第101回午前第31問の類似問題

Aさん(50歳、男性、会社員)は半年ほど前から労作時に胸痛と呼吸困難感があり、狭心症angina pectorisと診断され内服治療を受けている。本日明け方から胸部に圧迫感があった。出勤途中に強い胸痛を自覚し、自ら救急車を要請した。救急外来到着時のバイタルサインは、体温35.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(酸素2L/分)。意識は清明。12誘導心電図はV1~V4でST上昇、Ⅱ、Ⅲ、aVF でST低下がみられた。

第111回午後:第93問

その後、Aさんは経皮的冠動脈形成術〈PCI〉を受けた。帰室時のバイタルサインは、体温36.2℃、呼吸数20/分、脈拍58/分、整、血圧80/40mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%(酸素1L/分)。顔面は蒼白、冷汗を認めた。意識は清明である。  このとき看護師が最初に行うことはどれか。

1: 側臥位にする。

2: 除細動器の準備を行う。

3: 穿刺部の出血の有無を確認する。

4: 鎮痛薬の処方を医師に相談する。

Aさん(37歳、女性、会社員)は、夫(38歳)と2人暮らし。身長155cm、体重57kg。Aさんは、入浴中に右胸のしこりに気づき、病院を受診した。乳房超音波検査で右乳房外側下部に、直径約3cmの腫瘤が認められた。医師から乳癌(breast cancer)の可能性が高いと説明され、検査を受けたところ、右乳癌(breast cancer)と診断された。

第108回午前:第95問

Aさんは、乳房温存療法を希望したが、腫瘤が大きいため手術前に化学療法を受けることになった。術前化学療法としてEC療法(エピルビシン、シクロホスファミド)を3週ごとに、4サイクル受ける予定である。 Aさんに起こりやすい障害はどれか。

1: 嗅覚障害

2: リンパ浮腫

3: 卵巣機能不全

4: 末梢神経障害

Aちゃん(2歳10か月)は、両親と生後3か月の妹と4人で暮らしている。Aちゃんは、6日前に発熱および不定形の発疹が腹部と背部とに出現した。解熱薬の使用によって、体温は一時的に低下したが、再び上昇したので受診した。受診時、口唇の充血と乾燥とが著明で、眼球結膜の充血と四肢の硬性浮腫とがみられた。受診時の血液検査の結果は、CRP 15.7mg/dl、AST〈GOT〉22 I U/l、ALT〈GPT〉54 I U/lであった。Aちゃんは川崎病(Kawasaki disease)と診断され、入院した。アスピリンの内服と γ-グロブリンの点滴静脈内注射とが開始された。

第101回午後:第108問

心エコー検査で冠状動脈瘤(coronary artery aneurysm)が発見されたが、Aちゃんは元気にしており、退院することになった。Aちゃんの家族への退院指導で適切なのはどれか。

1: 走らせない。

2: 塩分摂取を制限する。

3: 激しく泣かせない。

4: 予防接種は退院後6か月以降に行う。

Aさん(47歳、女性、会社員)は、夫(54歳)と2人暮らし。6か月前から月経不順になり、閉経前の症状と思い様子をみていた。しかし、徐々に普段の月経時の出血量よりも多くなり、下腹部痛が出現してきたため、病院の婦人科外来を受診した。診察後、経腟超音波検査の指示が出され、看護師はAさんに検査について説明することになった。

第110回午後:第96問

Aさんはその後、順調に経過し退院した。退院後、初回の外来受診時に看護師がAさんに心配なことを尋ねると「退院のときも性生活の説明を聞きましたが、子宮がなくなって自分の身体がどう変化しているかわからないし、やっぱり性生活のことが気がかりです。夫も私の身体を気遣ってくれて、今日も一緒に病院に来てくれました」と語った。  Aさんへの性生活の説明で適切なのはどれか。

1: 術後1年までは性行為を控える。

2: 夫と別々に説明することを提案する。

3: 性行為再開後は避妊を続けてもらう。

4: 腟の乾燥に対して潤滑ゼリーを用いるとよい。

Aさん(65歳、男性)は、大動脈弁狭窄症 (aortic stenosis) で大動脈弁置換術が実施された。術後 2日、 Aさんは集中治療室に入室中である。Aさんは中心静脈ライン、心嚢・縦隔ドレーン、胸腔ドレーン、動脈ライン、 3本の末梢静脈ライン、膀胱留置カテーテルが挿入されている。Aさんの意識は清明で、呼吸状態、循環動態は安定しているが、挿入されているライン類を気にする様子がみられる。

第103回午前:第120問

転室後も Aさんの状態は安定しており、歩行を開始することになった。安全管理対策として適切なのはどれか。

1: 胸腔ドレーン挿入中は病室内歩行とする。

2: 胸腔ドレーン挿入中に歩行する時は看護師を呼ぶように伝える。

3: 末梢静脈ライン挿入中は看護師が同伴して歩行する。

4: 不整脈が出現しても気分不快がなければ歩行を継続する。

第111回午後:第64問

Aさん(32歳、初産婦)は前置胎盤placenta previaのため妊娠37週0日の午前10時から帝王切開術を受ける予定である。  手術前日の看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 浣腸を行う。

2: 夕食が禁食となっているか確認する。

3: 輸血の準備ができているか確認する。

4: 下肢に間欠的空気圧迫装置を装着する。

第109回午後:第51問

Aさん(59歳、女性)は 裂孔原性網膜剥離(rhegmatogenous retinal detachment)と診断され、硝子体手術の際に硝子体腔中にガス注入を受けた。手術直後、病室での体位で適切なのはどれか。

1: 坐位

2: 腹臥位

3: 仰臥位

4: 側臥位

Aさん(35歳、女性)は、昨年結婚し、夫(50歳)と2人暮らし。最近2か月で5kgの体重減少、首の違和感と息苦しさ、心悸亢進、不眠のため内科を受診した。触診で甲状腺の腫脹、超音波検査で甲状腺内に数か所の石灰化が認められたため、 甲状腺腫瘍(thyroid tumor)の疑いで大学病院に紹介された。 嗜好品:飲酒はビール700ml/日を週5日 趣  味:ジョギングとヨガ

第109回午後:第93問

Aさんは、手術後に甲状腺ホルモン製剤、カルシウム製剤、ビタミンD製剤の内服が開始され、手術後1週で退院することになった。A さんは「退院後の生活で気を付けることを教えてください。私は35歳ですし、夫と年が離れているため、できるだけ早く子どもが欲しいと思っています」と話している。看護師が行うAさんへの1か月後の受診までの生活指導で適切なのはどれか。

1: 「運動は控えましょう」

2: 「1年間は妊娠を控えましょう」

3: 「海藻類の摂取に制限はありません」

4: 「飲酒量は入院前と同じでよいです」

A市に住むBさん(40歳、経産婦)は、妊娠20週0日である。夫(42歳、会社員)、長女のCちゃん(5歳)の3人暮らし。朝食を終えた午前8時、大規模災害が発生し、夫は倒壊した家屋に両下肢が挟まれ身動きがとれなくなった。一緒にいたBさんとCちゃんは無事だったが、慌てるBさんのそばでCちゃんは泣きながら座りこんでいた。午前10時、夫は救助隊に救出されたが、下肢の感覚はなくなっていた。 病院に搬送された夫は、その日のうちに入院となった。

第110回午前:第119問

被災当日にBさんはCちゃんとともに避難所に入所した。被災後1日、Bさんは巡回してきた看護師に「今妊娠20週目ですが、おなかが張ることがあります」と話した。  看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。

1: 下肢の浮腫の程度

2: 食事の摂取状況

3: 性器出血の有無

4: 排泄状況

Aさん(24歳、初産婦)、事務職。妊娠8週である。現在、両親と妹との4人で暮らしている。パートナーは24歳の大学院2年生で就職が内定しており、Aさんと結婚する予定である。

第102回午前:第113問

Aさんは「妊娠することは考えていなかったので、自分の体にどんなことが起こるのか想像もつきません」と話した。看護師は、次の妊婦健康診査までに生じやすい変化について説明することにした。 Aさんに説明する内容で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 痔

2: 便秘

3: 静脈瘤

4: 帯下の増加

5: 皮膚の瘙痒感

Aさん(30歳、初産婦)は、正常分娩で児を出産した。第2度会陰裂傷を認め、会陰縫合術を受けた。分娩時間後に、分娩室から褥室へ帰室した。産褥1日のAさんのバイタルサインは、体温36.8 ℃、脈拍72/分、血圧118/70mmHgであった。子宮底は臍下1横指で、子宮は硬く触れ、血性悪露中等量、後陣痛がみられる。会陰縫合部の痛みはあるが発赤はない。乳房緊満(-)、乳管開口数は左右とも4、5本。「昨夜は興奮してなかなか眠れなかった」と言う。

第109回午後:第107問

産褥2日。Aさんから会陰縫合部の疼痛の増強はないが、離開の不安から排便ができないと訴えがあった。看護師は縫合部の異常がないことを確認した。Aさんは妊娠中の便秘はなかった。看護師の対応で優先度が高いのはどれか。

1: 産褥体操をAさんに勧める。

2: 水分を多く摂るようAさんに勧める。

3: 医師に緩下薬の処方について相談する。

4: 縫合部の離開の心配はないことをAさんに説明する。

第103回午前:第52問

Aさん(57歳、男性)は、肺癌 (lung cancer) で放射線治療後、放射線肺炎 (radiation pneumonitis) を発症し、1か月半前 から副腎皮質ステロイドにより治療中である。 2日前から 38.0℃の発熱と頭痛が出現し、検査の結果、前頭葉に膿瘍が認められた。現在の Aさんの血液検査データは、白血球 12,000/μl、空腹時血糖 101 mg/dl、HbA1c 5.9%、CRP 4.6 mg/dlである。膿瘍の発症に関与した副腎皮質ステロイドの副作用はどれか。

1: 糖尿病 (diabetes mellitus)

2: 易感染

3: 高血圧症 (hypertension)

4: 創傷治癒遷延

第111回午前:第73問

多発性骨転移がある終末期の大腸癌colon cancer患者(53歳、女性)が、外科病棟から緩和ケア病棟に夫に付き添われ転棟してきた。  転棟時の申し送りについて、緩和ケア病棟の看護師が外科病棟の看護師から収集する情報で最も優先すべきなのはどれか。

1: 疼痛コントロールの状況

2: 自宅の居住環境

3: 大腸癌colon cancerの術式

4: 夫の面会頻度

Aさん (42歳、女性)は、2年前に筋萎縮性側索硬化症<ALS>(amyotrophic lateral sclerosis)の確定診断を受けた。夫( 50歳)と長女 (16歳)と自宅で過ごしている。Aさんは「なるべく口から食べるようにしたい」と話し、食事と併せて胃瘻から栄養剤の注入を行っている。要介護2の認定を受け、訪問看護および訪問介護を利用している。食事の介助を行う夫から、訪問看護師に「介助の方法が良くないのか、妻はうまく飲み込めていません」と相談の電話があった。

第105回午前:第116問

6か月後、Aさんは呼吸障害と嚥下障害とが進行し、気管切開による人工呼吸療法を開始するために入院した。 退院に向けて病棟看護師が行う家族への気管内吸引の説明として最も適切なのはどれか。

1: 夜間に定期的な吸引を行う。

2: 就寝前に体位ドレナージを行う。

3: 気道内圧が低下したら吸引する。

4: 吸引時は気管カニューレのカフ圧を上げる。

第108回午前:第27問

人工弁置換術の術後合併症で早期離床による予防効果が高いのはどれか。

1: 反回神経麻痺

2: 術後出血

3: 縦隔炎( mediastinitis)

4: 肺炎 (pneumonia)

Aさん(85歳、男性)は、 5年前に脳梗塞 (cerebral infarction) を発症し右片麻痺があり、要介護 3の認定 を受けた。Aさんの子どもは遠方に住んでおり、腰痛のある Aさんの妻(80歳)が 1 人で介護している。Aさんは、週 2日通所介護を利用している。

第103回午前:第102問

3年後、Aさんは誤嚥性肺炎 (aspiration pneumonia) で入退院を数回繰り返したことから ADLが低下し、 要介護 5になった。そのため、Aさんの妻の腰痛が悪化し、Aさんは介護老人福祉施設に入所した。入所後 1か月が経過し、Aさんは発熱、傾眠傾向が続いている。 Aさんの妻は医師から死期が近いと説明を受け動揺した。 Aさんの妻は「自宅で看取ることができず、夫に悪いと思っています」と施設の看護師に話した。 Aさんの妻への声かけで最も適切なのはどれか。

1: 「あなたがしっかりしましょう」

2: 「自宅で看取るようにしましょう」

3: 「長い間、十分介護をしてきましたよ」

4: 「私たちが看取りますので大丈夫ですよ」

第107回午後:第65問

Aさん(70歳、男性)。1人暮らし。脳出血(cerebral hemorrhage)の手術後、回復期リハビリテーション病棟に入院中である。神経因性膀胱(neurogenic bladder)のため、膀胱留置カテーテルを挿入している。要介護2で、退院後は看護小規模多機能型居宅介護を利用する予定である。 退院後にAさんが行う膀胱留置カテーテルの管理で適切なのはどれか。

1: 蓄尿バッグに遮光カバーをかぶせる。

2: カテーテルは大腿の内側に固定する。

3: 外出前に蓄尿バッグの尿を廃棄する。

4: カテーテルと蓄尿バッグの接続は外さない。

A さん(45 歳、男性)は、便に血液が混じっていたため受診した。検査の結果、直腸癌 (rectal cancer) と診断され、自律神経を部分温存する低位前方切除術が予定されている。

第104回午後:第92問

術後 1 日。順調に経過し、A さんは離床が可能になった。腹腔内にドレーンが 1 本留置され、術後の痛みに対しては、硬膜外チューブから持続的に鎮痛薬が投与されている。看護師が A さんに痛みの状態を尋ねると、A さんは「まだ傷が痛いし、今日は歩けそうにありません」と話す。このときの対応で最も適切なのはどれか。

1: 体動時に痛む場合は歩行しなくてよいと説明する。

2: 歩行には看護師が付き添うことを提案する。

3: 歩行練習を 1 日延期することを提案する。

4: 鎮痛薬の追加使用を提案し歩行を促す。

第100回午後:第66問

Aさん(84歳、女性)は大腿骨頸部骨折(femoral neck fracture)で入院した。何度か転倒したことがあり、「食事後、立ち上がるとめまいがし、ふらついてしまう」と言う。Aさんの転倒の原因を検討するために、筋力と使用している薬剤とを確認した。 他に把握すべき情報として優先度が高いのはどれか。

1: 視力

2: 血圧

3: 呼吸状態

4: 足背静脈の触知の左右差

Aさん(58歳、女性)は、 3年前に慢性閉塞性肺疾患(chronicobstructive pulmonary disease)と診断された。3日前に38 .0℃の発熱があった。市販の総合感冒薬を内服して様子をみていたが、昨晩から黄色痰がみられ、息苦しさが増強した。外来を受診したところ肺炎(pneumonia)と診断され、入院した。入院時の状態は、体温 38.2 ℃、呼吸数28 /分、脈拍 92/分、血圧 138/72mmHg。

第101回午前:第98問

1週後、Aさんは肺炎(pneumonia)が改善し、酸素吸入(1l/分)を行っている。病棟内での歩行が許可されたが、Aさんは歩くとすぐ息切れがすると言ってベッド上で過ごすことが多い。 Aさんへの指導で適切なのはどれか。

1: 「肩呼吸の練習をしてみましょう」

2: 「歩いた後に水分補給をしてください」

3: 「安静時に酸素の量を増やして回復を待ちましょう」

4: 「息切れがあるときに血液の酸素飽和度を測定してみましょう」