Aちゃん(生後3週)は、在胎40週、3,070gで出生した。生後5日で退院し、退院時の体重は3,080gであった。完全母乳栄養である。 現病歴:5日前から嘔吐があり、次第に哺乳のたびに噴水状に嘔吐するようになった。今朝も嘔吐があり、吐物は白色である。排尿もないため家族に連れられ来院した。Aちゃんは肥厚性幽門狭窄症hypertrophic pyloric stenosisが疑われ入院した。 身体所見:体重3,380g、体温36.7℃。脈拍120/分、整。血圧74/52mmHg。大泉門は陥凹、皮膚のツルゴールは低下、上腹部は軽度膨隆。 検査所見:白血球9,600/μL。Na131mEq/L、K3.4mEq/L、Cl86mEq/L、CRP0.1mg/dL。
Aちゃんの状態のアセスメントで正しいのはどれか。
1: 脱水症dehydrationは軽度である。
2: 非胆汁性嘔吐である。
3: 炎症反応の上昇がある。
4: 出生後の体重増加は良好である。
正期産で出生した生後3日目の女児の状態で、異常が疑われるのはどれか。
1: 平坦(へいたん)な大泉門
2: 伸展した四肢の姿勢
3: 性器からの少量の出血
4: 手掌に触れたものを握る動作
Aさん(29歳、初産婦)は、妊娠37週0日で2,780gの男児を正常分娩で出産した。出生後5分の児の状態は、心拍数150/分、四肢を屈曲させて啼泣している。顔面を清拭されると激しく啼泣し、全身はピンク色である。
産褥4日。Aさんは、血圧112/80mmHg、脈拍76/分、Hb11.2g/dL、Ht37.0%。子宮底を臍下4横指に硬く触れる。悪露は赤褐色で少量。凝血の混入や悪臭はない。乳房は緊満しており移行乳が分泌している。Aさんは「夜中も3 時間ごとくらいに授乳をするためほとんど眠れていません」と話している。表情は穏やかである。 Aさんのアセスメントとして適切なのはどれか。
1: 貧血である。
2: 産後うつ病postpartum depressionである。
3: 子宮復古は順調である。
4: 乳汁分泌が遅れている。
Aさん(36歳、経産婦)は、夫と長男(3歳)との3人で暮らしている。妊娠40週0日、午前9時にAさんは陣痛開始のため入院した。このときは未破水であった。午後1時、体温36.8 ℃、脈拍64/分、血圧126/70 mmHg であった。Aさんに分娩監視装置を装着したところ、陣痛間欠4分、胎児心拍数基線は140 bpmで、一過性徐脈はみられなかった。午後2時、破水感があり医師が診察したところ、子宮口は7cm開大であり、羊水の流出がみられた。
午後2時30 分、Aさんは3,300 g の女児を正常分娩した。分娩時の出血量は200 mLであった。産褥3日、体温37.0 ℃、脈拍76/分、血圧118/60 mmHgであった。血液データは、Hb 11 g/dL、Ht 35 % であった。子宮底の位置は臍下2横指で硬く、赤色の悪露がみられた。乳房は左右とも張り、乳管の開口数は3本ずつで黄色の乳汁が分泌している。乳頭の伸びは少なく児が吸啜するまでに時間がかかっている。 看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 鉄分の多い食事を勧める。
2: 子宮底に冷罨法を行う。
3: 乳頭のケアを行う。
4: 授乳を中止する。
Aさん(29歳、初産婦)は、妊娠37週0日で2,780gの男児を正常分娩で出産した。出生後5分の児の状態は、心拍数150/分、四肢を屈曲させて啼泣している。顔面を清拭されると激しく啼泣し、全身はピンク色である。
出生後1時間。児の状態は、直腸温37.0℃、呼吸数40/分、心拍数120/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%(room air)、四肢冷感やチアノーゼを認めない。哺乳は開始していない。Aさんの経過は順調である。 このときの児への看護で適切なのはどれか。
1: ビタミンK2シロップを経口投与する。
2: 風通しの良いところに児を寝かせる。
3: 先天性代謝異常検査を行う。
4: 早期母子接触を行う。
在胎40週2日、正常分娩で出生した男児。出生時体重3,300g、身長48.5cm。生後1日の体重は3,200g。バイタルサインは腋窩温37.2℃、呼吸数70/分、心拍数130/分。出生後24時間までに、排尿が1回、排便が1回みられた。
生後2日、医師の診察で問題がないことが確認され、母児同室を開始した。身体測定を行うため、児を新生児室に移送した。児は四肢を屈曲させた姿勢で、体重計に乗せたとき両手を広げ、そのまま上肢を伸ばし抱きかかえるような動きをした。腹部には境界の不明瞭な紅斑が散在し、腋窩と鼠径部にはクリーム状のものが付着していた。 児の看護で適切なのはどれか。
1: 手足を伸ばして寝かせる。
2: 異常な反射があったと医師に報告する。
3: 腹部の紅斑が散在している部位を消毒する。
4: 腋窩と鼠径部のクリーム状の付着物は洗い落とさない。
乳児が成人に比べ脱水になりやすい理由で正しいのはどれか。
1: 尿細管での水の再吸収能力が低い。
2: 体重当たりの基礎代謝量が少ない。
3: 体重に占める体水分量の割合が低い。
4: 体液における細胞内液の割合が高い。
在胎38週4日、骨盤位のため予定帝王切開術で出生した男児。看護師はインファントラジアントウォーマー下で児の全身を観察した。羊水混濁はなかった。 身体所見: 身長49.0cm、体重2,900g、頭囲33.0cm、胸囲32.0cm。直腸温37.8℃、呼吸数55/分、心拍数150/分。大泉門は平坦、骨重積なし、産瘤なし、頭血腫なし。胎脂は腋窩にあり。筋緊張は強く、四肢は屈曲位。皮膚は厚い。うぶ毛は背中の1/2にあり。耳介は硬い。精巣は両側ともに完全に下降。外表奇形はなし。 検査所見: Apgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後10点。臍帯動脈血pH7.30。
出生後2時間。児のバイタルサインを確認したところ、直腸温37.5℃、呼吸数75/分、心拍数160/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉87%であった。心雑音はなし。鼻翼呼吸および呻吟がみられた。四肢末端にチアノーゼあり。 この児の状態で考えられるのはどれか。
1: 胎便吸引症候群〈MAS〉(meconium aspiration syndrome)
2: 呼吸窮迫症候群〈RDS〉(respiratory distress syndrome)
3: 心室中隔欠損症〈VSD〉(ventricular septal defect)
4: 新生児一過性多呼吸〈TTN〉(transient tachypnea of newborn)
A さん(45 歳、男性)は、便に血液が混じっていたため受診した。検査の結果、直腸癌 (rectal cancer) と診断され、自律神経を部分温存する低位前方切除術が予定されている。
術後 6 日。ドレーンから茶褐色で悪臭のある排液があった。A さんは、体温 38.2 ℃、呼吸数 20/分、脈拍 82/分、整であった。A さんの状態で最も可能性が高いのはどれか。
1: 腸炎
2: 胆汁瘻
3: イレウス (ileus)
4: 縫合不全
5: 術後出血
在胎38週4日、骨盤位のため予定帝王切開術で出生した男児。看護師はインファントラジアントウォーマー下で児の全身を観察した。羊水混濁はなかった。 身体所見: 身長49.0cm、体重2,900g、頭囲33.0cm、胸囲32.0cm。直腸温37.8℃、呼吸数55/分、心拍数150/分。大泉門は平坦、骨重積なし、産瘤なし、頭血腫なし。胎脂は腋窩にあり。筋緊張は強く、四肢は屈曲位。皮膚は厚い。うぶ毛は背中の1/2にあり。耳介は硬い。精巣は両側ともに完全に下降。外表奇形はなし。 検査所見: Apgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後10点。臍帯動脈血pH7.30。
"日齢7。児の体重は2,930g(前日より30g増加)。バイタルサインは、腋窩温37.0℃、呼吸数50/分、心拍数140/分。大泉門は平坦。排尿7回/日、排便10回/日の普通便である。経皮的黄疸計による測定値12.5mg/dL。児の母親は母乳育児を希望している。母乳分泌量は良好で乳房トラブルはない。直接授乳を1日12回しており、搾乳や人工乳は哺乳していない。母親は看護師に「体重は生まれたときから30gしか増えていませんが、大丈夫でしょうか」と話した。 母親への対応で最も適切なのはどれか。"
1: 「乳房を温めましょう」
2: 「哺乳量を測りましょう」
3: 「搾乳も追加であげましょう」
4: 「このまま直接授乳を続けて良いですよ」
小児期における消化器の特徴で正しいのはどれか。
1: 新生児期は胃内容物が食道に逆流しやすい。
2: 乳児期のリパーゼの活性は成人と同程度である。
3: ラクターゼの活性は1歳以降急速に高まる。
4: アミラーゼの活性は12~13歳で成人と同程度になる。
5: 出生直後の腸内細菌叢は母親の腸内細菌叢の構成と同一である。
Aさん(32歳、経産婦)は、身長160cmで、非妊時体重は52kgであった。妊娠33週2日の妊婦健康診査では、体重59kg、血圧110/76mmHg、尿蛋白(-)、尿糖(-)、浮腫+、子宮底長は28cmである。胎児心拍の最良聴取部位は左臍棘線中央にあり、「最近、動くとおなかが頻繁に張ります。便秘がひどくなっているせいかもしれません」と言う。
2時間後にAさんは、2650gの児を娩出した。児のアプガースコアは1分後、5分後ともに9点であり、羊水混濁はなかった。出生3時間後の児の状態は、体温36.8度、心拍数145/分、呼吸数65/分で、四肢に軽度のチアノーゼが見られる。 児の状態で考えられるのはどれか。
1: 無呼吸発作(apnea attack)
2: 呼吸窮迫症候群〈RDS〉(respiratory distress syndrome)
3: 胎便吸引症候群〈MAS〉(meconium aspiration syndrome)
4: 新生児一過性多呼吸〈TTN〉(transient tachypnea of the newborn)
Aさん(37歳、初産婦)、会社員。妊娠41週1日の午後11時に3,200gの女児を分娩した。妊娠や分娩の経過は順調であり、会陰切開術を受けた。分娩後2時間の子宮底の高さは臍下2横指、縫合部に異常はみられなかった。
産褥1日午前5時、赤色悪露が少量みられた。子宮底の高さは臍上1横指で、膀胱部に軽度の膨満を触知したため、トイレでの排尿を促した。しかし、Aさんは「切開した傷が痛くて、排尿しようとしても出ません。どうしましょう」と看護師に相談してきた。 Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 「水分を摂(と)らないようにしてください」
2: 「腹部を温めてみましょう」
3: 「授乳をしてみましょう」
4: 「尿を管で取りましょう」
初産婦のAさんは、昨日、妊娠38週3日で2900gの児を出産した。本日は母子同室で過ごしている。Aさんは「母乳で頑張りたいけれど赤ちゃんがうまく吸ってくれない」と言う。乳頭は正常で、乳管開口は左右ともに2本である。 Aさんへの援助で最適なのはどれか。
1: 搾乳を勧める。
2: 母子異室にする。
3: 抱き方を指導する。
4: 人工栄養を勧める。
在胎40週2日、正常分娩で出生した男児。出生時体重3,300g、身長48.5cm。生後1日の体重は3,200g。バイタルサインは腋窩温37.2℃、呼吸数70/分、心拍数130/分。出生後24時間までに、排尿が1回、排便が1回みられた。
生後3日、児の体重は3,000gになった。バイタルサインに異常はみられない。手掌と足底に黄疸がみられ、傾眠傾向にあった。血清ビリルビン値18.5mg/dL。母児同室を続けるため、コットに設置可能な光線療法器を用いて治療を行うことになった。 児の光線療法に関する母親への説明で適切なのはどれか。
1: 「体温は低下します」
2: 「便の回数は減ります」
3: 「おむつは外して行います」
4: 「直接授乳は続けましょう」
Aちゃん(2歳0か月、女児)。昨日から下痢と嘔吐とを繰り返し、食事が摂(と)れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎(viral gastroenteritis)と診断され入院した。入院時、体温38.2℃、呼吸数36/分、心拍数136/分であった。1週前の保育所の身体計測では身長89cm、体重12.0kgであった。個室隔離とし、点滴静脈内注射による持続輸液が開始された。
Aちゃんの体重を測定したところ11.6kgであった。皮膚の状態は前腕をつまむとすぐもどる。尿検査のため採尿パックを貼ると黄色の尿が10ml採取された。Aちゃんは、診察と処置が行われている間、ずっと母親に抱かれて泣いており、涙で頬を濡(ぬ)らしていた。 Aちゃんのアセスメントで正しいのはどれか。
1: 脱水症状はない。
2: 軽度脱水である。
3: 中等度脱水である。
4: 重度脱水である。
Aさん(30歳、初産婦)は、妊娠 39週2日で前期破水(premature membrane rupture)と診断され入院した。胎児は頭位で臍帯下垂はみられず、胎児心拍数は正常である。 Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 入浴を勧める。
2: 歩行を禁止する。
3: 3〜4時間ごとに導尿をする。
4: 3〜4時間ごとに外陰部のパッドを交換する。
A君(2か月、男児)は、1か月児健康診査で尿道下裂(hypospadias)の疑いを指摘され、小児科を受診した。検査の結果、遠位型尿道下裂(distal hypospadias)と診断された。主治医から母親に対し、体重の増加を待ち1歳前後で尿道形成術を行う必要性について説明があった。母親から看護師に対し「手術を受けるまでの間、どう過ごしたらよいですか」と質問があった。
A君は1歳3か月になり、尿道形成術を行うために入院した。手術当日、点滴静 脈内注射による持続点滴と尿道カテーテルが挿入された状態で帰室した。創部の陰茎全体はガーゼとフィルムドレッシング材で保護されていた。手術翌日、ガーゼに茶褐色の血液が付着していた。創部が排便で汚染されており、ガーゼを外すと創部に軽度腫脹がみられているが膿の付着はない。尿道カテーテルの周囲から尿が漏れていた。A君は「ママ」と言い不機嫌に泣いている。体温37.0℃、呼吸数28/分、脈拍120/分、血圧100/58mmHgであった。 この時点のA君の状態として最も可能性が高いのはどれか。
1: 創部痛はない。
2: 出血が続いている。
3: 創部の感染を起こしている。
4: 尿道カテーテルが閉塞している。
A さん(30 歳、経産婦)は、妊娠 40 週 1 日で、妊娠経過は順調であった。本日、午後 5 時に体重 3,900 g の女児を正常分娩した。会陰縫合術を受け、分娩時出血量は400 mL であった。分娩後 2 時間のバイタルサインは、体温 37.1 ℃、脈拍 64/分、血圧 124/70 mmHg であった。排尿後の子宮底の位置は臍下 1 横指、収縮良好で帰室した。A さんは午後 8 時に夕食を全量摂取し、寝るまでに水を 500 mL 飲んだ。
産褥 5 日。A さんは、体温 37.0 ℃、脈拍 66/分、血圧 118/60 mmHg であった。子宮底の位置は恥骨結合上 3 横指で、収縮は良好であった。児の体重は 3,950 g。直接授乳を行っており、授乳後に児はよく眠っていた。A さんは「本日退院ですが、家で気をつけることは何でしょうか。教えてください」と話す。A さんに対する退院後の指導で最も適切なのはどれか。
1: 「浴槽に入って清潔にしてください」
2: 「蛋白質の少ない食事にしてください」
3: 「悪露が増えたときは受診してください」
4: 「授乳ごとに赤ちゃんへ追加のミルクを飲ませてください」
Aさん(36歳、2回経産婦)は正常な妊娠経過で、妊娠37週2日に2600gの児を正常分娩した。分娩の所要時間は3時間40分、出血量は250ml、会陰裂傷はない。
産褥5日目。Aさんは「この子は上の子たちに比べて小さく、母乳を吸う力も弱く、授乳後に母乳が残った感じがします。授乳回数は1日10回ぐらいで、夜中は2回くらい授乳しています。今後どうしたらよいでしょう」と話す。児の体重は2530gである。 Aさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 「授乳を3時間ごとにしましょう」
2: 「このままの授乳で様子をみましょう」
3: 「母乳を飲ませた後にミルクを飲ませましょう」
4: 「おっぱいがすっきりするまで授乳後に毎回搾りましょう」