第106回午後の過去問


第106回午後:第1問

日本の平成26年(2014年)の死亡数はどれか。

1: 約47万人

2: 約87万人

3: 約127万人

4: 約167万人

第106回午後:第2問

平成25年(2013年)の国民健康・栄養調査による40歳代男性の肥満者の割合に最も近いのはどれか。

1: 15%

2: 35%

3: 55%

4: 75%

第106回午後:第3問

光化学オキシダントの原因物質はどれか。

1: ヒ素

2: フロン

3: 窒素酸化物

4: ホルムアルデヒド

第106回午後:第4問

後期高齢者医療制度が定められているのはどれか。

1: 医療法

2: 健康保険法

3: 高齢社会対策基本法

4: 高齢者の医療の確保に関する法律

第106回午後:第5問

国際看護師協会〈ICN〉による看護師の倫理綱領における看護師の基本的責任はどれか。

1: 疾病の回復

2: 医師の補助

3: 苦痛の緩和

4: 薬剤の投与

第106回午後:第6問

肺サーファクタントの分泌によって胎児の肺機能が成熟する時期はどれか。

1: 在胎10週ころ

2: 在胎18週ころ

3: 在胎26週ころ

4: 在胎34週ころ

第106回午後:第7問

入院患者の与薬時に誤認を防止するために確認するのは患者の名前とどれか。

1: 診察券

2: お薬手帳

3: 健康保険証

4: ネームバンド

第106回午後:第8問

基礎代謝量が最も多い時期はどれか。

1: 青年期

2: 壮年期

3: 向老期

4: 老年期

第106回午後:第9問

介護老人保健施設の設置目的が定められているのはどれか。

1: 介護保険法

2: 健康保険法

3: 地域保健法

4: 老人福祉法

第106回午後:第10問

病床数300床以上の医療機関で活動する感染制御チームで適切なのはどれか。

1: 医師で構成される。

2: 各病棟に配置される。

3: アウトブレイク時に結成される。

4: 感染症に関するサーベイランスを行う。

第106回午後:第11問

神経伝達物質はどれか。

1: アルブミン

2: フィブリン

3: アセチルコリン

4: エリスロポエチン

第106回午後:第12問

キューブラー・ロス,E.(Kübler-Ross,E.)による死にゆく人の心理過程で第2段階はどれか。

1: 死ぬことへの諦め

2: 延命のための取り引き

3: 死を認めようとしない否認

4: 死ななければならないことへの怒り

第106回午後:第13問

下血がみられる疾患はどれか。

1: 肝囊胞(liver cyst)

2: 大腸癌(colorectal cancer)

3: 卵巣癌(ovarian cancer)

4: 腎盂腎炎(pyelonephritis)

第106回午後:第14問

無尿の定義となる1日の尿量はどれか。

1: 0mL

2: 100mL未満

3: 400mL未満

4: 700mL未満

第106回午後:第15問

飛沫感染するのはどれか。

1: 疥癬(scabies)

2: コレラ(cholera)

3: A型肝炎(hepatitis A)

4: インフルエンザ(influenza)

第106回午後:第16問

水痘(varicella)の症状はどれか。

1: 耳下腺の腫脹

2: 両頰部のびまん性紅斑

3: 水疱へと進行する紅斑

4: 解熱前後の斑状丘疹性発疹

第106回午後:第17問

血漿と等張のブドウ糖溶液の濃度はどれか。

1: 5%

2: 10%

3: 20%

4: 50%

第106回午後:第18問

ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉で「刺激しても覚醒せず痛み刺激に対して払いのけるような動作をする」と定義されるのはどれか。

1: Ⅰ-3

2: Ⅱ-20

3: Ⅲ-100

4: Ⅲ-300

第106回午後:第19問

グリセリン浣腸を実施する際、腸管穿孔の危険性が最も高い体位はどれか。

1: 立位

2: 仰臥位

3: 腹臥位

4: 左側臥位

第106回午後:第20問

体位を図に示す。 Sims〈シムス〉位はどれか。

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第106回午後:第21問

Kaup〈カウプ〉指数の計算式はどれか。

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第106回午後:第22問

針刺し事故によって感染するのはどれか。

1: RSウイルス

2: B型肝炎ウイルス

3: ヘルペスウイルス

4: サイトメガロウイルス

第106回午後:第23問

氷枕の作り方で適切なのはどれか。

1: 氷を隙間なく入れる。

2: 濡れたタオルで覆う。

3: 内部の空気は残しておく。

4: 水漏れがないことを確認する。

第106回午後:第24問

一次救命処置時の成人への胸骨圧迫の深さで適切なのはどれか。

1: 2〜3cm

2: 5〜6cm

3: 8〜9cm

4: 11〜12cm

第106回午後:第25問

災害時に最も優先して治療を行うのはどれか。

1: 脱臼(dislocation)

2: 気道熱傷(burn of the respiratory tract)

3: 足関節捻挫(ankle sprains)

4: 過換気症候群(hyperventilation syndrome)

第106回午後:第26問

刺激伝導系でないのはどれか。

1: 腱索

2: 洞房結節

3: 房室結節

4: Purkinje〈プルキンエ〉線維

第106回午後:第27問

アルドステロンで正しいのはどれか。

1: 近位尿細管に作用する。

2: 副腎髄質から分泌される。

3: ナトリウムの再吸収を促進する。

4: アンジオテンシンⅠによって分泌が促進される。

第106回午後:第28問

慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)について正しいのはどれか。

1: 残気量は減少する。

2: %肺活量の低下が著明である。

3: 肺コンプライアンスは上昇する。

4: 可逆性の気流閉塞が特徴である。

第106回午後:第29問

腰椎椎間板ヘルニア(lumber disc herniation)で正しいのはどれか。

1: 高齢の女性に多発する。

2: 診断にはMRIが有用である。

3: 好発部位は第1・2腰椎間である。

4: 急性期では手術による治療を行う。

第106回午後:第30問

配偶者暴力相談支援センターの機能はどれか。

1: 一時保護

2: 就労の仲介

3: 外傷の治療

4: 生活資金の給付

第106回午後:第32問

保健師助産師看護師法に定められているのはどれか。

1: 免許取得後の臨床研修が義務付けられている。

2: 心身の障害は免許付与の相対的欠格事由である。

3: 看護師籍の登録事項に変更があった場合は2か月以内に申請する。

4: 都道府県知事は都道府県ナースセンターを指定することができる。

第106回午後:第34問

車椅子による移送で適切なのはどれか。

1: エレベーターの中で方向転換する。

2: 急な下り坂では前向きに車椅子を進める。

3: ティッピングレバーを踏み、段差を乗り越える。

4: 移乗する前にフットレスト〈足のせ台〉を下げる。

第106回午後:第35問

病室環境に適した照度はどれか。

1: 100〜200ルクス

2: 300〜400ルクス

3: 500〜600ルクス

4: 700〜800ルクス

第106回午後:第36問

検査の目的と採尿方法の組合せで正しいのはどれか。

1: 細菌の特定 ──── 中間尿

2: 腎機能の評価 ──── 杯分尿

3: 肝機能の評価 ──── 24時間尿

4: 尿道の病変の推定 ──── 早朝尿

第106回午後:第37問

職業病や労働災害の防止、より健康的な労働環境の確保および労働者の健康の向上を目的としている法律はどれか。

1: 労働組合法

2: 労働基準法

3: 労働安全衛生法

4: 労働関係調整法

第106回午後:第38問

合併症のない全身状態が良好な患者に対して、全身麻酔のための気管挿管を行い用手換気をしたところ、左胸郭の挙上が不良であった。原因として考えられるのはどれか。

1: 無気肺(atelectasis)

2: 食道挿管

3: 片肺挿管

4: 換気量不足

第106回午後:第39問

脳出血(cerebral hemorrhage)の後遺症で左片麻痺と嚥下障害のある患者の家族に、食事介助の指導を行うときの説明で適切なのはどれか。

1: 「食材にこんにゃくを入れると良いですよ」

2: 「体を起こしたら、左の脇の下をクッションで支えましょう」

3: 「口の左側に食べ物を入れるようにしましょう」

4: 「飲み込むときに咳が出なければ誤嚥の心配はありません」

第106回午後:第40問

自助具を図に示す。 関節リウマチ(rheumatoid arthritis)によって肩関節に痛みがある患者の関節保護のための自助具として最も適切なのはどれか。

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第106回午後:第41問

Aさん(59歳、女性)は、半年前に下咽頭癌(hypopharyngeal cancer)で放射線治療を受けた。口腔内が乾燥し、水を飲まないと話すことも不自由なことがある。 Aさんに起こりやすいのはどれか。

1: う歯

2: 顎骨壊死

3: 嗅覚障害

4: 甲状腺機能亢進症(hyperthyroidism)

第106回午後:第42問

1型糖尿病(type1 diabetes mellitus)と診断された人への説明で適切なのはどれか。

1: 自己血糖測定の試験紙の費用は医療保険の対象外である。

2: 食事が摂取できないときはインスリン注射を中止する。

3: 低血糖症状には振戦などの自律神経症状がある。

4: 運動は朝食前が効果的である。

第106回午後:第43問

アレルギー性鼻炎(allergic rhinitis)について正しいのはどれか。

1: 食後に症状が増悪する。

2: Ⅳ型アレルギーである。

3: スクラッチテストで原因を検索する。

4: アレルゲンの除去は症状の抑制に有効である。

第106回午後:第44問

他動運動による関節可動域〈ROM〉訓練を行うときの注意点で適切なのはどれか。

1: 有酸素運動を取り入れる。

2: 等尺性運動を取り入れる。

3: 近位の関節を支持して行う。

4: 痛みがある場合は速く動かす。

第106回午後:第45問

Aさん(80歳、女性)は、要介護2となったため長男家族(長男50歳、長男の妻45歳、18歳と16歳の孫)と同居することとなった。在宅介護はこの家族にとって初めての経験である。 Aさんの家族が新たな生活に適応していくための対処方法で最も適切なのはどれか。

1: 活用できる在宅サービスをできる限り多く利用する。

2: 家族が持つニーズよりもAさんのニーズを優先する。

3: 介護の負担が特定の家族に集中しないように家族で話し合う。

4: 10代の子どもを持つ家族の発達課題への取り組みを一時保留にする。

第106回午後:第46問

平成24年(2012年)の就業構造基本調査における65歳以上75歳未満の高齢者の就業について正しいのはどれか。

1: 女性では就業している者の割合は40%以上である。

2: 就業していない者よりも就業している者の割合が多い。

3: 就業していない者のうち40%以上が就業を希望している。

4: 就業している者のうち非正規職員・従業員の割合は成人期より多い。

第106回午後:第47問

高齢者施設に入所中のAさん(78歳、女性)は、長期間寝たきり状態で、便秘傾向のため下剤を内服している。下腹部痛と便意を訴えるが3日以上排便がなく、浣腸を行うと短く硬い便塊の後に、多量の軟便が排泄されることが数回続いている。既往歴に、消化管の疾患や痔(hemorrhoid)はない。 Aさんの今後の排便に対する看護として最も適切なのはどれか。

1: 直腸の便塊の有無を確認する。

2: 止痢薬の処方を医師に依頼する。

3: 1日の水分摂取量を800mL程度とする。

4: 食物繊維の少ない食事への変更を提案する。

第106回午後:第48問

老年期のうつ病(depression)に特徴的な症状はどれか。

1: 幻覚

2: 感情鈍麻

3: 心気症状

4: 着衣失行

第106回午後:第49問

高齢者に術後の呼吸器合併症が発症しやすい理由で正しいのはどれか。

1: 残気量の減少

2: 肺活量の低下

3: 嚥下反射の閾値の低下

4: 気道の線毛運動の亢進

第106回午後:第50問

学童期の肥満について正しいのはどれか。

1: 肥満傾向児は肥満度30%以上と定義される。

2: 肥満傾向児は高学年より低学年が多い。

3: 肥満傾向児は男子より女子が多い。

4: 成人期の肥満に移行しやすい。

第106回午後:第51問

外性器異常が疑われた新生児の親への対応として適切なのはどれか。

1: 出生直後に性別を伝える。

2: 内性器には異常がないことを伝える。

3: 出生直後に母児の早期接触を行わない。

4: 出生届は性別保留で提出できることを説明する。

第106回午後:第52問

受胎のメカニズムで正しいのはどれか。

1: 排卵は黄体形成ホルモン〈LH〉の分泌が減少して起こる。

2: 卵子の受精能力は排卵後72時間持続する。

3: 受精は卵管膨大部で起こることが多い。

4: 受精後2日で受精卵は着床を完了する。

第106回午後:第53問

成熟期女性の受胎調節について適切なのはどれか。

1: 経口避妊薬は女性が主導で使用できる。

2: コンドーム法の避妊効果は99%以上である。

3: 基礎体温法は月経が不順な女性に有用である。

4: 子宮内避妊器具〈IUD〉は経産婦より未産婦に挿入しやすい。

第106回午後:第55問

Aさん(65歳、男性)は、胃癌(gastric cancer)を疑われ検査入院した。入院時、認知機能に問題はなかった。不眠を訴え、入院翌日からベンゾジアゼピン系の睡眠薬の内服が開始された。その日の夜、Aさんは突然ナースステーションに来て、意味不明な内容を叫んでいた。翌朝、Aさんは穏やかに話し意思疎通も取れたが「昨夜のことは覚えていない」と言う。 Aさんの昨夜の行動のアセスメントで最も適切なのはどれか。

1: 観念奔逸

2: 感情失禁

3: 妄想気分

4: 夜間せん妄

第106回午後:第56問

2人以上の精神保健指定医による診察結果の一致が要件となる入院形態はどれか。

1: 応急入院

2: 措置入院

3: 医療保護入院

4: 緊急措置入院

第106回午後:第57問

Aさん(65歳、男性)は、肺気腫(pulmonary emphysema)で在宅酸素療法を受けている。ある日、Aさんの妻(70歳)から「同居している孫がインフルエンザ(influenza)にかかりました。今朝から夫も体が熱く、ぐったりしています」と訪問看護ステーションに電話で連絡があったため緊急訪問した。 訪問看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。

1: 喀痰の性状

2: 胸痛の有無

3: 関節痛の有無

4: 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉

第106回午後:第58問

地域包括ケアシステムについて正しいのはどれか。

1: 都道府県を単位として構築することが想定されている。

2: 75歳以上の人口が急増する地域に重点が置かれている。

3: 本人・家族の在宅生活の選択と心構えが前提条件とされている。

4: 地域特性にかかわらず同じサービスが受けられることを目指している。

第106回午後:第59問

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律〈障害者総合支援法〉に基づいて、障害者が利用できるサービスはどれか。

1: 育成医療

2: 居宅療養管理指導

3: 共同生活援助〈グループホーム〉

4: 介護予防通所リハビリテーション

第106回午後:第60問

Aさん(55歳、女性)は、夫と2人で暮らしている。進行性の多発性硬化症(multiple sclerosis)で在宅療養をしている。脊髄系の症状が主で、両下肢の麻痺、膀胱直腸障害および尿閉がある。最近は座位の保持が難しく、疲れやすくなってきている。排尿はセルフカテーテルを使用してAさんが自己導尿を行い、排便は訪問看護師が浣腸を行っている。夫は仕事のため日中は不在である。 Aさんの身体状態に合わせた療養生活で適切なのはどれか。

1: 入浴はシャワー浴とする。

2: 介助型の車椅子を利用する。

3: ベッドの高さは最低の位置で固定する。

4: セルフカテーテルはトイレに保管する。

第106回午後:第61問

医療の標準化を目的に活用されているのはどれか。

1: コーピング

2: クリニカルパス

3: エンパワメント

4: コンサルテーション

第106回午後:第62問

Aさん(27歳、男性)は、地震によって倒壊した建物に下腿を挟まれていたが、2日後に救出された。既往歴に特記すべきことはない。注意すべき状態はどれか。

1: 尿崩症

2: 高カリウム血症

3: 低ミオグロビン血症

4: 代謝性アルカローシス

第106回午後:第63問

災害医療におけるトリアージについて正しいのはどれか。

1: 傷病者を病名によって分類する。

2: 危険区域と安全区域を分けることである。

3: 医療資源の効率的な配分のために行われる。

4: 救命が困難な患者に対する治療を優先する。

第106回午後:第64問

国際保健に関する機関について正しいのはどれか。

1: 国際協力機構〈JICA〉は国境なき医師団の派遣を行う。

2: 国連開発計画〈UNDP〉は労働者の健康保護の勧告を行う。

3: 世界保健機関〈WHO〉は国際疾病分類〈ICD〉を定めている。

4: 赤十字国際委員会〈ICRC〉は国際連合〈UN〉の機関の1つである。

第106回午後:第65問

女性の骨盤腔内器官について腹側から背側への配列で正しいのはどれか。

1: 尿道 ──── 肛門管 ──── 腟

2: 腟 ──── 尿道 ──── 肛門管

3: 肛門管 ──── 腟 ──── 尿道

4: 尿道 ──── 腟 ──── 肛門管

5: 腟 ──── 肛門管 ──── 尿道

第106回午後:第66問

公的年金制度について正しいのはどれか。

1: 学生は申請によって納付が免除される。

2: 生活保護を受けると支給が停止される。

3: 保険料が主要財源である。

4: 任意加入である。

5: 積立方式である。

第106回午後:第67問

健康に影響を及ぼす生活環境とそれを規定している法律の組合せで正しいのはどれか。

1: 上水道 ──── 水質汚濁防止法

2: 飲食店 ──── 食品衛生法

3: 家庭ごみ ──── 悪臭防止法

4: 学校環境 ──── 教育基本法

5: 住宅用の建築材料 ──── 環境基本法

第106回午後:第68問

チェーンソーの使用によって生じるのはどれか。

1: じん肺(pneumoconiosis)

2: 視力低下

3: 心筋梗塞(myocardial infarction)

4: 肘関節の拘縮

5: Raynaud〈レイノー〉現象

第106回午後:第69問

Aさん(61歳、男性)は、水分が飲み込めないため入院した。高度の狭窄を伴う進行食道癌(advanced esophageal cancer)と診断され、中心静脈栄養が開始された。入院後1週、Aさんは口渇と全身倦怠感を訴えた。意識は清明であり、バイタルサインは脈拍108/分、血圧98/70mmHgであった。尿量は1,600mL/日で、血液検査データは、アルブミン3.5g/dL、AST〈GOT〉45IU/L、ALT〈GPT〉40IU/L、クレアチニン1.1mg/dL、血糖190mg/dL、Hb11.0g/dLであった。 Aさんの口渇と全身倦怠感の要因として最も考えられるのはどれか。

1: 貧血

2: 低栄養

3: 高血糖

4: 腎機能障害

5: 肝機能障害

第106回午後:第70問

病的な老化を示すのはどれか。

1: 肝臓の萎縮

2: 動脈の粥状硬化

3: 毛様体筋の機能低下

4: 心筋の弾性線維の減少

5: 膀胱の平滑筋の線維化

第106回午後:第71問

生後1か月の男児。Hirschsprung〈ヒルシュスプルング〉病(Hirschsprung disease)と診断され、生後6日、回腸部にストーマ造設術を行った。術後の経過は良好であり、退院に向けてストーマケアに関する指導を行うことになった。 母親に対する指導として適切なのはどれか。

1: 「面板をはがした部位はタオルで拭いてください」

2: 「ストーマ装具の交換は授乳直後に行ってください」

3: 「ストーマから水様の便が出る時は受診してください」

4: 「ストーマ装具の交換は滅菌手袋を装着して行ってください」

5: 「ストーマ装具は便を捨てる部分が体の外側に向くように貼ってください」

第106回午後:第73問

ホメオスタシスに関与するのはどれか。2つ選べ。

1: 味蕾

2: 筋紡錘

3: 痛覚受容器

4: 浸透圧受容器

5: 中枢化学受容体

第106回午後:第74問

眼球内での光の通路に関与するのはどれか。2つ選べ。

1: 強膜

2: 脈絡膜

3: 毛様体

4: 硝子体

5: 水晶体

第106回午後:第75問

排便時の努責で正しいのはどれか。2つ選べ。

1: 直腸平滑筋は弛緩する。

2: 呼息位で呼吸が止まる。

3: 外肛門括約筋は収縮する。

4: 内肛門括約筋は弛緩する。

5: 腹腔内圧は安静時より低下する。

第106回午後:第76問

急性炎症と比較して慢性炎症に特徴的な所見はどれか。2つ選べ。

1: 好中球浸潤

2: CRPの上昇

3: リンパ球浸潤

4: 形質細胞の浸潤

5: 血管透過性の亢進

第106回午後:第77問

狭心症(angina pectoris)の治療に用いる薬はどれか。2つ選べ。

1: アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬

2: スルホニル尿素薬

3: ジギタリス製剤

4: 抗血小板薬

5: 硝酸薬

第106回午後:第78問

出血傾向を把握するために重要なのはどれか。2つ選べ。

1: 血糖値

2: 血清鉄

3: 血小板数

4: アルカリフォスファターゼ値

5: 活性化部分トロンボプラスチン時間〈APTT〉

第106回午後:第79問

胃食道逆流症(gastro-esophageal reflux disease)について正しいのはどれか。2つ選べ。

1: 食道の扁平上皮化生を起こす。

2: 上部食道括約筋の弛緩によって生じる。

3: 食道炎(esophagitis)の程度と症状の強さが一致する。

4: プロトンポンプ阻害薬が第一選択の治療法である。

5: Barrett〈バレット〉上皮は腺癌の発生リスクが高い。

第106回午後:第80問

患者の自立支援で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 不足している知識を補う。

2: 発病前の生活習慣を尊重する。

3: 支援目標を看護師があらかじめ定める。

4: できないことに焦点を当てて行動を修正する。

5: 支援者である看護師が上位の関係が望ましい。

第106回午後:第81問

腹圧性尿失禁(stress incontinence of urine)のケアとして適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 下腹部を保温する。

2: 骨盤底筋群訓練を促す。

3: 定期的な水分摂取を促す。

4: 恥骨上部の圧迫を指導する。

5: 尿意を感じたら早めにトイレへ行くことを促す。

第106回午後:第82問

手段的日常生活動作〈IADL〉はどれか。2つ選べ。

1: 食事

2: 洗濯

3: 入浴

4: 更衣

5: 買い物

第106回午後:第83問

開放性損傷はどれか。2つ選べ。

1: 切創

2: 打撲傷

3: 擦過創

4: 皮下出血

5: 内臓損傷

第106回午後:第84問

児童憲章について正しいのはどれか。2つ選べ。

1: 児童がよい環境の中で育てられることを定めている。

2: 児童の権利に関する条約を受けて制定された。

3: 児童が人として尊ばれることを定めている。

4: 保護者の責務を定めている。

5: 違反すると罰則規定がある。

第106回午後:第85問

急性中耳炎(acute otitis media)で内服薬による治療を受けた5歳の男児および保護者に対して、治癒後に行う生活指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 片側ずつ鼻をかむ。

2: 耳垢は毎日除去する。

3: 入浴時は耳栓を使用する。

4: 大声を出させないようにする。

5: 発熱時は耳漏の有無を確認する。

第106回午後:第86問

Aさん(50歳、女性)は、急に体が熱くなったり汗をかいたりし、夜は眠れなくなり疲れやすさを感じるようになった。月経はこの1年間で2回あった。 Aさんのホルモンで上昇しているのはどれか。2つ選べ。

1: エストロゲン

2: プロラクチン

3: プロゲステロン

4: 黄体形成ホルモン〈LH〉

5: 卵胞刺激ホルモン〈FSH〉

第106回午後:第87問

医療現場における暴力について正しいのはどれか。2つ選べ。

1: 精神科に特有のものである。

2: 病室環境は誘因にならない。

3: 目撃者は被害者に含まれない。

4: 暴力予防プログラムに合わせて対処する。

5: 発生を防止するためには組織的な体制の整備が重要である。

第106回午後:第88問

精神医療におけるピアサポーターの活動について正しいのはどれか。2つ選べ。

1: 訪問活動は禁止されている。

2: 活動には専門家の同行が条件となる。

3: ピアサポーター自身の回復が促進される。

4: 精神保健医療福祉サービスの利用を終了していることが条件となる。

5: 自分の精神障害の経験を活かして同様の体験をしている人を支援する。

第106回午後:第89問

6%A消毒液を用いて、医療器材の消毒用の0.02%A消毒液を1,500mL作るために必要な6%A消毒液の量を求めよ。 ただし、小数点以下第2位を四捨五入すること。 解答:① . ② mL ① 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ② 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

第106回午後:第90問

体重9.6kgの患児に、小児用輸液セットを用いて体重1kg当たり1日100mLの輸液を行う。 このときの1分間の滴下数を求めよ。 ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。 解答:① ② 滴/分 ① 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ② 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

Aさん(82歳、男性)は、介護付の有料老人ホームに入居している。10年前まで会社を経営していた。プロ野球や世界経済に興味があり、友人とインターネットを用いて交流するのを楽しみにしている。Parkinson〈パーキンソン〉病(Parkinsonʼs disease)で、現在Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅡ。両側の上下肢の静止振戦や動作緩慢がみられる。食事は自分の居室に運んでもらって食べている。身の回りのことは1人でできる。1人での外出も可能だが、転倒に対する恐怖が強いため1日中室内で過ごしている。

第106回午後:第91問

Aさんの障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準のランクはどれか。

1: ランクA

2: ランクB

3: ランクC

4: ランクJ

第106回午後:第92問

Aさんは「最近、尿が出始めるまでに時間がかかるので、排尿時は自分で下腹部を押しています。尿がすっきり出ません」と言う。泌尿器科を受診したところ、Parkinson〈パーキンソン〉病(Parkinsonʼs disease)による自律神経障害と診断された。 Aさんの現在の状況から最も考えられるのはどれか。

1: 残尿がある。

2: 膀胱が萎縮している。

3: 蓄尿障害が生じている。

4: 骨盤底筋群の筋力が低下している。

Aさん(79歳、女性)。自宅の玄関で転倒し、救急外来で第12胸椎の圧迫骨折(compression fracture)と診断され、安静目的で入院した。 既往歴 : 5年前に大腿骨骨折(femoral fracture)。 現病歴 : 2年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病(Alzheimer disease)を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。 生活歴 : 要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。

第106回午後:第94問

入院当日、Aさんは看護師に「ここはどこですか」と同じ質問を繰り返している。 このときの看護で最も適切なのはどれか。

1: 体幹を抑制する。

2: 家族に夜間の付き添いを依頼する。

3: ナースステーションにベッドを移動する。

4: 骨折で入院していることを繰り返し伝える。

第106回午後:第95問

入院後8日、理学療法室での訓練が始まった。Aさんはこわばった表情で訓練を受けていた。Aさんは、以前は通所リハビリテーションを利用していたが、人が多い場で落ち着かなくなることがあり、入院前には小規模多機能型居宅介護事業所を利用していたことが家族からの情報で分かった。翌日、理学療法士が「理学療法室に行きましょう」と病室に迎えに来たところ、Aさんは「行きたくない」と嫌がった。 このときのAさんに対する看護で最も適切なのはどれか。

1: 看護師が理学療法室まで付き添う。

2: 病棟でのリハビリテーションを提案する。

3: Aさんに再転倒を予防する必要性を説明する。

4: 小規模多機能型居宅介護事業所の利用を勧める。

第106回午後:第96問

入院後3週、Aさんはコルセットを装着し、杖を使ってゆっくり歩けるようになった。翌週には自宅へ退院することが決まった。 Aさんの退院に向けて、Aさんと長男夫婦への指導内容で適切なのはどれか。

1: 自宅ではコルセットを外してよい。

2: 家の中での日常生活行動を積極的に行う。

3: 5,000歩程度のウォーキングを毎日行う。

4: ビタミンB1の多い食品を積極的に摂取する。

Aちゃん(11歳、女児)。眼瞼浮腫がみられたため、眼科を受診し治療を受けたが改善しなかった。その後、Aちゃんと母親が下腿の浮腫に気付き眼科の医師に相談したところ、特発性ネフローゼ症候群(idiopathic nephrotic syndrome)を疑われたため、小児科のある病院を紹介され受診した。

第106回午後:第97問

看護師が収集すべきAちゃんの情報で優先度が高いのはどれか。

1: 食欲

2: 家族歴

3: 手術歴

4: 海外渡航歴

5: 初経の発来の有無

第106回午後:第98問

Aちゃんは排尿回数が減少し、全身に浮腫が認められた。血圧は110/68mmHgであった。尿検査を行い、尿蛋白4袷であった。血液検査は、アルブミン1.3g/dL、総コレステロール350mg/dL、クレアチニン0.4mg/dL、Na130mEq/L、K4.5mEq/Lであった。特発性ネフローゼ症候群(idiopathic nephrotic syndrome)と診断され入院した。 Aちゃんが摂取を制限する必要があるのはどれか。

1: ナトリウム

2: カリウム

3: 蛋白質

4: 水分

5: リン

第106回午後:第99問

Aちゃんは、ステロイド治療の開始後10日で尿蛋白が陰性となり、浮腫等の症状が改善した。入院後3週、ステロイド薬の副作用(有害事象)として、満月様顔貌が出現している。他に明らかな副作用(有害事象)は出現していない。ステロイド薬の内服を続けながら退院することになった。 Aちゃんの退院後の生活について指導する内容で適切なのはどれか。

1: 日光を避ける。

2: 体重の測定は毎日行う。

3: 1か月は学校を欠席する。

4: 入浴ではなくシャワー浴とする。

5: 満月様顔貌が気になる場合もステロイド薬の内服を続ける。

Aさん(24歳、初産婦、会社員)は、現在、両親と妹の4人で暮らしている。パートナー(24歳、会社員)と結婚する予定である。Aさんは、妊娠8週の妊婦健康診査で「朝起きると気持ちが悪くあまり食べられません。台所から食べ物の匂いがするだけで吐き気がします」と話している。

第106回午後:第100問

Aさんへの食事指導で最も適切なのはどれか。

1: 水分は温かい飲料にする。

2: 栄養のバランスのよい食物を摂取する。

3: 1回量を少なくして食べる回数を増やす。

4: カロリーの高い食物を積極的に摂取する。

第106回午後:第101問

このときの妊婦健康診査で「妊娠することは考えていなかったので、これから自分の体にどういうことが起こるのか分かりません」とAさんから相談があった。看護師は、次の妊婦健康診査までに生じやすい変化について説明することにした。 Aさんに生じやすいのはどれか。

1: 痔

2: 便秘

3: 腰痛

4: 静脈瘤

第106回午後:第102問

Aさんは、妊娠23週に結婚し、パートナーの家に転居した。翌週の妊婦健康診査で、Aさんは「最近は、結婚や引っ越しで忙しかったです。これから新しい環境に慣れていきたいと思っています」と話した。妊娠経過は順調である。 このときに看護師がAさんに対して説明する内容で優先度が高いのはどれか。

1: 保育所の選択

2: 乳房の手入れ

3: 側臥位での睡眠

4: 妊婦健康診査の受診頻度

Aさん(26歳、経産婦)は、夫(30歳)と長女(2歳)の3人で暮らしている。妊娠37週2日、これまでの妊娠経過に異常はない。9時に陣痛が開始し、10時に夫に付き添われ入院した。入院時、陣痛間欠9分、陣痛発作30秒であった。内診所見は子宮口2cm開大で、少量の羊水の流出を認めた。羊水混濁はなかった。21時30分に子宮口全開大、22時30分に3,200gの男児を正常分娩で出産した。会陰裂傷は第2度。23時に胎盤娩出し、子宮底の位置は臍高で硬く触れた。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点。分娩2時間後、子宮底の位置は臍下1横指で硬く触れた。分娩時出血量は360mL。

第106回午後:第103問

Aさんの分娩時のアセスメントで適切なのはどれか。

1: 正期産である。

2: 適時破水である。

3: 遷延分娩である。

4: 分娩時出血量は異常である。

第106回午後:第104問

Aさんは、翌日1時に帰室した。5時、尿意はなかったが、トイレでの排泄を促し排尿がみられた。排尿後の観察で、子宮底の位置は臍下1横指で硬く触れ、悪露は赤色で量は中等量であった。会陰縫合部に異常はないが、痛みがあるため円座を使用している。 Aさんへの対応で適切なのはどれか。

1: 「下腹部を温めましょう」

2: 「水分摂取を控えましょう」

3: 「腹筋を強化する体操をしましょう」

4: 「尿意がなくても3〜4時間ごとにトイレに行きましょう」

第106回午後:第105問

産褥3日。Aさんは母乳育児を希望している。Aさんの乳房の形は左右ともⅡa型で、乳房は緊満している。両乳頭に損傷はない。左腋窩に副乳があり「腫れて痛い」と話す。本日の児の体重は3,100gであった。 Aさんに対する看護師の援助で適切なのはどれか。

1: 左腋窩に冷罨法を行う。

2: 乳房マッサージを行う。

3: 3時間ごとの授乳を勧める。

4: 左乳房での授乳を中止する。

Aさん(28歳、女性)は、両親と3人で暮らしている。24歳のときに統合失調症(schizophrenia)を発症し治療を開始している。Aさんは大学卒業後に一度就職したが、発症後に退職し、現在も無職である。2週前から元気がなく、自室に引きこもって独り言を言っているのが目立つようになったため、両親同伴で外来を受診した。両親からは、1年前から便秘が続き、Aさんが薬の副作用(有害事象)を気にするようになったという話があった。

第106回午後:第106問

Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 「薬は飲まないといけません」

2: 「薬には副作用があるものですよ」

3: 「便秘は副作用ではありませんよ」

4: 「便秘の対処方法を一緒に考えましょう」

第106回午後:第107問

診察では幻聴の悪化が認められたため、薬物治療の見直しが行われた。その後、定期的に両親同伴で外来通院を続けた。3か月後、幻聴は改善傾向を示し、規則正しい生活ができるようになった。外来の診察で、悪化した原因を改めて振り返ったところ、Aさんは「半年前から家族に分からないように薬をトイレに捨てていた」と話した。診察後、Aさんからそれを聞いた両親が、医師や看護師の目の前でAさんを大きな声で叱ると、Aさんの表情は険しくなった。 Aさんの両親に勧めるものとして適切なのはどれか。

1: 心理教育

2: 内観療法

3: 自律訓練法

4: 精神分析療法

Aちゃん(6歳、女児)は、重症の新生児仮死で出生した。誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)で入退院を繰り返しているため、今回の入院で経鼻経管栄養法を導入し、退院後は週1回の訪問看護を利用することになった。現在は四肢と体幹の著しい運動障害があり、姿勢保持が困難で、移動および移乗は全介助である。声かけに笑顔はみられるが、指示に応じることはできない。

第106回午後:第109問

訪問看護師が行う母親への経管栄養法の指導で適切なのはどれか。

1: 注入する前に排便させる。

2: 注入中は側臥位を保つようにする。

3: カテーテルは毎日場所を変えて固定する。

4: 家族と同じ食事を流動食にして注入する。

第106回午後:第110問

訪問看護師は、Aちゃんの誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)を予防するケアの方法を母親に指導することにした。 母親が行うAちゃんへのケアとして適切なのはどれか。

1: 腹式呼吸を促す。

2: 咳嗽の訓練を行う。

3: 胸郭可動域の訓練を行う。

4: 含嗽液を用いてうがいをさせる。

第106回午後:第111問

母親は「Aは来年の4月には小学校に入学する年齢だけど、入学に向けてどうすればよいのか分からない」と訪問看護師に相談した。 訪問看護師が行う援助として適切なのはどれか。

1: 自宅に教員を派遣できる小学校に連絡する。

2: Aちゃんが入学できる特別支援学校を紹介する。

3: 父親に仕事を調整してAちゃんの送迎をするよう勧める。

4: 教育委員会に小学校入学に関する相談をするよう勧める。

Aさん(78歳、男性)は、尿路感染症(urinary tract infection)による敗血症(sepsis)で入院し、5日が経過した。中心静脈ラインから輸液ポンプを使用して乳酸加リンゲル液が投与され、その側管からシリンジポンプを使用してノルアドレナリンが投与されている。

第106回午後:第112問

朝9時、日勤の看護師が訪室したとき、シリンジポンプの閉塞と輸液ポンプの気泡混入の、2つのアラームが作動した。ノルアドレナリンの入ったシリンジは残量があり、乳酸加リンゲル液のボトルが空になっていた。各ポンプおよび各輸液ラインの状況を図に示す。 看護師がアラームを停止した後に行うこととして最も優先度が高いのはどれか。

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1: 乳酸加リンゲル液を準備する。

2: ノルアドレナリンを準備する。

3: 輸液ポンプ内のラインの気泡を除く。

4: 輸液ラインの閉塞や屈曲がないか確認する。

第106回午後:第113問

その直後、看護師はノルアドレナリンの投与量を医師の指示書で確認した。指示書には、午前6時に2mL/時間から1mL/時間へ投与量の減量の指示が記載されていたが、午前9時の投与量は2mL/時間のままであったことに気が付いた。 このときのAさんに対し看護師がアセスメントする項目で優先度が高いのはどれか。

1: 血圧

2: 尿量

3: 血糖値

4: 呼吸数

第106回午後:第114問

Aさんには有害事象はみられなかったが、医師の指示量の2倍のノルアドレナリンが3時間投与されていた。これは、医師がノルアドレナリンの減量を指示書に記載し、夜勤の担当看護師にそれを伝えたが、担当看護師が実際に減量することを忘れたことが原因だった。病棟では、リスクマネジメントとしてこの出来事の再発防止策を考えることとなった。 再発防止策で適切なのはどれか。

1: 薬剤に関する研修会を企画する。

2: 医療機器の操作方法を再教育する。

3: インシデントを起こした看護師は反省文を書くこととする。

4: 医師の指示内容の変更時は、複数の看護師で情報共有をする。

Aさん(23歳、男性)は、マラソンの途中で嘔吐し、意識混濁状態となり救急車で搬送された。来院時、体温39.5℃で、熱中症(heatillness)と診断された。気管挿管と人工呼吸器管理が実施された。膀胱留置カテーテルを挿入後に輸液療法を開始して、ICUに入室した。表面冷却と血管内冷却によって体温は37℃台に下降した。 既往歴 : 特記すべきことはない。 身体所見 : ICU入室時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-20。体温37.8℃、呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧94/74mmHg。暗赤色尿を1時間で20mL認めた。 検査所見 : Hb16.8g/dL、Ht48.6%、Na130mEq/L、K6.5mEq/L、Cl100mEq/L、クレアチンキナーゼ〈CK〉48,000IU/L、尿素窒素60mg/dL、クレアチニン2.4mg/dL、AST〈GOT〉70IU/L、ALT〈GPT〉88IU/L。尿一般検査でミオグロビン陽性。胸部エックス線写真および頭部CTで異常所見なし。心電図でSTの変化はなく、洞性頻脈を認めた。

第106回午後:第115問

このときのAさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 貧血である。

2: 筋肉が傷害されている。

3: 致死性不整脈が出現しやすい。

4: 心原性ショックを起こしている。

5: 利尿薬の使用が必要な状態である。

第106回午後:第116問

Aさんは腎不全が悪化し、持続的血液透析を1週間実施した。入院後20日が経過し、Aさんは尿量100mL/時間以上、クレアチニン1.4mg/dLとなった。気管チューブと膀胱留置カテーテルは抜去され、状態は落ち着いている。ADLは拡大し、3日後に退院することとなった。 Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。

1: 水分を制限する。

2: 蛋白質を制限する。

3: 積極的に運動する。

4: 生野菜を積極的に摂取する。

Aさん(60歳、男性)は、自宅近くを散歩中に突然の胸痛が出現し、救急車を要請した。救急隊到着時のバイタルサインは、呼吸数28/分、脈拍100/分、血圧80/40mmHgであった。冷汗が著明で、前胸部から左肩にかけての激痛を訴えていた。問診で狭心症(angina pectoris)の既往歴があることが分かった。入院時の検査で急性心筋梗塞(acute myocardial infarction)と診断された。

第106回午後:第117問

このときの検査所見として適切なのはどれか。

1: 心電図のST上昇

2: 左肺呼吸音の減弱

3: クレアチンキナーゼ〈CK〉の下降

4: 胸部エックス線写真での心陰影の縮小

第106回午後:第118問

緊急心臓カテーテル検査で左冠動脈起始部に90%の閉塞を認め、緊急冠動脈バイパス術が行われた。術後5日、集中治療室から一般病棟に転棟した。Aさんは「手術も無事終わって命が助かった。リハビリテーションが大切と聞いたので、頑張って廊下を歩きますよ」と看護師に話した。術後のADL拡大は順調に進み、Aさんは病棟内での200mの歩行が許可されている。胸部症状の出現や心電図の変化は認めない。 Aさんへの心臓リハビリテーションについて適切なのはどれか。

1: 息苦しさが出現したら中止する。

2: 気分の良いときに階段昇降を勧める。

3: 衣服の着脱は家族に介助してもらう。

4: レジスタンストレーニングを中心に行う。

Aさん(32歳、女性)は、営業で外出の多い業務を担当している。1か月前から発熱、倦怠感、関節痛および顔面の紅斑が出現し、近くの医療機関を受診したところ全身性エリテマトーデス〈SLE〉(systemic lupus erythematosus)と診断され治療目的で入院した。入院時所見は身長160cm、体重55kg。血圧142/80mmHg。血液検査データは、白血球4,400/μL、血小板17.5万/μL、Hb12.5g/dL、クレアチニン2.5mg/dL、抗核抗体は陽性であった。

第106回午後:第119問

入院時のアセスメントで正しいのはどれか。

1: 貧血

2: 出血傾向

3: 易感染状態

4: 腎機能低下

第106回午後:第120問

Aさんはプレドニゾロン60mg/日のステロイド治療が開始となった。 Aさんへの説明で適切なのはどれか。

1: 「食事の制限はありません」

2: 「倦怠感が強いときは薬の中止を検討します」

3: 「薬の影響で気分が大きく変動するかもしれません」

4: 「職場復帰に備えて天気の良い日は散歩しましょう」

5: 「治療で病状が改善すると抗核抗体が陰性になります」