Aさん(73歳、女性)は、既往歴はなく自立した生活を送っていた。最近、尿意を我慢できず尿失禁することがあり、夜間の排尿回数も増えたため、病院を受診した。その結果、過活動膀胱overactive bladderと診断された。 Aさんへの看護師の指導内容で適切なのはどれか。
1: 腹筋を鍛える。
2: 膀胱訓練を行う。
3: 水分摂取を控える。
4: 尿意を感じたらすぐトイレに行く。
Aさん72歳、(男性)は、2か月前に右中大脳動脈領域の脳梗塞(cerebral infarction)を発症した。本日、病院を退院し、介護老人保健施設に入所した。 既往歴 :1年前に前立腺癌r(prostatic cancer)のため腹腔鏡下前立腺全摘除術。 身体所見:左上下肢に軽度のしびれがある。半側空間無視がある。構音障害はない。 生活機能:改訂長谷川式簡易知能評価スケール<HDS-R>26点、Barthel<バーセル>インデックス65点。
Aさんは排尿コントロールについて「脳梗塞(cerebral infarction)になってから、尿意を感じるとがまんできずに大量の尿が漏れてしまう。1日に何回も漏らす」と看護師に話した。Aさんの状態のアセスメントで適切なのはどれか。
1: 過活動膀胱(overactive bladder)
2: 腹圧性尿失禁(stress incontinence of urine)
3: 溢流性尿失禁(overflow incontinence of urine)
4: 腹腔鏡下前立腺全摘除術の後遺症
腹圧性尿失禁(stress incontinence of urine)のケアとして適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 下腹部を保温する。
2: 骨盤底筋群訓練を促す。
3: 定期的な水分摂取を促す。
4: 恥骨上部の圧迫を指導する。
5: 尿意を感じたら早めにトイレへ行くことを促す。
Aさん(85歳、女性)は、1人暮らしで、他県に住んでいる長男家族がいる。腰部脊柱管狭窄症(lumbar spinal canal stenosis)と診断されているが、ゆっくりとした動作であれば日常生活が可能であり、畑で野菜をつくることを趣味としている。
Aさんから尿失禁について外来受診時に相談があった。最近は尿意を感じてから洋式トイレに座るまでに時間がかかり、尿が少量漏れることがある。排尿回数は1日7回程度で、残尿感、排尿痛および排尿時不快感はない。咳、くしゃみ及び農作業の動作で尿が漏れることはない。 Aさんの尿失禁の種類として考えられるのはどれか。
1: 溢流性尿失禁(overflow incontinence of urine)
2: 機能性尿失禁(functional incontinence of urine)
3: 切迫性尿失禁(urge incontinence of urine)
4: 腹圧性尿失禁(stress incontinence of urine)
尿失禁(incontinence)とその原因の組合せで正しいのはどれか。
1: 機能性尿失禁(functional incontinence) ──── 膀胱容量の減少
2: 反射性尿失禁(reflex incontinence) ──── 脊髄障害
3: 切迫性尿失禁(urge incontinence) ──── 膀胱の過伸展
4: 真性尿失禁(genuine incontinence) ──── 内分泌障害
膀胱癌bladder cancerについて正しいのはどれか。
1: 女性に多い。
2: 尿路上皮癌より腺癌が多い。
3: 経尿道的生検によって治療法を決定する。
4: 表在性の癌に対して膀胱全摘除術が行われる。
Aさん(28歳、初妊婦)は、夫(30歳、会社員)と2人暮らし。妊娠37週0日で妊婦健康診査のため来院した。身長160cm、体重62kg(非妊時体重54kg)。血圧122/74mmHg。Hb12.1g/dL、Ht36%。尿蛋白(-)、尿糖(-)。下肢に軽度の浮腫を認める。子宮底長32cm、推定胎児体重2,810g。Aさんは「1時間に、1時間に2、3回お腹が張ることがありますが、休んでいるとおさまります」と言う。
妊婦健康診査後、Aさんは「数日前から頻回に尿意を感じるようになり、夜間もトイレへ行くために目が覚め、よく眠れない」と看護師に訴えてきた。Aさんに排尿時痛および残尿感はない。Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 水分摂取を促す。
2: 骨盤底筋群の運動を促す。
3: 分娩後には改善する可能性が高いと説明する。
4: 睡眠薬の処方について医師に相談すると伝える。
努責やくしゃみをしたときに生じる尿失禁はどれか。
1: 溢流性尿失禁(overflow incontinence of urine)
2: 機能性尿失禁(functional incontinence of urine)
3: 切迫性尿失禁(urge incontinence of urine)
4: 反射性尿失禁(reflex incontinence of urine)
5: 腹圧性尿失禁(stress incontinence of urine)
Aさん(50歳、男性)は、双極性障害(bipolar disorder)で、これまでにうつ状態と躁状態で入院歴がある。会社員の兄と2人で暮らしている。3か月前から服薬を中断するようになり、気分が沈みはじめ、1週前から朝起きられなくなった。2日前から1日中ベッドの中にいるようになったため、兄に付き添われて入院した。入院時は亜昏迷状態で、発語はほとんどなく、自力での歩行が困難なほど脱力が強かった。入院後、三環系抗うつ薬が開始された。
Aさんの排泄に関する看護として適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 便秘を予防する。
2: 水分摂取を制限する。
3: 排尿の有無を観察する。
4: 排泄回数を記載するよう説明する。
5: 自分でポータブルトイレを使用するよう説明する。
抗利尿ホルモン〈ADH〉について正しいのはどれか。
1: 尿細管における水分の再吸収を抑制する。
2: 血漿浸透圧によって分泌が調節される。
3: 飲酒によって分泌が増加する。
4: 下垂体前葉から分泌される。
Aさん ( 42歳、男性 )は、血尿を主訴に泌尿器科を受診した。診察の結果、 Aさんは膀胱鏡検査を受けることになった。 Aさんへの検査についての説明で適切なのはどれか。
1: 「入院が必要です」
2: 「前日は夕食を食べないでください」
3: 「局所麻酔で行います」
4: 「終了後は水分の摂取を控えてください」
排泄行動が自立している入院中の男性高齢者が、夜間の排尿について「夜は何度もトイレに行きたくなります。そのたびにトイレまで歩くのは疲れます」と訴えている。 この患者の看護で適切なのはどれか。
1: おむつの使用
2: 夜間の尿器の使用
3: 就寝前の水分摂取の制限
4: 膀胱留置カテーテルの挿入
骨盤底筋訓練が最も有効なのはどれか。
1: 溢流性尿失禁(overflow incontinence of urine)
2: 切迫性尿失禁(urge incontinence of urine)
3: 反射性尿失禁(reflex incontinence of urine)
4: 腹圧性尿失禁(stress incontinence of urine)
尿失禁incontinence of urineの種類と対応の組合せで正しいのはどれか。
1: 溢流性尿失禁overflow incontinence of urine ── 排尿間隔の記録
2: 機能性尿失禁functional urinary incontinence of urine ── 骨盤底筋訓練
3: 切迫性尿失禁urge incontinence of urine ── 下腹部への軽い刺激
4: 反射性尿失禁reflex incontinence of urine ── 間欠的自己導尿
高齢者に多い弛緩性便秘の原因で正しいのはどれか。
1: 長期臥床
2: 便意の我慢
3: 腸管内の炎症
4: 下行結腸の蠕動亢進
Aさん(82歳、男性)は、介護付の有料老人ホームに入居している。10年前まで会社を経営していた。プロ野球や世界経済に興味があり、友人とインターネットを用いて交流するのを楽しみにしている。Parkinson〈パーキンソン〉病(Parkinsonʼs disease)で、現在Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅡ。両側の上下肢の静止振戦や動作緩慢がみられる。食事は自分の居室に運んでもらって食べている。身の回りのことは1人でできる。1人での外出も可能だが、転倒に対する恐怖が強いため1日中室内で過ごしている。
Aさんは「最近、尿が出始めるまでに時間がかかるので、排尿時は自分で下腹部を押しています。尿がすっきり出ません」と言う。泌尿器科を受診したところ、Parkinson〈パーキンソン〉病(Parkinsonʼs disease)による自律神経障害と診断された。 Aさんの現在の状況から最も考えられるのはどれか。
1: 残尿がある。
2: 膀胱が萎縮している。
3: 蓄尿障害が生じている。
4: 骨盤底筋群の筋力が低下している。
A さん(39 歳、男性、会社員)は、最近口渇が強く、飲水量が増えた。毎日 5 L 以上の水のような薄い排尿があり、夜間に何回も排尿に起きるようになったため病院を受診しホルモン分泌異常を指摘された。原因と考えられるホルモンが分泌される部位はどれか。
1: 視床下部
2: 下垂体後葉
3: 甲状腺
4: 副腎皮質
Aさん(74歳、男性)は、強い下腹部痛のため救急車で搬入された。Aさんは顔面蒼白で、冷汗をかき、腹部を押さえている。一緒に来た妻は、「夫はいつも尿が出にくい。夜は、3回はトイレに行くのに、昨夜は行かなかった。今朝もポタポタとしか出なかった。便秘はしていない」と話した。Aさんは4年前に脳梗塞(cerebral infarction)になり、重い構音障害があるが理解力に問題はなく、身の回りのことは全部自分でできている。搬入時のAさんは、看護師と視線を合わせることができ、問いかけにはうなずきで答えている。
Aさんは、治療後、自力排尿が可能となったが、トイレまで間に合わずに少量の尿失禁を繰り返している。Aさんはトイレで排尿することを強く希望している。 Aさんへの看護師の対応として最も適切なのはどれか。
1: トイレに近い病室に移動する。
2: 水分の摂取を控えるよう説明する。
3: できるだけ尿意を我慢するように言う。
4: 尿意はなくても、4時間ごとにトイレに行くよう勧める。
下部尿路症状のうち蓄尿症状はどれか。2つ選べ。
1: 尿失禁
2: 残尿感
3: 腹圧排尿
4: 尿線途絶
5: 尿意切迫感