第101回午前第31問の類似問題

Aさん(64歳、男性)は、人工心肺装置を使用した冠動脈バイパス術〈CABG〉を受け、ICUに入室した。手術時間10時間、手術中の輸液量6,200ml、出血量480ml、尿量980mlであった。

第102回午後:第92問

術後1日。経口気管チューブが挿入され、人工呼吸器による補助換気が行われている。吸入酸素濃度40%、動脈血酸素分圧〈PaO2〉96Torr、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉35Torr。断続性副雑音が聴取され、気道から泡沫状の分泌物が吸引された。胸部エックス線写真で両肺全体に透過性の低下を認める。胸水を認めない。 Aさんに起こっていると考えられる合併症はどれか。

1: 無気肺(atelectasis)

2: 肺水腫(pulmonary edema)

3: 肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism)

4: 人工呼吸器関連肺炎(ventilator-associated pneumonia)

Aさん(34歳、男性)は、運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90 mmHg と尿蛋白2+、尿潜血2+を指摘されたが放置していた。1週前、感冒様症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgA が高値でIgA腎症(IgA nephropathy)が疑われ入院した。

第105回午前:第96問

Aさんは退院後、仕事が忙しくなり一度も受診をせずに2年が経過した。2か月前から疲れやすくなったが、仕事のせいだと思い放置していた。1週前から息切れ、食欲不振および浮腫があり、昨日から眠気、悪心および嘔吐が出現したため外来を受診した。体温36.5 ℃、脈拍98/分、血圧238/112 mmHg であった。血液検査データは、尿素窒素100 mg/dL、クレアチニン12.0mg/dL、Hb 7.1 g/dL。胸部エックス線写真で心拡大と肺うっ血とが認められ入院した。 直ちに行われるのはどれか。2つ選べ。

1: 輸血

2: 血液透析

3: 利尿薬の内服

4: 胸腔ドレナージ

5: 降圧薬の点滴静脈内注射

第100回午前:第58問

先天性の重度視覚障害があるAさんは、早期胃癌(early gastric cancer)の手術目的で入院した。Aさんは妻と2人で暮らしており、自宅ではほぼ自立して日常生活を送っていた。 看護師のAさんへの入院当日の対応で最も適切なのはどれか。

1: Aさんの病室は監視モニター付きの個室にする。

2: Aさんの病室で食堂やトイレの場所などを説明する。

3: 起き上がるとスイッチが入るナースコールを設置する。

4: CT検査室への移動の際は、看護師が順路を説明しながら一緒に歩く。

Aさん(52歳、男性)は、 2か月で体重が7kg減少した。 2か月前から食事のつかえ感があるため受診した。検査の結果、胸部食道癌(thoracic esophageal cancer)と診断され、手術目的で入院した。

第101回午後:第95問

右開胸開腹胸部食道全摘術と胃を用いた食道再建術とが行われた。術後、人工呼吸器が装着され、術後2日目の朝に気管チューブを抜管し、順調に経過していたが、術後3日目に左下葉の無気肺(atelectasis)となった。Aさんは痰を喀出する際に痛そうな表情をするが「痛み止めはなるべく使いたくない。我慢できるから大丈夫」と話す。無気肺(atelectasis)を改善するために適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 離床を促す。

2: 胸式呼吸を勧める。

3: 左側臥位を勧める。

4: 鎮痛薬の使用を勧める。

5: 胸腔ドレーンをクランプする。

A さん(90 歳、女性)は、Alzheimer〈アルツハイマー〉病 (Alzheimer disease) で、重度の認知機能の低下がある。要介護 4 で、短期入所〈ショートステイ〉や通所介護を利用している。長年、長男夫婦が自宅で介護している。

第104回午前:第101問

A さんは、誤嚥性肺炎 (aspiration pneumonia) のために入退院を繰り返している。今回の入院で主治医はA さんの家族に胃瘻の造設を含めた今後の方針を説明した。A さんの長男は胃瘻の造設を希望せず、主に介護を行ってきた長男の妻は「私には決められない」と迷っている。A さんの長男の妻に対する看護師の対応として最も適切なのはどれか。

1: 「あなたが A さんの立場ならどうしますか」

2: 「介護支援専門員の考えを聞いてみましょう」

3: 「私の経験から胃瘻を造らないことを勧めます」

4: 「A さんはこのような状況になったとき、どうしたいと言っていましたか」

第103回午前:第74問

Aさん(70歳、男性)は、肺癌 (lung cancer) で骨転移がある。現在、Aさんは入院中であるが、 積極的な治療は望まず「家で静かに暮らしたい」と在宅療養を希望し、 24時間体制の訪問看護を利用する予定である。介護者である Aさんの妻と長男夫婦は「不安はあるが本人の希望をかなえたい」と話している。退院前に、訪問看護師が行う Aさんの家族への支援で優先度が高いのはどれか。

1: 訪問介護の利用を勧める。

2: 家族全員の看取りの意思確認をする。

3: 退院後の処置を習得するよう指導する。

4: 相談にいつでも対応することを伝える。

第104回午後:第32問

気胸 (pneumothorax) について正しいのはどれか。

1: 外傷は原因の 1 つである。

2: 自然気胸 (spontaneous pneumothorax) は若い女性に多い。

3: 原因となるブラは肺底部に多い。

4: 治療として人工呼吸器による陽圧換気が行われる。

第108回午後:第67問

Aさん(52歳、男性、独身)は、銀行員。切除不能の大腸癌(colon cancer)と診断され、外来で抗癌薬の点滴静脈内注射を受けることになった。Aさんは「治療を受けながら仕事を続けたいのですが、どうすれば良いか教えてください」と外来看護師に相談した。 外来看護師が行うAさんへの助言で最も適切なのはどれか。

1: 「所属部署の変更を上司に申し出ましょう」

2: 「副作用が出てから対応を考えましょう」

3: 「会社の健康管理部門に相談しましょう」

4: 「有給休暇を使って治療を受けましょう」

第107回午後:第64問

Aさん(80歳、男性)は、20年前に大腸癌(colorectal cancer)でストーマを造設し、現在週1回の訪問看護を利用している。訪問看護師は、訪問時にAさんから「2日前から腹痛がある」と相談を受けた。Aさんのバイタルサインは、体温36.4℃、呼吸数24/分、脈拍84/分、血圧138/60mmHgである。 訪問看護師がAさんの腹痛をアセスメントするための情報で最も優先度が高いのはどれか。

1: 排便の有無

2: 身体活動量

3: 食物の摂取状況

4: ストーマ周囲の皮膚の状態

第106回午後:第57問

Aさん(65歳、男性)は、肺気腫(pulmonary emphysema)で在宅酸素療法を受けている。ある日、Aさんの妻(70歳)から「同居している孫がインフルエンザ(influenza)にかかりました。今朝から夫も体が熱く、ぐったりしています」と訪問看護ステーションに電話で連絡があったため緊急訪問した。 訪問看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。

1: 喀痰の性状

2: 胸痛の有無

3: 関節痛の有無

4: 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉

Aさん(55歳、男性)は、仕事中に胸痛発作に襲われ、急性心筋梗塞(acute myocardial infarction)で緊急入院した。入院直後に、経皮的冠状動脈形成術〈PTCA〉を受けた。

第100回午後:第96問

看護師がAさんに心筋梗塞(myocardial infarction)の再発作の予防について説明した。Aさんは「左胸が痛くならなければ大丈夫なんですか」と尋ねた。 胸痛以外の発作の兆候の説明として適切なのはどれか。

1: 羞明

2: 背部痛

3: 乾性咳嗽

4: 出血傾向

第104回午前:第71問

A さん(52 歳、男性)は、妻と 2 人で暮らしている。妻は末期の肺癌 (lung cancer) で、今朝自宅で亡くなった。主治医が死亡診断を行った後の A さんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 葬儀を手配するよう勧める。

2: 医療機器は早急に片づけるよう勧める。

3: A さんの希望に沿って、死後の処置を行う。

4: 本日中に死亡診断書を役所に提出するよう説明する。

第102回午後:第67問

Aさんは妊娠37週0日に骨盤位のため予定帝王切開術となった。術後の経過は母児ともに順調である。Aさんへの看護として適切なのはどれか。

1: 手術室で出生児と対面する。

2: 2日に初回歩行をする。

3: 3日に初回授乳をする。

4: 4日以降に弾性ストッキングを履く。

第111回午後:第42問

Aさん(55歳、男性、会社員)は胃癌gastric cancerの終末期である。  Aさんの訴えのうちスピリチュアルペインの表出はどれか。

1: 「腹痛がずっと続いています」

2: 「吐き気が続くと思うと不安です」

3: 「今後の生活にかかるお金が心配です」

4: 「これまでの自分の人生が意味のないものに思えます」

Aちゃん(生後24日、女児)は両親と3人暮らし。母親が母子健康手帳の便色カードを見て、Aちゃんの便色が気になったため、Aちゃんを連れて近所の小児科医院を受診した。Aちゃんは在胎39週、出生体重3,100g、出生時に異常はない。  現在、混合栄養で体重は3,700gである。体温37.2℃、呼吸数36/分、心拍数108/分、整、血圧78/44mmHg。眼球結膜に黄染を認める。  血液検査結果:Hb12.6g/dL、白血球7,800/μL、血小板21万/μL、プロトロンビン時間〈PT〉88%、総ビリルビン11.3mg/dL、直接ビリルビン9.5mg/dL、AST96U/L、ALT126U/L。  紹介先の病院で腹部超音波検査を実施した結果、Aちゃんは胆道閉鎖症biliary atresiaの疑いがあり入院した。

第111回午前:第101問

Aちゃんは入院7日に術中胆道造影検査で胆道閉鎖症biliary atresiaと確定診断された。手術は無事に終了した。術後は絶食となり、腹腔ドレーンが挿入され、持続的点滴静脈内注射が行われている。母親は疾患や治療について理解している。術後3日、付き添っていた母親は看護師に「A はおなかが空いて泣き止まないし、私はAを抱っこもできず、何もしてあげられません。つらいです」と涙を浮かべて話した。  看護師の母親への対応で、最も適切なのはどれか。

1: 話しかけやおしゃぶりの活用など母親ができることを伝える。

2: 早期発見だったのでAちゃんは早く退院できると説明する。

3: 心療内科の受診を勧める。

4: 患者家族会を紹介する。

第110回午前:第89問

Aさん(38歳、女性)は、大腸癌colon cancerの終末期である。癌性腹膜炎cancerous peritonitisによる症状緩和の目的で入院し、鎮痛薬の静脈内注射と高カロリー輸液が開始された。Aさんは自宅で過ごしたいと希望したため、医師と看護師で検討し、症状緩和をしながら自宅退院の方向で退院支援カンファレンスを開催することになった。  退院支援カンファレンスの参加者で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 薬剤師

2: 言語聴覚士

3: 臨床検査技師

4: 介護支援専門員

5: ソーシャルワーカー

Aさん(43歳、女性)は夫と2人暮らし。身長150cm、体重98kg。既往歴はない。先日、庭で転倒し右腓骨を骨折し、膝関節から足関節までのギプス固定をしている。来週、プレート固定術を受けることになっており、本日は夫と一緒に術前オリエンテーションに来院した。来院時のAさんのバイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数16/分、脈拍80/分、血圧138/80mmHgであった。夫によると「妻は、寝ているときはいつも大きないびきと、時々無呼吸があるので、慌てて起こしている」と言う。

第110回午前:第93問

手術後2日。Aさんはバイタルサインも安定しているため、離床の準備を始めることになった。  初回離床時に最も注意すべき訴えはどれか。

1: 「息苦しい」

2: 「腰が重い」

3: 「痰が出る」

4: 「傷口が引きつる」

Aさん(50歳、女性)は右乳癌(breast cancer)と診断され、手術を受けるために入院した。Aさんは夫を3年前に腎臓癌(kidney cancer)で亡くしたが、貸しビル業を引き継いでおり、経済的な問題はない。趣味はテニスである。

第100回午前:第105問

抗癌化学療法が終了し、1年半が経過した。Aさんは肋骨と脳に転移が疑われ、精密検査の目的で再び入院した。Aさんは、「もうテニスはできないでしょうね。何を楽しみにすればいいのでしょう。早く夫のそばにいきたいです」と涙を流した。 Aさんが現在感じている苦痛に最もあてはまるのはどれか。

1: 貸しビル業を続けることの苦痛

2: 生きる目的を問うスピリチュアルな苦痛

3: 手術や化学療法を受けたことによる身体的な苦痛

4: 社会的な役割が果たせないことによる社会的な苦痛

第110回午後:第46問

成人患者の甲状腺全摘出術後における合併症とその症状との組合せで正しいのはどれか。

1: 乳び漏 ── 嘔気

2: 術後出血 ── ドレーン排液の白濁

3: 反回神経麻痺 ── 口唇のしびれ

4: 低カルシウム血症hypocalcemia ── テタニー

Aさん(35歳、女性)は、昨年結婚し、夫(50歳)と2人暮らし。最近2か月で5kgの体重減少、首の違和感と息苦しさ、心悸亢進、不眠のため内科を受診した。触診で甲状腺の腫脹、超音波検査で甲状腺内に数か所の石灰化が認められたため、 甲状腺腫瘍(thyroid tumor)の疑いで大学病院に紹介された。 嗜好品:飲酒はビール700ml/日を週5日 趣  味:ジョギングとヨガ

第109回午後:第92問

検査の結果、Aさんは 甲状腺乳頭癌(papillary adenocarcinoma of the thyroid)であり、甲状腺全摘出術を受けることになった。Aさんは、手術前オリエンテーションの際「手術後にどんな症状が起こりやすいのか教えてください」と話した。この時のAさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。

1: 「手がつる感じがあります」

2: 「目が閉じにくくなります」

3: 「声が出なくなります」

4: 「唾液が多くなります」