Aさん(54歳、女性)は、10年前に2型糖尿病(type2 diabetes mellitus)と診断され、外来受診を続けていた。今回血糖コントロールが不良となり、精密検査とインスリン治療を検討するために入院した。身長154cm、体重45kg、HbA1c9.0%。早朝空腹時血糖値178mg/dl、食事摂取の指示エネルギー量は1,400kcal/日である。
入院後5日。超速効型インスリンの自己注射が開始された。開始7日、Aさんがインスリン注射を忘れて、昼食を食べ始めていたところを看護師が発見した。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 食事を中断して血糖値を測定する。
2: 食事を中断してインスリン注射をする。
3: インスリン注射の必要性を再度詳しく説明する。
4: 今後は看護師が食前に注射をするよう声をかけると説明する。
入院後2週、Aさんは血糖コントロールが改善してきたため、退院予定となった。退院後も毎食前に超速効型インスリンを使用する予定である。Aさんが「家で低血糖にならないか心配」と話したので、退院前に外泊を行って血糖値の変化を確認することにした。 外泊中の家での生活、血糖値および摂取エネルギーを表に示す。 Aさんの低血糖予防として適切なのはどれか。
1: 朝食前に飴(あめ)をなめる。
2: 掃除を2日に1回とする。
3: 午前11時ころに補食を摂(と)る。
4: 夕食前の買い物は自転車で行く。
更年期障害(climacteric disorder)について正しいのはどれか。
1: 閉経後に症状が始まる。
2: 腹部膨満が特徴的な症状である。
3: 自律神経症状は交感神経系機能の低下による。
4: 自覚症状と他覚的所見とが一致しない傾向がある。
食道癌(esophageal cancer)に対する放射線治療で正しいのはどれか。
1: 脊髄の障害は起こらない。
2: 治療期間は1週間である。
3: 治療期間中は隔離できる個室で管理する。
4: 化学療法と併用すると治療の効果が高まる。
下腿の蜂窩織炎(cellulitis)を繰り返している患者への炎症徴候を早期に発見するための指導で最も適切なのはどれか。
1: 「入浴後に観察しましょう」
2: 「体温は毎朝測りましょう」
3: 「膿(うみ)が出ていないか観察しましょう」
4: 「赤くなっていないか観察しましょう」
肺気腫(pulmonary emphysema)の患者が、歩行時の息切れが強くなってきたため受診した。呼吸数は34/分で、口唇のチアノーゼがみられた。 この患者について正しいのはどれか。
1: 1回換気量が増加している。
2: 病状が進行すると PaCO2が上昇する。
3: 呼気よりも吸気を促すと効果的である。
4: 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は上昇している。
Aさんは会議中に時々動悸を感じることがあるため受診した。安静時心電図に異常は認められなかった。 次に行う検査はどれか。
1: 運動負荷心電図
2: 動脈血ガス分析
3: 心臓カテーテル検査
4: Holter〈ホルター〉心電図
食道静脈瘤破裂(rupture of esophageal varices)をきたしたとき、一時的な止血に使用するのはどれか。
1: 胃管
2: 腹腔内ドレーン
3: Swan-Ganz〈スワン-ガンツ〉カテーテル
4: S-B(Sengstaken-Blakemore〈ゼングスターケン-ブレークモア〉)チューブ
Behcet〈ベーチェット〉病(Behcet’s disease)に特徴的なのはどれか。
1: 真珠腫(cholesteatoma)
2: 粘液水腫(myxedema)
3: 紫紅色紅斑
4: 外陰部潰瘍(vulvar ulcer)
頭蓋内圧亢進の代償期にある患者にみられるバイタルサインの特徴はどれか。
1: 呼吸数の増加
2: 体温の低下
3: 脈圧の増大
4: 頻脈
Aさん(54歳、女性)は、排便困難のため外来を受診し、酸化マグネシウムとセンナとを処方された。腹腔内手術の既往歴がある。 Aさんへの指導で適切なのはどれか。
1: 「運動は控えてください」
2: 「下痢が続いても心配ありません」
3: 「おなかの張りが続くようなら、また受診してください」
4: 「旅行をする場合は酸化マグネシウムの内服を控えてください」
糖尿病外来の看護師が通院中の糖尿病の患者を対象にフットケア教室を行うことになった。 対象者の選定基準で、最も優先されるのはどれか。
1: 外出頻度が高い人
2: 感覚神経障害がある人
3: インスリン療法中の人
4: HbA1c値が7%以上の人
5: 運動靴を履く頻度が高い人
Aさん(58歳、女性)は、 3年前に慢性閉塞性肺疾患(chronicobstructive pulmonary disease)と診断された。3日前に38 .0℃の発熱があった。市販の総合感冒薬を内服して様子をみていたが、昨晩から黄色痰がみられ、息苦しさが増強した。外来を受診したところ肺炎(pneumonia)と診断され、入院した。入院時の状態は、体温 38.2 ℃、呼吸数28 /分、脈拍 92/分、血圧 138/72mmHg。
現時点の症状として考えられるのはどれか。
1: 呼吸の断続性副雑音
2: Biot〈ビオー〉呼吸
3: 顔面浮腫
4: 皮下気腫
1週後、Aさんは肺炎(pneumonia)が改善し、酸素吸入(1l/分)を行っている。病棟内での歩行が許可されたが、Aさんは歩くとすぐ息切れがすると言ってベッド上で過ごすことが多い。 Aさんへの指導で適切なのはどれか。
1: 「肩呼吸の練習をしてみましょう」
2: 「歩いた後に水分補給をしてください」
3: 「安静時に酸素の量を増やして回復を待ちましょう」
4: 「息切れがあるときに血液の酸素飽和度を測定してみましょう」
Aさんは、酸素吸入(1l/分)を行いながら入浴することが許可された。看護師は、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)と脈拍とを測定しながら入浴の見守りを行った。測定時の結果と症状とを表に示す。 次回入浴時の対策で適切なのはどれか。
1: 脱衣時の座位の時間を延長する。
2: 今後の入浴では酸素吸入は必要ない。
3: 浴槽の湯に入る時間を 10分間確保する。
4: 身体を洗った後に休憩してから髪を洗う。
Aさん(55歳、男性)、会社員。野球が趣味で、野球チームに所属し毎週日曜日に試合や練習を行っている。 7月のある日曜日、気温 32 ℃、湿度 86 %。Aさんは野球の試合で守備についていたとき、急激な下肢の痛みが出現し倒れこんだ。その試合を偶然観戦していた看護師がAさんの状態を観察した。ジャパン・コーマ・スケール (JCS)Ⅰ-1。呼吸数30 /分。脈拍 120/分、整。身体は熱く、多量の発汗がみられた。
この看護師の対応で優先順位が高いのはどれか。
1: Aさんに既往歴を尋ねる。
2: Aさんの下肢のマッサージを行う。
3: Aさんにスポーツドリンクを飲ませる。
4: Aさんと同様の症状がある他の選手を把握する。
Aさんは野球チームの監督の車で病院に搬送され、熱中症(heat illness)と診断された。Aさんの状態は、JCSⅡ-10。体温 38.2 ℃。呼吸数28 /分。脈拍 98/分、整。血圧 112/62mmHg。SpO2 98 %。嘔気・嘔吐を認める。 救急外来の看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 下肢を挙上させる。
2: ばち状指の有無を確認する。
3: 静脈路の確保の準備をする。
4: 頸部の両側を氷嚢で冷やす。
5: 回復傾向にあることをAさんに伝える。
入院後2日、Aさんは回復し退院することになった。Aさんは「暑かったから、試合中は水分を摂(と)るようにしていたのに、なぜ熱中症(heat illness)になったのだろう」と病棟看護師に尋ねた。 病棟看護師のAさんへの説明で適切なのはどれか。
1: 「下肢の痛みが原因です」
2: 「湿度の高さも関係します」
3: 「糖分の不足も関係します」
4: 「野球はやめた方が良いです」
Aさん(56歳、男性)は、若いころテニスの選手で、現在も趣味でテニスを続けている。膀胱癌(bladder cancer)と診断され、膀胱全摘除術・回腸導管造設術の手術目的で入院した。Aさんは「外来で病名を聞いたときは動揺しましたが、家族と話し合い、今は心の準備ができています」と看護師に話した。
手術までの観察項目で緊急の処置を必要とする可能性があるのはどれか。
1: 尿閉
2: 頻尿
3: 潜血尿
4: 排尿時痛
術後5日、順調に回復しているAさんのストーマの色はどれか。
1: 白色〜淡黄色
2: 黄土色〜茶色
3: 桃色〜鮮紅色
4: 灰色〜黒色