Aさん(28歳、初産婦)は、妊娠 30週である。今朝から性器出血が少量認められたため外来を受診した。受診時、子宮収縮は1時間に4、5回認められ、Aさんは時々、軽い痛みを訴えた。今までの妊娠経過では、異常は認められていない。身長 160 cm、体重 60 kg(非妊時54 kg)である。
Aさんは、妊娠 32週に破水した。羊水混濁はない。胎児は頭位である。破水直後の対応として最も適切なのはどれか。
1: 外陰部洗浄を行う。
2: セミファーラー位とする。
3: 胎児心拍モニターを装着する。
4: 帝王切開の術前準備を開始する。
Aさん(32歳、初産婦)は前置胎盤placenta previaのため妊娠37週0日の午前10時から帝王切開術を受ける予定である。 手術前日の看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 浣腸を行う。
2: 夕食が禁食となっているか確認する。
3: 輸血の準備ができているか確認する。
4: 下肢に間欠的空気圧迫装置を装着する。
Aさん(34歳、初産婦)は順調な妊娠経過であった。妊娠40週5日の午前8時、10分毎の規則的な子宮収縮を主訴に来院し、医師の診察の結果、入院となった。入院時の胎児心拍数基線は130bpm、胎児の推定体重は3,300gであった。
Aさんの分娩は順調に進行した。午後5時に破水し、午後6時には子宮口開大8cmとなった。「便が出そうです。もう、これ以上頑張れない」と陣痛発作時には全身に力が入っている。 このときの看護師の声かけで正しいのはどれか。
1: 「リラックスするためにお風呂に入りましょう」
2: 「赤ちゃんのために我慢しましょう」
3: 「トイレに行って排便しましょう」
4: 「息を吐いて力を抜きましょう」
午後0時、助産師が内診したところ、子宮口開大4cmであった。Aさんは陣痛発作時に腰痛を強く訴えている。Aさんの夫(37歳)は、夫婦で出産体験を共有したいと両親学級を受講しており、入院時からAさんに付き添っている。夫はAさんの陣痛発作時、心配そうにAさんの様子を見つめているが、陣痛間欠時にはうとうとしている。訪室した看護師に、夫から「妻が痛がっているのですが、どうすればよいでしょう」と質問があった。胎児心拍数基線は140bpmであった。 このときの看護師の夫への対応で最も適切なのはどれか。
1: 別室での休憩を促す。
2: 分娩経過について説明する。
3: Aさんと病棟内を歩行するように促す。
4: 産痛を緩和するためのマッサージの実施を促す。
Aさん(34歳、初産婦)は、夫(37歳、会社員)と2人暮らし。事務の仕事をしている。身長157cm、非妊時体重54kg。妊娠24週4日の妊婦健康診査時の体重58kgで4週前から1.5kg増加している。血圧128/88mmHg。尿蛋白( ± )、尿糖(ー)。浮腫( ± )。Hb 10g/dL、Ht 30%。子宮底長22.5cm、腹囲84cm。胎児推定体重700g。非妊時より白色の腟分泌物は多いが、搔痒感はない。
Aさんは夫に付き添われ、妊娠35週4日に妊婦健康診査を受けた。体重62kg、血圧126/76mmHg。尿蛋白(ー)、尿糖(ー)。浮腫( ± )。子宮底長30cm、腹囲88cm。Aさんは看護師に「膝の裏の血管が膨らんで、青く浮き出てきました。夕方になると足がだるくなり、夕食の準備のため立っているとつらくなります」と言う。 Aさんへの指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 「水分を控えましょう」
2: 「体重を減らしましょう」
3: 「ガードルを着用しましょう」
4: 「弾性ストッキングを着用しましょう」
5: 「寝るときは足を高くして横になりましょう」
Aさんは妊娠37週0日に骨盤位のため予定帝王切開術となった。術後の経過は母児ともに順調である。Aさんへの看護として適切なのはどれか。
1: 手術室で出生児と対面する。
2: 2日に初回歩行をする。
3: 3日に初回授乳をする。
4: 4日以降に弾性ストッキングを履く。
Aさん(32歳、経産婦)は、身長160cmで、非妊時体重は52kgであった。妊娠33週2日の妊婦健康診査では、体重59kg、血圧110/76mmHg、尿蛋白(-)、尿糖(-)、浮腫+、子宮底長は28cmである。胎児心拍の最良聴取部位は左臍棘線中央にあり、「最近、動くとおなかが頻繁に張ります。便秘がひどくなっているせいかもしれません」と言う。
妊娠36週0日の午前10時、Aさんは、子宮収縮が強くなったため入院した。Aさんは、午後3時に体温37.3度、脈拍86/分、血圧128/80mmHgであった。Aさんに分娩監視装置を装着した結果、陣痛周期4分、胎児心拍基線は150bpm、基線細変動があり、一過性徐脈はなかった。子宮口6cm開大で「陣痛のときに、いきみたい感じがでてきました」と言う。 この時点のアセスメントで適切なのはどれか。
1: 分娩第2期である。
2: 胎児心拍は正常である。
3: 母体に感染の徴候がみられる。
4: 努責を行うための指導が必要である。
Aさん(31歳、初産婦)。妊娠40週1日。Aさんは午前5時に、陣痛間欠10分、陣痛発作10秒となり入院した。入院時の内診所見は子宮口1cm開大で、未破水であった。
Aさんは、午後2時に子宮口が4cmまで開大し、破水した。このときの胎児心拍数陣痛図を別に示す。 胎児心拍数陣痛図の情報で正しいのはどれか。
1: 陣痛間欠4分
2: 陣痛発作10秒
3: 母体脈拍数50/分
4: 胎児心拍数基線150〜160bpm
Aさん(30歳、初産婦)は妊娠39週3日で陣痛発来し、4時に入院した。その後、陣痛が増強して順調な分娩進行と診断されて、11時45分の診察で子宮口が8cm開大となった。看護師が12時に昼食を配膳にいくとAさんは額に汗をかいて、側臥位で「陣痛がつらくて何も飲んだり食べたりしたくありません」と言っている。陣痛発作時は強い産痛と努責感を訴え、目を硬く閉じて呼吸を止めて全身に力を入れている。
Aさんは16時15分、3,300gの男児を経腟分娩で出産した。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後9点。胎盤娩出直後から凝血の混じった暗赤色の性器出血が持続している。この時点での出血量は600mL。臍高で柔らかい子宮底を触れた。脈拍90/分、血圧116/76mmHg。意識は清明。Aさんは「赤ちゃんの元気な泣き声を聞いて安心しました」と言っている。 このときの看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 子宮底の輪状マッサージを行う。
2: 膀胱留置カテーテルを挿入する。
3: 水分摂取を促す。
4: 全身清拭を行う。
Aさん(36歳、経産婦)は、夫と長男(3歳)との3人で暮らしている。妊娠40週0日、午前9時にAさんは陣痛開始のため入院した。このときは未破水であった。午後1時、体温36.8 ℃、脈拍64/分、血圧126/70 mmHg であった。Aさんに分娩監視装置を装着したところ、陣痛間欠4分、胎児心拍数基線は140 bpmで、一過性徐脈はみられなかった。午後2時、破水感があり医師が診察したところ、子宮口は7cm開大であり、羊水の流出がみられた。
午後2時30 分、Aさんは3,300 g の女児を正常分娩した。分娩時の出血量は200 mLであった。産褥3日、体温37.0 ℃、脈拍76/分、血圧118/60 mmHgであった。血液データは、Hb 11 g/dL、Ht 35 % であった。子宮底の位置は臍下2横指で硬く、赤色の悪露がみられた。乳房は左右とも張り、乳管の開口数は3本ずつで黄色の乳汁が分泌している。乳頭の伸びは少なく児が吸啜するまでに時間がかかっている。 看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 鉄分の多い食事を勧める。
2: 子宮底に冷罨法を行う。
3: 乳頭のケアを行う。
4: 授乳を中止する。
Aさん(25歳、初産婦)は、正常な妊娠経過で妊娠 39週5日に3,100 gの児を分娩した。分娩所要時間 16時間 30分、出血量は 300 m l。会陰切開・縫合術を受けた。
産褥1日。Aさんは、体温 36.8 ℃、脈拍 78/分、血圧 116/70 mmHgである。排尿後の観察では、子宮底の位置は臍下1横指、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられる。会陰縫合部に発赤はないが、痛みがあるため円座を使用している。Aさんは「トイレに行きたい感じがはっきりしません」と言う。観察すると膀胱充満はみられなかった。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 「導尿しましょう」
2: 「お水をたくさん飲みましょう」
3: 「3、4時間ごとにトイレに行きましょう」
4: 「縫合部の痛みがなくなれば感覚が戻ってくるでしょう」
Aさん(37歳、初産婦)、会社員。妊娠41週1日の午後11時に3,200gの女児を分娩した。妊娠や分娩の経過は順調であり、会陰切開術を受けた。分娩後2時間の子宮底の高さは臍下2横指、縫合部に異常はみられなかった。
産褥1日午前5時、赤色悪露が少量みられた。子宮底の高さは臍上1横指で、膀胱部に軽度の膨満を触知したため、トイレでの排尿を促した。しかし、Aさんは「切開した傷が痛くて、排尿しようとしても出ません。どうしましょう」と看護師に相談してきた。 Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 「水分を摂(と)らないようにしてください」
2: 「腹部を温めてみましょう」
3: 「授乳をしてみましょう」
4: 「尿を管で取りましょう」
初産婦のAさんは、昨日、妊娠38週3日で2900gの児を出産した。本日は母子同室で過ごしている。Aさんは「母乳で頑張りたいけれど赤ちゃんがうまく吸ってくれない」と言う。乳頭は正常で、乳管開口は左右ともに2本である。 Aさんへの援助で最適なのはどれか。
1: 搾乳を勧める。
2: 母子異室にする。
3: 抱き方を指導する。
4: 人工栄養を勧める。
A さん(35 歳、初産婦)は、夫と 2 人で暮らしている。妊娠 28 週 2 日、妊婦健康診査で胎盤が内子宮口を全部覆っていると指摘された。自覚症状はない。その他の妊娠経過に異常は認められていない。A さんは、身長 155 cm、体重 56 kg(非妊時体重50 kg)である。
A さんは、妊娠 37 週 0 日に帝王切開で体重 2,800 g の児を出産した。術後 3 日、A さんは看護師に「どうすることもできなかったのは分かっているのですが、自然なお産をしたかったです。赤ちゃんを産んだ実感がありません」と話した。看護師の対応として最も適切なのはどれか。
1: 精神科の受診を勧める。
2: 妊娠期からの振り返りをする。
3: 次の出産で経腟分娩を試みるよう勧める。
4: 数日前に帝王切開術を受けた褥婦に話をしてもらうよう勧める。
A君(2か月、男児)は、1か月児健康診査で尿道下裂(hypospadias)の疑いを指摘され、小児科を受診した。検査の結果、遠位型尿道下裂(distal hypospadias)と診断された。主治医から母親に対し、体重の増加を待ち1歳前後で尿道形成術を行う必要性について説明があった。母親から看護師に対し「手術を受けるまでの間、どう過ごしたらよいですか」と質問があった。
A君は、手術を受けて1週が経過した。全身状態が安定したため、尿道カテーテルが抜去された。医師から母親に「3日間、経過を観察し、問題がなければ退院できます。退院1か月後に外来を受診してください」と説明があった。退院から外来受診までの日常生活の留意点に関して看護師が母親へ指導することになった。 指導で適切なのはどれか。
1: 「水分は控えましょう」
2: 「入浴は避けましょう」
3: 「1日1回導尿をしましょう」
4: 「腹ばいの姿勢は避けましょう」
正常の分娩経過で正しいのはどれか。
1: 分娩開始は、陣痛が 15分間隔に起こった時点とする。
2: 発露は、胎児先進部が陰裂間に常に見えている状態である。
3: 分娩第 2期は、破水から胎児が娩出するまでの期間である。
4: 分娩第 4期は、胎盤娩出から会陰縫合術の終了までの期間である。
Aさん(30歳、初産婦)は妊娠39週3日で陣痛発来し、4時に入院した。その後、陣痛が増強して順調な分娩進行と診断されて、11時45分の診察で子宮口が8cm開大となった。看護師が12時に昼食を配膳にいくとAさんは額に汗をかいて、側臥位で「陣痛がつらくて何も飲んだり食べたりしたくありません」と言っている。陣痛発作時は強い産痛と努責感を訴え、目を硬く閉じて呼吸を止めて全身に力を入れている。
Aさんの分娩経過は以下のとおりであった。 2時00分 陣痛周期10分 4時00分 入院 15時00分 分娩室入室 15時30分 子宮口全開大 16時00分 自然破水 16時15分 児娩出 16時30分 胎盤娩出 Aさんの分娩所要時間はどれか。
1: 12時間30分
2: 14時間15分
3: 14時間30分
4: 16時間30分
Aさん(30歳、初産婦、会社員)は、夫と2人暮らし。妊婦38週6日で3,200gの児を正常分娩した。分娩後から母子同室を開始しており、母乳育児を希望している。
産褥4日。Aさんは乳頭を児にうまくくわえさせられず「上手におっぱいがあげられない。退院してからも続けていけるか心配です」と言う。Aさんの乳房からは移行乳の分泌がみられる。児の体重は3,040g、排尿は5回/日、排便は4回/日である。 Aさんへの授乳時のアドバイスとして、適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 3時間ごとに授乳させる。
2: 児が前屈姿勢になるように支える。
3: 児が啼泣している時に授乳させる。
4: 児の舌の上に乳頭がのるようにくわえさせる。
5: 児が大きく口を開けたタイミングで乳頭をくわえさせる。
A さん(35 歳、初産婦)は、夫と 2 人で暮らしている。妊娠 28 週 2 日、妊婦健康診査で胎盤が内子宮口を全部覆っていると指摘された。自覚症状はない。その他の妊娠経過に異常は認められていない。A さんは、身長 155 cm、体重 56 kg(非妊時体重50 kg)である。
その後、A さんの妊娠経過は順調で、妊娠 37 週 0 日の午後 1 時から帝王切開術が予定された。手術前日の対応で最も適切なのはどれか。
1: 浣腸を実施する。
2: 夕食を禁食とする。
3: 輸血の準備を確認する。
4: 下肢に間欠的空気圧迫装置を使用する。
Aさん(38歳、初産婦)は、妊娠38週3日に2,900gの女児を正常分娩した。出産前は、Aさんは夫と2人で暮らしていた。引っ越して3か月であり、周囲に親しい知り合いや友人はまだいない。
産褥3日。子宮底の高さは臍下3横指にあり硬度良好であった。乳房は軽度緊満しており、乳汁分泌がみられる。体温37.0℃、脈拍76/分、血圧124/72mmHgであった。訪室時、Aさんは「体がなんとなくだるいです。理由もないのに涙が出てきます」と涙ぐんでいた。 Aさんの状態として考えられるのはどれか。
1: 産褥熱(puerperal fever)
2: 高血圧症(hypertension)
3: 産後うつ病(postpartum depression)
4: マタニティブルーズ(maternity blues)