母性看護学の過去問

第105回午後:第56問

産後うつ病(postpartum depression)について正しいのはどれか。

1: 一過性に涙もろくなる。

2: スクリーニング調査票がある。

3: 日本における発症頻度は約40 % である。

4: 産後10日ころまでに発症することが多い。

第105回午後:第65問

新生児標識について正しいのはどれか。

1: 沐浴時には児の標識を外す。

2: 標識は1個装着すればよい。

3: 装着する時期は母児同室を開始する直前である。

4: 母親に児を引き渡すときは母子の標識を照合する。

Aさん(28歳、女性、会社員)は、結婚後1年で夫と2人で暮らしている。仕事上の役割も増えている。次回月経予定日を2週過ぎても月経がみられないため、勤務先近くの産婦人科クリニックを受診した。月経周期は28日型で、最終月経は3月2日から4日間であった。診察の結果、妊娠と診断された。

第105回午後:第106問

3月と4月のカレンダーを示す。 本日、4月14日のAさんの妊娠週数および日数を最終月経から求めよ。 妊娠 ① 週 ② 日 ① 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ② 0 1 2 3 4 5 6

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第105回午後:第107問

Aさんは医師から妊娠していると説明を受けた。Aさんは看護師に「初めての妊娠でうれしい。でも、任されている大きなプロジェクトが続けられなくなるため悲しくて、妊娠しなければよかったと思います」と話す。 この時期のAさんの心理状態で最も適切なのはどれか。

1: 錯乱状態である。

2: 他罰的な感情がある。

3: マタニティブルーズである。

4: アンビバレント<両価的>な感情がある。

第105回午後:第108問

Aさんの次回の受診は4週後になった。Aさんは「数日前から朝起きたときやおなかがすいたときに吐き気がします。次の受診までに私の体にどのような変化が起こるのでしょうか」と話した。 看護師のAさんに対する説明で最も適切なのはどれか。

1: 「体がかゆくなります」

2: 「おりものが多くなります」

3: 「仰向けで寝ていると気分が悪くなります」

4: 「下肢にけいれんが起こりやすくなります」

第105回午前:第55問

就労している妊婦に適用される措置と根拠法令との組合せで正しいのはどれか。

1: 時差出勤 ──── 母子保健法

2: 産前産後の休業 ──── 児童福祉法

3: 軽易業務への転換 ──── 母体保護法

4: 危険有害業務の制限 ──── 労働基準法

第105回午前:第56問

低用量経口避妊薬について正しいのはどれか。

1: 血栓症のリスクは増加しない。

2: 1日飲み忘れたときは中止する。

3: 授乳期間を通じて内服は可能である。

4: 副効用に月経前症候群<PMS>(premenstrual syndrome)の軽減がある。

第105回午前:第57問

常位胎盤早期剝離(premature abruption of normally implanted placenta)のリスク因子はどれか。

1: 肥満

2: 妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus)

3: 帝王切開術の既往

4: 妊娠高血圧症候群(pregnancy-induced hypertension)

第104回午前:第64問

高齢女性に生じやすい疾患と原因の組合せで正しいのはどれか。

1: 腟炎 (vaginitis) ──── 腟分泌物の酸性化

2: 外陰炎 (vulvitis)  ──── プロゲステロンの減少

3: 子宮脱 (uterine prolapse)  ──── 骨盤底筋群の筋力低下

4: 子宮体癌 (uterine corpus cancer)  ──── プロラクチンの増加

第104回午前:第65問

在胎 38 週に正常分娩で出生した児で、体重 2,400 g の児が体重 3,000 g の児に比べて起こしやすい症状はどれか。

1: 高血糖

2: 心雑音

3: 低体温

4: 無呼吸

第104回午前:第81問

不妊症 (infertility) について正しいのはどれか。

1: 6 か月間避妊せずに性交渉があっても妊娠しない状態である。

2: 頻度は妊娠を希望し避妊しないカップル 10 組に 3 組である。

3: 体外受精に要する費用の公的な助成制度がある。

4: 女性の年齢と不妊症 (infertility) の治療効果は関係しない。

5: 男性側の原因は 7 割程度である。

A さん(48 歳、専業主婦)は、夫と 2 人で暮らしている。月経周期が 35〜61 日と不規則となり、外来を受診した。診察時、A さんは「一人娘が結婚して遠方に住み、私の体調不良について話しにくく、つらいです。夫とは以前はよく一緒に出かけましたが、今は仕事で忙しく、私は家にいることが多いです」と話した。

第104回午前:第106問

医師は更年期障害 (climacteric disorder) と診断した。診察後、A さんは「どうしてこのような症状が出るのかしら」と看護師に尋ねた。A さんへの説明で適切なのはどれか

1: 「子宮が固くなったためです」

2: 「卵管が狭くなったためです」

3: 「卵巣の機能が低下したためです」

4: 「視床下部の機能が低下したためです」

第104回午前:第107問

A さんは「汗をかきやすくイライラする以外に、どのような変化が起こりますか」と看護師に尋ねた。A さんへの説明で最も適切なのはどれか。

1: 手足が温かくなる。

2: 寝つきが悪くなる。

3: 乏尿になる。

4: 乳房が張る。

第104回午前:第108問

A さんは「私はこれからどうしたらよいでしょうか。日常生活の過ごし方を教えてください」と看護師に尋ねた。看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 「外出は控えてください」

2: 「家事は今までどおり頑張りましょう」

3: 「夫と会話をする機会を増やしましょう」

4: 「娘さんに週に 1 回遊びに来てもらいましょう」

A さん(35 歳、初産婦)は、夫と 2 人で暮らしている。妊娠 28 週 2 日、妊婦健康診査で胎盤が内子宮口を全部覆っていると指摘された。自覚症状はない。その他の妊娠経過に異常は認められていない。A さんは、身長 155 cm、体重 56 kg(非妊時体重50 kg)である。

第104回午前:第109問

A さんの観察項目で最も注意するのはどれか

1: 破 水

2: 激しい腹痛

3: 子宮底の上昇

4: 痛みを伴わない性器出血

第104回午前:第110問

その後、A さんの妊娠経過は順調で、妊娠 37 週 0 日の午後 1 時から帝王切開術が予定された。手術前日の対応で最も適切なのはどれか。

1: 浣腸を実施する。

2: 夕食を禁食とする。

3: 輸血の準備を確認する。

4: 下肢に間欠的空気圧迫装置を使用する。

第104回午前:第111問

A さんは、妊娠 37 週 0 日に帝王切開で体重 2,800 g の児を出産した。術後 3 日、A さんは看護師に「どうすることもできなかったのは分かっているのですが、自然なお産をしたかったです。赤ちゃんを産んだ実感がありません」と話した。看護師の対応として最も適切なのはどれか。

1: 精神科の受診を勧める。

2: 妊娠期からの振り返りをする。

3: 次の出産で経腟分娩を試みるよう勧める。

4: 数日前に帝王切開術を受けた褥婦に話をしてもらうよう勧める。

第104回午後:第64問

セクシュアリティの意義と関連する事項の組合せで正しいのはどれか。

1: 生殖性の性 ──── ジェンダー

2: 性別としての性 ──── 常染色体

3: 連帯性としての性 ──── 種の保存

4: 性役割としての性 ──── 社会的規範

第104回午後:第65問

正常な月経周期に伴う変化で正しいのはどれか。

1: 排卵期には頸管粘液が増量する。

2: 月経の直後は浮腫が生じやすい。

3: 黄体から黄体形成ホルモン〈LH〉が分泌される。

4: 基礎体温は月経終了後から徐々に上昇して高温相になる。

第104回午後:第66問

A さん(38 歳、女性、パート勤務)は、腹痛のため、姉に付き添われて救急外来を受診した。診察時、身体には殴られてできたとみられる複数の打撲痕が確認された。腹痛の原因は夫から蹴られたことであった。A さんは「家に帰るのが怖い。姉には夫の暴力について話したくない」と泣いている。外来での看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 打撲痕を姉に見てもらう。

2: 配偶者暴力相談支援センターに通報する。

3: 暴力を受けたときの状況を具体的に話すことを求める。

4: A さんが日頃から夫を怒らせるようなことがなかったか聞く。