A君(11歳、男児)。喘息(asthma)発作のため救急外来に来院した。喘鳴が著明で、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%(roomair)、ピークフロー値45%である。 まず行うべきA君への対応で適切なのはどれか。
1: 起坐位を保つ。
2: 水分摂取を促す。
3: 胸式呼吸を促す。
4: 発作の状況を尋ねる。
Aくん(12歳、男子)は、5歳で気管支喘息(bronchial asthma)と診断され、抗アレルギー薬の服用と副腎皮質ステロイドの吸入をしている。アレルゲンはハウスダストである。Aくんは小学3年生までは、年に数回の中発作を起こし入院治療をしていた。その後は、月に1回の外来通院で症状はコントロールされ、入院することはなかった。小学6年生の冬に学校で中発作を起こし、学校に迎えに来た母親とともに救急外来を受診した。
救急外来受診時のAくんの状態で考えられるのはどれか。
1: 呼気の延長はない。
2: 坐位になることを好む。
3: 日常会話は普通にできる。
4: 安静時の呼吸困難感はない。
5: 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は90%である。
Aちゃん(生後3週)は、在胎40週、3,070gで出生した。生後5日で退院し、退院時の体重は3,080gであった。完全母乳栄養である。 現病歴:5日前から嘔吐があり、次第に哺乳のたびに噴水状に嘔吐するようになった。今朝も嘔吐があり、吐物は白色である。排尿もないため家族に連れられ来院した。Aちゃんは肥厚性幽門狭窄症hypertrophic pyloric stenosisが疑われ入院した。 身体所見:体重3,380g、体温36.7℃。脈拍120/分、整。血圧74/52mmHg。大泉門は陥凹、皮膚のツルゴールは低下、上腹部は軽度膨隆。 検査所見:白血球9,600/μL。Na131mEq/L、K3.4mEq/L、Cl86mEq/L、CRP0.1mg/dL。
Aちゃんの状態のアセスメントで正しいのはどれか。
1: 脱水症dehydrationは軽度である。
2: 非胆汁性嘔吐である。
3: 炎症反応の上昇がある。
4: 出生後の体重増加は良好である。
Aさん(56歳、男性、会社員)は、デスクワークが多い仕事をしている。40歳時の会社の健康診断で 2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus)と診断され、紹介されたクリニックで血糖降下薬を処方されて内服を継続していた。50歳ころから視力の低下と持続性蛋白尿を指摘され、腎臓内科を受診し食事指導を受けた。しかし、仕事が忙しく食事指導の内容を守れていなかった。1年前から、足のしびれが出現するようになった。
Aさんは、3か月前に 末期腎不全(end-stage renal failure)の状態で腎代替療法(血液透析)が必要であると腎臓内科の医師から説明された。シャント造設のための入院を予定していたが、仕事が忙しく延期となっていた。1週前から感冒症状があり、体重増加、全身浮腫、全身A怠感、呼吸苦が出現したため、緊急入院となった。透析用のカテーテルを挿入し、緊急血液透析を行った。 入院時の身体所見:体重73kg(1週間で4kg増加)血圧178/105 mmHg。 入院時の検査所見:Hb 9.5g/dL、血清尿素窒素72mg/dL、血清クレアチニン9.0mg/dL、血清カリウム6.8mEq/L、血清ナトリウム138.5mEq/L。 緊急入院時のAさんの胸部エックス線写真(別冊No. 5)を別に示す。Aさんが緊急血液透析となった病態で正しいのはどれか。
1: 貧血(anemia)
2: 心不全(heart failure)
3: 低カリウム血症(hypokalemia)
4: 低ナトリウム血症(hyponatremia)
Aちゃん(4歳、男児)は、昨夜の土砂災害によって両親とともに小学校の体育館に避難している。母親は自分の両親の安否が不明なため眠ることができなかった。また、落ち着きがなく感情的になっている。父親はずっと毛布をかぶって横になっている。
Aちゃんの母親は自分の両親と連絡がとれた。避難所生活5日目、親子3人で過ごすことが多くなってきた。Aちゃんの活気がなくなってきている。 地域の病院から派遣された看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 両親のAちゃんへの関わりを見守る。
2: Aちゃんと災害時のことを一緒に話す。
3: Aちゃんが他の子どもと遊べる機会をつくる。
4: 災害時の様子を絵に描くようAちゃんに勧める。
Aさん(80歳、男性)は、20年前に大腸癌(colorectal cancer)でストーマを造設し、現在週1回の訪問看護を利用している。訪問看護師は、訪問時にAさんから「2日前から腹痛がある」と相談を受けた。Aさんのバイタルサインは、体温36.4℃、呼吸数24/分、脈拍84/分、血圧138/60mmHgである。 訪問看護師がAさんの腹痛をアセスメントするための情報で最も優先度が高いのはどれか。
1: 排便の有無
2: 身体活動量
3: 食物の摂取状況
4: ストーマ周囲の皮膚の状態
救急外来を受診した成人患者で、治療の緊急度が最も高いのはどれか。
1: 2時間ほど前から右上下肢に力が入らず、ろれつが回らない。
2: 3日前にペットの葬儀が終わり、食欲がなく、夜眠れない。
3: プールでの日焼けによって背部全体が発赤している。
4: 市販の風邪薬を通常の2倍量服用した。
Aちゃん(6歳、女児)は、重症の新生児仮死で出生した。誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)で入退院を繰り返しているため、今回の入院で経鼻経管栄養法を導入し、退院後は週1回の訪問看護を利用することになった。現在は四肢と体幹の著しい運動障害があり、姿勢保持が困難で、移動および移乗は全介助である。声かけに笑顔はみられるが、指示に応じることはできない。
訪問看護師は、Aちゃんの誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)を予防するケアの方法を母親に指導することにした。 母親が行うAちゃんへのケアとして適切なのはどれか。
1: 腹式呼吸を促す。
2: 咳嗽の訓練を行う。
3: 胸郭可動域の訓練を行う。
4: 含嗽液を用いてうがいをさせる。
Aちゃん( 1歳 0か月、女児)は、つかまり立ちをしようとしてテーブルの上に手をかけたところ、熱い味噌汁の入ったお椀(わん) をひっくり返して前胸部と右前腕に熱傷 (burn) を負 ったため母親とともに救急外来を受診した。来院時、 Aちゃんは、体温 36.8℃、呼吸数 36/分、心拍数 120/分、血圧 90/60 mmHgであり、機嫌が悪く泣いている。
Aちゃんの前胸部と右前腕には発赤と一部に水疱がみられ、看護師が創部に軽く触れると激しく泣いた。 Aちゃんの熱傷 (burn) の受傷深度として考えられるのはどれか。
1: I 度
2: 浅達性II度
3: 深達性II度
4: III度
A君( 8歳、男児 )は、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、肉眼的血尿および両眼瞼の浮腫を主訴に病院を受診した。 1か月前に扁桃炎 (tonsillitis)に罹患した以外は既往歴に特記すべきこ とはない。扁桃炎 (tonsillitis)は抗菌薬を内服し軽快した。血液検査の結果、 溶連菌感染後急性糸球体腎炎 (poststreptcoccal acute glomerulonephritis)と診断されて入院した。入院時、 A君は体温 36.8℃、呼吸 数20/分、脈拍は 80/分、整で血圧 132/80 mmHgであった。
A君の入院時の看護計画で適切なのはどれか。
1: 水分摂取を促す。
2: 背部の冷罨法を行う。
3: 1日 3回の血圧測定を行う。
4: 食事の持ち込みを許可する。
Aさん(34歳、初産婦)は順調な妊娠経過であった。妊娠40週5日の午前8時、10分毎の規則的な子宮収縮を主訴に来院し、医師の診察の結果、入院となった。入院時の胎児心拍数基線は130bpm、胎児の推定体重は3,300gであった。
Aさんの分娩は順調に進行した。午後5時に破水し、午後6時には子宮口開大8cmとなった。「便が出そうです。もう、これ以上頑張れない」と陣痛発作時には全身に力が入っている。 このときの看護師の声かけで正しいのはどれか。
1: 「リラックスするためにお風呂に入りましょう」
2: 「赤ちゃんのために我慢しましょう」
3: 「トイレに行って排便しましょう」
4: 「息を吐いて力を抜きましょう」
Aさん ( 42歳、男性 )は、血尿を主訴に泌尿器科を受診した。診察の結果、 Aさんは膀胱鏡検査を受けることになった。 Aさんへの検査についての説明で適切なのはどれか。
1: 「入院が必要です」
2: 「前日は夕食を食べないでください」
3: 「局所麻酔で行います」
4: 「終了後は水分の摂取を控えてください」
Aさん(89歳、女性)は、認知症(dementia)と診断されており、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡbである。定年退職後の長男(66歳、未婚)との2人暮らし。Aさんは「役所の世話になるのは嫌だ」と言い、要介護認定を受けることを承諾していなかった。しかし、Aさんが室内で転倒したことをきっかけに、要支援1の判定を受け介護予防訪問看護が導入された。
ある冬の訪問時、長男が「母がここ数日寒さを訴え、居間にある電気こたつの温度を最も高くして、肩までもぐり込んでそのまま朝まで眠ってしまう」と話した。長男の話を受けて、看護師が最初に観察する項目で最も優先度が高いのはどれか。
1: 筋力低下の有無
2: 感染徴候の有無
3: 認知機能のレベル
4: 全身の皮膚の状態
A さん(45 歳、男性)は、便に血液が混じっていたため受診した。検査の結果、直腸癌 (rectal cancer) と診断され、自律神経を部分温存する低位前方切除術が予定されている。
術後 6 日。ドレーンから茶褐色で悪臭のある排液があった。A さんは、体温 38.2 ℃、呼吸数 20/分、脈拍 82/分、整であった。A さんの状態で最も可能性が高いのはどれか。
1: 腸炎
2: 胆汁瘻
3: イレウス (ileus)
4: 縫合不全
5: 術後出血
Aちゃん(8歳、女児)は、両親と妹(3歳)の4人家族である。2歳時に気管支喘息(bronchial asthma)と診断された。5歳までは喘息発作のため救急外来を受診することも多く年に1回は入院していた。6歳から発作を起こすこともなくなり、定期受診はしなくなっていた。アレルゲンは、ダニとハウスダストである。
気管支喘息(bronchial asthma)による発作は軽快して点滴静脈内注射が中止された。咳嗽が軽度あるが全身状態は良好であるため、退院が決定した。Aちゃんに学校での生活状況を確認すると「最近、喘息発作はなかったけど、体育の時は咳が出たり苦しくなったりすることが時々あった」と話した。そのため、Aちゃんと母親に、退院後も抗アレルギー薬の内服と副腎皮質ステロイド薬の吸入を続けるように医師から説明された。 看護師のAちゃんに対する退院後の指導で適切なのはどれか。
1: 「咳が出なくても体育の授業は見学しましょう」
2: 「学校で咳が続くときは先生に伝えましょう」
3: 「咳が出なくなったら薬はやめましょう」
4: 「部屋の空気の入れ替えはやめましょう」
A ちゃん(10 歳、女児)は、両親と 3 人で暮らしている。発熱と顔色不良とを主訴に受診し入院した。血液検査データは、Hb 7.5 g/dL、白血球 75,000/μL、血小板 4 万/μLであった。骨髄検査の結果、急性リンパ性白血病 (acute lymphocytic leukemia) と診断された。医師が両親と A ちゃんに対し、病名と今後の抗癌薬治療および入院期間について説明した。両親はショックを受けていたが現実を受け止め、今後の治療や入院生活について質問し、経済的な不安を訴えた。
A ちゃんは中心静脈カテーテルが挿入され、寛解導入療法が開始された。抗癌薬が投与された後、維持液が 100 mL/時間で持続点滴されている。A ちゃんは「点滴が始まってから何回もおしっこが出ている。点滴を止めてほしい」と話している。A ちゃんの訴えを受け止めた後の A ちゃんに対する看護師の説明で適切なのはどれか。
1: 「体の中の水分が足りないから必要だよ」
2: 「白血病細胞をやっつけるために必要だよ」
3: 「ご飯があまり食べられないからご飯の代わりに必要だよ」
4: 「やっつけた白血病細胞のせいで腎臓を悪くしないために必要だよ」
Aさん(22歳、女性 会社員)は、昼食後、自室に大量のお菓子とお酒を持ち込み、食べて飲んでいたところを母親に注意をされたことに腹を立て、母親の目の前でリストカットを始めた。慌てた母親は、父親とともにAさんを連れて救急外来に来院した。医師が傷の処置をしようとすると「死んでやる。触るな」と大声で騒ぎ暴れ始めたため、精神科病棟に緊急入院となった。
入院翌日、母親が面会に来たが、Aさんに要求されるままお菓子を大量に持参した。Aさんは、面会室でお菓子をすべて食べた直後に、トイレにこもり、嘔吐していたところを看護師が発見した。Aさんは泣きながら「食べると止まらなくなる。太りたくない」と訴えた。主治医は、Aさんが右第2指を使って嘔吐していた痕跡を認めたこと、A さんが「中学の時から過食と嘔吐を繰り返していた」と話したことから、神経性過食症(bulimia nervosa)と診断した。 入院時の身体所見:身長155 cm、体重48 kg。 入院時の検査所見:赤血球400万/μL、Hb 12.5 g/dL、白血球6,300/μL。Na 135mEq/L、K2.7mEq/L、Cl98mEq/L、AST30U/L、ALT35U/L、γ-GTP、32U/L。 Aさんの状態をアセスメントするために優先度が高い検査はどれか。
1: 心電図
2: 頭部CT
3: 腹部超音波
4: 上部消化管内視鏡
Aさん(31歳、初産婦)。妊娠40週1日。Aさんは午前5時に、陣痛間欠10分、陣痛発作10秒となり入院した。入院時の内診所見は子宮口1cm開大で、未破水であった。
Aさんは、午後2時に子宮口が4cmまで開大し、破水した。このときの胎児心拍数陣痛図を別に示す。 胎児心拍数陣痛図の情報で正しいのはどれか。
1: 陣痛間欠4分
2: 陣痛発作10秒
3: 母体脈拍数50/分
4: 胎児心拍数基線150〜160bpm
在胎40 週0日、体重3,011gで出生した男児。出生後1分、呼吸数60/分、心拍数140/分であった。四肢を屈曲させ、刺激に対して啼泣している。体幹はピンク色、四肢にはチアノーゼがみられる。 この男児の1分後のApgar<アプガー>スコアはどれか。
1: 1点
2: 3点
3: 5点
4: 7点
5: 9点
A さん(72 歳、男性)は、アパートの 1 階に 1 人で暮らしている。家族や親戚はいない。15 年前から心不全 (heart failure) のために利尿薬を毎朝内服している。半年前に要支援 2 の認定を受け、介護予防通所介護を週に 2 回利用している。早朝、A さんは玄関の外で座り込んでいるところを近所の人に発見され救急搬送された。来院時、体温37.4 ℃、呼吸数 20/分、脈拍 98/分、血圧 100/70 mmHg であった。血液検査と尿検査の結果、脱水症と診断された。
A さんは看護師に「頭がふわふわして歩けない。めいもする。昨日の夜から気持ちが悪くなり、朝までに 2 、 3 回吐いた。体に力が入らない」と話した。A さんの脱水症について追加で情報収集すべき内容で最も適切なのはどれか。
1: 昨日の経口摂取量
2: 排尿の自立状況
3: 生活活動強度
4: 睡眠の状況