Aさん(23歳、女性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。専門学校卒業後に就職し、仕事も順調であった。4か月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1か月ほど続いたが、通勤は続けていた。Aさんは2か月前から不眠を訴えるようになり、先月からは給料の全額を宝くじの購入に費やしてしまう行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。
入院後2週が経過した。Aさんの携帯電話は母親が持ち帰っているため、Aさんは職場のことが気になると言って、毎日、病棟内の公衆電話から頻繁に会社の上司に電話をしている。看護師が面接をしたところ、今後への強い焦りの訴えが聞かれた。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 休養の必要性をAさんと再確認する。
2: 仕事のことは考えないように伝える。
3: Aさんの上司にAさんの病状と行動との関連を説明する。
4: Aさんのテレホンカードをナースステーションで管理する。
Aさん(64歳、女性、主婦)は、50歳で高血圧症hypertensionと診断され、降圧薬を服用している。栄養指導を受け、食事療法も実施している。趣味はサイクリングと海外旅行である。数か月前からサイクリング中に息苦しさやめまいを感じるようになったため、かかりつけ医から紹介された病院を受診した。外来受診時のバイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数24/分、脈拍40/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。
検査の結果、Aさんは完全房室ブロックcomplete atrioventricular blockと診断された。 今後、Aさんに起こりやすいのはどれか。
1: 脳虚血
2: 肺塞栓症pulmonary embolism
3: 不安定狭心症unstable angina
4: 心タンポナーデcardiac tamponade
Aさん(68 歳、男性)は、筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis)(ALS)のため在宅療養中で、 気管切開下で人工呼吸器を使用し、要介護5の認定を受けている。 Aさんに提供される訪問看護で適切なのはどれか。
1: 医療保険から給付される。
2: 特別訪問看護指示書を受けて実施される。
3: 複数の訪問看護事業所の利用はできない。
4: 理学療法士による訪問は給付が認められない。
Aさん(73歳、女性)は、動悸の精密検査の目的で入院した。心電図や血液検査などで異常所見はなかったが、Aさんは全身倦怠感、食欲不振、腰痛、便秘などを訴え続け、薬物療法を行っているが症状は改善していないという。日中はぼんやりと過ごしており「心臓がドキドキして、ハッと朝早く目が覚め、死ぬんじゃないかと思い、その後眠れなくなる」と言う。
Aさんは、夜、寝る前に「入院しているのに治らない。こんなはずではなかった。ここにいても仕方がない」と看護師に訴えた。 このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 「薬が効くまでの我慢ですよ」
2: 「治っているように見えますよ」
3: 「治らないと感じるのはつらいですね」
4: 「治っていないことを医師に相談しますか」
Aさんに鎖骨下静脈から中心静脈カテーテルを挿入した。その直後、Aさんに呼吸困難が出現した。 最も優先される検査はどれか。
1: 胸部CT
2: 心電図(ECG)
3: 気管支鏡検査
4: 胸部エックス線撮影
Aさん(42歳、男性)、会社員。うつ病(depression)で自殺企図のために入院した。外傷はない。入院時に看護師が「大変でしたね」と声をかけたが、Aさんは一言も話そうとせず、硬い表情をしている。 この時点でのAさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 「気分転換にお散歩に行きませんか」
2: 「今夜は多床室で休んでいただきます」
3: 「仕事が合わないのではありませんか」
4: 「持ち物を一緒に確認させていただけますか」
Aさん(25歳、男性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。大学卒業後に就職し、仕事も順調であった。4ヶ月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1ヶ月ほど続いたが、通勤は何とか続けていた。Aさんは、2ヶ月前から不眠を訴えるようになり、先月からは、高額なマンションや車の購入契約をしたり、貯金の全額を宝くじの購入に費やしてしまうなどの行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。
入院後1週間が経過した。Aさんは職場のことが気になると言って、連日頻繁に会社に電話をしている。看護師が面接をしたところ、今後への強い焦りの訴えが聞かれた。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 仕事のことはあまり考えないようにと話す。
2: 治療の見直しについてAさんと再確認する。
3: Aさんのテレホンカードをナースステーションで管理する。
4: Aさんの上司に病状を説明し、Aさんの行動への理解を求める。
Aちゃん(11歳、女児)は、両親と3人で暮らしている。3週前から疲労感を訴え昼寝をするようになった。そのころから夜間に尿意で起きてトイレに行くようになり、1日の尿の回数が増えた。2日前から食欲がなくヨーグルトや水分を摂取していたが、今朝から吐き気と嘔吐とがあり水分も摂れない状態になったため、母親とともに受診した。血液検査データは、赤血球580万/μL、Hb 13.9 g/dL、Ht 44 %、白血球9,500/μL、尿素窒素31 mg/dL、クレアチニン0.7 mg/dL、Na 141 mEq/L、K4.8 mEq/L、Cl 94 mEq/L、随時血糖900 mg/dL。動脈血ガス分析は、pH 7.21、BE-12.3、HCO3-10.9 mEq/L。尿検査は、尿糖2+、尿ケトン体3+であった。Aちゃんは1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)の疑いで入院した。
入院時のバイタルサインは、体温37.3℃、呼吸数20/分、脈拍120/分、整、血圧110/68 mmHgであり、点滴静脈内注射が開始された。 入院時のAちゃんの状態で注意すべき所見はどれか。2つ選べ。
1: 冷汗
2: 浮腫
3: 悪寒
4: 意識障害
5: 皮膚の弾力性の低下
Aさん(99歳、女性)は、特別養護老人ホームに入所している。脳卒中(stroke)の後遺症で左片麻痺がある。肺炎(pneumonia)をきっかけに寝たきりになり、食事摂取量が低下した。Aさんは「私はここで最期を迎えたい。痛い思いはしたくない。死ぬときは苦しまないようにしてもらいたい」と何度も話すようになった。娘夫婦と孫とが頻繁に面会に来ている。医師が家族に回復の見込みが低いことを伝え、家族は特別養護老人ホームでの看取りに同意した。
Aさんはほとんど食事を摂(と)らなくなり、尿量も減少してきた。自発的な動きが減少し、傾眠状態となった。Aさんの家族への看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 「状態が不安定なのでケアは職員で行いますね」
2: 「これからはご家族が目を離さないでくださいね」
3: 「刺激せず、なるべくそっとしておいてくださいね」
4: 「これからの経過について説明しますね」
Aさん(94 歳、男性)は、要介護1で、妻(84歳)と2人暮らしであった。肺炎(pneumonia)で入院治療していたが本日退院し、介護老人保健施設に初めて入所した。現在の障害高齢者の日常生活自立度判定基準はランクB-2、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡaである。食欲は良好で、食事の姿勢や動作は自立している。部分義歯で不具合はなく、口腔内の異常はない。
介護老人保健施設の看護師は、入所時にAさんと妻と面談をした。 このときの面談内容で適切なのはどれか。
1: 自宅の改修を提案する。
2: ベッド上安静の必要性を説明する。
3: 急変時の救急搬送の希望を確認する。
4: 通所リハビリテーションの利用を提案する。
Aさん(60歳、男性)は、慢性心不全(chronic heart failure)の終末期で、積極的な治療を行わないことを希望している。現在、入院中で、リザーバーマスク10L/分で酸素を吸入し、水分制限がある。時々息切れがみられるが、Aさんは面会に来た長女との会話を楽しみにしている。バイタルサインは呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧76/50mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%であった。 このときの対応で最も適切なのはどれか。
1: 面会は制限しない。
2: 水分制限を厳しくする。
3: Aさんに仰臥位を維持してもらう。
4: 面会中は酸素マスクを鼻腔カニューラに変更する。
Aさん ( 56歳、男性 )は、進行結腸癌 (advanced colonic cancer)の術後に両側の多発肺転移が進行し、終末期 で在宅療養中であったが呼吸困難が増悪したため入院した。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は 95%であるが、安静時でも呼吸困難を訴え、浅い頻呼吸となっている。発熱はなく、咳嗽はあるが肺炎 (pneumonia)の併発はない。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 仰臥位を保つ。
2: 酸素投与は行わない。
3: モルヒネ塩酸塩の投与を検討する。
4: 安静を保つため訪室は最低限とする。
Aさん(55歳、男性、自営業)は、父親(78歳)と2人暮らし。Aさんは、2年前から食後に心窩部痛を感じていたが、医療機関を受診していなかった。午後3時、Aさんは胃部不快感を訴えた直後、突然コップ1杯程度の吐血があり倒れた。父親が救急車を呼び、救急病院に搬送された。到着時、意識はジャパン・コーマ・スケール(JCS)Ⅰ- 3。バイタルサインは、体温36.4℃、呼吸数20/分、脈拍124/分、整、血圧86/50mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)95%。顔面は蒼白で、皮膚は湿潤している。四肢冷感を認める。眼瞼結膜は軽度貧血様であるが、黄染を認めない。腹部は平坦で腸蠕動音は微弱、心窩部に圧痛を認めるが、筋性防御はない。胃部不快感は受診前よりも改善している。担当した医師に父親が「息子は黒い便が出ると言っていた」と伝えた。
Aさんは緊急入院となり、医師から「少なくとも2週間程度の入院が必要です」と説明を受けた。立ち会っていた看護師長にAさんは「最近、父の物忘れがひどくて、1人でどこかに行ってしまったこともあるので、家に帰せません。何とかなりませんか」と訴えた。父親は要介護認定を受けているが、現在は介護保険サービスを利用せず、Aさんが介護をしながら生活していた。 Aさんの父親に対する看護師長の対応で適切なのはどれか。
1: 自院への入院を調整する。
2: 地域包括支援センターに相談する。
3: 精神保健福祉センターに相談する。
4: 特別養護老人ホームに入所相談する。
Aさん (42歳、女性)は、2年前に筋萎縮性側索硬化症<ALS>(amyotrophic lateral sclerosis)の確定診断を受けた。夫( 50歳)と長女 (16歳)と自宅で過ごしている。Aさんは「なるべく口から食べるようにしたい」と話し、食事と併せて胃瘻から栄養剤の注入を行っている。要介護2の認定を受け、訪問看護および訪問介護を利用している。食事の介助を行う夫から、訪問看護師に「介助の方法が良くないのか、妻はうまく飲み込めていません」と相談の電話があった。
Aさんは要介護5に区分が変更され、自宅で療養通所介護を利用することになった。退院後1か月、Aさんは療養通所介護の看護師に「ゆっくりお風呂に入ってみたい」と文字盤を使って話した。入浴を開始するにあたり、看護師と介護職員との間でカンファレンスを行うことになった。 検討する内容として優先順位が高いのはどれか。
1: 夫の介護負担
2: 座位の保持能力
3: 緊急時の対応方法
4: 入浴後の人工呼吸器の回路交換の方法
5: 入浴時の関節可動域<ROM>訓練の実施
Aさん(75歳、女性)は、夫とは3年前に死別し、1人暮らし。喫煙歴があり、5年前に慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)と診断された。長女は隣県に住んでおり、時々様子を見に来ている。Aさんは受診を継続しながら、ほぼ自立して生活していた。今回、咳・痰の症状に加え呼吸困難が増強したため入院となった。入院後は酸素療法(鼻カニューレ:2L/分)と薬物療法を受け、症状が改善し、在宅酸素療法を導入し退院することになった。Aさんは初めて要介護認定を受けたところ、要支援2であった。
病棟看護師がAさんに行う在宅酸素療法に関する指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 電磁調理器の使用を勧める。
2: 外出時にデマンドバルブの作動を確認する。
3: 在宅酸素療法の機材が介護保険で給付される。
4: 酸素濃縮器は日当たりのよいところに設置する。
5: 呼吸困難時にAさんの判断で酸素流量を変更してよい。
Aさん(19歳、男性、専門学校生)は、1人暮らし。「皆が自分を嫌っている」と言い、昨年から学校を休学し、アパートに引きこもるようになった。先週、夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人が両親へ連絡をした。連絡の翌日、Aさんの両親が訪ねてみると、Aさんは「隣の人に嫌がらせを受けている。助けてくれ」と叫び続けたため、両親とともに精神科病院へ行き、その日のうちに任意入院となった。Aさんは統合失調症(schizophrenia)と診断され、抗精神病薬による治療が開始された。
Aさんは、入院後10日から日中に臥床するようになった。夜間は熟睡している。食事の時間に食堂に遅れてくることが多い。看護師と会話をするようになったが、他の入院患者への被害妄想がある。 この時期の看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 食事介助をする。
2: 一緒に院内を散歩する。
3: 他の入院患者との交流を促す。
4: 日中に臥床しているときは声かけを控える。
AEDの使用方法で正しいのはどれか。
1: 電極パッドは水で濡(ぬ)らしてから貼る。
2: 電極パッドは心臓をはさむ位置に貼る。
3: 通電時は四肢を押さえる。
4: 通電直後は患者に触れない。
意識障害がある患者への救命救急処置で最も優先されるのはどれか。
1: 保温
2: 輸液
3: 酸素吸入
4: 気道確保
A君 ( 15歳、男子 )は、病院に併設された院内学級に通いながら骨肉腫 (osteosarcoma)に対する治療を続けていた。現在、肺に転移しており終末期にある。呼吸困難があり、鼻腔カニュ−ラで酸素 ( 2 l/分 )を投与中である。 A君の食事の摂取量は徐々に減っているが、意識は清明である。 1週間後に院内で卒業式が予定されている。 A君は「卒業式は出席したい」と話している。看護師の A君への対応として最も適切なのはどれか。
1: 今の状態では出席は難しいと話す。
2: 出席できるように準備しようと話す。
3: 出席を決める前に体力をつけようと話す。
4: 卒業式の前日に出席するかどうか決めようと話す。
Aさん(59歳、女性)は、午前2時ころにバットで殴られたような激しい頭痛を自覚し、嘔吐した。午前4時、Aさんは、頭痛を我慢できなくなったために、家族に付き添われて救急搬送され、緊急入院した。入院時、ジャパン・コーマ・スケール 〈JCS〉Ⅰ-1、四肢の麻痺を認めない。
Aさんは、入院後に緊急開頭術を受けることになった。手術を受けるまでの看護で適切なのはどれか。
1: 浣腸を行う。
2: 排痰法の練習を勧める。
3: テタニー徴候を観察する。
4: 不整脈(arrhythmia)の出現に注意する。