第111回午前の過去問


第111回午前:第1問

労働力調査による労働力人口の令和元年(2019年)平均に最も近いのはどれか。

1: 4,800万人

2: 5,800万人

3: 6,800万人

4: 7,800万人

第111回午前:第2問

日本の令和元年(2019年)の死亡数に近いのはどれか。

1: 98万人

2: 118万人

3: 138万人

4: 158万人

第111回午前:第3問

シックハウス症候群sick house syndromeに関係する物質はどれか。

1: アスベスト

2: ダイオキシン類

3: 放射性セシウム

4: ホルムアルデヒド

第111回午前:第4問

後期高齢者医療制度の被保険者は、区域内に住居を有する(  )歳以上の者、および65歳以上(  )歳未満であって、政令で定める程度の障害の状態にあるとして後期高齢者医療広域連合の認定を受けた者 である。  (  )に入るのはどれか。

1: 70

2: 75

3: 80

4: 85

第111回午前:第5問

患者の選択権の行使を最も促進するのはどれか。

1: 父権主義

2: 医師の裁量権

3: コンプライアンス

4: インフォームド・コンセント

第111回午前:第7問

胎児循環で胎児から胎盤に血液を送るのはどれか。

1: 総頸動脈

2: 肺動脈

3: 臍動脈

4: 臍静脈

第111回午前:第8問

学童期の脈拍数の基準値はどれか。

1: 50~70/分

2: 80~100/分

3: 110~130/分

4: 140~160/分

第111回午前:第9問

日本の女性における平均閉経年齢に最も近いのはどれか。

1: 30歳

2: 40歳

3: 50歳

4: 60歳

第111回午前:第10問

令和元年(2019年)の国民生活基礎調査で次の世帯構造のうち最も少ないのはどれか。

1: 単独世帯

2: 三世代世帯

3: 夫婦のみの世帯

4: 夫婦と未婚の子のみの世帯

第111回午前:第11問

右大腿骨前面を図に示す。大腿骨頸部はどれか。

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1: ①

2: ②

3: ③

4: ④

第111回午前:第12問

有害物質を無毒化し排泄する臓器はどれか。

1: 胃

2: 肝臓

3: 膵臓

4: 大腸

第111回午前:第13問

黄疸のある成人患者にみられる随伴症状はどれか。

1: 動悸

2: 難聴

3: 関節痛

4: 搔痒感

第111回午前:第14問

左前胸部から頸部や左上肢への放散痛が生じる疾患はどれか。

1: 胃潰瘍gastric ulcer

2: 狭心症angina pectoris

3: 胆石症cholelithiasis

4: 尿管結石症ureterolithiasis

第111回午前:第15問

成人女性の赤血球数の基準値はどれか。

1: 150~250万/μL

2: 350~450万/μL

3: 550~650万/μL

4: 750~850万/μL

第111回午前:第16問

Open-ended question〈開かれた質間〉はどれか。

1: 「頭は痛みませんか」

2: 「昨夜は眠れましたか」

3: 「気分は悪くありませんか」

4: 「自宅ではどのように過ごしていましたか」

第111回午前:第17問

深部体温に最も近いのはどれか。

1: 腋窩温

2: 口腔温

3: 鼓膜温

4: 直腸温

第111回午前:第18問

呼吸パターンを図に示す。

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1: ①

2: ②

3: ③

4: ④

第111回午前:第19問

高齢者の義歯の取り扱い方法で正しいのはどれか。

1: 就寝時に外す。

2: 熱湯で洗浄する。

3: 保管時は乾燥させる。

4: 総義歯は奥歯を起点に外す。

第111回午前:第20問

使用後の注射針を廃棄する容器のバイオハザードマークの色はどれか。

1: 赤

2: 黄

3: 黒

4: 橙

第111回午前:第21問

成人の静脈血採血で適切なのはどれか。

1: 採血部位から2、3cm中枢側に駆血帯を巻く。

2: 血管の走行に合わせ60度の角度で刺入する。

3: 採血後は刺入部位を圧迫しながら抜針する。

4: 刺入部位は5分以上圧迫し、止血する。

第111回午前:第22問

1回の気管内吸引を30秒以上実施した場合に生じるのはどれか。

1: 嘔吐

2: 感染

3: 低酸素血症

4: 気道粘膜の損傷

第111回午前:第23問

上腕出血時の間接圧迫止血の部位はどれか。

1: 腋窩動脈

2: 尺骨動脈

3: 大腿動脈

4: 橈骨動脈

第111回午前:第24問

成人に対する一次救命処置〈BLS〉において、胸骨圧迫と人工呼吸の回数比は(  ):2である。  (  )に入るのはどれか。

1: 5

2: 10

3: 30

4: 50

第111回午前:第25問

感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律〈感染症法〉において、結核が分類されるのはどれか。

1: 一類

2: 二類

3: 三類

4: 四類

5: 五類

第111回午前:第26問

正常な心臓で心拍出量が減少するのはどれか。

1: 心拍数の増加

2: 大動脈圧の上昇

3: 静脈還流量の増加

4: 心筋収縮力の上昇

第111回午前:第27問

ワクチン接種後の抗体産生について正しいのはどれか。

1: ワクチン内の抗原を提示するのは好中球である。

2: 抗原に対して最初に産生される抗体はIgAである。

3: 抗原に対して血中濃度が最も高くなる抗体はIgMである。

4: 同じワクチンを2回接種すると抗原に対する抗体の産生量が増加する。

第111回午前:第28問

B細胞が抗原認識によって分化した抗体産生細胞はどれか。

1: マクロファージ

2: 形質細胞

3: 肥満細胞

4: T細胞

第111回午前:第29問

皮膚筋炎dermatomyositisの皮膚症状はどれか。

1: 環状紅斑

2: 蝶形紅斑

3: ディスコイド疹

4: ヘリオトロープ疹

第111回午前:第30問

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律〈育児・介護休業法〉における介護休業の取得で正しいのはどれか。

1: 介護休業は分割して取得することはできない。

2: 介護の対象者1人につき半年を限度に取得できる。

3: 要介護状態にある配偶者を介護するために取得できる。

4: 介護老人福祉施設に入所している家族の面会のために取得できる。

第111回午前:第31問

社会福祉法に基づき社会福祉協議会が推進するのはどれか。

1: がん対策

2: 男女共同参画

3: 就労の支援活動

4: ボランティア活動

第111回午前:第32問

日本の平成30年(2018年)の健康に関する指標の記述で正しいのはどれか。

1: 女性の死因の第3位は老衰である。

2: 男性の死因の第3位は肺炎pneumoniaである

3: 女性の平均寿命は89年を超えている。

4: 男性の平均寿命は83年を超えている。

第111回午前:第33問

労働衛生の「3管理」とは、作業環境管理と作業管理と(  )である。  (  )に入るのはどれか。

1: 健康管理

2: 総括管理

3: 労務管理

4: 出退勤管理

第111回午前:第35問

地域連携クリニカルパスの目的はどれか。

1: 医療機関から在宅までの医療の継続的な提供

2: 地域包括支援センターと地域住民との連携

3: 地域医療を担う医療専門職の資質向上

4: 患者が活用できる社会資源の紹介

第111回午前:第36問

集団指導が望ましいのはどれか。

1: 胃全摘出術後の患者への退院指導

2: 1型糖尿病type1 diabetes mellitusの学童を対象とした療養指導

3: 子宮頸癌cancer of the uterine cervixの術後の神経因性膀胱の患者への間欠的自己導尿の指導

4: ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉human immunodeficiency virus infection感染者への生活指導

第111回午前:第37問

上肢のフィジカルアセスメントの立位での実施場面の写真(別冊No.1)を別に示す。  手のひらを上にして、肩の高さで水平に前方に両腕を伸ばしてもらった。その後、閉眼してもらうと、左腕が回内しながら下がっていった。  アセスメントの結果で正しいのはどれか。

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1: 位置覚の異常

2: 錐体路の障害

3: 小脳機能の異常

4: 関節可動域の障害

第111回午前:第38問

臥床患者の体位変換とボディメカニクスの原則との組合せで正しいのはどれか。

1: 仰臥位から側臥位 ── トルクの原理

2: 仰臥位から長座位 ── 摩擦力

3: ベッドの片側への水平移動 ── 力のモーメント

4: ベッドの頭部への水平移動 ── てこの第1種の原理

第111回午前:第39問

Aさん(24歳、男性)は急性虫垂炎acute appendicitisの術後1日で、ベッド上で仰臥位になり右前腕から点滴静脈内注射が行われている。Aさんは左利きである。  病室外のトイレまでAさんが移動するための適切な療養環境はどれか。

1: 履物はAさんの左手側に置く。

2: ベッド柵はAさんの右手側に設置する。

3: 輸液スタンドはAさんの左手側に置く。

4: ベッドは端座位時にAさんの足底が床につく高さにする。

第111回午前:第40問

全介助が必要な臥床患者の口腔ケアで適切なのはどれか。

1: スポンジブラシは水を含ませた後、絞って使用する。

2: 頸部を後屈した体位で実施する。

3: 終了後は口腔内を乾燥させる。

4: 舌苔は強くこすって除去する。

第111回午前:第41問

術後1日の手術創の正常な治癒過程として正しいのはどれか。

1: 創部の浮腫が起こる。

2: 肉芽組織が形成される。

3: コラーゲンが成熟し瘢痕組織となる。

4: 血管内皮細胞が新しい血管を形成する。

第111回午前:第42問

平成29年(2017年)の患者調査において医療機関を受診している総患者数が最も多いのはどれか。

1: 喘息asthma

2: 糖尿病diabetes mellitus

3: 脳血管疾患cerebrovascular disease

4: 高血圧性疾患hypertensive disease

第111回午前:第43問

解離性大動脈瘤dissecting aortic aneurysmの破裂直後に出血性ショックhemorrhagic shockとなった患者の症状として正しいのはどれか。

1: 黄疸

2: 浮腫

3: 顔面紅潮

4: 呼吸不全

第111回午前:第44問

Aさん(60歳、男性)は大動脈弁置換術を受け、ワルファリンの内服を開始することになった。  Aさんが摂取を避けるべき食品はどれか。

1: 海藻

2: 牛乳

3: 納豆

4: グレープフルーツ

第111回午前:第45問

慢性膵炎患者chronic pancreatitisの食事療法で制限が必要なのはどれか。

1: 蛋白質

2: カリウム

3: 食物繊維

4: アルコール

第111回午前:第46問

血中濃度の測定にあたり食事の影響を考慮すべきホルモンはどれか。

1: グルカゴン

2: メラトニン

3: コルチゾール

4: バゾプレシン

第111回午前:第47問

脳血管造影を行う患者の看護について適切なのはどれか。

1: 前日に頭部の剃毛を行う。

2: 検査中は患者に話しかけない。

3: 穿刺部末梢側の動脈の拍動を確認する。

4: 検査30分前まで食事摂取が可能である。

第111回午前:第48問

Aさん(32歳、男性)は慢性副鼻腔炎と診断され経過観察をしていたが、症状が改善せず手術を受けることになった。  Aさんへの術後の生活についての説明で適切なのはどれか。

1: 咽頭にたまった分泌物は飲み込んでも良い。

2: 物が二重に見えるときは看護師に伝える。

3: 手術当日から入浴が可能である。

4: 臥床時は頭部を低く保つ。

第111回午前:第49問

幻肢痛について正しいのはどれか。

1: 術前から発症する。

2: 抗うつ薬は禁忌である。

3: 細菌感染が原因である。

4: 切断し喪失した部位に生じる。

第111回午前:第50問

乳房超音波検査を受ける女性患者への説明で正しいのはどれか。

1: 「検査当日は起床時から飲食をしないでください」

2: 「乳房を器具で挟んで検査します」

3: 「月経中は検査ができません」

4: 「仰向けで検査を行います」

第111回午前:第51問

Aさん(54歳、女性)は甲状腺機能亢進症hyperthyroidism と診断され、放射性ヨウ素内用療法を受けることとなった。  看護師の説明で正しいのはどれか。

1: 「治療前1週間は海藻類を摂取しないでください」

2: 「治療中は体を固定します」

3: 「治療後の副作用に脱毛があります」

4: 「治療後1週間は生野菜を摂取しないでください」

第111回午前:第52問

老年期の発達課題を引退の危機、身体的健康の危機および死の危機の3つの段階で示したのはどれか。

1: エリクソンErikson, E. H.

2: レビンソンRevinson, D. J.

3: ペックPeck, R.

4: ユングJung, C. G.

第111回午前:第53問

介護保険制度における施設サービスはどれか。

1: 介護医療院サービス

2: 小規模多機能型居宅介護

3: サービス付き高齢者向け住宅

4: 認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉

第111回午前:第54問

30歳を100%とした生理機能と比較して、老年期において機能の残存率の平均値が最も低下するのは次のうちどれか。

1: 基礎代謝率

2: 最大換気量

3: 細胞内水分量

4: 神経伝導速度

第111回午前:第55問

高齢者の健康障害の特徴で正しいのはどれか。

1: 症状の出現は定型である。

2: 治療の効果が現れやすい。

3: 疾患の発生に心理的要因の影響は少ない。

4: 薬物の副作用〈有害事象〉が発生しやすい。

第111回午前:第56問

Aさん(83歳)は寝たきり状態で、便意を訴えるが3日間排便がみられない。認知機能に問題はない。昨晩下剤を内服したところ、今朝、紙オムツに水様便が少量付着しており、残便感を訴えている。  このときのAさんの状態で考えられるのはどれか。

1: 嵌入便

2: 器質性便秘

3: 切迫性便失禁

4: 非急性感染性下痢

第111回午前:第57問

発育と発達に遅れのない生後6か月の男児。BCG接種の翌日に接種部位が赤く腫れ次第に増悪して膿がみられたため、母親は接種後4日目に医療機関に電話で相談し、看護師が対応した。児に発熱はなく、哺乳や機嫌は良好である。  このときの看護師の説明で適切なのはどれか。

1: 「通常の反応です」

2: 「速やかに来院してください」

3: 「1週間後にまた電話をください」

4: 「患部をアルコール消毒してください」

第111回午前:第58問

新生児の出血性疾患で正しいのはどれか。

1: 生後48時間以内には発症しない。

2: 母乳栄養児は発症のリスクが高い。

3: 予防としてカルシウムを内服する。

4: 早期に現われる所見に蕁麻疹urticariaがある。

第111回午前:第59問

入院中の小児のストレス因子と発達段階の組合せで正しいのはどれか。

1: 見慣れない環境 ── 新生児期

2: プライバシーの侵害 ── 幼児期

3: 病気の予後への不安 ── 学童期

4: 母子分離 ── 思春期

第111回午前:第60問

A君(小学6年生)は病院に併設された院内学級に通いながら骨肉腫osteosarcomaの治療を続けていた。現在、肺転移があり終末期にある。呼吸障害のため鼻腔カニューレで酸素(2L/分)を吸入中である。A君の食事摂取量は減っているが意識は清明である。1週後に院内で卒業式が予定されている。A君は「卒業式に出席したい」と話している。  看護師のA君への対応として適切なのはどれか。

1: 両親に判断してもらおうと話す。

2: 今の状態では出席は難しいと話す。

3: 出席できるように準備しようと話す。

4: 出席を決める前に体力をつけようと話す。

第111回午前:第61問

ジェンダーの定義について正しいのはどれか。

1: 生物学的な性

2: 社会的文化的な性

3: 自己認識している性

4: 性的指向の対象となる性

第111回午前:第62問

日本の周産期の死亡に関する記述で正しいのはどれか。

1: 新生児死亡は生後1週未満の死亡をいう。

2: 死産は妊娠満12週以後の死児の出産をいう。

3: 妊産婦死亡は妊娠中又は妊娠終了後満28日未満の女性の死亡をいう。

4: 令和元年(2019年)の人口動態統計では自然死産数が人工死産数よりも多い。

第111回午前:第63問

避妊法について適切なのはどれか。

1: 経口避妊薬は排卵を抑制する。

2: コンドーム法の避妊効果は99%以上である。

3: 基礎体温法は月経が不順な女性に有用である。

4: 子宮内避妊器具〈IUD〉は性交のたびに挿入が必要である。

第111回午前:第64問

マタニティブルーズmaternity bluesについて正しいのはどれか。

1: 意欲低下が主症状である。

2: 症状は2週間以上持続する。

3: 好発時期は産後1か月ころである。

4: 産後のホルモンの変動が要因となる。

第111回午前:第65問

精神保健における一次予防はどれか。

1: 職場でうつ病depression患者を早期発見する。

2: 自殺企図者に精神科医療機関への受療を促す。

3: 統合失調症schizophrenia患者の社会参加のための支援を行う。

4: ストレスとその対処法に関する知識の啓発活動を行う。

第111回午前:第66問

認知行動療法で患者に期待できる効果はどれか。

1: 物事の捉え方のゆがみが修正される。

2: 自ら催眠状態に導くことができるようになる。

3: 過去の自分の態度についての自己洞察が深まる。

4: 自分の状態をあるがままに受け入れることができるようになる。

第111回午前:第67問

Aさん(22歳、統合失調症schizophrenia)は父親、母親、妹との4人暮らし。高校卒業後、アルバイトをしていたが、症状の悪化によって初めて精神科病院に入院した。退院後に一般企業で働きたいと希望している。  看護師がAさんに提案するサービスで適切なのはどれか。

1: 行動援護

2: 就労移行支援

3: 自立生活援助

4: 地域定着支援

第111回午前:第68問

Aさん(80歳、女性)は1人暮らし。要介護2の認定を受け、長男(50歳、会社員)、長男の妻(45歳、会社員)、孫(大学生、男性)と同居することになった。長男の家の間取りは、洋室5部屋、リビング、台所である。Aさんは同居後に訪問看護を利用する予定である。訪問看護を利用するにあたりAさんの家族から「在宅介護は初めての経験なのでどうすればよいですか」と訪問看護師に相談があった。  訪問看護師の説明で最も適切なのはどれか。

1: 「Aさんの介護用ベッドはリビングに置きましょう」

2: 「Aさんの介護に家族の生活リズムを合わせましょう」

3: 「活用できる在宅サービスをできる限り多く利用しましょう」

4: 「特定の同居家族に介護負担が集中しないように家族で話し合いましょう」

第111回午前:第69問

Aさん(73歳、男性)は慢性閉塞性肺疾患chronic obstructive pulmonary diseaseで在宅酸素療法〈HOT〉を受けている。受診時にAさんが「1人でお風呂に入っているが、息切れが強い」と訴えたため、外来看護師は入浴時の具体的な状況を確認した。  外来看護師がAさんに確認した内容で、息切れの原因と考えられるのはどれか。

1: 入浴はシャワー浴にしている。

2: 椅子に座って更衣を行っている。

3: 洗髪時に鼻カニューレを外している。

4: 浴室の扉を開けたまま入浴している。

第111回午前:第70問

気管切開下で人工呼吸器を装着している利用者に対して、訪問看護事業所が災害に備えて行うことで適切なのはどれか。

1: 人工呼吸器の予備の回路を預かる。

2: 災害時の個別支援マニュアルを作成する。

3: 医療機関から非常用の人工呼吸器を借りる。

4: 事業所内に利用者が避難できる場所を確保する。

第111回午前:第71問

チューブ型の胃瘻の管理について、介護する家族に看護師が指導する内容で正しいのはどれか。

1: 「栄養剤の注入後に白湯を注入してください」

2: 「胃瘻のチューブはご家族で交換してください」

3: 「胃瘻のチューブは同じ位置に固定してください」

4: 「下痢のときは栄養剤の注入速度を速めてください」

第111回午前:第72問

病棟で患者の口腔ケア改善に取り組むために担当チームを作った。  これは看護管理のプロセスのどれか。

1: 計画

2: 指揮

3: 統制

4: 組織化

第111回午前:第73問

多発性骨転移がある終末期の大腸癌colon cancer患者(53歳、女性)が、外科病棟から緩和ケア病棟に夫に付き添われ転棟してきた。  転棟時の申し送りについて、緩和ケア病棟の看護師が外科病棟の看護師から収集する情報で最も優先すべきなのはどれか。

1: 疼痛コントロールの状況

2: 自宅の居住環境

3: 大腸癌colon cancerの術式

4: 夫の面会頻度

第111回午前:第74問

看護師等の人材確保の促進に関する法律に規定されている、離職した看護師の復職の支援に関連する制度はどれか。

1: 看護師等免許保持者の届出

2: 特定行為に係る研修

3: 教育訓練給付金

4: 業務従事者届

第111回午前:第75問

災害発生時に行うSTART法によるトリアージで最初に判定を行う項目はどれか。

1: 意識

2: 呼吸

3: 循環

4: 歩行

第111回午前:第76問

日本の政府開発援助〈ODA〉の実施機関はどれか。

1: 世界保健機関〈WHO〉

2: 国際協力機構〈JICA〉

3: 国連開発計画〈UNDP〉

4: 赤十字国際委員会〈ICRC〉

第111回午前:第77問

脳の外側面を左右から見た模式図を示す。

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1: ①

2: ②

3: ③

4: ④

5: ⑤

第111回午前:第78問

眼の遠近調節を行う筋はどれか。

1: 下斜筋

2: 下直筋

3: 毛様体筋

4: 上眼瞼挙筋

5: 瞳孔括約筋

第111回午前:第79問

咀嚼運動にかかわる脳神経はどれか。

1: 嗅神経

2: 滑車神経

3: 三叉神経

4: 動眼神経

5: 内耳神経

第111回午前:第80問

射出される精子が通るのはどれか。

1: 精囊

2: 尿管

3: 尿道

4: 膀胱

5: 前立腺

第111回午前:第81問

心電図(別冊No.2)を別に示す。心電図の記録速度は25mm/秒である。  心電図波形によって計測した心拍数で正しいのはどれか。

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1: 30/分以上、50/分未満

2: 50/分以上、70/分未満

3: 70/分以上、90/分未満

4: 90/分以上、100/分未満

5: 100/分以上、110/分未満

第111回午前:第82問

急性大動脈解離acute aortic dissectionにおいて緊急手術を行うかどうかの観点で用いる分類はどれか。

1: NYHA分類

2: スタンフォード分類

3: Killip〈キリップ〉分類

4: DeBakey〈ドベーキー〉分類

5: Forrester〈フォレスター〉分類

第111回午前:第83問

タイムアウトによって予防できるのはどれか。

1: 患者の誤認

2: 抗癌薬の曝露

3: 個人情報の漏洩

4: ベッドからの転落

5: 血液を媒介とする感染

第111回午前:第84問

安静臥床による廃用症候群disuse syndromeで生じるのはどれか。

1: 1回換気量の増加

2: 循環血液量の増加

3: 基礎代謝の上昇

4: 骨吸収の亢進

5: 食欲の増進

第111回午前:第85問

Aさんは職場の上司に不満をぶつけたいと考えているが、それができないので、不満をぶつけやすい対象である後輩を叱責している。  Aさんの防衛機制で正しいのはどれか。

1: 解離

2: 昇華

3: 合理化

4: 置き換え

5: 反動形成

第111回午前:第86問

ヘモグロビンA1c〈HbA1c〉について正しいのはどれか。2つ選べ。

1: 測定値の上限は10%である。

2: 赤血球の寿命によって測定値は変動する。

3: 過去1、2週間の血糖値管理の指標である。

4: グリコアルブミンより短期間の血糖値管理の指標である。

5: ヘモグロビンにブドウ糖が結合した糖化蛋白質のことである。

第111回午前:第87問

急性胆管炎acute cholangitisの代表的な3症状を示すCharcot〈シャルコー〉3徴に含まれるのはどれか。2つ選べ。

1: 黄疸

2: 嘔吐

3: 下痢

4: 発熱

5: 意識障害

第111回午前:第88問

高齢者の総合機能評価CGA簡易版〈CGA7〉で評価するのはどれか。2つ選べ。

1: BMI

2: 意欲

3: 職業歴

4: 新機器の利用

5: 日常生活動作〈ADL〉

第111回午前:第89問

自閉症スペクトラム障害autism spectrum disorderにみられるのはどれか。2つ選べ。

1: 運動性チックが出現する。

2: 計算の習得が困難である。

3: 不注意による間違いが多い。

4: 習慣へのかたくななこだわりがある。

5: 非言語的コミュニケーションの障害がある。

第111回午前:第90問

100mg/5mLと表記された注射薬を75mg与薬するのに必要な薬液量を求めよ。  ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。

Aさん(60歳、男性、会社員)は息子2人が独立して遠方で暮らしており、2年前に妻と死別して以来、1人暮らし。直腸癌rectal cancerと診断され、腹会陰式直腸切断術、人工肛門造設術を行うと外来で説明を受けた。Aさんは看護師に対して「人工肛門を作ると聞いています。便が出てくる場所がどこなのかよくわからなくてイメージできない」と話した。

第111回午前:第91問

人体の前面と背面を図に示す。Aさんの人工肛門が造設される位置はどれか。

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1: ①

2: ②

3: ③

4: ④

第111回午前:第92問

Aさんの手術は予定通り終了した。  術後1日、会陰部から挿入されたドレーンからは、淡血性の排液が10mL/時で流出していた。バイタ ルサインが安定していることを確認した後、Fowler〈ファウラー〉位にして15分が経過したところで、Aさんからナースコールがあった。看護師が訪室すると「おしりが濡れているような気がする」と言う。確認すると、会陰部のガーゼに淡血性の浸出液を認めた。  Aさんへの対応で最も優先度が高いのはどれか。

1: Fowler〈ファウラー〉位から仰臥位にする。

2: ドレーンの屈曲を確認する。

3: 排液バッグを交換する。

4: 会陰部を消毒する。

第111回午前:第93問

術後10日、Aさんは退院日が決まり、「落ち着いたら仕事に復帰します。1人暮らしなので、自分で人工肛門を管理しないといけないですね」と述べた。  Aさんの退院に際し、人工肛門の管理に関する看護師の指導で正しいのはどれか。

1: 「面板は1日2回交換してください」

2: 「装具の交換は滅菌手袋を使用してください」

3: 「面板除去部の皮膚はお湯で洗浄してください」

4: 「定期的に人工肛門の大きさを確認してください」

Aさん(50歳、男性、会社員)は妻と高校生の息子との3人暮らし。仕事を生きがいに働き続けていた。慢性腎不全chronic renal failureのため透析治療が必要になったが、本人の希望で連続携行式腹膜灌流法〈CAPD〉を導入することになり入院した。Aさんはこれからの生活がどのようになるのかを看護師に質問した。

第111回午前:第94問

Aさんに対する説明として正しいのはどれか。

1: 「食事療法が必要です」

2: 「通院は週に2、3回必要です」

3: 「宿泊を伴う旅行はできません」

4: 「カテーテル挿入術後の翌日から入浴できます」

第111回午前:第95問

Aさんはできるだけ早い職場復帰を望んでおり、入院中はCAPDの操作に熱心に取り組んでいた。退院後、CAPDを1日4回(0時、6時、12時、18時)行うことになった。  Aさんが会社の昼休みにCAPDを行うために必要な設備はどれか。2つ選べ。

1: 透析液を保管する冷蔵庫

2: 透析液を温める電子レンジ

3: 透析液の交換時に使用する個室

4: CAPDの物品を保管する専用棚

5: 透析液の貯留中に使用するベッド

第111回午前:第96問

Aさんは「主治医からCAPDの合併症に腹膜炎peritonitisがあると聞きました。腹膜炎peritonitisに早く気付くにはどうすればよいですか」と看護師に質問した。  Aさんに指導する観察項目はどれか。2つ選べ。

1: 腹痛

2: 体重の増加

3: 腹部の張り

4: 下肢のむくみ

5: 透析液の排液のにごり

Aさん(70歳、女性)は1人暮らし。夫とは1年前に死別した。近くの診療所で高血圧症hypertensionと心不全heart failureと診断され、内服治療をしていた。月1回は診療所で内服薬の処方と食事指導や体重測定などの生活指導を受けていたが、時々薬を飲んだことを忘れてしまうことがあった。日常生活は自立しており、認知機能は問題ない。週2日、事務職のパートとして働いており、電車を使って通勤していた。息子(42歳)と娘(37歳)は仕事のため遠方に住んでいる。1か月前からAさんは家事や外出するときに軽い息切れを感じるようになり、2、3日前からは咳と痰が出るようになった。両足のむくみが出てきたため、診療所から自宅近くの病院を紹介され外来受診した。身体所見:意識は清明。身長159cm、体重61.3kg。 体温37.1℃、呼吸数21/分、脈拍95/分、不整、血圧164/96mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(room air)。 両下肢に軽度の浮腫を認めた。

第111回午前:第97問

外来看護師がAさんに対して優先して確認するのはどれか。

1: 通院の方法

2: 最近の体重の増減

3: パートの仕事内容

4: 自宅での1日の過ごし方

第111回午前:第98問

診察の結果、Aさんは心不全heart failureの悪化を認めたため入院することになり、個室を希望した。入院後、酸素マスクによる酸素療法や利尿薬による薬物療法、塩分制限などの食事療法が開始された。入院3日、夜勤の看護師から日勤の看護師への朝の申し送りで、昨晩のAさんは夜間全く眠っていないこと、「ここはどこですか」と繰り返し尋ねてきたこと、娘が学校から帰ってくるのを待っていると言って病室の入り口を気にしていたことが報告された。日勤の看護師は、Aさんの睡眠状況を改善する必要があると考え、Aさんへの対応について検討した。  看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。

1: 終日、病室を明るくする。

2: 日中眠っていたら覚醒を促す。

3: 睡眠導入薬の使用を医師に相談する。

4: 夜間覚醒している場合は、夜は眠るよう説得する。

第111回午前:第99問

入院後10日。入院治療により全身状態は改善し、夜間の睡眠もとれるようになったため、Aさんは退院することになった。Aさんは「入院していて体力が落ちてしまい、動くと疲れてしまう」と言っている。また、看護師に「医師から退院したら元の仕事はしてよいといわれました。これまでの生活を続けたいと思っています。また入院するのは嫌なので、今後の生活で気をつけることはありますか」と尋ねてきた。  このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 「薬の管理はお薬カレンダーを使いましょう」

2: 「通勤するときに駅の階段を使いましょう」

3: 「水分は1日2,000mL摂りましょう」

4: 「塩分を1日9g摂りましょう」

Aちゃん(生後24日、女児)は両親と3人暮らし。母親が母子健康手帳の便色カードを見て、Aちゃんの便色が気になったため、Aちゃんを連れて近所の小児科医院を受診した。Aちゃんは在胎39週、出生体重3,100g、出生時に異常はない。  現在、混合栄養で体重は3,700gである。体温37.2℃、呼吸数36/分、心拍数108/分、整、血圧78/44mmHg。眼球結膜に黄染を認める。  血液検査結果:Hb12.6g/dL、白血球7,800/μL、血小板21万/μL、プロトロンビン時間〈PT〉88%、総ビリルビン11.3mg/dL、直接ビリルビン9.5mg/dL、AST96U/L、ALT126U/L。  紹介先の病院で腹部超音波検査を実施した結果、Aちゃんは胆道閉鎖症biliary atresiaの疑いがあり入院した。

第111回午前:第100問

Aちゃんの便として考えられるのはどれか。

1: 褐色便

2: 灰白色便

3: タール便

4: イチゴゼリー様便

第111回午前:第101問

Aちゃんは入院7日に術中胆道造影検査で胆道閉鎖症biliary atresiaと確定診断された。手術は無事に終了した。術後は絶食となり、腹腔ドレーンが挿入され、持続的点滴静脈内注射が行われている。母親は疾患や治療について理解している。術後3日、付き添っていた母親は看護師に「A はおなかが空いて泣き止まないし、私はAを抱っこもできず、何もしてあげられません。つらいです」と涙を浮かべて話した。  看護師の母親への対応で、最も適切なのはどれか。

1: 話しかけやおしゃぶりの活用など母親ができることを伝える。

2: 早期発見だったのでAちゃんは早く退院できると説明する。

3: 心療内科の受診を勧める。

4: 患者家族会を紹介する。

第111回午前:第102問

術後5日、Aちゃんは経口摂取が可能になり順調に経過している。医師から母親に、胆汁の排泄を促すために利胆薬の内服が重要であると説明があり、散剤が処方された。母親から看護師に「赤ちゃんに粉の薬をどうやって飲ませたらよいのでしょうか」と質問があった。看護師は散剤を(  )に混ぜて飲ませることを説明した。  (  )に入るのはどれか。

1: 果汁

2: 白湯

3: 人工乳

4: はちみつ

Aさん(30歳、初産婦)はX年2月5日に妊婦健康診査のために来院した。X年2月のカレンダーにAさんの受診日と分娩予定日を示す。

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第111回午前:第103問

看護師は、医師からAさんの母子健康手帳に受診時の妊娠週数と日数を記入するよう依頼された。  Aさんの受診時の妊娠週数および日数で正しいのはどれか。

1: 妊娠35週5日

2: 妊娠35週6日

3: 妊娠36週5日

4: 妊娠36週6日

第111回午前:第104問

AさんにLeopold〈レオポルド〉触診法で触診を行ったところ、第2胎向で、子宮底付近にやや柔らかい球状の塊を、恥骨結合側に硬い球状のものを触れた。  腹部前面を図に示す。Aさんの胎児心音聴取部位で適切なのはどれか。

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1: ①

2: ②

3: ③

4: ④

第111回午前:第105問

Aさんは「自分の子どもが生まれて、どんなふうにあやすかな、とか、オムツを替えるかなと自分が子育てをしている場面を思い浮かべます」と笑顔で話している。看護師はAさんの様子をルービン,R.Rubin, R.が示した母親役割獲得過程に当てはめてどの段階にあるかをアセスメントした。  Aさんのアセスメントで適切なのはどれか。

1: 空想

2: 模倣

3: 取り込み

4: ロールプレイ

Aさん(34歳、初産婦)は順調な妊娠経過であった。妊娠40週5日の午前8時、10分毎の規則的な子宮収縮を主訴に来院し、医師の診察の結果、入院となった。入院時の胎児心拍数基線は130bpm、胎児の推定体重は3,300gであった。

第111回午前:第106問

入院時のAさんと胎児の状態で正しいのはどれか。

1: 過期産である。

2: 高年妊婦である。

3: 胎児心拍数基線は正常である。

4: 低出生体重児となる可能性が高い。

第111回午前:第107問

午後0時、助産師が内診したところ、子宮口開大4cmであった。Aさんは陣痛発作時に腰痛を強く訴えている。Aさんの夫(37歳)は、夫婦で出産体験を共有したいと両親学級を受講しており、入院時からAさんに付き添っている。夫はAさんの陣痛発作時、心配そうにAさんの様子を見つめているが、陣痛間欠時にはうとうとしている。訪室した看護師に、夫から「妻が痛がっているのですが、どうすればよいでしょう」と質問があった。胎児心拍数基線は140bpmであった。  このときの看護師の夫への対応で最も適切なのはどれか。

1: 別室での休憩を促す。

2: 分娩経過について説明する。

3: Aさんと病棟内を歩行するように促す。

4: 産痛を緩和するためのマッサージの実施を促す。

第111回午前:第108問

Aさんの分娩は順調に進行した。午後5時に破水し、午後6時には子宮口開大8cmとなった。「便が出そうです。もう、これ以上頑張れない」と陣痛発作時には全身に力が入っている。  このときの看護師の声かけで正しいのはどれか。

1: 「リラックスするためにお風呂に入りましょう」

2: 「赤ちゃんのために我慢しましょう」

3: 「トイレに行って排便しましょう」

4: 「息を吐いて力を抜きましょう」

Aさん(68歳、男性、自営業)は、妻(73歳)と2人暮らし。Aさんの就寝時刻は21時で、入眠後90分以上が経過した睡眠中に、大声で叫び、腕や足を振り回し暴れる行動が繰り返しみられたが、昼寝では夜間のような行動はみられない。日中、台所で子どもが遊んでいると言い、妻が台所を確認しても誰もいないことが何度かあった。心配になった妻がAさんとともに病院を受診し、Lewy〈レビー〉小体型認知症dementia with Lewy bodiesと診断された。

第111回午前:第109問

Aさんに出現している睡眠障害はどれか。

1: ナルコレプシーnarcolepsy

2: レム睡眠行動障害REM sleep behavior disorder

3: 睡眠時無呼吸症候群sleep apnea syndrome

4: 睡眠・覚醒スケジュール障害sleep-wake schedule disorder

第111回午前:第110問

Aさんは定期的に精神科外来を受診することになった。受診6か月後、Aさんは足の筋肉がこわばり、動きが鈍くなった。また、幻視を訴える頻度が増え、感情のコントロールができず、妻に暴言や暴力を振るうことが多くなったため、精神科病院に入院となった。入院2日、Aさんは歩行時に床に子どもが寝転んでいると訴えて、子どもをよける動作で転びそうになった。また、突然、興奮して大声で怒り出すため、同室患者が苦情を訴えた。  Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

1: Aさんに別の病室へ移動することを提案する。

2: 歩行時は看護師と一緒に歩くように声をかける。

3: 怒りをコントロールできる方法を見つけるように伝える。

4: 床に子どもがいるように見えるのは幻視であることを説明する。

第111回午前:第111問

Aさんの入院中に妻は自営業の仕事を減らし、自宅でAさんを介護する準備を整えた。Aさんが退院し、3か月が経過したころ、Aさんの妻が3週間程度の予定で入院して手術をすることになった。Aさんは杖を使用し散歩ができるが、入浴や食事については妻が介護を行っていた。  妻の入院中にAさんに必要なサービスはどれか。

1: 短期入所〈ショートステイ〉

2: 精神科病院への入院

3: 重度訪問介護

4: 同行援護

Aさん(23歳、女性)は大学を卒業後、会社に就職して1人暮らしを始めた。入社後に「会社の制服が似合うようになりたい」とダイエットを始め、次第にるいそうが目立つようになった。「太るのが怖い」と言って食事を拒否するようになり、体重は1年間で10kg減少した。しかし、本人は「まだ太っているから、痩せないといけない」と話していた。久しぶりにAさんと会った母親が、過度のるいそうを心配して、内科受診を勧めた。内科ではるいそう以外に大きな異常を認めず、精神科受診を勧められた。精神科では神経性無食欲症anorexia nervosaと診断され、外来通院を開始した。その後、低血糖によるふらつきのため職場で頻回に転倒するようになった。それでも食事を十分に摂らないため、精神科病棟へ入院した。入院時、身長166cm、体重36kgであった。入院後、食事のほかに点滴による栄養補給が始まった。

第111回午前:第112問

治療開始早期に看護師が最も注意すべき観察項目はどれか。

1: 脱毛

2: 浮腫

3: 抑うつ

4: 嚥下障害

第111回午前:第113問

入院後2週が経過した。食事のときにAさんは食べ物を細かく刻み、1時間以上時間をかけるが、摂取量は全体の25%程度である。時間があるとベッド上でいつもストレッチを行っている。Aさんと話し合ったところ「私はこの病棟で太っているほうだから少しでも痩せなきゃ」と話した。  看護師の関わりとして適切なのはどれか。。

1: 体重測定の回数を増やす。

2: 鏡でAさんの全身を映して見せる。

3: 痩せたいと思う気持ちについて話し合う。

4: Aさんは他の患者よりも痩せていると伝える。

第111回午前:第114問

入院後3か月が経過した。Aさんは体重が41kg まで増加し、主治医と相談して、退院の準備をすることになった。看護師に対して、Aさんは「退院後はすぐに仕事をしたい」と話したが、母親は「ゆっくり自宅で休養してほしい」と話した。母親の面会時に、今後の仕事や生活に関する話題が出ると、Aさんはイライラして母親と口論になることが多くなった。父親は仕事が忙しいことを理由に、面会に来たのは一度のみであった。  今後導入する必要性が最も高いのはどれか。

1: 家族療法

2: 作業療法

3: 自律訓練法

4: 精神分析療法

Aさん(73歳、女性)は夫(73歳)と2人暮らし。6年前にParkinson〈パーキンソン〉病Parkinson diseaseと診断され、レボドパ〈L-dopa〉を1日3回内服している。Hoehn - Yahr〈ホーエン・ヤール〉重症度分類のステージⅢ、要介護1である。夫が付き添い神経内科外来に月1回、杖歩行で通院している。外来受診のとき、Aさんは足がすくんで転びやすくなったことを主治医に相談し、レボドパ〈L-dopa〉を1日4回に増量して様子を見ることになった。Aさんと夫は薬の副作用〈有害事象〉について外来看護師に尋ねた。

第111回午前:第115問

外来看護師がAさんと夫に説明する副作用〈有害事象〉の内容で正しいのはどれか。

1: 低血糖

2: 体重増加

3: 呼吸器症状

4: 不随意運動

第111回午前:第116問

1か月後の外来受診のときに、Aさんは「いつもと違う時間に入浴したら転んでしまった。怪我をしなくてよかった」と主治医に話した。主治医から勧められ、Aさんは訪問看護を週に1回利用することになった。  今後Aさんが安全な入浴をするために訪問看護師がアセスメントする内容で最も優先するのはどれか。

1: 浴室の床の素材

2: 居室から浴室までの距離

3: 転倒による打撲痕の状態

4: 日常生活動作〈ADL〉の日内変動

第111回午前:第117問

3か月後、Aさんは「夫は家事を楽しんでいるようで助かっていますが、友人と外出したいと言っています。私も最近は転ぶこともなくなったので、身体を動かしたり、レクリエーションに参加してみたいです」と訪問看護師に話した。  訪問看護師がAさんに提案するサービスで最も適切なのはどれか。。

1: 通所介護

2: 訪問介護

3: 訪問入浴介護

4: 短期入所生活介護

Aさん(28歳、女性、外国籍)は3年前に日本人の夫と結婚し来日した。簡単な日本語を話せたため、来日した半年後からコンビニエンスストアでアルバイトを始めた。最近になり、夫は仕事で帰りが遅くなることが多くなった。Aさんが「お客さんが自分の悪口を言っている」と話したが、夫は気にしなかった。その後、アルバイト先の上司から「Aさんが奇声を発している」「ぶつぶつと独り言を言って歩き回っている」と夫に連絡があった。夫が病院に付添い精神科外来を受診し、統合失調症schizophreniaと診断されて入院となった。入院時、Aさんの髪は乱れ、誰かに見張られている気がすると怯えていた。

第111回午前:第118問

入院当日に看護師が行う情報収集で最も優先するのはどれか。

1: 症状が日常生活に与える影響

2: アルバイト先の人間関係

3: 医療用語の理解力

4: 精神疾患の家族歴

第111回午前:第119問

入院後、担当看護師は毎日面会に来ている夫の表情が気になり声をかけた。夫は「先生から統合失調症schizophreniaには様々な症状があるとお聞きしました。入院して妻は落ちつきましたが、これからどう接していけばいいのか悩んでいます」と話した。担当看護師はチームカンファレンスで夫の様子を伝え、主治医の判断で、夫に家族心理教育への参加を促すことになった。  担当看護師が夫に家族心理教育を勧める声かけで適切なのはどれか。

1: 「Aさんの症状と対応について学ぶことができます」

2: 「ご家族に参加して頂くことが退院の条件です」

3: 「家族同士の自助グループです」

4: 「匿名で参加できます」

第111回午前:第120問

入院後2か月が経過した。Aさんは独り言を言うことはあったが、他の入院患者と口論になることはなかった。作業療法士から「Aさんは手先が器用で、作業療法中は楽しそうに過ごしています」と情報を得た。退院に向けた担当看護師との面談で、Aさんは「手芸が楽しかった」「家に1人でいると寂しい」と話した。  退院に向けてAさんに提案する社会資源として適切なのはどれか。

1: 共同生活援助〈グループホーム〉

2: 短期入所〈ショートステイ〉

3: 通訳のボランティア

4: 精神科デイケア