Aさん(56歳、男性)は、コンビニエンスストアの店長で自動車を運転して通勤している。不規則な生活が続き、ストレスが溜まることも多く、十分な睡眠がとれないこともあった。荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現し受診したところ、狭心症(angina pectoris)が疑われたため検査をすることになった。脂質異常症(dyslipidemia)の既往がある。
Aさんの運動負荷心電図検査(トレッドミル運動負荷試験)の結果を別に示す。 このときの心電図の所見で適切なのはどれか。
1: 発作時はST低下がある。
2: 発作時はP波が低下している。
3: 安静時は異常Q波がある。
4: 安静時は冠性T波がある。
5: 安静時と発作時ともにQRS幅が拡大している。
Aさん(50歳、男性、会社員)は半年ほど前から労作時に胸痛と呼吸困難感があり、狭心症angina pectorisと診断され内服治療を受けている。本日明け方から胸部に圧迫感があった。出勤途中に強い胸痛を自覚し、自ら救急車を要請した。救急外来到着時のバイタルサインは、体温35.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(酸素2L/分)。意識は清明。12誘導心電図はV1~V4でST上昇、Ⅱ、Ⅲ、aVF でST低下がみられた。
心臓カテーテル検査の結果、Aさんは急性心筋梗塞acute myocardial infarctionと診断された。心係数2.4L/分/m2、肺動脈楔入圧20mmHgでForrester〈フォレスター〉分類Ⅱ群であった。 身体所見:両側下肺野で呼吸音が減弱しており、軽度の粗い断続性副雑音が聴取される。 心エコー検査:左室駆出率〈LVEF〉58% 胸部エックス線検査:心胸郭比〈CTR〉48% このときのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。
1: 心拡大が認められる。
2: 肺うっ血が起きている。
3: 末梢循環不全が起きている。
4: 左心室の収縮力が低下している。
心電図を下に示す。所見として正しいのはどれか。 2 つ選べ。
1: R-R 間隔の不整
2: 細動波の出現
3: QRS 波の消失
4: ST の上昇
5: 陰性 T 波
Aさんに鎖骨下静脈から中心静脈カテーテルを挿入した。その直後、Aさんに呼吸困難が出現した。 最も優先される検査はどれか。
1: 胸部CT
2: 心電図(ECG)
3: 気管支鏡検査
4: 胸部エックス線撮影
胸部エックス線写真を下に示す。心胸郭比について正しいのはどれか。
1: 小さい。
2: 正常である。
3: 大きい。
4: 測定できない。
Aさんは会議中に時々動悸を感じることがあるため受診した。安静時心電図に異常は認められなかった。 次に行う検査はどれか。
1: 運動負荷心電図
2: 動脈血ガス分析
3: 心臓カテーテル検査
4: Holter〈ホルター〉心電図
心電図モニターで不整脈 (arrhythmia) の変化がみられた。このときの心電図を下に示す。初期対応で適切なのはどれか。
1: 胸骨圧迫を行う。
2: 体表面ペーシングを準備する。
3: 自覚症状がなければ経過観察をする。
4: 自覚症状と血圧を医師に報告して指示を待つ。
加齢に伴う心血管系の変化で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 心拍数の増加
2: 左室壁の肥厚
3: 収縮期血圧の上昇
4: 圧受容機能の亢進
5: 刺激伝導系の細胞数の増加
Aさん(24歳、男性)は、突然出現した胸痛と呼吸困難があり、外来を受診した。意識は清明。身長180cm、体重51kg、胸郭は扁平である。20歳から40本/日の喫煙をしている。バイタルサインは、体温36.2℃、呼吸数20/分(浅い)、脈拍84/分、血圧122/64mmHg である。 胸部エックス線写真(別冊No.1)を別に示す。 Aさんの所見から考えられるのはどれか。
1: 抗菌薬の投与が必要である。
2: 胸腔ドレナージは禁忌である。
3: 右肺野の呼吸音は減弱している。
4: 胸腔内は腫瘍で占められている。
開心術後の心タンポナーデ(cardiac tamponade)で正しいのはどれか。
1: 徐脈
2: 心音増強
3: 心拍出量の増加
4: 中心静脈圧の上昇
過換気でみられるのはどれか。
1: 骨格筋の弛緩
2: 血中酸素分圧の低下
3: 体循環系の血管の収縮
4: 代謝性アルカローシス
5: 血中二酸化炭素分圧の上昇
加齢に伴う呼吸循環機能の変化について正しいのはどれか。
1: 残気量は変化しない。
2: 肺の弾性は低下する。
3: 左心室壁は薄くなる。
4: 安静時の心拍出量は増加する。
正常な心臓で心拍出量が減少するのはどれか。
1: 心拍数の増加
2: 大動脈圧の上昇
3: 静脈還流量の増加
4: 心筋収縮力の上昇
Aさん(55歳、男性)は、仕事中に胸痛発作に襲われ、急性心筋梗塞(acute myocardial infarction)で緊急入院した。入院直後に、経皮的冠状動脈形成術〈PTCA〉を受けた。
看護師がAさんに心筋梗塞(myocardial infarction)の再発作の予防について説明した。Aさんは「左胸が痛くならなければ大丈夫なんですか」と尋ねた。 胸痛以外の発作の兆候の説明として適切なのはどれか。
1: 羞明
2: 背部痛
3: 乾性咳嗽
4: 出血傾向
Aさん(34歳、男性)は、運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90 mmHg と尿蛋白2+、尿潜血2+を指摘されたが放置していた。1週前、感冒様症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgA が高値でIgA腎症(IgA nephropathy)が疑われ入院した。
Aさんは退院後、仕事が忙しくなり一度も受診をせずに2年が経過した。2か月前から疲れやすくなったが、仕事のせいだと思い放置していた。1週前から息切れ、食欲不振および浮腫があり、昨日から眠気、悪心および嘔吐が出現したため外来を受診した。体温36.5 ℃、脈拍98/分、血圧238/112 mmHg であった。血液検査データは、尿素窒素100 mg/dL、クレアチニン12.0mg/dL、Hb 7.1 g/dL。胸部エックス線写真で心拡大と肺うっ血とが認められ入院した。 直ちに行われるのはどれか。2つ選べ。
1: 輸血
2: 血液透析
3: 利尿薬の内服
4: 胸腔ドレナージ
5: 降圧薬の点滴静脈内注射
Aちゃん(生後3か月)は、体重 2,850gで出生した。Aちゃんは、出生直後から心雑音を認め、中等度の心室中隔欠損症(ventricular septal defect)と診断された。強心薬と利尿薬との内服で経過観察していた。昨日から喘鳴と哺乳力低下とがみられるようになり、心不全の治療のため入院となった。入院時、Aちゃんは体重 5,050g、体温 37.6 ℃、呼吸数52 /分、発汗が著明である。チアノーゼはみられない。ミルクは約 100 ml/回を1日6、7回哺乳している。
Aちゃんの血行動態で正しいのはどれか。
1: 肺血流量の増加
2: 右心室から左心室への短絡
3: 大動脈から肺動脈への短絡
4: 大静脈から還流する血液量の増加
拡張期雑音が聴取されるのはどれか。
1: 僧帽弁狭窄
2: 大動脈弁狭窄
3: 肺動脈弁狭窄
4: 心室中隔欠損
Aさん(64歳、女性、主婦)は、50歳で高血圧症hypertensionと診断され、降圧薬を服用している。栄養指導を受け、食事療法も実施している。趣味はサイクリングと海外旅行である。数か月前からサイクリング中に息苦しさやめまいを感じるようになったため、かかりつけ医から紹介された病院を受診した。外来受診時のバイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数24/分、脈拍40/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。
Aさんは完全房室ブロックcomplete atrioventricular blockが疑われた。 Aさんに行われる検査で優先されるのはどれか。
1: 心臓超音波検査
2: 12誘導心電図検査
3: 心臓カテーテル検査
4: 運動負荷心電図検査
加齢に伴う呼吸機能の変化で正しいのはどれか。
1: 残気量の低下
2: 肺活量の低下
3: 1秒率の増加
4: 気道クリアランスの向上
急性心筋梗塞(acute myocardial infarction)において上昇のピークが最も早いのはどれか。
1: AST(GOT)
2: ALT(GPT)
3: LD(LDH)
4: CK(CPK)