供する。

2: Aさんの主治医に入院の継続を依頼するよう勧める。

3: Aさんの現在の病状を隣人に説明するよう勧める。

4: 退院の承諾は家族の義務であることを伝える。

第107回午前:第107問

その後もAさんの両親は、高齢であることを理由に自宅への退院には同意しなかった。 Aさんの退院を計画的に進めるために行うことで適切なのはどれか。

1: 精神医療審査会の開催

2: 入院診療計画書の修正

3: 行動制限最小化委員会の開催

4: 医療保護入院者退院支援委員会の開催

第107回午前:第108問

Aさんの退院については、アパートでの単身生活か、共同生活援助〈グループホーム〉での生活を目指すことになった。 Aさんの精神科リハビリテーションを進めるにあたり、病棟看護師が連携する職種で最も優先度が高いのはどれか。

1: 退院後生活環境相談員

2: 理学療法士

3: 介護福祉士

4: 栄養士

Aさん(76歳、女性)は、長女(46歳、会社員)との2人暮らし。Aさんは5年前に2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus)と診断された。1年前から血糖測定とインスリン自己注射を朝1回行っている。炊事は主にAさんが担当している。Aさんは、長女の帰宅に合わせて夕食を摂るため、夕食時間にばらつきがある。定期の外来受診時にAさんは「時々汗が出て手が震えることがあります」と外来看護師に相談した。Aさんのバイタルサインは、体温36.4℃、脈拍74/分、血圧128/80mmHg。身長154cm、体重68kgである。

第107回午前:第109問

このとき、外来看護師がAさんに行う指導で適切なのはどれか。

1: 糖質を含まない水分を摂取する。

2: 労作後は食事摂取量を増やす。

3: 決まった食事時間を設定する

4: 空腹感に応じて食事を摂る。

第107回午前:第110問

1か月後、Aさんと一緒に外来を訪れた長女は「今までインスリンの治療は母に任せてきましたが、母は眼が見えにくく、インスリンの量が多い日があったようです。母が自己注射を続けられるように、私も手伝えればと思います」と外来看護師に話した。外来受診時、Aさんに末梢神経障害の症状は認められず、手指の動きに問題はなかった。 Aさんがインスリン自己注射を行う上で、外来看護師が行う長女への助言で適切なのはどれか。

1: 「インスリンの量は娘さんが一緒に確認しましょう」

2: 「血糖測定は娘さんが代わりに行いましょう」

3: 「注射の針はつけたままにしましょう」

4: 「注射の部位は上腕を選びましょう」

第107回午前:第111問

6か月後の外来受診時に、同席していた長女が「甘い物ばかり食べる母を叱ってしまいます」と外来看護師に話した。Aさんは黙って話を聞いていた。前回の受診から低血糖症状はなく、体重は3kg増加した。Aさんは日中テレビを観て過ごしていることが多い。 外来看護師が別室で長女に提案する内容で最も適切なのはどれか。

1: 「糖尿病食の作り方を覚えましょう」

2: 「厳しいことを言わないようにしましょう」

3: 「甘い物をAさんから見えない場所に置きましょう」

4: 「甘い物を食べてしまうAさんの気持ちを聞いてみましょう」

Aさん(38歳、男性)。23時ころ、徒歩で来院した。Aさんは胸を押さえ苦しそうに待合室で座っており、救急外来の看護師が声をかけると、Aさんは日本語を少し話すことができ、外出中に急に胸が痛くなったと話した。Aさんは英語は話せないようだった。Aさんは日本語学校の学生であり、Aさんの指定した番号に電話したところ、Aさんの妻につながり、日本語でのコミュニケーションが可能であった。妻は1時間後に病院に到着できるということだった。この病院には、夜間にAさんの母国語を話せる職員はいなかった。

第107回午前:第112問

医師の診察までに救急外来の看護師が行う対応として適切なのはどれか。

1: Aさんの在留資格を確認する。

2: Aさんの母国の大使館に連絡する。

3: Aさんの理解度に応じた日本語で症状を聴取する。

4: 妻が来院するまでAさんに待合室で待ってもらう。

第107回午前:第113問

Aさんの妻が、Aさんの国民健康保険証を持って救急外来に到着した。妻から聴取した情報によると、Aさんは特に既往はないが、時々頭痛があり、母国で市販されていた鎮痛薬を常用していたとのことであった。心電図でST上昇が認められ、Aさんと妻は、医師から「入院して冠動脈造影〈CAG〉を受けないと命の危険があるかもしれない」と説明を受けた。しかし、Aさんは「たくさんの費用は支払えないし、学校を休むのが心配だ」と検査を受けることを拒んだ。 このときの救急外来の看護師の説明で優先されるのはどれか。

1: 検査の手順を説明する。

2: 学校は退学にならないことを説明する。

3: 宗教に応じた食事対応ができることを説明する。

4: 医療費は国民健康保険が適用されることを説明する。

第107回午前:第114問

入院後2日、冠動脈造影〈CAG〉が実施された。冠動脈に有意な狭窄はなく、Aさんは急性心外膜炎(acute pericarditis)と診断された。胸痛に対して消炎鎮痛薬5日分処方された。 処方された2日後、Aさんから「薬がなくなったので追加で処方して欲しい」と病棟看護師に依頼があった。 看護師の対応で優先されるのはどれか。

1: Aさんの痛みの程度を確認する。

2: 医師に鎮痛薬の増量を相談する。

3: Aさんが以前常用していた鎮痛薬の用量を確認する。

4: Aさんが指示された用法を守れていないことを指摘する。

Aさん(82歳、男性)。妻との2人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準はランクJ。Aさんは搔痒感のために皮膚科を受診し、老人性皮膚搔痒症(pruritus senilis)と診断され、抗ヒスタミン内服薬が処方された。身長165cm、体重55kg。Aさんの趣味は散歩で、毎日1km程度を歩いている。

第107回午前:第115問

初診から1か月後、皮膚科の外来でAさんは「薬を飲み始めてから、口の中が渇いて食べにくい」と話した。 この状況から、Aさんに障害が起きていると考えられる摂食・嚥下の段階はどれか。

1: 先行期

2: 準備期

3: 咽頭期

4: 食道期

第107回午前:第116問

Aさんは「食べにくくてあまり食事が摂れていない。階段の昇り降りをしたり、10分以上歩いたりすると疲れてしまい、あまり外に出なくなった」と言う。体重は1か月間で2kg減少していた。他に自覚症状はなく、血液検査の結果は、血清蛋白の低下の他に異常はなかった。 このときのAさんに出現している現象として最も考えられるのはどれか。

1: 脱水

2: 筋肉量の減少

3: 胃酸の分泌増加

4: 関節可動域〈ROM〉の制限

Aさん(31歳、初産婦)。妊娠40週1日。Aさんは午前5時に、陣痛間欠10分、陣痛発作10秒となり入院した。入院時の内診所見は子宮口1cm開大で、未破水であった。

第107回午前:第117問

Aさんは、午後2時に子宮口が4cmまで開大し、破水した。このときの胎児心拍数陣痛図を別に示す。 胎児心拍数陣痛図の情報で正しいのはどれか。

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1: 陣痛間欠4分

2: 陣痛発作10秒

3: 母体脈拍数50/分

4: 胎児心拍数基線150〜160bpm

第107回午前:第118問

このとき、Aさんは陣痛のたびに緊張して身体を固くし、痛みがないときは眠そうにしている。昼食は、プリン1個と牛乳1本を摂っている。Aさんは「赤ちゃんは、なかなか生まれないですね」と疲れた表情で看護師に話す。 このときのAさんへの対応として適切なのはどれか。

1: 「陣痛に合わせていきんでみましょう」

2: 「眠いときは眠るようにしましょう」

3: 「階段の昇り降りをしましょう」

4: 「お風呂に入ってみましょう」

Aさん(17歳、高校生)。身長158cm、体重48kg。Aさんは最近、月経時に下腹部痛が繰り返し出現し、寝込むことが多くなった。心配した母親と一緒に、Aさんは産婦人科クリニックを受診し、医師から機能性月経困難症(functional dysmenorrhea)と診断された。既往歴に特記すべきことはない。

第107回午前:第119問

Aさんの下腹部痛についての説明で適切なのはどれか。

1: プロスタグランディンの過剰産生によって起こる。

2: 無排卵性の月経によって起こる。

3: 卵巣内のうっ血によって起こる。

4: 経血の流出によって起こる。

第107回午前:第120問

Aさんは「次の月経からは、痛みがあれば、処方された鎮痛薬を飲むようにします。部活動で毎日ジョギングをしていますが、その他に日常生活で気を付けることを教えてください」と看護師に聞いてきた。 このときの看護師の指導で適切なのはどれか。

1: 運動量を増やす。

2: 下腹部を温める。

3: 葉酸を含む食品は控える。

4: 腰部のマッサージは控える。