Aさん(19歳、男性、専門学校生)は、1人暮らし。「皆が自分を嫌っている」と言い、昨年から学校を休学し、アパートに引きこもるようになった。先週、夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人が両親へ連絡をした。連絡の翌日、Aさんの両親が訪ねてみると、Aさんは「隣の人に嫌がらせを受けている。助けてくれ」と叫び続けたため、両親とともに精神科病院へ行き、その日のうちに任意入院となった。Aさんは統合失調症(schizophrenia)と診断され、抗精神病薬による治療が開始された。
入院後2か月。Aさんは症状も落ち着いてきたため、退院の準備をすることになった。Aさんは看護師に「病気はすっかりよくなったのに、ずっと薬を飲まなければならないのか。体がだるく、体力が落ちた気がする。朝から学校へ行けるかどうか心配だ」と話した。 Aさんの退院の準備のために行う支援で優先度が高いのはどれか。
1: 服薬心理教育
2: 食事への援助
3: 筋力トレーニングの指導
4: アサーティブトレーニングの指導
慢性心不全患者(chronic heart failure)の生活指導で、心臓への負担を少なくするのはどれか。
1: 肺炎球菌ワクチン接種の回避
2: 蛋白質を制限した食事
3: 食直後の散歩
4: 排泄後の休息
小児慢性特定疾病対策における医療費助成で正しいのはどれか。
1: 対象は5疾患群である。
2: 対象年齢は20歳未満である。
3: 医療費の自己負担分の一部を助成する。
4: 難病の患者に対する医療等に関する法律に定められている。
難病患者が自分の病気について学ぶことで不安を解消しようとする防衛機制はどれか。
1: 否認
2: 昇華
3: 知性化
4: 合理化
5: 反動形成
構音障害がある成人患者への対応で適切なのはどれか。
1: 手話で説明する。
2: 筆談を提案する。
3: 耳元で話しかける。
4: 不明瞭な言語は繰り返し聞き直す。
看護師が行う患者のアドボカシーで最も適切なのはどれか。
1: 多職種と情報を共有する。
2: 患者の意見を代弁する。
3: 患者に害を与えない。
4: 医師に指示を聞く。
認知行動療法で患者に期待できる効果はどれか。
1: 物事の捉え方のゆがみが修正される。
2: 自ら催眠状態に導くことができるようになる。
3: 過去の自分の態度についての自己洞察が深まる。
4: 自分の状態をあるがままに受け入れることができるようになる。
Aくん(12歳、男子)は、5歳で気管支喘息(bronchial asthma)と診断され、抗アレルギー薬の服用と副腎皮質ステロイドの吸入をしている。アレルゲンはハウスダストである。Aくんは小学3年生までは、年に数回の中発作を起こし入院治療をしていた。その後は、月に1回の外来通院で症状はコントロールされ、入院することはなかった。小学6年生の冬に学校で中発作を起こし、学校に迎えに来た母親とともに救急外来を受診した。
Aくんの帰宅に際しての看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 毎日の食事内容を記録するように伝える。
2: 治療の経過を学校に報告しておくと伝える。
3: 発作が学校で起こった要因について話し合う。
4: 薬を飲み忘れないよう母親に管理してもらうことを勧める。
精神保健における一次予防はどれか。
1: 職場でうつ病depression患者を早期発見する。
2: 自殺企図者に精神科医療機関への受療を促す。
3: 統合失調症schizophrenia患者の社会参加のための支援を行う。
4: ストレスとその対処法に関する知識の啓発活動を行う。
患者と看護師との協働について適切なのはどれか。
1: 患者が目標達成できるよう支援する。
2: 治療に関する情報は看護師が占有する。
3: 看護計画は看護師の視点を中心に立案する。
4: ケアは看護師の業務予定に基づき実施する。
生活習慣病の一次予防はどれか。
1: 早期治療
2: 検診の受診
3: 適切な食生活
4: 社会復帰を目指したリハビリテーション
急性期の患者の特徴で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 症状の変化が乏しい。
2: エネルギー消費量が少ない。
3: 身体の恒常性が崩れやすい。
4: 生命の危機状態になりやすい。
5: セルフマネジメントが必要となる。
判断能力のある成人患者へのインフォームド・コンセントにおける看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 患者の疑問には専門用語を用いて回答する。
2: 今後の治療に関しては医療者に任せるように話す。
3: 治療方針への同意は撤回できないことを説明する。
4: 納得ができるまで医師からの説明が受けられることを伝える。
Aさん(35歳、男性、会社員)は妻(32歳、主婦)と子ども(2歳)と3人暮らし。5年前にうつ病depressionと診断された。半年前に営業部門に異動し、帰宅後も深夜まで仕事をする日が続いていた。「仕事のことが気になってしまい、焦りと不安ばかりが増して眠れない。会社に行くのが苦しい、入院させてもらえないか」と訴えがあり、休養と薬物の調整を目的として精神科病院に入院となった。入院後、Aさんから「実は薬を飲むのが嫌で、途中から飲むのをやめていたんです。薬を飲みたくないのですが、どうしたらよいでしょうか」と看護師に相談があった。
看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 薬を飲みたくない理由を尋ねる。
2: 薬を飲むことを約束してもらう。
3: 自己判断で薬をやめたことへの反省を促す。
4: 薬の管理はAさんの妻にしてもらうよう勧める。
学習支援として、集団指導よりも個別指導が望ましいのはどれか。
1: 小学生へのインフルエンザ予防の指導
2: 塩分摂取量が多い地域住民への食事指導
3: ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉感染者への生活指導
4: 3〜4か月児健康診査に来た保護者への離乳食の指導
Aさん(52歳、男性)は、妻と会社員の娘と3人で暮らしている。Aさんは2年前に職場を解雇され、再就職先を探している。以前から飲酒する機会は多かったが、解雇後は朝から酒を飲み続け、妻が止めるように言っても聞き入れなかった。Aさんは、3か月前に自宅近くの診療所でアルコール性肝硬変(alcoholic cirrhosis)と診断され、断酒を勧められたが実行できずにいた。Aさんは、妻に伴われて専門医療機関を受診し、アルコール依存症(alcohol dependence)と診断された。
Aさんは、自分がアルコール依存症(alcohol dependence)であることを認めず「酒を減らせば問題ない」と言って説明を聞こうとしない。 家族への看護師の対応で適切なのはどれか。
1: Aさんの就職活動に家族が協力するように提案する。
2: Aさんの飲酒量を家族が記録しておくように指示する。
3: どのような対応がAさんの治療意欲を阻害するかについて説明する。
4: Aさんが治療を拒否している間は、家族にできることはないと伝える。
Aさん(68歳、女性)は、1人暮らし。隣の市に娘がいる。日常生活は自立している。10年前に糖尿病(diabetes mellitus)と診断され、血糖降下薬を服用している。最近の血液検査でHbA1c が8.5% のため、インスリンの自己注射を導入するかどうかを検討することになった。医師からAさんには自己注射についてまだ説明されていない。
Aさんに自己注射を導入できるかを判断するための情報で最も重要なのはどれか。
1: 細かい文字が読める。
2: 運動療法を行っている。
3: 近所に支援をしてくれる人がいる。
4: 食品交換表の使い方を理解できている。
Aさん(82歳、男性)は、4年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症(dementia of Alzheimer type)の診断を受けた。要介護4で、1年前からグループホームで生活している。高血圧症(hypertension)に対して持続性カルシウム拮抗薬を内服している。他に治療を必要とする疾患は認められない。 1週前から夜はほとんど眠らず、居間のソファに腰かけたり、歩き回ったりする状態が続いている。昼間もベッドに横になることはない。食欲が低下してきたが、先月よりも体重は2kg増加している。
Aさんは症状が改善し、退院することになった。病棟看護師がグループホームの職員と家族とに指導すべき内容として最も適切なのはどれか。
1: 「深呼吸を練習させてください」
2: 「足のむくみを観察してください」
3: 「蛋白質の少ない食事にしてください」
4: 「水分を1日1,500 ml以上摂(と)らせてください」
集団指導が望ましいのはどれか。
1: 胃全摘出術後の患者への退院指導
2: 1型糖尿病type1 diabetes mellitusの学童を対象とした療養指導
3: 子宮頸癌cancer of the uterine cervixの術後の神経因性膀胱の患者への間欠的自己導尿の指導
4: ヒト免疫不全ウイルス〈HIV〉human immunodeficiency virus infection感染者への生活指導