母性看護学の過去問

Aさん(24歳、初産婦、会社員)は、現在、両親と妹の4人で暮らしている。パートナー(24歳、会社員)と結婚する予定である。Aさんは、妊娠8週の妊婦健康診査で「朝起きると気持ちが悪くあまり食べられません。台所から食べ物の匂いがするだけで吐き気がします」と話している。

第106回午後:第101問

このときの妊婦健康診査で「妊娠することは考えていなかったので、これから自分の体にどういうことが起こるのか分かりません」とAさんから相談があった。看護師は、次の妊婦健康診査までに生じやすい変化について説明することにした。 Aさんに生じやすいのはどれか。

1: 痔

2: 便秘

3: 腰痛

4: 静脈瘤

第106回午後:第102問

Aさんは、妊娠23週に結婚し、パートナーの家に転居した。翌週の妊婦健康診査で、Aさんは「最近は、結婚や引っ越しで忙しかったです。これから新しい環境に慣れていきたいと思っています」と話した。妊娠経過は順調である。 このときに看護師がAさんに対して説明する内容で優先度が高いのはどれか。

1: 保育所の選択

2: 乳房の手入れ

3: 側臥位での睡眠

4: 妊婦健康診査の受診頻度

Aさん(26歳、経産婦)は、夫(30歳)と長女(2歳)の3人で暮らしている。妊娠37週2日、これまでの妊娠経過に異常はない。9時に陣痛が開始し、10時に夫に付き添われ入院した。入院時、陣痛間欠9分、陣痛発作30秒であった。内診所見は子宮口2cm開大で、少量の羊水の流出を認めた。羊水混濁はなかった。21時30分に子宮口全開大、22時30分に3,200gの男児を正常分娩で出産した。会陰裂傷は第2度。23時に胎盤娩出し、子宮底の位置は臍高で硬く触れた。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点。分娩2時間後、子宮底の位置は臍下1横指で硬く触れた。分娩時出血量は360mL。

第106回午後:第103問

Aさんの分娩時のアセスメントで適切なのはどれか。

1: 正期産である。

2: 適時破水である。

3: 遷延分娩である。

4: 分娩時出血量は異常である。

第106回午後:第104問

Aさんは、翌日1時に帰室した。5時、尿意はなかったが、トイレでの排泄を促し排尿がみられた。排尿後の観察で、子宮底の位置は臍下1横指で硬く触れ、悪露は赤色で量は中等量であった。会陰縫合部に異常はないが、痛みがあるため円座を使用している。 Aさんへの対応で適切なのはどれか。

1: 「下腹部を温めましょう」

2: 「水分摂取を控えましょう」

3: 「腹筋を強化する体操をしましょう」

4: 「尿意がなくても3〜4時間ごとにトイレに行きましょう」

第106回午後:第105問

産褥3日。Aさんは母乳育児を希望している。Aさんの乳房の形は左右ともⅡa型で、乳房は緊満している。両乳頭に損傷はない。左腋窩に副乳があり「腫れて痛い」と話す。本日の児の体重は3,100gであった。 Aさんに対する看護師の援助で適切なのはどれか。

1: 左腋窩に冷罨法を行う。

2: 乳房マッサージを行う。

3: 3時間ごとの授乳を勧める。

4: 左乳房での授乳を中止する。

第106回午前:第60問

出産や育児に関する社会資源と法律の組合せで正しいのはどれか。

1: 入院助産 ──── 児童福祉法

2: 出産扶助 ──── 母体保護法

3: 出産手当金 ──── 母子保健法

4: 養育医療 ──── 児童手当法

第106回午前:第61問

Aさん(16歳、女子)。身長160cm、体重40kg。1年で体重が12kg減少した。Aさんは6か月前から月経がみられないため婦人科クリニックを受診し、体重減少性無月経(amenorrhea due to weight loss)と診断された。 今後、Aさんの無月経が長期間続いた場合、増加することが予想されるのはどれか。

1: 血糖値

2: 骨吸収

3: 体脂肪率

4: エストロゲン

第106回午前:第62問

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律〈DV防止法〉で正しいのはどれか。

1: 婚姻の届出をしていない場合は保護の対象とはならない。

2: 暴力を受けている者を発見した者は保健所へ通報する。

3: 暴力には心身に有害な影響を及ぼす言葉が含まれる。

4: 母子健康センターは被害者の保護をする。

第106回午前:第63問

妊婦の感染症と児への影響の組合せで正しいのはどれか。

1: 風疹(rubella) ──── 白内障(cataract)

2: 性器ヘルペス(genital herpes) ──── 聴力障害

3: トキソプラズマ症(toxoplasmosis) ──── 先天性心疾患(congenital heart disease)

4: 性器クラミジア感染症(genital chlamydiosis) ──── 小頭症(microcephaly)

第106回午前:第87問

Aさん(30歳、女性)。月経周期は28日型で規則的である。5日間月経があり、現在、月経終了後14日が経過した。 この時期のAさんの状態で推定されるのはどれか。2つ選べ。

1: 排卵後である。

2: 乳房緊満感がある。

3: 子宮内膜は増殖期である。

4: 基礎体温は低温相である。

5: 子宮頸管の粘液量が増加する。

第105回午前:第84問

配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律に定められているのはどれか。2つ選べ。

1: 離婚調停の支援

2: 成年後見制度の利用

3: 保健所による自立支援

4: 婦人相談員による相談

5: 裁判所による接近禁止命令

Aさん(20歳、女性、大学生)は、最近、同じ大学に所属するパートナー(21歳、男性)との性交後に白色帯下が増えた。外陰部に腫瘤はみられず搔痒感や痛みはないが、時々、下腹部に痛みがあった。Aさんは性感染症<STD>(sexually transmitted disease)を疑い、1人で産婦人科クリニックを受診した。診察時の体温36.8 ℃、脈拍62/分であった。

第105回午前:第106問

Aさんの状態に最もあてはまる性感染症<STD>(sexually transmitted disease)はどれか。

1: 性器ヘルペス(genital herpes)

2: 尖圭コンジローマ(condyloma acuminatum)

3: 腟トリコモナス症(vaginal tricomonas infection)

4: 性器クラミジア感染症(genital chlamydiosis)

第105回午前:第107問

Aさんは「彼とは交際を続けたいので、性感染症<STD>(sexually transmitted disease)のことは黙っていてもよいですか。今日、相談に来たことも彼には話していません」と看護師に話した。 Aさんに対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: パートナーには話さなくてもよいと伝える。

2: パートナーに来院を促す電話をすると伝える。

3: Aさんが通う大学の保健センターの看護師に相談するよう勧める。

4: 性感染症<STD>(sexually transmitted disease)に罹患したことをAさんからパートナーに伝えるよう勧める。

第105回午前:第108問

Aさんは医師から「パートナーにも感染の可能性があるので性交渉をしないように」と説明を受けた。Aさんは看護師に「パートナーとはいつから性交渉をしてもよいですか」と相談した。 性交渉を再開する時期の説明で正しいのはどれか。

1: 処方された内服薬をAさんが飲み終えた後

2: Aさんの性感染症<STD>(sexually transmitted disease)の症状がなくなった後

3: パートナーが性感染症<STD>(sexually transmitted disease)の検査を受けた後

4: Aさんとパートナーの性感染症<STD>(sexually transmitted disease)の治癒が確認された後

Aさん(36歳、経産婦)は、夫と長男(3歳)との3人で暮らしている。妊娠40週0日、午前9時にAさんは陣痛開始のため入院した。このときは未破水であった。午後1時、体温36.8 ℃、脈拍64/分、血圧126/70 mmHg であった。Aさんに分娩監視装置を装着したところ、陣痛間欠4分、胎児心拍数基線は140 bpmで、一過性徐脈はみられなかった。午後2時、破水感があり医師が診察したところ、子宮口は7cm開大であり、羊水の流出がみられた。

第105回午前:第109問

この時点でのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。

1: 胎児頻脈

2: 前期破水

3: 分娩第1期

4: 妊娠高血圧症候群(pregnancy-induced hypertension)

第105回午前:第110問

午後2時30 分、Aさんは3,300 g の女児を正常分娩した。分娩時の出血量は200 mLであった。産褥3日、体温37.0 ℃、脈拍76/分、血圧118/60 mmHgであった。血液データは、Hb 11 g/dL、Ht 35 % であった。子宮底の位置は臍下2横指で硬く、赤色の悪露がみられた。乳房は左右とも張り、乳管の開口数は3本ずつで黄色の乳汁が分泌している。乳頭の伸びは少なく児が吸啜するまでに時間がかかっている。 看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 鉄分の多い食事を勧める。

2: 子宮底に冷罨法を行う。

3: 乳頭のケアを行う。

4: 授乳を中止する。

第105回午前:第111問

産褥4日、Aさんの体調は回復し、退院が決定した。夫に連れられて来た長男が赤ちゃんを珍しそうに見ている。Aさんは退院後に長男の退行現象が現れることを心配している。 Aさんへの説明で適切でないのはどれか。

1: 「長男と2人きりになる時間をつくるようにしましょう」

2: 「長男と一緒に赤ちゃんのおむつを交換しましょう」

3: 「長男にしっかりするように話しましょう」

4: 「長男をほめて安心させましょう」

第105回午後:第53問

日本の平成24年(2012年)における周産期死亡率(出産千対)について正しいのはどれか。

1: 2

2: 4

3: 6

4: 8

第105回午後:第54問

性的対象とその性的指向の分類との組合せで正しいのはどれか。

1: 同性 ──── トランスセクシュアル

2: 異性 ──── ヘテロセクシュアル

3: 両性 ──── ホモセクシュアル

4: なし ──── バイセクシュアル

第105回午後:第55問

更年期障害(climacteric disorder)の女性にみられる特徴的な症状はどれか。

1: 異常発汗

2: 低血圧

3: 妄想

4: 便秘