Aさん(50歳、女性)は右乳癌(breast cancer)と診断され、手術を受けるために入院した。Aさんは夫を3年前に腎臓癌(kidney cancer)で亡くしたが、貸しビル業を引き継いでおり、経済的な問題はない。趣味はテニスである。
Aさんの術後の経過は良好で、外来で抗癌化学療法を受ける予定で退院した。Aさんは患側上肢のだるさ、疲れやすさが残ると外来看護師に話した。 Aさんの患側上肢の浮腫を予防する方法で適切なのはどれか。
1: 使い捨てカイロを患側の腋窩にあてる。
2: 患側上肢はなるべく動かさないようにする。
3: 患側上肢のマッサージを中枢から末梢へ行う。
4: 患側上肢の静脈では抗癌薬の静脈内注射を行わない。
52歳の女性が上腹部痛と吐血を主訴に受診し輸血を行うこととなった。 輸血時の対応で正しいのはどれか。
1: 赤血球製剤を30~37℃で融解する。
2: 血液型検査とクロスマッチ検査用の採血を同時に行う。
3: クロスマッチ検査の結果を医師と看護師で確認する。
4: 輸血開始から15分後にアレルギー反応の初回観察を行う。
静脈内注射を行う際に、必ず希釈して用いる注射液はどれか。
1: 5% ブドウ糖
2: 15% 塩化カリウム
3: 0.9% 塩化ナトリウム
4: 7% 炭酸水素ナトリウム
Aさん(56歳、男性)は、コンビニエンスストアの店長で自動車を運転して通勤している。不規則な生活が続き、ストレスが溜まることも多く、十分な睡眠がとれないこともあった。荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現し受診したところ、狭心症(angina pectoris)が疑われたため検査をすることになった。脂質異常症(dyslipidemia)の既往がある。
検査の結果、Aさんは労作性狭心症(angina of effort)と診断され、硝酸薬、カルシウム拮抗薬および抗血小板薬を内服することになった。その後、外来通院を続け、以前と同様に負荷のかかる作業もできるようになった。内服治療から1か月後、胸部の圧迫感が強くなり、時々左上腕から前腕にかけての放散痛も出現するようになったため、経皮的冠動脈形成術〈PCI〉を受けた。カテーテルは右大腿動脈から挿入されていた。 手術中から抗凝固療法を実施している。 手術直後の観察項目として適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 乏尿の有無
2: 皮膚の黄染
3: 出血の有無
4: 両足背動脈の触知
5: 刺部位の感染徴候
腰椎転移のある食道癌(esophageal cancer)の患者。癌性疹痛にフェンタニル貼付剤を使用しているが、右下肢に神経因性疹痛が頻発している。1日に4〜6回レスキューとしてのモルヒネ注射薬を使用しており、入眠すると15秒程度の無呼吸がみられる。 緩和ケアチームで検討すべき対応はどれか。
1: 酸素吸入
2: 鎮痛補助薬の使用
3: モルヒネ注射薬の増量
4: フェンタニル貼付剤の増量
注射針を皮膚に対して45〜90度の角度で刺入する注射法はどれか。
1: 皮下注射
2: 皮内注射
3: 筋肉内注射
4: 静脈内注射
注射針を皮膚に対して45~90度の角度で刺入するのはどれか。
1: 皮内注射
2: 皮下注射
3: 筋肉内注射
4: 静脈内注射
Aさん(48歳、女性)は、子宮頸癌(cancer of the uterine cervix)の手術を受けた。その後、リンパ節再発と腰椎への転移が発見され、放射線治療を受けた。現在は、外来で抗癌化学治療法を受けている。癌性疼痛に対しては、硫酸モルヒネ徐放錠を内服している。 Aさんへの外来看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 「吐き気がしても我慢してください」
2: 「毎日、1時間のウォーキングをしましょう」
3: 「家族に症状を訴えても心配をかけるだけです」
4: 「便秘で痛みが強くなるようなら、緩下剤で調節してください」
看護師Aが患者Bの点滴ボトルに薬剤を注入しているとき、新人看護師から患者Cについて相談を受けた。看護師Aが作業を中断し新人看護師に対応した後、患者Bの点滴ボトルに患者Cの名前を記入するというヒヤリハットが発生した。 この病棟の看護師長が行う再発防止策で適切なのはどれか。
1: 看護師Aに対策を考えさせる。
2: 看護師Aを注射の業務から外す。
3: 作業中断の対策を病棟チームで検討する。
4: 再発防止カンファレンスを1か月後に計画する。
維持血液透析中の看護で適切なのはどれか。
1: シャント肢を抑制する。
2: 室温を18℃に設定する。
3: 筋肉のけいれんの出現に注意する。
4: 患者が吐き気を感じたら座位にする。
Aさん(38歳、女性)は、大腸癌colon cancerの終末期である。癌性腹膜炎cancerous peritonitisによる症状緩和の目的で入院し、鎮痛薬の静脈内注射と高カロリー輸液が開始された。Aさんは自宅で過ごしたいと希望したため、医師と看護師で検討し、症状緩和をしながら自宅退院の方向で退院支援カンファレンスを開催することになった。 退院支援カンファレンスの参加者で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 薬剤師
2: 言語聴覚士
3: 臨床検査技師
4: 介護支援専門員
5: ソーシャルワーカー
内臓の痛みを引き起こすのはどれか。2つ選べ。
1: 虚血
2: 氷水の摂取
3: 48℃の白湯の摂取
4: 平滑筋の過度の収縮
5: 内視鏡によるポリープの切除
静脈血採血の穿刺時の皮膚に対する針の適切な刺入角度はどれか。
1: 10〜30 度
2: 35〜40 度
3: 55〜60 度
4: 75〜80 度
Aちゃん(生後10か月)は、それまで機嫌よく過ごしていたが、夕方から突然不機嫌になり、15〜20 分ごとに激しく泣いては、泣き止むことを繰り返した。Aちゃんは夕食の離乳食を食べず哺乳もしなかったが、嘔吐したため21時に保護者と救急病院を受診した。担当医師は保護者に、腸重積症(intussusception)が疑われるためグリセリン浣腸を行って便性を確認する、と説明した。体温は37.1℃であった。
Aちゃんへの腹部超音波検査の結果、腸重積症(intussusception)の診断が確定し、静脈内注射による鎮静下で高圧浣腸が行われることになった。 看護師が一連の処置の準備をするにあたり、最も重要な物品はどれか。
1: 潤滑ゼリー
2: 替えのおむつ
3: ガーグルベースン
4: 経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)モニター
Aちゃん(11歳、女児)は、両親と3人で暮らしている。3週前から疲労感を訴え昼寝をするようになった。そのころから夜間に尿意で起きてトイレに行くようになり、1日の尿の回数が増えた。2日前から食欲がなくヨーグルトや水分を摂取していたが、今朝から吐き気と嘔吐とがあり水分も摂れない状態になったため、母親とともに受診した。血液検査データは、赤血球580万/μL、Hb 13.9 g/dL、Ht 44 %、白血球9,500/μL、尿素窒素31 mg/dL、クレアチニン0.7 mg/dL、Na 141 mEq/L、K4.8 mEq/L、Cl 94 mEq/L、随時血糖900 mg/dL。動脈血ガス分析は、pH 7.21、BE-12.3、HCO3-10.9 mEq/L。尿検査は、尿糖2+、尿ケトン体3+であった。Aちゃんは1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)の疑いで入院した。
入院時のバイタルサインは、体温37.3℃、呼吸数20/分、脈拍120/分、整、血圧110/68 mmHgであり、点滴静脈内注射が開始された。 入院時のAちゃんの状態で注意すべき所見はどれか。2つ選べ。
1: 冷汗
2: 浮腫
3: 悪寒
4: 意識障害
5: 皮膚の弾力性の低下
Aさん(52歳、男性、独身)は、銀行員。切除不能の大腸癌(colon cancer)と診断され、外来で抗癌薬の点滴静脈内注射を受けることになった。Aさんは「治療を受けながら仕事を続けたいのですが、どうすれば良いか教えてください」と外来看護師に相談した。 外来看護師が行うAさんへの助言で最も適切なのはどれか。
1: 「所属部署の変更を上司に申し出ましょう」
2: 「副作用が出てから対応を考えましょう」
3: 「会社の健康管理部門に相談しましょう」
4: 「有給休暇を使って治療を受けましょう」
注射部位の皮膚をつまみ上げて実施するのはどれか。
1: 皮内注射
2: 皮下注射
3: 筋肉内注射
4: 静脈内注射
Aさん(35歳、男性)は1人暮らし。両親は他県に住んでいる。30歳のときに双極性障害bipolar disorderと診断され、これまでに4回の入退院を繰り返している。給料をインターネットゲームの利用料金で度々使い果たし、それが原因で両親と何度も口論になったことがある。仕事では同僚とトラブルを起こすたびに転職を繰り返しており、今回も同僚と口論になり自ら退職した。Aさんは「前の職場の同僚に嫌がらせをしてやる」と母親に電話をかけ、心配した両親が一緒に精神科病院を受診した。診察室では多弁で大きな声を出し、椅子を蹴るなどの行為がみられた。医師の診察の結果、入院して治療することになった。
入院時、AさんのBMIは29.5。この数日は食事をとっていなかった。入院後も興奮状態がおさまらず、壁に頭を打ちつけはじめたため、医師から抗精神病薬の点滴静脈内注射と身体的拘束の指示がでた。 身体的拘束中のAさんの看護で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 水分摂取は最小限にする。
2: 肺血栓塞栓症pulmonary thromboembolismを予防する。
3: 頻回に様子を見に来ることを伝える。
4: 身体的拘束の原因となった行為を一緒に振り返る。
5: 興奮状態が落ち着いたら看護師の判断で身体的拘束を解除する。