Aちゃん(5歳、男児)は、両親と2歳の妹と4人で暮らしている。Aちゃんは、1歳のときにてんかん(epilepsy)と診断され、抗てんかん薬を服用していた。数日前から、失禁を伴う意識消失発作がみられるようになったため、検査と治療の目的で入院した。母親によると、抗てんかん薬を飲ませるのを忘れてしまうことがあったという。Aちゃんは、幼稚園に通っており、外で遊んだり絵本を見たりすることが好きである。知的発達の遅れはみられない。
入院後2日。Aちゃんは、午後1時から脳波検査の予定である。看護師は、Aちゃんが自然入眠して脳波検査が行えるよう計画していた。Aちゃんは、午前5時に自然に覚醒した。Aちゃんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 再度眠らせ、朝食時に起床を促す。
2: 再度眠らせ、自然に覚醒するまで寝かせておく。
3: そのまま覚醒させ、眠くなったら寝て良いと伝える。
4: そのまま覚醒させ、午前中は眠らないよう働きかける。
てんかん発作がみられなくなり、Aちゃんは退院することになった。退院後の内服について、母親は「指導を受けて忘れない工夫はしているのですが、 2歳の妹の世話が大変で、つい忘れてしまうのではないかと不安です」と言う。看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 服薬を忘れたときは、次の服薬時に倍量を飲ませるよう指導する。
2: 母親の育児・家事の負担を減らす方法について話し合う。
3: 服薬管理はAちゃん自身に任せるよう指導する。
4: 入院期間の延長を提案する。
子どもの成長・発達における臨界期について正しいのはどれか。
1: 諸機能の獲得・成熟を決定づける時期
2: 遺伝的因子による影響が発現しやすい時期
3: 成長・発達のスピードが緩やかになる時期
4: 発達検査において通過率が90 %となる時期
2歳6か月の幼児で正常な発達と判断されるのはどれか。
1: 前後上下の空間認識ができる。
2: 手掌全体で2cm角の積み木をつかむ。
3: 2〜3か月前から二語文を話している。
4: 半年前から手を引かなくても歩けるようになった。
Aちゃん(4歳)は、風邪で小児科外来を受診した。診察を待っている間、母親から看護師に「昼間は自分でトイレに行けるようになったのに、まだおねしょをするのですが大丈夫でしょうか」と相談があった。 看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 「今は心配ないのでもう少し様子をみましょう」
2: 「夜中に1度起こしておしっこを促してください」
3: 「2時間おきにトイレに行く習慣をつけましょう」
4: 「小児専門の泌尿器科を受診した方がよいでしょう」
乳児が成人に比べ脱水になりやすい理由で正しいのはどれか。
1: 尿細管での水の再吸収能力が低い。
2: 体重当たりの基礎代謝量が少ない。
3: 体重に占める体水分量の割合が低い。
4: 体液における細胞内液の割合が高い。
人工乳と比べた母乳栄養の利点で誤っているのはどれか。
1: 消化吸収しやすい。
2: 感染防御作用がある。
3: 母子相互作用を高める。
4: ビタミンK含有量が多い。
5: アレルギーを生じる可能性が低い。
Aちゃん(2歳10か月)は、両親と生後3か月の妹と4人で暮らしている。Aちゃんは、6日前に発熱および不定形の発疹が腹部と背部とに出現した。解熱薬の使用によって、体温は一時的に低下したが、再び上昇したので受診した。受診時、口唇の充血と乾燥とが著明で、眼球結膜の充血と四肢の硬性浮腫とがみられた。受診時の血液検査の結果は、CRP 15.7mg/dl、AST〈GOT〉22 I U/l、ALT〈GPT〉54 I U/lであった。Aちゃんは川崎病(Kawasaki disease)と診断され、入院した。アスピリンの内服と γ-グロブリンの点滴静脈内注射とが開始された。
入院時のAちゃんへの看護で適切なのはどれか。
1: 歩行を禁止する。
2: 高エネルギー食とする。
3: 弾性包帯で下肢を圧迫する。
4: アナフィラキシー様症状に注意する。
Aちゃんは妹の誕生後、母親からなかなか離れないことが多くなっていたという。最近は、妹のおもちゃを取り上げ、注意されるとすねて返さないことがあった。Aちゃんは排尿は自立していたが、入院後は失敗することが多くなった。Aちゃんのアセスメントで適切なのはどれか。
1: 退行現象がみられる。
2: 自我同一性が確立している。
3: アタッチメントの形成が不良である。
4: 感情をコントロールする能力の発達が遅れている。
心エコー検査で冠状動脈瘤(coronary artery aneurysm)が発見されたが、Aちゃんは元気にしており、退院することになった。Aちゃんの家族への退院指導で適切なのはどれか。
1: 走らせない。
2: 塩分摂取を制限する。
3: 激しく泣かせない。
4: 予防接種は退院後6か月以降に行う。
乳幼児で人見知りが始まる時期はどれか。
1: 生後2~3か月
2: 生後6~12か月
3: 生後18~24か月
4: 生後36~42か月
体重10パーセンタイル値の説明で正しいのはどれか。
1: 1か月前と比べ体重が10%増加した。
2: 同年齢で同性の児の平均体重よりも10%軽い。
3: 同年齢で同性の児の身長相応の体重よりも10%軽い。
4: 同年齢で同性の児100人中、10番目に軽い体重である。
思春期の特徴で正しいのはどれか。
1: 骨密度が最も低い時期である。
2: 男子では、体脂肪が著しく増加する。
3: 身長の増加率が、体重の増加率を上回る。
4: 性的成熟は、女子の方が男子よりも早く始まる。
出産後、児に先天性心疾患(congenital heart disease)があると診断され、母親が「この子の病気は私のせいです」と話している。 母親への看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 児との面会を制限する。
2: 母親の責任ではないと説明する。
3: 母親への病状に関する説明は控える。
4: 母乳を与えることはできないと説明する。
定期予防接種の対象である疾患はどれか。2つ選べ。
1: 麻疹(measles)
2: 水痘(varicella)
3: 風 疹(rubella)
4: B型肝炎(hepatitis B)
5: 流行性耳下腺炎(mumps)
Aちゃんは39週0日に体重3000gで出生した。両親との3人家族である。顔貌(がんぼう)などの特徴や心室中隔欠損があることからダウン症候群(Down’s syndrome)が強く疑われた。
出生当日、医師は、両親に染色体検査の必要性と、検査の結果が出てから詳しい話をすることを説明した。両親は大きなショックを受けていたが、検査に同意した。 Aちゃんの入院中における両親への看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 早期療育の必要性を説明する。
2: ダウン症候群(Down’s syndorome)の親の会への入会を勧める。
3: ダウン症候群(Down’s syndorome)の治療について説明をする。
4: 一緒にAちゃんの世話をすることを提案する。
出生8日目、Aちゃんの体重は2990gになった。母親は「初めての子どもで不安でしたが、少しずつ育児に慣れてきました。でも、うまく抱っこができません」と訴えた。 母親がAちゃんをうまく抱けない理由で考えられるのはどれか。
1: 母親の愛着不足
2: Aちゃんの筋緊張の低下
3: Aちゃんの心室中隔欠損症(ventricular septal defect)
4: Aちゃんの体重の増加不良
その後、Aちゃんはダウン症候群(Down’s syndrome)であると診断された。7か月児健康診査のためにAちゃんと母親が来院した。Aちゃんは常に口を開け、舌を出している。乳歯はまだ生えていない。首はすわっているが、お座りはできない。体重6850g、哺乳量は650~700ml/日である。 Aちゃんの離乳食の開始時期で適切なのはどれか。
1: これからすぐに
2: 乳歯が生え始めてから
3: 体重が7500gになってから
4: お座りができるようになってから
9歳のAちゃんは、2か月前から口渇、多飲および多尿があった。学校の健康診断で尿糖が陽性であったため、受診した。受診時の検査で、Aちゃんは血糖398mg/dl(食後3時間経過)、HbA1C9.3%、動脈血pH7.40、尿糖4+、尿ケトン体+で、1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)の疑いで入院した。
Aちゃんのアセスメントで正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 高血糖
2: 浸透圧利尿
3: 腎機能の低下
4: ケトアシドーシス
5: グルカゴンの分泌低下
Aちゃんは1型糖尿病と診断され、インスリン注射4回法(朝・昼・夕に超速効型インスリン、就寝前に持続型インスリン)が開始された。 Aちゃんへのインスリン注射の指導で適切なのはどれか。
1: 学校では注射をしない。
2: 自己注射の習得を目指す。
3: 毎回、同一部位に注射する。
4: 注射は朝昼夕の食事の30分前に行う。