Aさん(48歳、女性)は、子宮頸癌(cancer of the uterine cervix)の手術を受けた。その後、リンパ節再発と腰椎への転移が発見され、放射線治療を受けた。現在は、外来で抗癌化学治療法を受けている。癌性疼痛に対しては、硫酸モルヒネ徐放錠を内服している。 Aさんへの外来看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 「吐き気がしても我慢してください」
2: 「毎日、1時間のウォーキングをしましょう」
3: 「家族に症状を訴えても心配をかけるだけです」
4: 「便秘で痛みが強くなるようなら、緩下剤で調節してください」
外来で抗癌化学療法を実施していた胃癌(gastric cancer)の患者に、皮下埋め込み式ポートによる中心静脈栄養法を開始することになった。患者・家族への指導で正しいのはどれか。
1: 入浴は禁止する。
2: 針は2週間留置可能である。
3: 注入時刻は、患者の生活に合わせる。
4: 使用済みの針は缶に入れ、市町村の分別ごみに出す。
食道癌(esophageal cancer)に対する放射線治療で正しいのはどれか。
1: 脊髄の障害は起こらない。
2: 治療期間は1週間である。
3: 治療期間中は隔離できる個室で管理する。
4: 化学療法と併用すると治療の効果が高まる。
A さん(48 歳、女性)は、卵巣癌 (ovarian cancer) の腹膜播種性転移で亜イレウス状態になった。栄養療法のために、右鎖骨下静脈から中心静脈カテーテルの挿入が行われたが、鎖骨下動脈を穿刺したため中止された。処置直後の胸部エックス線撮影で異常はなかったが、 4 時間後、A さんは胸痛と軽い呼吸困難を訴えた。最も考えられるのはどれか。
1: 血胸 (hemothorax)
2: 肺炎 (pneumonia)
3: 肺転移
4: 胸膜炎 (pleuritis)
Aさんは、胃癌(gastric cancer)の終末期で、肺の癌性リンパ管症(lymphangiosis carcinomatosa)による呼吸困難があり「夜も眠れない」と訴えている。フェイスマスクによる酸素(8l/分)とモルヒネ塩酸塩(20 mg/日)とを投与中である。呼吸数30 /分。脈拍 120/分。痛みの訴えはない。 看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 酸素流量を15l/分に増やす。
2: モルヒネ塩酸塩の増量を検討する。
3: 呼吸は数日で楽になると説明する。
4: ネブライザーによる吸入で気道を加湿する。
Aさん(63歳、男性)は、右肺癌lung cancerで化学療法を受けていたが、右腕を動かしたときに上腕から肩にかけて痛みが生じるようになった。検査を行ったところ骨転移が認められ、疼痛の原因と判断された。WHO3段階除痛ラダーに基づいてがん疼痛のコントロールを開始することになった。 この時点でAさんに使用する鎮痛薬で適切なのはどれか。
1: 非オピオイド鎮痛薬
2: 弱オピオイド鎮痛薬
3: 強オピオイド鎮痛薬
4: 鎮痛補助薬
Aさん(58歳、男性)は、 3年前に直腸癌 (rectal cancer) と診断され、手術を受けてストーマを造設 した。その後Aさんは直腸癌 (rectal cancer) を再発し、治療を行ったが効果がなく、腹部の癌性疼痛 を訴えたため、疼痛をコントロールする目的で入院していた。 Aさんは「自宅で療養したい。痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない」と在宅療養を希望した。現在、Aさんはオキシコドン塩酸塩を 1日 2回内服し、食事は食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少している。 Aさんの家族は 56歳の妻と他県で仕事をしている長女である。
退院後、Aさんは痛みが強くなってきた。医師はオキシコドン塩酸塩を増量したが、Aさんは眠気が強くなり「薬を飲みたくない」と訴えた。そのため、フェンタニル貼付剤に切り替え、レスキューとしてモルヒネ塩酸塩が処方された。訪問看護師による Aさんの家族への指導で適切なのはどれか。
1: 保管用の金庫を準備する。
2: フェンタニル貼付剤は痛みのある部位に貼る。
3: フェンタニル貼付剤は痛みが出始めたら交換する。
4: 残ったオキシコドン塩酸塩は医療機関に返却する。
Aさん(78歳、男性)は、76歳の妻と娘の3人で暮らしている。Aさんは、大腸癌(colon cancer)と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後、再発し、治療を行ったが効果がなく、在宅で緩和ケアを行うことになった。Aさんは腹部の癌性疼痛を訴え、オキシコドン塩酸塩徐放錠を1日2回内服している。Aさんは食べたいときに食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少してきている。妻は腰痛があり、娘は日中、仕事に出ている。
退院後、Aさんは痛みが強くなってきた。外来でオキシコドン塩酸塩除放錠が増量されていた。その後、全身状態が悪化し傾眠傾向がみられるようになった。そのため、確実に疼痛がコントロールできるよう、フェンタニル貼付剤に切り替えることになった。AさんのADLは低下しており、介護している妻は腰痛の増強を訴え始めている。 訪問看護師による家族への指導で適切なのはどれか。
1: フェンタニル貼付剤は痛みのある部位に貼る。
2: フェンタニル貼付剤は痛みが出始めたら交換する。
3: 残ったオキシコドン塩酸塩徐放錠は医療機関に返却する。
4: 妻の腰痛の緩和のためにフェンタニル貼付剤を使用してもよい。
点滴静脈内注射によって抗癌薬を投与している患者の看護で適切なのはどれか。
1: 悪心は薬で緩和する。
2: 留置針は原則として手背に挿入する。
3: 血管痛がある場合は直ちに留置針を差し替える。
4: 2回目以降の投与では過敏症の症状の確認は必要ない。
Aさん(38歳、女性)は、大腸癌colon cancerの終末期である。癌性腹膜炎cancerous peritonitisによる症状緩和の目的で入院し、鎮痛薬の静脈内注射と高カロリー輸液が開始された。Aさんは自宅で過ごしたいと希望したため、医師と看護師で検討し、症状緩和をしながら自宅退院の方向で退院支援カンファレンスを開催することになった。 退院支援カンファレンスの参加者で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 薬剤師
2: 言語聴覚士
3: 臨床検査技師
4: 介護支援専門員
5: ソーシャルワーカー
抗癌薬の点滴静脈内注射中の患者が刺入部の腫脹と軽い痛みを訴え、看護師が確認した。直ちに行うのはどれか。
1: 刺入部を温める。
2: 注入を中止する。
3: 注入速度を遅くする。
4: 点滴チューブ内の血液の逆流を確認する。
待機的に行う食道静脈瘤硬化療法について正しいのはどれか。
1: 全身麻酔下で行う。
2: 前日に下剤を内服する。
3: 治療後48時間の安静が必要である。
4: 治療翌日の朝から常食を開始する。
5: 治療後に胸部痛が出現する可能性がある。
Aさん(42歳、女性)は、2週前から腰痛と坐骨神経痛とを発症し整形外科で処方された鎮痛薬を内服している。帯下が増えて臭いもあるため婦人科を受診し、子宮頸癌(cancer of the uterine cervix)と診断された。 進行期を決めるためにAさんに行われる検査で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: ヒトパピローマウイルス検査
2: 小腸内視鏡検査
3: 腎盂尿管造影
4: 脊髄造影
5: CT
Aさん(57歳、男性)は、妻(55歳)と長女(28歳)の3人暮らし。4年前に直腸癌(rectal cancer)と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後、Aさんは直腸癌を再発し、治療を行ったが効果がなく、腹部のがん疼痛を訴えたため、疼痛をコントロールする目的で入院した。主治医からAさんと家族に余命4か月程度と告知され、Aさんは「痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない。自宅で好きなことをして過ごしたい」と話している。現在、Aさんはオキシコドン塩酸塩を1日2回内服し、痛みがなければ日常生活動作<ADL>は、ほぼ自立している。
退院後、Aさんは痛みが強くなってきたため、主治医はオキシコドン塩酸塩を増量したが、Aさんは眠気が強くなり「薬を飲みたくない」と訴えた。そのため、フェンタニル貼付剤に切り替え、レスキュー薬としてフェンタニルクエン酸塩舌下錠が処方された。訪問看護師によるAさんの家族への疼痛緩和のための薬物療法の指導で適切のはどれか。
1: 副作用で便秘が生じた場合には貼付しない。
2: 残ったオキシコドン塩酸塩は自宅で保管する。
3: レスキュー薬は使用間隔を気にせず使用してよい。
4: フェンタニル貼付剤の交換時に家族が貼付面に触れないようにする。
Aさん ( 56歳、男性 )は、進行結腸癌 (advanced colonic cancer)の術後に両側の多発肺転移が進行し、終末期 で在宅療養中であったが呼吸困難が増悪したため入院した。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は 95%であるが、安静時でも呼吸困難を訴え、浅い頻呼吸となっている。発熱はなく、咳嗽はあるが肺炎 (pneumonia)の併発はない。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 仰臥位を保つ。
2: 酸素投与は行わない。
3: モルヒネ塩酸塩の投与を検討する。
4: 安静を保つため訪室は最低限とする。