成人看護学の過去問

第109回午前:第44問

肝動脈塞栓術(TAE)の適応となる疾患はどれか。

1: 脂肪肝(fatty liver)

2: 急性A型肝炎(acute hepatitis A)

3: 肝細胞癌(HCC)(hepatocellular carcinoma)

4: アメーバ性肝膿瘍(amoebic abscess of the liver)

第109回午前:第45問

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している患者で、後天性免疫不全症候群(acquired immunodeficiency syndrome)(AIDS)の状態にあると判断できる疾患はどれか。

1: 季節性インフルエンザ(seasonal influenza)

2: ニューモシスチス肺炎(pneumocystis pneumonia)

3: ノロウイルス性腸炎(norovirus enteritis)

4: 単純性膀胱炎(uncomplicated cystitis)

第109回午前:第46問

細菌性髄膜炎(bacterial meningitis)の症状はどれか。

1: 羞明

2: 羽ばたき振戦

3: Raynaud(レイノー)現象

4: Blumberg(ブルンベルグ)徴候

第109回午前:第47問

貧血(anemia)を伴う患者の爪の写真(別冊No. 4)を別に示す。欠乏している栄養素はどれか。

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1: ビタミンB12

2: ビタミンC

3: 葉酸

4: 鉄

第109回午前:第48問

手術後に無排卵になるのはどれか。

1: 脳下垂体全摘出術

2: 単純子宮摘出術

3: 低位前方切除術

4: 片側卵巣切除術

第109回午前:第89問

終末期がん患者にみられる悪液質の徴候はどれか。2つ選べ。

1: 末梢神経障害

2: リンパ浮腫

3: がん疼痛

4: 食欲不振

5: 体重減少

Aさん(60歳、男性、元建設業)は、妻(57歳) と2人暮らし。 2年前に 悪性胸膜中皮腫(malignant pleural mesothelioma)と診断され、化学療法を受けたが効果がみられず、外来通院していた。2週前から、胸痛、息苦しさ、倦怠感が増強したため、症状コントロール目的で入院した。 バイタルサイン:体温36.0 ℃、呼吸数24/分、脈拍92/分、血圧126/88mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>86~90%(room air)。 身体所見:両側下肺野で呼吸音が減弱しており、軽度の副雑音が聴取される 。 血液所見:赤血球370万/μL、Hb 8.8g/dL、白血球6,700/μL、総蛋白5.2g/dL、アルブミン3.8g/dL、CRP1.5mg/dL。 動脈血液ガス分析(room air):pH7.31、動脈血二酸化炭素分圧<PaCO2>40Torr、動脈血酸素分圧<PaO2>63Torr。 胸部エックス線写真:胸膜肥厚と肋骨横隔膜角の鈍化が認められる。肺虚脱なし。

第109回午前:第91問

Aさんの呼吸困難の原因で考えられるのはどれか。2つ選べ。

1: 胸水

2: 気胸(pneumothorax)

3: 貧血(anemia)

4: CO2ナルコーシス

5: 呼吸性アルカローシス

第109回午前:第92問

入院後、症状緩和のためモルヒネの内服と経鼻カニューレによる酸素療法2L/分が開始された。経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>は95%前後で維持されるようになったが、Aさんは夜間の息苦しさを訴えている。Aさんの呼吸困難を緩和するための体位で適切なのはどれか。

1: 半腹臥位

2: 右側臥位

3: 左側臥位

4: セミファウラー位

第109回午前:第93問

入院後2週、Aさんの身体状態は急激に悪化し、A さんは「息が吸えない。苦しい。何とかしてくれ」と訴え、眉間にしわを寄せて口呼吸をしている。軽度の喘鳴がみられ、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>は88~92%(経鼻カニューレによる酸素療法2L/分)である。また、頻繁に体位を変えて落ち着きがなく、つじつまが合わない訴えと場所の見当識障害もみられる。毎日面会に来ている妻は「どうなってしまったのでしょうか。苦しそうでかわいそう」と涙ぐみ、ベッドから離れたところで座っている。Aさんの妻への看護師の説明で適切なのはどれか。

1: 「Aさんが場所を間違っても否定しないで下さい」

2: 「口腔内吸引をするとAさんの呼吸が楽になります」

3: 「タッチングをするとAさんの安心感につながります」

4: 「Aさんの症状が落ち着くまで自宅で待機して下さい」

Aさん(56歳、男性、会社員)は、デスクワークが多い仕事をしている。40歳時の会社の健康診断で 2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus)と診断され、紹介されたクリニックで血糖降下薬を処方されて内服を継続していた。50歳ころから視力の低下と持続性蛋白尿を指摘され、腎臓内科を受診し食事指導を受けた。しかし、仕事が忙しく食事指導の内容を守れていなかった。1年前から、足のしびれが出現するようになった。

第109回午前:第94問

Aさんの現在の状況のアセスメントで適切なのはどれか。

1: 緑内障(glaucoma)が疑われる。

2: 運動療法が必要である。

3: 糖尿病性神経障害(diabetic neuropathy)が疑われる

4: 高蛋白質の食事摂取が必要である。

第109回午前:第95問

Aさんは、3か月前に 末期腎不全(end-stage renal failure)の状態で腎代替療法(血液透析)が必要であると腎臓内科の医師から説明された。シャント造設のための入院を予定していたが、仕事が忙しく延期となっていた。1週前から感冒症状があり、体重増加、全身浮腫、全身A怠感、呼吸苦が出現したため、緊急入院となった。透析用のカテーテルを挿入し、緊急血液透析を行った。 入院時の身体所見:体重73kg(1週間で4kg増加)血圧178/105 mmHg。 入院時の検査所見:Hb 9.5g/dL、血清尿素窒素72mg/dL、血清クレアチニン9.0mg/dL、血清カリウム6.8mEq/L、血清ナトリウム138.5mEq/L。 緊急入院時のAさんの胸部エックス線写真(別冊No. 5)を別に示す。Aさんが緊急血液透析となった病態で正しいのはどれか。

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1: 貧血(anemia)

2: 心不全(heart failure)

3: 低カリウム血症(hypokalemia)

4: 低ナトリウム血症(hyponatremia)

第109回午前:第96問

Aさんは、緊急血液透析によって全身状態が改善した。その後、シャント造設術を受け、週3回の血液透析となり、退院後は職場に近いクリニックで維持血液透析を受けることが決定した。Aさんから、退院後の生活について「仕事に復帰予定ですが、医療費の支払いが心配です」と発言があった。維持血液透析により身体障害者手帳を取得したAさんが利用できる医療費助成制度はどれか。

1: 医療扶助

2: 自立支援医療

3: 訪問看護療養費

4: 認定疾病に対する医療の給付

第108回午後:第41問

Aさん(48歳、男性)は、仕事中に生じた胸部と右肩の違和感を主訴に来院した。バイタルサインは安定しているが、スタンフォード分類B型の急性大動脈解離(acute aortic dissection)と診断され、医師から手術を勧められた。 治療の選択で迷っている様子のAさんへの対応で適切なのはどれか。

1: 「医師からの治療のリスクや合併症の説明で、不明な点はありますか」

2: 「手術を受けるか受けないか、すぐに決めたほうがよいです」

3: 「医師の判断に任せるのが一番よいと思います」

4: 「緊急度が高いので、話はあとにしましょう」

第108回午後:第42問

Aさん(64歳、男性)は、2年前に前立腺癌(prostate cancer)と診断され、内分泌療法を受けていた。1か月前から体動時に強い痛みが腰部に生じるようになり、外来を受診したところ腰椎転移と診断された。 Aさんに生じている痛みで最も考えられるのはどれか。

1: 関連痛

2: 体性痛

3: 中枢痛

4: 内臓痛

第108回午後:第43問

成人患者の気管支喘息(bronchial asthma)の治療で正しいのはどれか。

1: テオフィリンの投与中は血中濃度の測定が必要である。

2: 副腎皮質ステロイド薬吸入後の含嗽は必要ない。

3: インフルエンザワクチン接種は禁忌である。

4: 発作時にはβ遮断薬を内服する。

第108回午後:第44問

経皮的腎生検を受ける患者への説明で適切なのはどれか。

1: 検査中の体位は仰臥位とする。

2: 穿刺時にくり返し深呼吸をする。

3: 検査後はベッド上安静とする。

4: 検査後2日間は禁食にする。

第108回午後:第45問

糖質コルチコイドの分泌が長期に過剰となった状態の身体所見で正しいのはどれか。

1: 眼球突出

2: 甲状腺腫大

3: 頻脈

4: 満月様顔貌

第108回午後:第46問

慢性副鼻腔炎(chronic sinusitis)の手術を受けた患者に対する説明で適切なのはどれか。

1: 咽頭にたまった分泌物は飲んでも良い。

2: 臥床時は頭部を低く保つ。

3: 手術当日から入浴が可能である。

4: 物が二重に見えるときは看護師に伝える。

第108回午後:第79問

Barthel(バーセル)インデックスで評価するのはどれか。

1: 栄養状態

2: 疼痛の強さ

3: 褥瘡の深さ

4: 日常生活動作

5: 呼吸困難の程度

第108回午後:第80問

急性心筋梗塞患者(acute myocardial infarction)の合併症を早期に発見するための徴候で正しいのはどれか。

1: 皮疹の出現

2: 頻脈の出現

3: 時間尿の増加

4: 腹壁静脈の怒張

5: うっ血乳頭の出現