妊娠の成立について正しいのはどれか。2つ選べ。
1: プロラクチンの急増によって排卵が促される。
2: 排卵後、卵子が受精能を有するのは通常24時間である。
3: 射精後、精子が受精能を有するのは通常80時間である。
4: 着床は受精後7日前後である。
5: 受精後、プロゲステロンの分泌がなくなる。
正期産で出生した生後3日目の女児の状態で、異常が疑われるのはどれか。
1: 平坦(へいたん)な大泉門
2: 伸展した四肢の姿勢
3: 性器からの少量の出血
4: 手掌に触れたものを握る動作
便秘の原因となる加齢に伴う身体的変化で誤っているのはどれか。
1: 大腸粘膜の萎縮
2: 骨盤底筋群の筋力低下
3: 直腸内圧の閾値の低下
4: 大腸の内括約筋の緊張の低下
早期新生児の生理的黄疸で正しいのはどれか。
1: 生後24時間以内に出現し始める。
2: 皮膚の黄染は、腹部から始まる。
3: 生後4、5日でピークとなる。
4: 便が灰白色になる。
受胎のメカニズムで正しいのはどれか。
1: 排卵は黄体形成ホルモン〈LH〉の分泌が減少して起こる。
2: 卵子の受精能力は排卵後72時間持続する。
3: 受精は卵管膨大部で起こることが多い。
4: 受精後2日で受精卵は着床を完了する。
Aさん(30歳、初産婦)は、正常分娩で児を出産した。第2度会陰裂傷を認め、会陰縫合術を受けた。分娩時間後に、分娩室から褥室へ帰室した。産褥1日のAさんのバイタルサインは、体温36.8 ℃、脈拍72/分、血圧118/70mmHgであった。子宮底は臍下1横指で、子宮は硬く触れ、血性悪露中等量、後陣痛がみられる。会陰縫合部の痛みはあるが発赤はない。乳房緊満(-)、乳管開口数は左右とも4、5本。「昨夜は興奮してなかなか眠れなかった」と言う。
産褥2日。Aさんから会陰縫合部の疼痛の増強はないが、離開の不安から排便ができないと訴えがあった。看護師は縫合部の異常がないことを確認した。Aさんは妊娠中の便秘はなかった。看護師の対応で優先度が高いのはどれか。
1: 産褥体操をAさんに勧める。
2: 水分を多く摂るようAさんに勧める。
3: 医師に緩下薬の処方について相談する。
4: 縫合部の離開の心配はないことをAさんに説明する。
妊娠の成立の機序で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 原始卵胞から卵子が排出される。
2: 排卵後の卵子は卵管采によって卵管に取り込まれる。
3: 受精は精子と卵子との融合である。
4: 受精卵は子宮内で2細胞期になる。
5: 着床は排卵後3日目に起こる。
Aさん(28歳、初妊婦)は、夫(30歳、会社員)と2人暮らし。妊娠37週0日で妊婦健康診査のため来院した。身長160cm、体重62kg(非妊時体重54kg)。血圧122/74mmHg。Hb12.1g/dL、Ht36%。尿蛋白(-)、尿糖(-)。下肢に軽度の浮腫を認める。子宮底長32cm、推定胎児体重2,810g。Aさんは「1時間に、1時間に2、3回お腹が張ることがありますが、休んでいるとおさまります」と言う。
このときのAさんの状態で正しいのはどれか。
1: 陣痛発来
2: 正常な妊娠経過
3: 胎児発育不全<FGR>(fetal growth restriction)
4: 妊娠高血圧症候群<HDP>(hypertensive disorders of pregnancy)
加齢に伴う高齢者の循環器系の変化で正しいのはどれか。
1: 運動時の心拍出量が増大する。
2: 拡張期血圧が上昇する。
3: 心室壁が厚くなる。
4: 脈圧が狭小化する。
萎縮性腟炎(atrophic vaginitis)に伴う状態について正しいのはどれか。
1: 性交痛
2: 白色の帯下
3: 腟壁の肥厚化
4: 腟の自浄作用の亢進
5: エストロゲン分泌の増加
Aさん(25歳、初産婦)は、正常な妊娠経過で妊娠 39週5日に3,100 gの児を分娩した。分娩所要時間 16時間 30分、出血量は 300 m l。会陰切開・縫合術を受けた。
産褥1日。Aさんは、体温 36.8 ℃、脈拍 78/分、血圧 116/70 mmHgである。排尿後の観察では、子宮底の位置は臍下1横指、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられる。会陰縫合部に発赤はないが、痛みがあるため円座を使用している。Aさんは「トイレに行きたい感じがはっきりしません」と言う。観察すると膀胱充満はみられなかった。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 「導尿しましょう」
2: 「お水をたくさん飲みましょう」
3: 「3、4時間ごとにトイレに行きましょう」
4: 「縫合部の痛みがなくなれば感覚が戻ってくるでしょう」
加齢による身体生理機能の変化とそれによって影響を受ける薬物動態の組合せで正しいのはどれか。
1: 体内水分量の減少 ─ 代謝
2: 体内脂肪量の増加 ─ 排泄
3: 血清アルブミンの減少 ─ 分布
4: 糸球体濾過値〈GFR〉の低下 ─ 吸収
Aさん(32歳、経産婦)は、身長160cmで、非妊時体重は52kgであった。妊娠33週2日の妊婦健康診査では、体重59kg、血圧110/76mmHg、尿蛋白(-)、尿糖(-)、浮腫+、子宮底長は28cmである。胎児心拍の最良聴取部位は左臍棘線中央にあり、「最近、動くとおなかが頻繁に張ります。便秘がひどくなっているせいかもしれません」と言う。
妊娠36週0日の午前10時、Aさんは、子宮収縮が強くなったため入院した。Aさんは、午後3時に体温37.3度、脈拍86/分、血圧128/80mmHgであった。Aさんに分娩監視装置を装着した結果、陣痛周期4分、胎児心拍基線は150bpm、基線細変動があり、一過性徐脈はなかった。子宮口6cm開大で「陣痛のときに、いきみたい感じがでてきました」と言う。 この時点のアセスメントで適切なのはどれか。
1: 分娩第2期である。
2: 胎児心拍は正常である。
3: 母体に感染の徴候がみられる。
4: 努責を行うための指導が必要である。
Aさん(38歳、初産婦)は、妊娠38週3日に2,900gの女児を正常分娩した。出産前は、Aさんは夫と2人で暮らしていた。引っ越して3か月であり、周囲に親しい知り合いや友人はまだいない。
産褥3日。子宮底の高さは臍下3横指にあり硬度良好であった。乳房は軽度緊満しており、乳汁分泌がみられる。体温37.0℃、脈拍76/分、血圧124/72mmHgであった。訪室時、Aさんは「体がなんとなくだるいです。理由もないのに涙が出てきます」と涙ぐんでいた。 Aさんの状態として考えられるのはどれか。
1: 産褥熱(puerperal fever)
2: 高血圧症(hypertension)
3: 産後うつ病(postpartum depression)
4: マタニティブルーズ(maternity blues)
老化による身体機能の変化と薬物動態への影響との組合せで正しいのはどれか。
1: 血中蛋白の低下ー薬効の減少
2: 腎血流量の低下ー薬効の減少
3: 肝血流量の低下ー薬効の増大
4: 消化機能の低下ー薬効の増大
正常に経過している分娩第1期の産婦への説明で適切なのはどれか。
1: 「食事は摂(と)らないようにしてください」
2: 「ベッド上で安静にしていてください」
3: 「2、3時間に1回は排尿をしてください」
4: 「眠気を感じても眠らないようにしてください」
成熟期女性の受胎調節について適切なのはどれか。
1: 経口避妊薬は女性が主導で使用できる。
2: コンドーム法の避妊効果は99%以上である。
3: 基礎体温法は月経が不順な女性に有用である。
4: 子宮内避妊器具〈IUD〉は経産婦より未産婦に挿入しやすい。
思春期の続発性無月経について正しいのはどれか。2つ選べ。
1: ストレスが誘因となる。
2: 乳房の発育は認められない。
3: 急激な体重の増減と関連する。
4: 妊娠を希望するまで治療対象にならない。
5: 診断基準の 1つとして 5か月以上の月経停止がある。