Aさん(55歳、男性)は、仕事中に胸痛発作に襲われ、急性心筋梗塞(acute myocardial infarction)で緊急入院した。入院直後に、経皮的冠状動脈形成術〈PTCA〉を受けた。
看護師がAさんに心筋梗塞(myocardial infarction)の再発作の予防について説明した。Aさんは「左胸が痛くならなければ大丈夫なんですか」と尋ねた。 胸痛以外の発作の兆候の説明として適切なのはどれか。
1: 羞明
2: 背部痛
3: 乾性咳嗽
4: 出血傾向
急性左心不全 (acute left heart failure) の症状はどれか。
1: 肝腫大
2: 呼吸困難
3: 下腿浮腫
4: 頸静脈怒張
急性心筋梗塞(acute myocardial infarction)において上昇のピークが最も早いのはどれか。
1: AST(GOT)
2: ALT(GPT)
3: LD(LDH)
4: CK(CPK)
Aさん(58歳、男性、会社員)は、妻(55歳)と2人暮らし。5年前から高血圧症(hypertention)、脂質異常症(dyslipidemia)を指摘され、降圧薬を内服していた。自宅で左半身に脱力感が出現し、救急車で搬送された。救急外来でCT及びMRI検査を行った結果、右中大脳動脈領域に脳梗塞(cerebral infarction)の所見が認められた。入院時は、グラスゴー・コーマ・スケール(GCS)E3V4M5、体温36.8℃、呼吸数16/分、脈拍66/分(不整)、血圧160/85mmHg、HbA1c 5.8%、心電図では、RR 間隔は不定で心拍数100/分であった。入院後、血栓溶解療法を受け、2日後からリハビリテーションが開始された。1週後には回復期リハビリテーション病棟へ転棟した。
Aさんの脳梗塞(cerebral infarction)の原因で考えられるのはどれか。2つ選べ。
1: 糖尿病(diabetes mellitus)
2: 胃潰瘍(gastric ulcer)
3: 高血圧症(hypertention)
4: 心房細動(atrial fibrillation)
5: 心房粗動(atrial flutter)
Aさん(56歳、男性)は、コンビニエンスストアの店長で自動車を運転して通勤している。不規則な生活が続き、ストレスが溜まることも多く、十分な睡眠がとれないこともあった。荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現し受診したところ、狭心症(angina pectoris)が疑われたため検査をすることになった。脂質異常症(dyslipidemia)の既往がある。
検査の結果、Aさんは労作性狭心症(angina of effort)と診断され、硝酸薬、カルシウム拮抗薬および抗血小板薬を内服することになった。その後、外来通院を続け、以前と同様に負荷のかかる作業もできるようになった。内服治療から1か月後、胸部の圧迫感が強くなり、時々左上腕から前腕にかけての放散痛も出現するようになったため、経皮的冠動脈形成術〈PCI〉を受けた。カテーテルは右大腿動脈から挿入されていた。 手術中から抗凝固療法を実施している。 手術直後の観察項目として適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 乏尿の有無
2: 皮膚の黄染
3: 出血の有無
4: 両足背動脈の触知
5: 刺部位の感染徴候
胸痛を訴えるのはどれか。
1: 髄膜炎(meningitis)
2: 腎結石(renal stone)
3: 急性心筋梗塞(acute myocardial infarction)
4: Ménière〈メニエール〉病(Ménièreʼs disease)
脳塞栓症(cerebral embolism)を生じやすい不整脈(arrhythmia)はどれか。
1: 心房細動(atrial fibrillation)
2: WPW症候群(WPW syndrome)
3: 心房性期外収縮(atrial premature contraction)
4: 心室性期外収縮(ventricular premature contraction)
5: 完全房室ブロック(complete atrioventricular block)
脳塞栓症(cerebral embolism)を生じやすい不整脈(arrhythmia)はどれか。
1: 心室頻拍(ventricular tachycardia)
2: 心房細動(atrial fibrillation)
3: 心房性期外収縮(atrial premature contraction)
4: 完全房室ブロック(complete atrioventricular block)
咳嗽が起こりやすいのはどれか。
1: 右心不全(right heart failure)
2: 左心不全(left heart failure)
3: 心筋梗塞(myocardial infarction)
4: 肺梗塞(pulmonary infarction)
慢性心不全(chronic heart failure)の患者の急性増悪を疑うのはどれか。
1: 体重の減少
2: 喘息様症状
3: 下肢の熱感
4: くも状血管腫
疾病とその特徴的な所見の組合せで正しいのはどれか。
1: 急性虫垂炎(acute appendicitis) ─ 血便
2: ネフローゼ症候群(nephrotic syndrome) ─ 高血圧
3: 重症筋無力症(myasthenia gravis) ─ けいれん
4: クループ症候群(croup syndrome) ─ 吸気性喘鳴
5: Cushing〈クッシング〉症候群(Cushing syndrome) ─ 頸部リンパ節腫脹
発作性の胸内苦悶を伴う胸痛で、最も疑うべきものはどれか。
1: 心筋炎(myocarditis)
2: 狭心症(angina pectoris)
3: 肋間神経痛(intercostal neuralgia)
4: 逆流性食道炎(reflux esophagitis)
Aさん(38歳、男性)。23時ころ、徒歩で来院した。Aさんは胸を押さえ苦しそうに待合室で座っており、救急外来の看護師が声をかけると、Aさんは日本語を少し話すことができ、外出中に急に胸が痛くなったと話した。Aさんは英語は話せないようだった。Aさんは日本語学校の学生であり、Aさんの指定した番号に電話したところ、Aさんの妻につながり、日本語でのコミュニケーションが可能であった。妻は1時間後に病院に到着できるということだった。この病院には、夜間にAさんの母国語を話せる職員はいなかった。
入院後2日、冠動脈造影〈CAG〉が実施された。冠動脈に有意な狭窄はなく、Aさんは急性心外膜炎(acute pericarditis)と診断された。胸痛に対して消炎鎮痛薬5日分処方された。 処方された2日後、Aさんから「薬がなくなったので追加で処方して欲しい」と病棟看護師に依頼があった。 看護師の対応で優先されるのはどれか。
1: Aさんの痛みの程度を確認する。
2: 医師に鎮痛薬の増量を相談する。
3: Aさんが以前常用していた鎮痛薬の用量を確認する。
4: Aさんが指示された用法を守れていないことを指摘する。
心原性ショックで直ちに現れる徴候はどれか。
1: 血圧の上昇
2: 体温の上昇
3: 尿量の増加
4: 脈拍数の増加
成人患者の甲状腺全摘出術後における合併症とその症状との組合せで正しいのはどれか。
1: 乳び漏 ── 嘔気
2: 術後出血 ── ドレーン排液の白濁
3: 反回神経麻痺 ── 口唇のしびれ
4: 低カルシウム血症hypocalcemia ── テタニー
間欠性跛行が出現するのはどれか。
1: 動脈塞栓症 (arterial embolism)
2: 血栓性静脈炎 (thrombophlebitis)
3: 深部静脈血栓症 (deep vein thrombosis)
4: 閉塞性動脈硬化症 (arteriosclerosis obliterans)
Aさん(50歳、男性、会社員)は半年ほど前から労作時に胸痛と呼吸困難感があり、狭心症angina pectorisと診断され内服治療を受けている。本日明け方から胸部に圧迫感があった。出勤途中に強い胸痛を自覚し、自ら救急車を要請した。救急外来到着時のバイタルサインは、体温35.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(酸素2L/分)。意識は清明。12誘導心電図はV1~V4でST上昇、Ⅱ、Ⅲ、aVF でST低下がみられた。
心臓カテーテル検査の結果、Aさんは急性心筋梗塞acute myocardial infarctionと診断された。心係数2.4L/分/m2、肺動脈楔入圧20mmHgでForrester〈フォレスター〉分類Ⅱ群であった。 身体所見:両側下肺野で呼吸音が減弱しており、軽度の粗い断続性副雑音が聴取される。 心エコー検査:左室駆出率〈LVEF〉58% 胸部エックス線検査:心胸郭比〈CTR〉48% このときのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。
1: 心拡大が認められる。
2: 肺うっ血が起きている。
3: 末梢循環不全が起きている。
4: 左心室の収縮力が低下している。
血栓が存在することによって脳塞栓症(cerebral embolism)を引き起こす可能性があるのはどれか。
1: 右心室
2: 左心房
3: 腎動脈
4: 上大静脈
5: 大腿静脈
鎖骨下静脈へ中心静脈カテーテルを挿入する際に起こりやすい合併症はどれか。
1: 肺炎 (pneumonia)
2: 気胸 (pneumothorax)
3: 嗄声
4: 無気肺 (atelectasis)