Aさん(56歳、男性)は、若いころテニスの選手で、現在も趣味でテニスを続けている。膀胱癌(bladder cancer)と診断され、膀胱全摘除術・回腸導管造設術の手術目的で入院した。Aさんは「外来で病名を聞いたときは動揺しましたが、家族と話し合い、今は心の準備ができています」と看護師に話した。
看護師は、Aさんから「退院後はどのように生活が変わりますか」と質問された。看護師の説明で適切なのはどれか。
1: 「入浴の際、浴槽の湯に入ることはできません」
2: 「食事の内容を変える必要はありません」
3: 「排尿のときは導尿が必要です」
4: 「テニスはできなくなります」
Aさんは、胃癌(gastric cancer)の終末期で、肺の癌性リンパ管症(lymphangiosis carcinomatosa)による呼吸困難があり「夜も眠れない」と訴えている。フェイスマスクによる酸素(8l/分)とモルヒネ塩酸塩(20 mg/日)とを投与中である。呼吸数30 /分。脈拍 120/分。痛みの訴えはない。 看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 酸素流量を15l/分に増やす。
2: モルヒネ塩酸塩の増量を検討する。
3: 呼吸は数日で楽になると説明する。
4: ネブライザーによる吸入で気道を加湿する。
胸腔穿刺について正しいのはどれか。
1: 腹臥位で行う。
2: 全身麻酔下で行う。
3: 穿刺後の24時間は床上安静とする。
4: 穿刺中は深呼吸をしないように指示する。
総胆管結石(choledocholithiasis)による閉塞性黄疸(obstructive jaundice)と胆管炎(cholangitis)とを発症した患者に、内視鏡的経鼻胆道ドレナージ術を行った。ドレナージ術は問題なく終了し、術後24時間の経過は良好である。 正しいのはどれか。
1: 抗菌薬の投与は必要ない。
2: 血清ビリルビン値が低下する。
3: 尿の色が黄色から褐色に変化する。
4: ドレナージチューブをクランプする。
関節リウマチ(rheumatoid arthritis)について正しいのはどれか。
1: 有病率に男女差はない。
2: 介護保険法で定める特定疾病に含まれる。
3: 疾患の活動性は罹病期間が長いほど高い。
4: リウマトイド因子は関節リウマチ(rheumatoid arthritis)に特異的である。
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)の原因となるのはどれか。
1: 耳下腺炎(parotiditis)
2: 気管狭窄症(bronchostenosis)
3: 咽頭扁桃肥大(adenoid hypertrophy)
4: ポリープ様声帯(polypoid vocal cord)
交通事故で腰椎骨折(lumbar vertebrae fracture)し、第1腰髄節レベルで脊髄を損傷した。 受傷当日にみられる症状で可能性が高いのはどれか。
1: 尿閉
2: 血圧上昇
3: 頭蓋内圧亢進
4: 麻痺性呼吸障害
人工股関節全置換術を受けた患者で麻痺をきたす危険性が高いのはどれか。
1: 脛骨神経
2: 腓骨神経
3: 大腿神経
4: 坐骨神経
不妊症(infertility)とその原因の組合せで正しいのはどれか。
1: 卵管の疎通性障害 ──── 骨盤腹膜炎(pelvic inflammatory disease)
2: 子宮形態異常 ──── 子宮内膜症(endometriosis)
3: 造精能の障害 ──── 勃起不全(erectile dysfunction)
4: 受精障害 ──── エストロゲン分泌不良
慢性腎不全(chronic renal failure)で正しいのはどれか。
1: 高蛋白食が必要である。
2: 高カルシウム血症(hypercalcemia)となる。
3: 最も多い原因は腎硬化症(nephrosclerosis)である。
4: 糸球体濾過値〈GFR〉は正常である。
5: 代謝性アシドーシスを起こしやすい。
Aさん(52歳、男性)は、 2か月で体重が7kg減少した。 2か月前から食事のつかえ感があるため受診した。検査の結果、胸部食道癌(thoracic esophageal cancer)と診断され、手術目的で入院した。
入院時の検査データは、Hb 9.5 g/dl、血清総蛋白 5.4 g/dl、アルブミン2.5 g/dl、 AST〈GOT〉24 I U/l、ALT〈GPT〉25 I U/l、γ-GTP 38 IU/l、尿素窒素 1 8 mg/dl、クレアチニン0.7mg/dl、プロトロンビン時間 82 %(基準 80〜120)であった。Aさんの状況で術後合併症のリスクとなるのはどれか。
1: 出血傾向
2: 腎機能障害
3: 低栄養状態
4: 肝機能障害
右開胸開腹胸部食道全摘術と胃を用いた食道再建術とが行われた。術後、人工呼吸器が装着され、術後2日目の朝に気管チューブを抜管し、順調に経過していたが、術後3日目に左下葉の無気肺(atelectasis)となった。Aさんは痰を喀出する際に痛そうな表情をするが「痛み止めはなるべく使いたくない。我慢できるから大丈夫」と話す。無気肺(atelectasis)を改善するために適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 離床を促す。
2: 胸式呼吸を勧める。
3: 左側臥位を勧める。
4: 鎮痛薬の使用を勧める。
5: 胸腔ドレーンをクランプする。
その後、順調に回復し、術後3週目に退院する予定となった。退院後の食事の指導で適切なのはどれか。
1: 「蛋白質を控えた食事にしてください」
2: 「食事は1日3回にしてください」
3: 「食事は時間をかけて食べてください」
4: 「食事の前にコップ1杯の水分を摂(と)るようにしてください」
5: 「食後は横になって過ごしてください」
Aさん(59歳、女性)は、午前2時ころにバットで殴られたような激しい頭痛を自覚し、嘔吐した。午前4時、Aさんは、頭痛を我慢できなくなったために、家族に付き添われて救急搬送され、緊急入院した。入院時、ジャパン・コーマ・スケール 〈JCS〉Ⅰ-1、四肢の麻痺を認めない。
Aさんはくも膜下出血(subarachnoid hemorrhage)と診断された。再出血を防ぐためのケアで適切なのはどれか。
1: 深呼吸を促す。
2: 起坐位とする。
3: 病室を薄暗くする。
4: 頭部を氷枕で冷やす。
Aさんは、入院後に緊急開頭術を受けることになった。手術を受けるまでの看護で適切なのはどれか。
1: 浣腸を行う。
2: 排痰法の練習を勧める。
3: テタニー徴候を観察する。
4: 不整脈(arrhythmia)の出現に注意する。
開頭術後24時間が経過した。JCSⅠ-2。体温 37.5 ℃。脈拍 88/分、血圧 138/84 mmHg。呼吸数18/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(酸素吸入3l/分)。脳室ドレナージが行われている。Aさんへの看護で適切なのはどれか。
1: 両腋窩を冷やす。
2: 酸素吸入を中止する。
3: 起き上がらないように説明する。
4: 痛み刺激を与えて意識レベルを確認する。
壮年期の特徴はどれか。
1: 味覚の感度の向上
2: 総合的判断力の向上
3: 早朝覚醒による睡眠障害
4: 骨量増加による体重の増加
成人期で、加齢に伴い糖尿病(diabetes mellitus)を発症しやすくなる原因はどれか。
1: 腎機能の低下
2: 免疫機能の低下
3: 動脈硬化の悪化
4: インスリン感受性の低下
塗装工事を行っていた作業員が頭痛を訴え嘔吐し、意識を消失して病院に搬入された。 最も考えられるのはどれか。
1: サリン中毒(sarin poisoning)
2: ボツリヌス中毒(botulism intoxication)
3: パラコート中毒(toxic effect of paraquat)
4: トリクロロエチレン中毒(toxic effect of trichloroethylene)
開腹術後の患者で機械的イレウス(mechanical ileus)を疑うのはどれか。
1: 排ガスの停止
2: 白血球数の減少
3: 腸管のけいれん
4: アンモニア臭の吐物