Aさん(20歳、男性、大学生)は、炎天下で長時間サッカーをしていたところ転倒し、左膝と左側腹部を強打した。「左膝がカクッと折れて力が入らない。左腹部が痛い」ことを主訴に救急外来を受診した。 受診時のバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数14/分、脈拍98/分、血圧102/58mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)98%。血液検査の結果、赤血球550万/μL、Hb 16.0g/dL、Ht 55%、白血球8,900/μL、CRP 0.3mg/dLであった。尿検査は尿潜血(ー)、尿比重1.025、濃縮尿であった。胸部・腹部・下肢のエックス線写真に異常なし。胸腹部CTでは脾臓損傷を否定できなかった。このため、左半月板損傷と外傷性脾臓損傷を疑い入院となった。
Aさんの状態をアセスメントするために、救急外来受診時に優先して観察すべき項目はどれか。
1: 尿の性状
2: 腸蠕動音
3: 脈拍数
4: 体温
Aちゃん(3歳、女児)は、父親(会社員)と母親(会社員)との3人暮らし。Aちゃんは、生後11か月のときに、卵による食物アレルギー(food allergy)と診断され、医師の指示で卵の除去食療法をしていた。保育所では卵を除去した給食が提供されている。Aちゃんは保育所の給食の時間に、隣の席の園児の卵が入ったおかずを摂取し、蕁麻疹と咳嗽が出現した。保育士に連れられて救急外来を受診した。Aちゃんは保育士に抱っこされ、「かゆい」と訴えており、咳込みがみられた。
受診時に観察する項目で優先度が高いのはどれか。
1: 体温
2: 心拍数
3: 腸蠕動音
4: 蕁麻疹の範囲
意識障害がある患者への救命救急処置で最も優先されるのはどれか。
1: 保温
2: 輸液
3: 酸素吸入
4: 気道確保
全身性けいれん発作を起こしている患者に最も優先して行うのはどれか。
1: 気道確保
2: 周囲の環境整備
3: 末梢静脈路の確保
4: 心電図モニターの装着
Aさん(88歳、男性)は、10年前に脳梗塞cerebral infarctionを発症し左半身麻痺の後遺症がある。杖歩行はでき、要介護2で介護保険サービスを利用中である。Aさんが最近食欲がなく、水分もあまり摂らず、いつもと様子が違うことを心配した妻がAさんに付き添って受診した。 身体所見:呼びかけに対して返答はあるが反応はやや遅い。麻痺の症状に変化はない。 バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数20/分、脈拍100/分、血圧140/60mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。 検査所見:赤血球410万/μL、白血球6,800/μL、Ht50%、総蛋白6.5g/dL、尿素窒素25mg/dL、Na150mEq/L、K3.8mEq/L、血糖値110mg/dL、CRP0.01mg/dL。胸部エックス線写真に異常なし。
Aさんの状態をアセスメントするために、外来看護師が収集すべき情報で優先度が高いのはどれか。
1: 口渇感
2: 呼吸音
3: 尿比重
4: 腹部膨満感
在胎40週2日、正常分娩で出生した男児。出生時体重3,300g、身長48.5cm。生後1日の体重は3,200g。バイタルサインは腋窩温37.2℃、呼吸数70/分、心拍数130/分。出生後24時間までに、排尿が1回、排便が1回みられた。
児の状態で正常から逸脱しているのはどれか。
1: 体温
2: 呼吸数
3: 心拍数
4: 排尿回数
5: 排便回数
Aさん(58歳、男性)は、妻(55歳、会社員)、長女夫婦および生後5か月の孫の5人で暮らしている。頸椎の後縦靱帯骨化症(ossification of posterior longitudinal ligament)と診断され椎弓形成術を受けた。リハビリテーション病院に転院し2か月前に退院した。退院時から週1回の訪問看護を受けている。現在の症状は、下肢のしびれ、知覚鈍麻、筋力低下、上下肢の痙性麻痺および膀胱直腸障害である。移動は車椅子で、食事はリハビリテーション用のフォークを使用して座位で摂取している。排泄は家族に見守られながら尿器とポータブルトイレとを使用し、自分で行っている。
Aさんへの訪問看護における身体状態の観察で、疾患に関連して最も重要なのはどれか。
1: 排尿状態
2: 上肢の筋力
3: 嚥下の状態
4: 外傷の有無
5: 下肢のしびれ
Aちゃん(生後5か月、女児)は、出生時、腟の後方に瘻孔があり、腸内容物が排出され、低位鎖肛(anal atresia with a low lesion)と診断された。他に奇形は認められず、瘻孔は腟と尿道に交通していなかったため、体重増加を待って会陰式肛門形成術を行う予定とされていた。Aちゃんは順調に体重が増加しており、定期受診のため来院した。
受診時の観察項目で優先度が高いのはどれか。
1: 活気
2: 腹部膨満
3: 腹部腫瘤
4: チアノーゼ
Aさん男性、(26歳、会社員)は、高校時代に自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)の診断を受け、外来通院をしながら仕事を続けていた。これまでの職場ではストレスが少なく、規則正しい生活ができていた。しかし、1か月前に新しい職場に異動になってから生活が不規則となり、数日前より無断欠勤が続いている。同居している家族に対して Aさんは「家にいると仕事のことばかり考えてしまい眠れない。食欲もないし、環境を変えてゆっくり休みたい」と話したため、Aさんは家族とともに精神科外来を受診し、休養目的で任意入院することになった。
看護師が入院時に聴取する情報で優先度が高いのはどれか。
1: 業務量の変化
2: 職場での人間関係
3: 最近1か月の生活状況
4: 無断欠勤に対する親の反応
午前 6時 30分、 A県立病院の看護師は勤務中に突然、立っていられないほどの大きな揺れを感じた。病院の電源は自家発電に切り替わり A県北部を震源とするマグニチュード 7.0の地震が発生したと院内放送があった。
病棟看護師が発災直後にとる行動で最も優先するのはどれか。
1: 病棟内の患者の安全確認
2: 病院外への患者の避難誘導
3: 水道・ガスの被害状況の確認
4: 患者への病棟内は安全という通知
Aさん(56歳、男性)は、若いころテニスの選手で、現在も趣味でテニスを続けている。膀胱癌(bladder cancer)と診断され、膀胱全摘除術・回腸導管造設術の手術目的で入院した。Aさんは「外来で病名を聞いたときは動揺しましたが、家族と話し合い、今は心の準備ができています」と看護師に話した。
手術までの観察項目で緊急の処置を必要とする可能性があるのはどれか。
1: 尿閉
2: 頻尿
3: 潜血尿
4: 排尿時痛
A君(8歳、男児、小学3年生)は、父親(40歳、会社員)と母親(38歳、主婦)との3人暮らし。 多飲と夜尿を主訴に小児科を受診した。尿糖4+のため、1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)の疑いで病院に紹介され、精密検査を目的に入院した。A君は身長123cm、体重27.5kg(1か月前の体重は29.5 kg)。入院時のバイタルサインは、体温36.9℃、脈拍100/分、血圧98/42mmHg。随時血糖300mg/dL、HbA1c 9.3%、抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ<GAD>抗体陽性。尿糖4+、尿ケトン体3+。血液ガス分析pH 7.02であった。
入院時に確認する症状はどれか。2つ選べ。
1: 咳嗽
2: 腹痛
3: 浮腫
4: 発疹
5: 意識レベル
災害急性期における精神障害者への看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 名札の着用を指示する。
2: 災害の状況については説明しない。
3: 不眠が続いても一時的な変化と判断する。
4: 服薬している薬剤を中断しないように支援する。
夜勤帯に看護師が病棟のトイレ内で倒れている患者を発見した。呼びかけても反応がない。 この看護師が最初に実施すべきなのはどれか。
1: 脈拍を確認する。
2: 胸骨圧迫を開始する。
3: トイレ内のナースコールで応援を呼ぶ。
4: 自動体外式除細動器〈AED〉を取りに行く。
Aさん(28歳、女性、外国籍)は3年前に日本人の夫と結婚し来日した。簡単な日本語を話せたため、来日した半年後からコンビニエンスストアでアルバイトを始めた。最近になり、夫は仕事で帰りが遅くなることが多くなった。Aさんが「お客さんが自分の悪口を言っている」と話したが、夫は気にしなかった。その後、アルバイト先の上司から「Aさんが奇声を発している」「ぶつぶつと独り言を言って歩き回っている」と夫に連絡があった。夫が病院に付添い精神科外来を受診し、統合失調症schizophreniaと診断されて入院となった。入院時、Aさんの髪は乱れ、誰かに見張られている気がすると怯えていた。
入院当日に看護師が行う情報収集で最も優先するのはどれか。
1: 症状が日常生活に与える影響
2: アルバイト先の人間関係
3: 医療用語の理解力
4: 精神疾患の家族歴
全身性のけいれん発作時の対応で優先するのはどれか。
1: 血圧測定
2: 四肢の固定
3: 気道の確保
4: 静脈路の確保
Aさん(50歳、男性、会社員)は半年ほど前から労作時に胸痛と呼吸困難感があり、狭心症angina pectorisと診断され内服治療を受けている。本日明け方から胸部に圧迫感があった。出勤途中に強い胸痛を自覚し、自ら救急車を要請した。救急外来到着時のバイタルサインは、体温35.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(酸素2L/分)。意識は清明。12誘導心電図はV1~V4でST上昇、Ⅱ、Ⅲ、aVF でST低下がみられた。
救急外来到着時にAさんの状態をアセスメントするために優先度が高い血液検査項目はどれか。
1: トロポニンT
2: 乳酸脱水素酵素
3: 血清クレアチニン
4: アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
午前9時頃、震度5強の地震が発生した。二次救急医療機関の救命救急病棟に勤務する看護師は、自身の身の安全を確保し、揺れが収まると病院の災害発生時のマニュアルに沿って行動を開始した。病棟には人工呼吸器を使用中の患者が1人、輸液ポンプを使用中の患者が3人、酸素療法中の患者3人が入院している。
この時点の看護師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 被災状況の報告
2: 入院患者の避難誘導
3: 傷病者の受け入れ準備
4: 入院患者の状態の把握
5: 使用中の医療機器の作動状況の確認