第102回午後第101問の類似問題

Aちゃん(6か月、女児)は両親と3人暮らし。母親と小児科外来に来院した。母親は「Aは昨日高さ30cmのソファから転落して泣いていました。今朝になっても痛いのか右手を動かさないので受診しました」と看護師に話した。看護師が身体計測のためAちゃんの服を脱がせると、顔面、頭部と体幹に最近できた紫斑と、生じてから時間が経った紫斑が複数あった。さらに、両足に多数の円形の熱傷痕があった。Aちゃんは身長66.5cm(50パーセンタイル)、体重6.0kg(3パーセンタイル未満)であった。母親は看護師に「Aは毎晩夜泣きをするし、夫もAにはイライラさせられています」と話した。看護師は虐待の可能性があると考えて対応することとし、母子分離を図ることとなった。

第111回午後:第120問

このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 虐待にあたることを伝える。

2: 乳児期に起こりやすい事故について説明する。

3: 児童相談所に通告することへの母親の同意を得る。

4: プライバシーを保護できる個室で話を聞くと伝える。

5: 母親の代わりに父親がA ちゃんに面会できると伝える。

第105回午前:第72問

Aさん(60歳、男性)は、胃癌(gastric cancer)の手術目的で入院した。大動脈弁置換術を受けた既往があり、内服していたワルファリンをヘパリンに変更することになった。 確認すべきAさんの検査データはどれか。

1: PT-INR

2: 赤血球数

3: 白血球数

4: 出血時間

5: ヘモグロビン値

Aさん(37歳、女性、会社員)は、夫(38歳)と2人暮らし。身長155cm、体重57kg。Aさんは、入浴中に右胸のしこりに気づき、病院を受診した。乳房超音波検査で右乳房外側下部に、直径約3cmの腫瘤が認められた。医師から乳癌(breast cancer)の可能性が高いと説明され、検査を受けたところ、右乳癌(breast cancer)と診断された。

第108回午前:第96問

Aさんは、職場の上司と相談し、仕事を継続しながら化学療法を受けることになった。2サイクル目の治療のため、化学療法センターに来院した。Aさんは「1回目の治療のあと、数日間身体がだるくて食欲もなく、体重が1キロ減りました。仕事も休みました」と看護師に話した。 身体所見:体温36.8℃、呼吸数16/分、脈拍70/分、血圧120/74mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)98%。 検査所見:赤血球400万/μL、Hb 12.5g/dL、Ht 37%、白血球2,300/μL(好中球55%、単球5%、好酸球4%、好塩基球1%、リンパ球35%)、血小板18万/μL、総蛋白7.0g/dL、アルブミン4.5 g/dL、尿素窒素13mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、CRP 0.3mg/dL。 2サイクル目の化学療法を受けたAさんに行ってもらうセルフモニタリングで最も重要なのはどれか。

1: 脈拍数

2: 体温

3: 血圧

4: 体重

Aさん(20歳、女性、外国籍)は、6月に来日し、9月に大学に入学した。入学して1週後、Aさんは大学でめまいを起こして座り込み、同じ国から昨年留学生として来日した友人に付き添われ病院の内科外来を受診した。外来では多くの患者が受診を待っており、診察までに時間がかかっていた。Aさんは、日常会話程度の日本語が話せ「身体がだるくて立っていられません」と看護師に伝えた。

第109回午後:第118問

外来の看護師の対応で優先するのはどれか。

1: 外国語が話せる医師を呼びに行く。

2: 付き添ってきた友人に通訳を依頼する。

3: Aさんに外来の処置室で横になってもらう。

4: Aさんの母国語で書かれた問診表を取りに行く。

Aさん(25歳、男性、飲食店店員)は、 2日前から感冒様症状があり、夜眠ろうとして横になるが息苦しくて眠れず、歩行や会話も困難となり、夜間に Aさんの家族に伴われて救急外来を受診した。 Aさんは地元の野球チームに所属し、休日には練習に参加しており、最近は残業が多く疲れていた。診察の結果、Aさんは気管支喘息発作 (bronchial asthma) と診断され、気管支拡張薬、副腎皮質ステロイドによる治療と、フェイスマスクによる酸素投与が行われたが、改善がみられず入院した。

第103回午前:第91問

入院後Aさんは呼吸困難が増悪し、発汗が著明であった。入院時の看護として最も適切なのはどれか。

1: 全身清拭を行う。

2: セミファウラー位とする。

3: 鎮静薬の処方を医師に相談する。

4: 口をすぼめてゆっくりと息を吐くように指導する。

A君(2歳6か月、男児)。両親との3人暮らし。脳性麻痺(cerebral palsy)と診断され、自力で座位の保持と歩行はできず専用の車椅子を使用している。話しかけると相手の目を見て笑顔を見せ、喃語を話す。食事はきざみ食でスプーンを使うことができるが、こぼすことが多く介助が必要である。排泄、清潔および更衣は全介助が必要である。

第106回午前:第103問

定期受診のため外来を受診した。バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数32/分、心拍数120/分、血圧108/48mmHg であった。両上肢と手関節は屈曲、両下肢は交差伸展し、背を反らしており、全身が緊張している。母親は看護師に「Aは、便は出ない日がありますが大体毎日出ています。時々夜遅くまで眠らない日がありますが日中は機嫌良くしています」と話した。 母親に指導すべき内容で優先度が高いのはどれか。

1: 感染予防

2: 筋緊張の緩和

3: 排便コントロール

4: 呼吸機能の悪化予防

5: 睡眠パターンのコントロール

第105回午後:第36問

Aさん(56歳、男性)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症のためにリハビリテーションをしている。食事中に箸がうまく使えずイライラしている。 この状況で看護師が最も連携すべき専門職はどれか。

1: 精神保健福祉士

2: 社会福祉士

3: 理学療法士

4: 作業療法士

Aさん(82歳、男性)は、介護付の有料老人ホームに入居している。10年前まで会社を経営していた。プロ野球や世界経済に興味があり、友人とインターネットを用いて交流するのを楽しみにしている。Parkinson〈パーキンソン〉病(Parkinsonʼs disease)で、現在Hoehn-Yahr〈ホーエン・ヤール〉の重症度分類でステージⅡ。両側の上下肢の静止振戦や動作緩慢がみられる。食事は自分の居室に運んでもらって食べている。身の回りのことは1人でできる。1人での外出も可能だが、転倒に対する恐怖が強いため1日中室内で過ごしている。

第106回午後:第93問

有料老人ホームの看護師はAさんに病気の進行を予防するために運動を勧めたが、Aさんは「この病気は進行性だからいつかは動けなくなる。今、転ぶと骨折して動けなくなるかもしれない。だから運動するのは嫌だ」と言う。AさんはParkinson〈パーキンソン〉病(Parkinsonʼs disease)に関する情報を入手しており、病状の理解ができている。薬物は自己管理できている。かかりつけ医に自分から病状の説明を求めることもある。 Aさんの転倒の不安を軽減するために看護師とAさんが一緒に実施することで、最も適切なのはどれか。

1: 車椅子で外出する。

2: 転倒予防教室への参加を検討する。

3: 廃用症候群(disuse syndrome)に関する情報を収集する。

4: 運動の効果と転倒のリスクとを比較する。

第103回午前:第73問

訪問看護に関する制度について正しいのはどれか。

1: 平成 12年(2000年)に老人訪問看護制度が創設された。

2: サービスを開始するときに書面による契約は不要である。

3: 訪問看護ステーションの管理者は医師もしくは看護師と定められている。

4: 介護保険法に基づく訪問看護ステーションの開設には都道府県の指定が必要である。

Aさん(24歳、初産婦)、事務職。妊娠8週である。現在、両親と妹との4人で暮らしている。パートナーは24歳の大学院2年生で就職が内定しており、Aさんと結婚する予定である。

第102回午前:第113問

Aさんは「妊娠することは考えていなかったので、自分の体にどんなことが起こるのか想像もつきません」と話した。看護師は、次の妊婦健康診査までに生じやすい変化について説明することにした。 Aさんに説明する内容で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 痔

2: 便秘

3: 静脈瘤

4: 帯下の増加

5: 皮膚の瘙痒感

第103回午後:第47問

Aさん ( 26歳、男性 )は、大量服薬による急性中毒が疑われ、午後 9時 30分に救急搬送された。呼吸状態と循環動態に異常はないが、意識は低下している。付き添って来た Aさんの母親は「午後 8時に夕食を終えて息子は部屋に戻りました。午後 9時にお風呂へ入るよう声をかけに部屋に行ったら、倒れていたんです。息子はうつ病 (depression)で通院中でしたが、最近は症状が落ち着いていました」と話す。 このときの対応で適切なのはどれか。

1: 気管内挿管を行う。

2: 咽頭を刺激して吐かせる。

3: 胃酸分泌抑制薬を投与する。

4: Aさんの母親にどんな薬を内服していたかを尋ねる。

第100回午前:第59問

43歳の女性のAさんは、過多月経を主訴に受診し、子宮筋腫(myoma of uterus)で単純子宮全摘術を受けた。 退院指導で最も適切なのはどれか。

1: 「貧血は改善するでしょう」

2: 「性行為は今度ずっとできません」

3: 「更年期症状が現れる可能性があります」

4: 「食物繊維をとるように心がけてください」

Aさん(48歳、女性)は、重症筋無力症(myasthenia gravis)を5年前に発症し、初期から副腎皮質ステロイドの内服治療を受けて自宅で生活している。現在は、眼瞼下垂、複視および上下肢の筋力低下がある。日中は、時間をかければ身の回りのことはできている。月1回の外来受診は強い疲労を伴う。夫とは離婚し、高校生の長女と2人で暮らしている。また、訪問サービスは訪問看護のみを利用している。

第102回午前:第107問

Aさんがセルフケア能力を維持して、口腔内の清潔を保つための訪問看護師の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 歯磨きの自助具を紹介する。

2: 含嗽はしないよう指導する。

3: 筋力低下の日内差について尋ねる。

4: 長女が口腔ケアを行うよう助言する。

5: 歯磨きは食事の前後に行うよう指導する。

Aさん(79歳、女性)。自宅の玄関で転倒し、救急外来で第12胸椎の圧迫骨折(compression fracture)と診断され、安静目的で入院した。 既往歴 : 5年前に大腿骨骨折(femoral fracture)。 現病歴 : 2年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉病(Alzheimer disease)を発症。記憶障害があるが、失認、観念運動失行および失語はなし。 生活歴 : 要介護1。同じ敷地内に住む長男夫婦は仕事をしている。ADLは自立。

第106回午後:第96問

入院後3週、Aさんはコルセットを装着し、杖を使ってゆっくり歩けるようになった。翌週には自宅へ退院することが決まった。 Aさんの退院に向けて、Aさんと長男夫婦への指導内容で適切なのはどれか。

1: 自宅ではコルセットを外してよい。

2: 家の中での日常生活行動を積極的に行う。

3: 5,000歩程度のウォーキングを毎日行う。

4: ビタミンB1の多い食品を積極的に摂取する。

Aさん(52歳、男性)は、5年前にC型肝炎(hepatitis C)、肝硬変(liver cirrhosis)と診断され、1回の入院歴がある。退院後、医療機関への受診を中断し3年が経過している。毎日、ウイスキーを約300mL飲んでいる。夕食の2時間後に約1,100mLの吐血があり、緊急入院となった。 身体所見:体温35.4℃、呼吸数26/分、脈拍122/分、血圧86/42 mmHg、顔面は蒼白、冷汗を認める。意識は清明だが不安げな表情をしている。 検査所見:赤血球278万/μL、Hb 8.4g/dL、総ビリルビン4.1mg/dL、アンモニア188μg/dL、K 3.9mEq/L、血糖102mg/dL。

第108回午後:第92問

入院から4日が経過し、Aさんは医師から「C型肝炎(hepatitis C)、肝硬変(liver cirrhosis)の患者は肝細胞癌(hepatocellular carcinoma)を発症することがある」と説明を受けた。Aさんはスクリーニングの目的で、肝臓から骨盤内臓器までの範囲で腹部超音波検査を受けることになった。 検査前日に看護師が行う説明で正しいのはどれか。

1: 「検査直前に排尿を済ませてください」

2: 「おならは検査が終わるまで我慢してください」

3: 「造影剤のアレルギーがあれば教えてください」

4: 「検査当日は、起床時から飲食物を摂取しないでください」

第102回午後:第53問

Aさん(19歳、女性)は、境界性人格〈パーソナリティ〉障害(borderline personality disorder)で入院している。病棟では、安全管理のため、個人用の爪切りをナースステーションで管理している。Aさんが自分の爪切りを使用した後、看護師が返却を求めると「主治医の先生は自分で持っていてもいいって言ったのよ」と攻撃的な口調で抵抗した。この日、主治医は不在であった。 Aさんへの対応として最も適切なのはどれか。

1: 「先生はそのようなことは言わないと思います」

2: 「先生は不在なので、私の指示に従ってください」

3: 「病棟の安全が守れないので退院していただきます」

4: 「先生に確認がとれるまで、こちらでお預かりします」

Aさん(19歳、男性、大学生)は、実家近くのアパートに1人で暮らしている。ある日、線路沿いの道を裸足で歩きながら険しい表情でカッターナイフを振り回し、ぶつぶつと独り言を言い続けていたことから警察に保護された。Aさんは、警察から連絡を受けた両親とともに精神科病院を受診したが「自分は命を狙われている」、「この人たちは自分の親じゃない」と言い、医療者に対しても拒否的な態度をとっている。診察の結果、Aさんは統合失調症(schizophrenia)と診断された。Aさんの頭髪は乱れ、食事や睡眠がとれていない様子であったため、そのまま医療保護入院をすることになった。

第105回午後:第112問

入院当日にAさんの両親から情報収集する内容として、優先度が高いのはどれか。

1: Aさんの大学の出席状況

2: 両親がAさんと同居する可能性

3: Aさんの子ども時代の両親の育て方

4: Aさんの入院に対する両親の受け止め方

Aさん(52歳、男性)は、妻と会社員の娘と3人で暮らしている。Aさんは2年前に職場を解雇され、再就職先を探している。以前から飲酒する機会は多かったが、解雇後は朝から酒を飲み続け、妻が止めるように言っても聞き入れなかった。Aさんは、3か月前に自宅近くの診療所でアルコール性肝硬変(alcoholic cirrhosis)と診断され、断酒を勧められたが実行できずにいた。Aさんは、妻に伴われて専門医療機関を受診し、アルコール依存症(alcohol dependence)と診断された。

第101回午後:第118問

Aさんは、自分がアルコール依存症(alcohol dependence)であることを認めず「酒を減らせば問題ない」と言って説明を聞こうとしない。 家族への看護師の対応で適切なのはどれか。

1: Aさんの就職活動に家族が協力するように提案する。

2: Aさんの飲酒量を家族が記録しておくように指示する。

3: どのような対応がAさんの治療意欲を阻害するかについて説明する。

4: Aさんが治療を拒否している間は、家族にできることはないと伝える。

Aさん(48歳、男性)は、横断歩道を歩行中に乗用車に衝突され、救命救急センターに搬送された。搬送時、呼びかけに開眼せず、四肢の筋緊張が亢進していた。呼吸数30/分、脈拍60/分、血圧142/98 mmHgであった。右側頭部と右肩甲骨部の擦過傷以外に目立った外傷はなかった。

第105回午後:第96問

術後14 日。Aさんの意識レベルはジャパン・コーマ・スケールⅠ-2で、左上下肢に軽度の麻痺と左の視空間失認とがある。Aさんは座位を保持し、自力で食事を摂ることが可能となったが、左側の食べ物を残す様子がみられる。車椅子への移乗は看護師の介助が必要であるが、1人でベッドから降りようとする。Aさんは右利きである。 このときの適切な看護はどれか。

1: 離床センサーを設置する。

2: 右側を意識するように促す。

3: 食器をAさんの左側に配置する。

4: 残した食事は看護師が介助して口に運ぶ。

5: 視空間失認が改善してから歩行訓練を開始する。

第109回午後:第38問

判断能力のある成人患者へのインフォームド・コンセントにおける看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 患者の疑問には専門用語を用いて回答する。

2: 今後の治療に関しては医療者に任せるように話す。

3: 治療方針への同意は撤回できないことを説明する。

4: 納得ができるまで医師からの説明が受けられることを伝える。