精神保健活動における二次予防に該当するのはどれか。
1: 地域の子育てサークルへの支援
2: 休職中のうつ病(depression)患者への復職支援
3: 企業内でのメンタルヘルス講座の開催
4: 学校を長期間欠席している児童への家庭訪問
精神障害者の施設症(institutionalism)の予防策として、最も適切なのはどれか。
1: 隔離室の使用を避ける。
2: 病棟の規則を厳密に決める。
3: 病棟行事はスタッフが企画する。
4: 地域住民との交流の機会を増やす。
慢性疾患をもつ成人の自己管理を促進する援助はどれか。
1: 行動の習慣化を促す。
2: 医療者が患者の目標を設定する。
3: 結果を優先して評価することを促す。
4: うまくいかない行動に目を向けるよう促す。
精神障害者のリカバリ〈回復〉の考え方で正しいのはどれか。 2 つ選べ。
1: 患者に役割をもたせない。
2: 薬物療法を主体に展開する。
3: 患者の主体的な選択を支援する。
4: 患者のストレングス〈強み・力〉に着目する。
5: リカバリ〈回復〉とは病気が治癒したことである。
精神障害者のリカバリ〈回復〉について正しいのはどれか。
1: ストレングスモデルが適用される。
2: 目標に向かう直線的な過程である。
3: 精神疾患が寛解した時点から始まる。
4: 精神障害者が1人で達成を目指すものである。
5: 精神障害者が病識を獲得するまでの過程である。
現在の日本の精神医療で正しいのはどれか。
1: 精神保健福祉センターは各市町村に設置されている。
2: 精神病床に入院している患者の疾患別内訳では認知症が最も多い。
3: 精神障害者保健福祉手帳制度によって通院医療費の給付が行われる。
4: 人口当たりの精神病床数は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中では最も多 い。
向精神薬と副作用(有害事象)の組合せで正しいのはどれか。
1: 抗精神病薬 ──── 多毛
2: 抗認知症薬 ──── 依存性
3: 抗てんかん薬 ──── 急性ジストニア
4: 抗うつ薬 ──── セロトニン症候群
Aさん(28歳、女性、外国籍)は3年前に日本人の夫と結婚し来日した。簡単な日本語を話せたため、来日した半年後からコンビニエンスストアでアルバイトを始めた。最近になり、夫は仕事で帰りが遅くなることが多くなった。Aさんが「お客さんが自分の悪口を言っている」と話したが、夫は気にしなかった。その後、アルバイト先の上司から「Aさんが奇声を発している」「ぶつぶつと独り言を言って歩き回っている」と夫に連絡があった。夫が病院に付添い精神科外来を受診し、統合失調症schizophreniaと診断されて入院となった。入院時、Aさんの髪は乱れ、誰かに見張られている気がすると怯えていた。
入院当日に看護師が行う情報収集で最も優先するのはどれか。
1: 症状が日常生活に与える影響
2: アルバイト先の人間関係
3: 医療用語の理解力
4: 精神疾患の家族歴
厚生労働省のこころのバリアフリー宣言の目的で正しいのはどれか。
1: 精神疾患への偏見をなくすための正しい理解の促進
2: 高齢者の孤立を防ぐためのふれあいのある社会づくり
3: 身体障害者の人格を尊重するためのバリアフリー化の推進
4: 引きこもりから社会参加を試みる際の障壁を軽減する支援
精神疾患患者の家族の感情表出〈expressed emotion:EE〉について正しいのはどれか。
1: 家族の訴えが明確になる。
2: 認知行動療法の技法である。
3: 統合失調症 (schizophrenia)の再発に関連がある。
4: 家族のストレス対処として効果的である。
認知症(dementia)の高齢者に対するノーマライゼーションで正しいのはどれか。
1: 散歩を勧める。
2: 決められた服を着るよう勧める。
3: 重度の場合は精神科病棟に入院を勧める。
4: 食べこぼしのあるときに箸を使用しないよう勧める。
不安が強いうつ病患者(depression)への対応でもっとも適切なのはどれか。
1: 不安の原因を言語化するよう促す。
2: 不安が強いときは意識的に話題を変える。
3: 抗不安薬はなるべく使用しない方がよいと伝える。
4: 病気の治療とともに不安は軽減する可能性があることを伝える。
高齢者のうつ病 (depression) の説明で正しいのはどれか。
1: 電気けいれん療法は行わない。
2: 認知症との区別はつきやすい。
3: 三環系抗うつ薬を第一選択薬とする。
4: 若年者と比べて身体症状の訴えが多い。
Aさん(38歳、初産婦)は、妊娠38週3日に2,900gの女児を正常分娩した。出産前は、Aさんは夫と2人で暮らしていた。引っ越して3か月であり、周囲に親しい知り合いや友人はまだいない。
看護師はベッドサイドの椅子に座り、Aさんから育児について分からないことが多いという話を聞いた。話し終えたAさんは「少しすっきりしたような気がします」と言った。 このときの看護師の対応で優先度の高いのはどれか。
1: 元気づける。
2: 休息を促す。
3: 精神科の受診を勧める。
4: 母親として自覚するよう話す。
Aさん (42歳、男性)は、全身倦怠感を訴え病院を受診したところ、肝機能障害が認められ内科に入院した。Aさんは大量飲酒を長期間続けており、アルコール依存症(alcohol dependence)が疑われた。内科医からの依頼で精神科医が診察をしたときは、Aさんは意識清明で見当識障害はなかった。妻とは不仲であり、半年前に仕事で大きなトラブルがあったため、朝から飲酒するようになり飲酒量はさらに増えていた。
その後、薬物治療によって興奮は改善した。肝機能も改善し、夜間もよく眠れるようになったため、退院が決定した。 Aさんに対する退院時の説明で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 「仕事は辞めましょう」
2: 「断酒会に参加しましょう」
3: 「集団精神療法を受けましょう」
4: 「飲酒しない日を週1日設けましょう」
5: 「生活行動を家族に記録してもらいましょう」
難病患者が自分の病気について学ぶことで不安を解消しようとする防衛機制はどれか。
1: 否認
2: 昇華
3: 知性化
4: 合理化
5: 反動形成
Aさん(22歳、統合失調症schizophrenia)は父親、母親、妹との4人暮らし。高校卒業後、アルバイトをしていたが、症状の悪化によって初めて精神科病院に入院した。退院後に一般企業で働きたいと希望している。 看護師がAさんに提案するサービスで適切なのはどれか。
1: 行動援護
2: 就労移行支援
3: 自立生活援助
4: 地域定着支援
災害急性期における精神障害者への看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 名札の着用を指示する。
2: 災害の状況については説明しない。
3: 不眠が続いても一時的な変化と判断する。
4: 服薬している薬剤を中断しないように支援する。
医療現場における暴力について正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 精神科に特有のものである。
2: 病室環境は誘因にならない。
3: 目撃者は被害者に含まれない。
4: 暴力予防プログラムに合わせて対処する。
5: 発生を防止するためには組織的な体制の整備が重要である。
リエゾン精神看護に関する説明で正しいのはどれか。
1: 直接ケアは含まれない。
2: 精神疾患の既往のある患者は対象とならない。
3: 看護師は必要に応じて精神病床への移動を指示できる。
4: 身体疾患と精神的問題とを併せ持つ患者を対象とする。