Aさん(25歳、初産婦)は、正常な妊娠経過で妊娠 39週5日に3,100 gの児を分娩した。分娩所要時間 16時間 30分、出血量は 300 m l。会陰切開・縫合術を受けた。
産褥1日。Aさんは、体温 36.8 ℃、脈拍 78/分、血圧 116/70 mmHgである。排尿後の観察では、子宮底の位置は臍下1横指、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられる。会陰縫合部に発赤はないが、痛みがあるため円座を使用している。Aさんは「トイレに行きたい感じがはっきりしません」と言う。観察すると膀胱充満はみられなかった。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 「導尿しましょう」
2: 「お水をたくさん飲みましょう」
3: 「3、4時間ごとにトイレに行きましょう」
4: 「縫合部の痛みがなくなれば感覚が戻ってくるでしょう」
Aさん(37歳、初産婦)、会社員。妊娠41週1日の午後11時に3,200gの女児を分娩した。妊娠や分娩の経過は順調であり、会陰切開術を受けた。分娩後2時間の子宮底の高さは臍下2横指、縫合部に異常はみられなかった。
産褥1日午前5時、赤色悪露が少量みられた。子宮底の高さは臍上1横指で、膀胱部に軽度の膨満を触知したため、トイレでの排尿を促した。しかし、Aさんは「切開した傷が痛くて、排尿しようとしても出ません。どうしましょう」と看護師に相談してきた。 Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 「水分を摂(と)らないようにしてください」
2: 「腹部を温めてみましょう」
3: 「授乳をしてみましょう」
4: 「尿を管で取りましょう」
Aさん(72歳、男性)。妻と2人暮らし。朝6時に、妻が一緒に寝ていたAさんの様子がおかしいことに気付き、救急車を呼んだ。Aさんは病院に搬送された。病院到着時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉 II-10。右片麻痺および失語がみられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数20/分、心拍数110/分、血圧150/90mmHg。身長160cm、体重60kg。頭部CTで明らかな異常所見はなく、頭部MRIを行う予定である。
Aさんは翌日の2時に尿意があり、自然排尿があった。8時に「昨夜は後陣痛の痛みが強くて眠れませんでした。おっぱいを飲ませたら、後陣痛がさらに強くなって、汗が出てきました」と言う。子宮底の高さは臍高、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、脈拍68/分、血圧125/70mmHgであった。 このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 授乳を促す。
2: 入浴を勧める。
3: 骨盤底筋体操を指導する。
4: 鎮痛薬の使用を医師に相談することを伝える。
Aさん(35歳、経産婦)は、妊娠中に妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus)と診断され、食事療法を行っていた。Aさんは、妊娠 39週3日に3,500 gの児を自然分娩した。分娩の所要時間は2時間 45分、出血量は 450 m l、第1度会陰裂傷のため縫合術を受けた。児の Apgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点であった。
分娩後6時間。Aさんは、体温 37.2 ℃、脈拍 64/分、血圧 126/68 mmHgである。子宮底の位置は臍高、子宮はやや軟らかく触れ、血性悪露が中等量みられる。下腹部痛はないが会陰縫合部の痛みが軽度ある。乳房に緊満はなく、乳腺開口は 2、3本である。 このときのAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 床上安静を勧める。
2: 下腹部に温罨法を行う。
3: 子宮底の輪状マッサージを行う。
4: 乳房の自己マッサージを指導する。
Aさん(26歳、経産婦)は、夫(30歳)と長女(2歳)の3人で暮らしている。妊娠37週2日、これまでの妊娠経過に異常はない。9時に陣痛が開始し、10時に夫に付き添われ入院した。入院時、陣痛間欠9分、陣痛発作30秒であった。内診所見は子宮口2cm開大で、少量の羊水の流出を認めた。羊水混濁はなかった。21時30分に子宮口全開大、22時30分に3,200gの男児を正常分娩で出産した。会陰裂傷は第2度。23時に胎盤娩出し、子宮底の位置は臍高で硬く触れた。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点。分娩2時間後、子宮底の位置は臍下1横指で硬く触れた。分娩時出血量は360mL。
Aさんは、翌日1時に帰室した。5時、尿意はなかったが、トイレでの排泄を促し排尿がみられた。排尿後の観察で、子宮底の位置は臍下1横指で硬く触れ、悪露は赤色で量は中等量であった。会陰縫合部に異常はないが、痛みがあるため円座を使用している。 Aさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 「下腹部を温めましょう」
2: 「水分摂取を控えましょう」
3: 「腹筋を強化する体操をしましょう」
4: 「尿意がなくても3〜4時間ごとにトイレに行きましょう」
Aさん(40歳、初産婦)は妊娠経過に異常がなく、妊娠41週に陣痛発来した。分娩中に臍帯圧迫による胎児機能不全を認めたため緊急帝王切開になった。麻酔は、脊椎麻酔に硬膜外麻酔を併用した。出生した児の体重は3150g、アプガースコアは1分後7点、5分後9点であった。Aさんは、術中の経過に異常はなく、出血量400ml。術直後の検査でHb11.5g/dlであった。
術後1日目のAさんの状態は、体温37.2度、脈拍78/分、血圧110/62mmHgであり、腸蠕動音が聴取される。子宮底の位置は臍高では収縮は良好、血性悪露が中等量ある。硬膜外チューブが挿入されており、体動時に創部痛が軽度ある。 Aさんの術後1日目の看護で適切なのはどれか。
1: 禁食
2: 授乳の介助
3: ベッド上安静
4: 子宮底の輪状マッサージ
Aさん(28歳、初産婦) は、夫(30歳) と2 人暮らし。妊娠25週4日に妊娠糖尿病(GDM)(gestational diabetes mellitus)と診断され、インスリンの自己注射を行っている。胎位が骨盤位であったため妊娠38週2日に予定帝王切開術を受け、3,050g の男児を出産した。麻酔は脊髄くも膜下麻酔で、術中の経過に異常はなく、出血量は480mLであった。弾性ストッキングを着用している。児Apgarr(アプガー)スコアは1分後8点、5分後10点。児のバイタルサインは直腸温37.3℃、呼吸数45/分、心拍数154/分、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)99%であった。
手術後1日。Aさんのバイタルサインは、体温37.3℃、脈拍68/分、血圧124/66mmHg であった。排ガスはあるが、排便はない。Aさんは膀胱留置カテーテルの抜去後、看護師に付き添われ歩いて室内のトイレに行った。排尿後、すぐにベッドに横になった。Aさんは「起き上がってから頭が痛くなりました。めまいやふらつきはありませんでした」と看護師に話す。子宮底の高さは臍高、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられた。後陣痛はない。 Aさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 手術前から着用している弾性ストッキングを脱がせる。
2: 腹部の冷罨法を行う。
3: 床上排泄を促す。
4: 水分摂取を促す。
Aさん(36歳、2回経産婦)は正常な妊娠経過で、妊娠37週2日に2600gの児を正常分娩した。分娩の所要時間は3時間40分、出血量は250ml、会陰裂傷はない。
産褥1日目、体温37.3度、脈拍70/分、血圧104/68mmHgである。子宮底の位置は臍下2横指、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられる。Aさんは「授乳後におなかが痛くなりました」と言う。 Aさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 経過観察
2: 授乳の中止
3: 全粥食への変更
4: 下腹部の冷罨法
A さん(30 歳、経産婦)は、妊娠 40 週 1 日で、妊娠経過は順調であった。本日、午後 5 時に体重 3,900 g の女児を正常分娩した。会陰縫合術を受け、分娩時出血量は400 mL であった。分娩後 2 時間のバイタルサインは、体温 37.1 ℃、脈拍 64/分、血圧 124/70 mmHg であった。排尿後の子宮底の位置は臍下 1 横指、収縮良好で帰室した。A さんは午後 8 時に夕食を全量摂取し、寝るまでに水を 500 mL 飲んだ。
翌朝、A さんは体温 36.8 ℃、血圧 116/66 mmHg であった。就寝後から朝まで排尿はなく、子宮底の位置は臍高であった。A さんの状態で経過観察してよいのはどれか
1: 尿意なし
2: 脈拍 110/分
3: 軟らかく触れる子宮底
4: 会陰切開縫合部の痛み
Aさん(34歳、初産婦)は順調な妊娠経過であった。妊娠40週5日の午前8時、10分毎の規則的な子宮収縮を主訴に来院し、医師の診察の結果、入院となった。入院時の胎児心拍数基線は130bpm、胎児の推定体重は3,300gであった。
Aさんの分娩は順調に進行した。午後5時に破水し、午後6時には子宮口開大8cmとなった。「便が出そうです。もう、これ以上頑張れない」と陣痛発作時には全身に力が入っている。 このときの看護師の声かけで正しいのはどれか。
1: 「リラックスするためにお風呂に入りましょう」
2: 「赤ちゃんのために我慢しましょう」
3: 「トイレに行って排便しましょう」
4: 「息を吐いて力を抜きましょう」
Aさん(28歳、初産婦)は、妊娠 30週である。今朝から性器出血が少量認められたため外来を受診した。受診時、子宮収縮は1時間に4、5回認められ、Aさんは時々、軽い痛みを訴えた。今までの妊娠経過では、異常は認められていない。身長 160 cm、体重 60 kg(非妊時54 kg)である。
Aさんは入院し、子宮収縮抑制薬の点滴静脈内注射が開始された。入院翌日の朝、1時間に2、3回の不規則な子宮収縮はあるが痛みはない。性器出血はない。子宮口は閉鎖している。体温 37.1 ℃。脈拍 88/分、整。血圧 130/76mmHg。この時点の看護計画として最も適切なのはどれか。
1: 食事は流動食とする。
2: 清潔ケアは清拭とする。
3: 排尿は毎回導尿とする。
4: 血圧を継続モニタリングする。
Aさん(17歳、高校生)。身長158cm、体重48kg。Aさんは最近、月経時に下腹部痛が繰り返し出現し、寝込むことが多くなった。心配した母親と一緒に、Aさんは産婦人科クリニックを受診し、医師から機能性月経困難症(functional dysmenorrhea)と診断された。既往歴に特記すべきことはない。
Aさんの下腹部痛についての説明で適切なのはどれか。
1: プロスタグランディンの過剰産生によって起こる。
2: 無排卵性の月経によって起こる。
3: 卵巣内のうっ血によって起こる。
4: 経血の流出によって起こる。
Aさん(25歳、初産婦)は、妊娠 40週0日に3,600 gの女児を正常分娩した。出血量は 250 ml、持続した出血はない。分娩後、 Aさんは児を見て「かわいい」と言い、授乳している。乳管口の開口数は左右 1本ずつである。分娩 2時間後、子宮底の位置は臍下 1横指で、硬度は良好であった。
産褥 1日。Aさんは「トイレに行ったら、小さい血の塊が 1個出ました」と訴えた。看護師が観察すると、 Aさんは、体温 36.5℃、脈拍 60/分であった。子宮底の位置は臍上 1横指で、硬さは昨日より軟らかくなっていた。乳管口の開口数は左右 2本ずつである。このときの Aさんへの対応で優先度が高いのはどれか。
1: 人工乳を勧める。
2: 腹部の温罨法をする。
3: ベッド上の安静を勧める。
4: 子宮底の輪状マッサージをする。
Aさん(30歳、初産婦)は妊娠39週3日で陣痛発来し、4時に入院した。その後、陣痛が増強して順調な分娩進行と診断されて、11時45分の診察で子宮口が8cm開大となった。看護師が12時に昼食を配膳にいくとAさんは額に汗をかいて、側臥位で「陣痛がつらくて何も飲んだり食べたりしたくありません」と言っている。陣痛発作時は強い産痛と努責感を訴え、目を硬く閉じて呼吸を止めて全身に力を入れている。
Aさんは16時15分、3,300gの男児を経腟分娩で出産した。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後9点。胎盤娩出直後から凝血の混じった暗赤色の性器出血が持続している。この時点での出血量は600mL。臍高で柔らかい子宮底を触れた。脈拍90/分、血圧116/76mmHg。意識は清明。Aさんは「赤ちゃんの元気な泣き声を聞いて安心しました」と言っている。 このときの看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 子宮底の輪状マッサージを行う。
2: 膀胱留置カテーテルを挿入する。
3: 水分摂取を促す。
4: 全身清拭を行う。
Aさん(28歳、初産婦)は、妊娠 30週である。今朝から性器出血が少量認められたため外来を受診した。受診時、子宮収縮は1時間に4、5回認められ、Aさんは時々、軽い痛みを訴えた。今までの妊娠経過では、異常は認められていない。身長 160 cm、体重 60 kg(非妊時54 kg)である。
Aさんは、妊娠 32週に破水した。羊水混濁はない。胎児は頭位である。破水直後の対応として最も適切なのはどれか。
1: 外陰部洗浄を行う。
2: セミファーラー位とする。
3: 胎児心拍モニターを装着する。
4: 帝王切開の術前準備を開始する。
Aさん(24歳、初産婦)、事務職。妊娠8週である。現在、両親と妹との4人で暮らしている。パートナーは24歳の大学院2年生で就職が内定しており、Aさんと結婚する予定である。
Aさんは「妊娠することは考えていなかったので、自分の体にどんなことが起こるのか想像もつきません」と話した。看護師は、次の妊婦健康診査までに生じやすい変化について説明することにした。 Aさんに説明する内容で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 痔
2: 便秘
3: 静脈瘤
4: 帯下の増加
5: 皮膚の瘙痒感
Aさん ( 17歳、女子、高校生 )は、 3か月前から月経初日に腹痛や腰痛が生じて、学校を休むようになったため婦人科を受診した。 Aさんの月経周期は 26〜34日、持続日数は 4〜 6日である。 Aさんはコーヒーを毎朝 1杯飲んでおり、運動習慣はない。 Aさんは身長 162 cm、体重 55 kgであり、既往歴に特記すべきことはない。
診察の結果、器質的病変は確認されなかった。 Aさんは「生活で何か気を付けることはありますか」と尋ねた。 Aさんへの月経時の生活指導で適切なのはどれか。
1: 安静の保持
2: 腰部の温罨法
3: コーヒー摂取量の増量
4: 腹部を締めつける下着の着用
Aさん(30歳、初産婦、会社員)は、夫と2人暮らし。妊婦38週6日で3,200gの児を正常分娩した。分娩後から母子同室を開始しており、母乳育児を希望している。
産褥3日。Aさんの子宮底は臍下3横指、硬度は硬い。悪露は血性少量であった。乳房は左右とも全体的に硬く触れ、熱感と発赤があり痛みを訴えている。乳汁分泌状態は、乳管口は開口数左右5本ずつ、移行乳の分泌を認める。Aさんのバイタルサインは体温37.9℃、脈拍72/分、血圧108/60mmHgであった。 Aさんの状態として最も考えられるのはどれか。
1: 産褥熱(puerperal fever)
2: 子宮復古不全(sub-involution of the uterus)
3: 乳腺炎(mastitis)
4: 乳房緊満(breast fullness)
Aさん(24歳、初産婦、会社員)は、現在、両親と妹の4人で暮らしている。パートナー(24歳、会社員)と結婚する予定である。Aさんは、妊娠8週の妊婦健康診査で「朝起きると気持ちが悪くあまり食べられません。台所から食べ物の匂いがするだけで吐き気がします」と話している。
このときの妊婦健康診査で「妊娠することは考えていなかったので、これから自分の体にどういうことが起こるのか分かりません」とAさんから相談があった。看護師は、次の妊婦健康診査までに生じやすい変化について説明することにした。 Aさんに生じやすいのはどれか。
1: 痔
2: 便秘
3: 腰痛
4: 静脈瘤
Aさん(36歳、経産婦)は、夫と長男(3歳)との3人で暮らしている。妊娠40週0日、午前9時にAさんは陣痛開始のため入院した。このときは未破水であった。午後1時、体温36.8 ℃、脈拍64/分、血圧126/70 mmHg であった。Aさんに分娩監視装置を装着したところ、陣痛間欠4分、胎児心拍数基線は140 bpmで、一過性徐脈はみられなかった。午後2時、破水感があり医師が診察したところ、子宮口は7cm開大であり、羊水の流出がみられた。
午後2時30 分、Aさんは3,300 g の女児を正常分娩した。分娩時の出血量は200 mLであった。産褥3日、体温37.0 ℃、脈拍76/分、血圧118/60 mmHgであった。血液データは、Hb 11 g/dL、Ht 35 % であった。子宮底の位置は臍下2横指で硬く、赤色の悪露がみられた。乳房は左右とも張り、乳管の開口数は3本ずつで黄色の乳汁が分泌している。乳頭の伸びは少なく児が吸啜するまでに時間がかかっている。 看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 鉄分の多い食事を勧める。
2: 子宮底に冷罨法を行う。
3: 乳頭のケアを行う。
4: 授乳を中止する。