第108回午後第49問の類似問題

Aさん(65歳、男性)は、右下葉の肺癌(lung cancer)(T3N2M0)と診断され、抗癌化学療法(シスプラチン+エトポシド)1クール4日間を4クール行うことになった。入院時のAさんは、体温36.2度、呼吸数18/分、脈拍72/分、血圧124/74mmHgであった。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は98%で、咳嗽が時々みられるが、痰の喀出はなく、胸部の聴診にて副雑音はない。Aさんの血液検査の結果は、白血球5600/μl、アルブミン3.7g/dl、CRP0.3mg/dlであった。Aさんは20歳のころから毎日20本の煙草(たばこ)を吸っていたが、60歳のときに禁煙した。

第100回午前:第97問

Aさんの入院時の状態で正しいのはどれか。

1: 喫煙指数(ブリンクマン指数)は60である。

2: 肺炎(pneumonia)の徴候がみられる。

3: 低栄養の可能性がある。

4: リンパ節転移がある。

A さん(20 歳、男性、大学生)は、皆が自分を嫌っていると言い、昨年から大学を休学し、 1 人暮らしのアパートで引きこもるようになった。先週、アパートで夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人から両親へ連絡があった。A さんの両親が A さんの部屋に入ってみると、窓は新聞紙で覆われていた。A さんは「 1 日中誰かに見張られている。あなたは親じゃない」と叫び続けるため、精神科病院に入院した。A さんは、統合失調症 (schizophrenia) と診断され非定型抗精神病薬による治療が開始された。

第104回午前:第114問

入院後 2 か月。症状も落ち着いてきたため、退院の準備をすることになった。Aさんは看護師に「病気はもう治ったのに、いつまで薬を飲まなければならないのか。薬を飲むと頭がぼんやりする。体力がなくなった気がする」と話した。A さんの退院の準備のために行う支援で優先度が高いのはどれか。

1: 回想法

2: 復学準備

3: 服薬心理教育

4: 筋力トレーニング

第106回午後:第47問

高齢者施設に入所中のAさん(78歳、女性)は、長期間寝たきり状態で、便秘傾向のため下剤を内服している。下腹部痛と便意を訴えるが3日以上排便がなく、浣腸を行うと短く硬い便塊の後に、多量の軟便が排泄されることが数回続いている。既往歴に、消化管の疾患や痔(hemorrhoid)はない。 Aさんの今後の排便に対する看護として最も適切なのはどれか。

1: 直腸の便塊の有無を確認する。

2: 止痢薬の処方を医師に依頼する。

3: 1日の水分摂取量を800mL程度とする。

4: 食物繊維の少ない食事への変更を提案する。

A さん(90 歳、女性)は、Alzheimer〈アルツハイマー〉病 (Alzheimer disease) で、重度の認知機能の低下がある。要介護 4 で、短期入所〈ショートステイ〉や通所介護を利用している。長年、長男夫婦が自宅で介護している。

第104回午前:第102問

その後、A さんは誤嚥性肺炎 (aspiration pneumonia) の症状が軽快し、胃瘻を造設せずに退院する予定である。家族は自宅での介護を考えていたが、長男の妻が脳出血 (cerebral hemorrhage) で入院したため、Aさんの退院先の再検討を行うことになった。A さんの退院先として最も適切なのはどれか。

1: 軽費老人ホーム

2: 介護老人福祉施設

3: 回復期リハビリテーション病棟

4: 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)

第108回午前:第57問

Aさん(90歳、男性)は、脳梗塞(cerebral infarction)による軽度の左半身麻痺がある。要介護2。最近、娘(65歳)とその家族と同居を始めた。Aさんの受診に付き添ってきた娘が看護師に「同居を始めてから疲れます」と話した。 この時の娘に対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 心療内科の受診を勧める。

2: 娘の幼少期の親子関係を聞く。

3: Aさんの介護老人保健施設への入所を勧める。

4: 同居後に家族の生活がどのように変化したかを聞く。

第105回午後:第36問

Aさん(56歳、男性)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症のためにリハビリテーションをしている。食事中に箸がうまく使えずイライラしている。 この状況で看護師が最も連携すべき専門職はどれか。

1: 精神保健福祉士

2: 社会福祉士

3: 理学療法士

4: 作業療法士

Aさん(92歳、女性)は、脳梗塞cerebral infarctionの後遺症のため要介護4で、2年前から特別養護老人ホームに入所している。入所時は、日常生活は全介助で、話しかけるとうなずいたり首を振るなど自分の意思を伝えることができた。Aさんは歌が好きで、歌に関するレクリエーションには車椅子で参加し、笑顔がみられていた。家族は週1回、面会に来ていた。入所時に、Aさんは「延命処置を望まない」、家族は「できるだけ長生きしてほしい」と言っていた。  最近、ほとんど食事を摂らなくなり、閉眼していることが多く、看護師や施設職員の声かけに対する反応が徐々に鈍くなってきた。家族が面会時に声をかけると、目を開け、うなずくなどの意思表示がある。Aさんの状態から、医師と相談し看護師は看取りの準備が必要であると判断した。

第110回午前:第98問

Aさんは、食事を全く食べず、水分も取らなくなり、皮膚も乾燥してきた。家族は毎日面会にきて声をかけているが、反応がなくなってきた。  Aさんが死に向かう中で、穏やかに過ごすための援助で適切なのはどれか。

1: 好きな音楽をかける。

2: 輸液療法を検討する。

3: 家族の面会を制限する。

4: 皮膚の清潔ケアを頻回に行う。

Aさん(89歳、女性)は、息子夫婦と3人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度判定基準A-2。腹部膨満感とふらつきを自覚したため受診したところ、原発不明の癌による多臓器への転移と腹水貯留が認められ、入院した。入院時に、医師からAさんと家族に、回復の見込みが低いことが伝えられた。看護師に、Aさんは「もう十分長生きできましたから、自然に最期を迎えたいです」と話した。 身体所見:身長148cm、体重43kg、腹囲80cm。体温36.8℃、血圧128/80mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)97%。意識レベル清明。 検査所見:Hb 6.9g/dL、総蛋白4.5g/dL、アルブミン2.9g/dL、AST(GOT)45IU/L(U/L)、AST(GOT)60IU/L(U/L)、Na 130mEq/L、K 4.2mEq/L。

第108回午前:第101問

Aさんは昼間も寝ていることが多くなった。Aさんは「食事はいらないけど冷たいものはほしい」と言い、看護師が準備した氷を少量食べることがある。維持輸液を行っている。医師から家族にAさんの臨終が近いとの説明があった。家族は看護師に「食事をとらないと体力がなくなってしまう。苦痛なく最期を迎えさせてあげたいけれど、少しでも長く生きていてほしい」と言っている。 家族に対する看護師の説明で最も適切なのはどれか。

1: 「食事を介助してください」

2: 「点滴をしているので大丈夫です」

3: 「食事に栄養補助食品を取り入れます」

4: 「Aさんが食べたい物を持ってきてください」

Aさん(55歳、男性、自営業)は、父親(78歳)と2人暮らし。Aさんは、2年前から食後に心窩部痛を感じていたが、医療機関を受診していなかった。午後3時、Aさんは胃部不快感を訴えた直後、突然コップ1杯程度の吐血があり倒れた。父親が救急車を呼び、救急病院に搬送された。到着時、意識はジャパン・コーマ・スケール(JCS)Ⅰ- 3。バイタルサインは、体温36.4℃、呼吸数20/分、脈拍124/分、整、血圧86/50mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)95%。顔面は蒼白で、皮膚は湿潤している。四肢冷感を認める。眼瞼結膜は軽度貧血様であるが、黄染を認めない。腹部は平坦で腸蠕動音は微弱、心窩部に圧痛を認めるが、筋性防御はない。胃部不快感は受診前よりも改善している。担当した医師に父親が「息子は黒い便が出ると言っていた」と伝えた。

第108回午後:第119問

Aさんは緊急入院となり、医師から「少なくとも2週間程度の入院が必要です」と説明を受けた。立ち会っていた看護師長にAさんは「最近、父の物忘れがひどくて、1人でどこかに行ってしまったこともあるので、家に帰せません。何とかなりませんか」と訴えた。父親は要介護認定を受けているが、現在は介護保険サービスを利用せず、Aさんが介護をしながら生活していた。 Aさんの父親に対する看護師長の対応で適切なのはどれか。

1: 自院への入院を調整する。

2: 地域包括支援センターに相談する。

3: 精神保健福祉センターに相談する。

4: 特別養護老人ホームに入所相談する。

第101回午後:第82問

慢性腎不全(chronic renal failure)で正しいのはどれか。

1: 高蛋白食が必要である。

2: 高カルシウム血症(hypercalcemia)となる。

3: 最も多い原因は腎硬化症(nephrosclerosis)である。

4: 糸球体濾過値〈GFR〉は正常である。

5: 代謝性アシドーシスを起こしやすい。

第103回午後:第63問

A君 ( 15歳、男子 )は、病院に併設された院内学級に通いながら骨肉腫 (osteosarcoma)に対する治療を続けていた。現在、肺に転移しており終末期にある。呼吸困難があり、鼻腔カニュ−ラで酸素 ( 2 l/分 )を投与中である。 A君の食事の摂取量は徐々に減っているが、意識は清明である。 1週間後に院内で卒業式が予定されている。 A君は「卒業式は出席したい」と話している。看護師の A君への対応として最も適切なのはどれか。

1: 今の状態では出席は難しいと話す。

2: 出席できるように準備しようと話す。

3: 出席を決める前に体力をつけようと話す。

4: 卒業式の前日に出席するかどうか決めようと話す。

第105回午後:第46問

Aさん(37歳、女性)は、月経異常で病院を受診し、糖尿病(diabetes mellitus)および高血圧症(hypertension)と診断された。また、満月様顔貌や中心性肥満の身体所見がみられたため検査が行われ、ホルモン分泌異常と診断された。 原因となるホルモンを分泌している臓器はどれか。

1: 副甲状腺

2: 甲状腺

3: 副腎

4: 卵巣

第105回午前:第88問

Aさん(42歳、女性)は、2週前から腰痛と坐骨神経痛とを発症し整形外科で処方された鎮痛薬を内服している。帯下が増えて臭いもあるため婦人科を受診し、子宮頸癌(cancer of the uterine cervix)と診断された。 進行期を決めるためにAさんに行われる検査で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: ヒトパピローマウイルス検査

2: 小腸内視鏡検査

3: 腎盂尿管造影

4: 脊髄造影

5: CT

第106回午前:第66問

Aさん(42歳、女性)は、交通事故による脊髄損傷(spinal cord injury)で入院し、リハビリテーションを受けた。Aさんの排泄の状況は、間欠的導尿による排尿と、坐薬による3日に1回の排便である。同居する夫と実母が導尿の指導を受け、退院することになった。初回の訪問看護は退院後3日目とし、その後は訪問看護を週2回受けることになった。 入院していた医療機関から提供された患者情報のうち、初回訪問のケア計画を立案するのに最も優先度の高い情報はどれか。

1: 食事の摂取量

2: 1日の導尿回数

3: 最終排便の日時

4: リハビリテーションの内容

Aさん(55歳、男性)、会社員。野球が趣味で、野球チームに所属し毎週日曜日に試合や練習を行っている。 7月のある日曜日、気温 32 ℃、湿度 86 %。Aさんは野球の試合で守備についていたとき、急激な下肢の痛みが出現し倒れこんだ。その試合を偶然観戦していた看護師がAさんの状態を観察した。ジャパン・コーマ・スケール (JCS)Ⅰ-1。呼吸数30 /分。脈拍 120/分、整。身体は熱く、多量の発汗がみられた。

第101回午前:第101問

Aさんは野球チームの監督の車で病院に搬送され、熱中症(heat illness)と診断された。Aさんの状態は、JCSⅡ-10。体温 38.2 ℃。呼吸数28 /分。脈拍 98/分、整。血圧 112/62mmHg。SpO2 98 %。嘔気・嘔吐を認める。 救急外来の看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 下肢を挙上させる。

2: ばち状指の有無を確認する。

3: 静脈路の確保の準備をする。

4: 頸部の両側を氷嚢で冷やす。

5: 回復傾向にあることをAさんに伝える。

第104回午前:第55問

A さん(66 歳、男性)は、尿管結石症 (ureterolithiasis) で入院し、鎮痛薬の投与と点滴静脈内注射による持続輸液が開始された。日常生活は自立している。輸液開始の 1 時間後、A さんの病室で大きな音がしたので看護師が駆けつけると、A さんはベッドサイドに座り込んでいた。「トイレに行こうとベッドから立ち上がろうとして、点滴のスタンドをつかんだら滑った」と話した。転倒後の診察の結果に異常はなかった。A さんが再び転倒しないための対応で最も適切なのはどれか。

1: 床上排泄にする。

2: 誰の過失か明らかにする。

3: 転倒の原因を一緒に考える。

4: 夜間は家族に付き添いを依頼する。

第105回午前:第86問

Aさん(60歳、男性)は、転倒して第5頸椎レベルの脊髄を損傷した。肩を上げることはできるが、上肢はわずかに指先を動かせる程度である。呼吸数22/分、脈拍86/分、血圧100/70 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>97%であった。Aさんは「息がしづらい」と言っている。 Aさんの状態で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 低酸素血症(hypoxemia)がある。

2: 胸郭運動がみられる。

3: 無気肺(atelectasis)を起こしやすい。

4: 腹式呼吸を行っている。

5: 閉塞性換気障害(obstructive ventilatory impairment)を起こしている。

第106回午前:第61問

Aさん(16歳、女子)。身長160cm、体重40kg。1年で体重が12kg減少した。Aさんは6か月前から月経がみられないため婦人科クリニックを受診し、体重減少性無月経(amenorrhea due to weight loss)と診断された。 今後、Aさんの無月経が長期間続いた場合、増加することが予想されるのはどれか。

1: 血糖値

2: 骨吸収

3: 体脂肪率

4: エストロゲン

9歳のAちゃんは、2か月前から口渇、多飲および多尿があった。学校の健康診断で尿糖が陽性であったため、受診した。受診時の検査で、Aちゃんは血糖398mg/dl(食後3時間経過)、HbA1C9.3%、動脈血pH7.40、尿糖4+、尿ケトン体+で、1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)の疑いで入院した。

第100回午前:第112問

Aちゃんのアセスメントで正しいのはどれか。2つ選べ。

1: 高血糖

2: 浸透圧利尿

3: 腎機能の低下

4: ケトアシドーシス

5: グルカゴンの分泌低下

Aさん(92歳、女性)は、脳梗塞cerebral infarctionの後遺症のため要介護4で、2年前から特別養護老人ホームに入所している。入所時は、日常生活は全介助で、話しかけるとうなずいたり首を振るなど自分の意思を伝えることができた。Aさんは歌が好きで、歌に関するレクリエーションには車椅子で参加し、笑顔がみられていた。家族は週1回、面会に来ていた。入所時に、Aさんは「延命処置を望まない」、家族は「できるだけ長生きしてほしい」と言っていた。  最近、ほとんど食事を摂らなくなり、閉眼していることが多く、看護師や施設職員の声かけに対する反応が徐々に鈍くなってきた。家族が面会時に声をかけると、目を開け、うなずくなどの意思表示がある。Aさんの状態から、医師と相談し看護師は看取りの準備が必要であると判断した。

第110回午前:第99問

3日後、Aさんは声かけに全く反応しなくなったため、看護師は死期が迫っていると判断した。  看護師が観察するAさんの状態はどれか。

1: 尿量の増加

2: 流涎の増加

3: 下痢便の出現

4: 下顎呼吸の出現