Aさん(36歳、経産婦)は、夫と長男(3歳)との3人で暮らしている。妊娠40週0日、午前9時にAさんは陣痛開始のため入院した。このときは未破水であった。午後1時、体温36.8 ℃、脈拍64/分、血圧126/70 mmHg であった。Aさんに分娩監視装置を装着したところ、陣痛間欠4分、胎児心拍数基線は140 bpmで、一過性徐脈はみられなかった。午後2時、破水感があり医師が診察したところ、子宮口は7cm開大であり、羊水の流出がみられた。
午後2時30 分、Aさんは3,300 g の女児を正常分娩した。分娩時の出血量は200 mLであった。産褥3日、体温37.0 ℃、脈拍76/分、血圧118/60 mmHgであった。血液データは、Hb 11 g/dL、Ht 35 % であった。子宮底の位置は臍下2横指で硬く、赤色の悪露がみられた。乳房は左右とも張り、乳管の開口数は3本ずつで黄色の乳汁が分泌している。乳頭の伸びは少なく児が吸啜するまでに時間がかかっている。 看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 鉄分の多い食事を勧める。
2: 子宮底に冷罨法を行う。
3: 乳頭のケアを行う。
4: 授乳を中止する。
Aちゃん(生後10か月)は、それまで機嫌よく過ごしていたが、夕方から突然不機嫌になり、15〜20 分ごとに激しく泣いては、泣き止むことを繰り返した。Aちゃんは夕食の離乳食を食べず哺乳もしなかったが、嘔吐したため21時に保護者と救急病院を受診した。担当医師は保護者に、腸重積症(intussusception)が疑われるためグリセリン浣腸を行って便性を確認する、と説明した。体温は37.1℃であった。
Aちゃんは、高圧浣腸により重積が整復され、経過観察のため入院した。翌朝、経口摂取が可能となり、状態も落ちついているため退院が決定した。保護者から「退院後に何か注意することはありますか」と看護師に質問があった。 保護者への説明で適切なのはどれか。
1: 「月1回の受診をしてください」
2: 「3日間は入浴を控えてください」
3: 「1週間は離乳食を1日1回にしてください」
4: 「同じような症状が出たら受診してください」
看護過程における情報の分析はどれか。
1: 脱水状態である。
2: 尿比重は1.030である。
3: 痛みは1~10の尺度で8である。
4: 左腓骨骨折によるシーネ固定をしている。
Aちゃん(8歳、女児)は、両親と妹(3歳)の4人家族である。2歳時に気管支喘息(bronchial asthma)と診断された。5歳までは喘息発作のため救急外来を受診することも多く年に1回は入院していた。6歳から発作を起こすこともなくなり、定期受診はしなくなっていた。アレルゲンは、ダニとハウスダストである。
Aちゃんは、学校から帰ってきた後から咳嗽がみられ、元気がなかった。夕食はあまり食べずに就寝した。夜間になり「苦しくて眠れない」と訴え、母親とともに救急外来を受診した。口元での喘鳴が著明であり、問診すると途切れ途切れに話した。救急外来受診時のバイタルサインは、体温36.9℃、呼吸数36/分、心拍数120/分、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)92%であった。 Aちゃんの気管支喘息の発作強度はどれか。
1: 小発作
2: 中発作
3: 大発作
4: 呼吸不全
A さん(72 歳、男性)は、アパートの 1 階に 1 人で暮らしている。家族や親戚はいない。15 年前から心不全 (heart failure) のために利尿薬を毎朝内服している。半年前に要支援 2 の認定を受け、介護予防通所介護を週に 2 回利用している。早朝、A さんは玄関の外で座り込んでいるところを近所の人に発見され救急搬送された。来院時、体温37.4 ℃、呼吸数 20/分、脈拍 98/分、血圧 100/70 mmHg であった。血液検査と尿検査の結果、脱水症と診断された。
外来で点滴静脈内注射が開始され、入院した。夕方から A さんの表情に落ち着きがない様子や看護師の説明を聞かない様子がみられた。夜間から朝までぶつぶつと独り言を話していた。A さんの看護で最も適切なのはどれか。
1: 夜間の病室内の照明を消す。
2: 日中に車椅子での散歩を介助する。
3: A さんに点滴を抜かないように説明する。
4: 夜間は睡眠導入薬の処方を医師に依頼する。
Aさん(31歳、初産婦)。妊娠40週1日。Aさんは午前5時に、陣痛間欠10分、陣痛発作10秒となり入院した。入院時の内診所見は子宮口1cm開大で、未破水であった。
Aさんは、午後2時に子宮口が4cmまで開大し、破水した。このときの胎児心拍数陣痛図を別に示す。 胎児心拍数陣痛図の情報で正しいのはどれか。
1: 陣痛間欠4分
2: 陣痛発作10秒
3: 母体脈拍数50/分
4: 胎児心拍数基線150〜160bpm
Aちゃんは、在胎32週、体重 1,800 gで出生した。 Apgar〈アプガー〉スコアは 1分後8点、5分後9点であった。出生後 30分、体温 36.7 ℃、心拍数 150 /分、呼吸数70 /分である。保育器に収容されている。 出生から 24時間の看護として適切なのはどれか。
1: 衣類を着せて保温する。
2: 面会時に母親に抱っこを促す。
3: 心拍・呼吸を持続モニタリングする。
4: 出生6時間後から経口栄養を開始する。
Aさん(71歳、女性)は、要介護1で、ベッドからの立ち上がりや入浴などに一部介助を必要とするが、歩行器で室内を移動できる。失禁することがあるため失禁用のパッドを装着している。Aさんは介護老人保健施設の短期入所〈ショートステイ〉を利 用している。入所した日の夕方から、水様便と嘔吐とがみられ、感染性胃腸炎(infectious gastroenteritis)が疑われてトイレ付きの個室に移動した。
発症から2日目の午後、Aさんの仙骨部に直径2cm程度のステージⅠの褥瘡が出現した。嘔吐は消失したが下痢が続き、2〜5時間ごとにトイレを使用している。 この時点の褥瘡に対する看護で最も優先されるのはどれか。
1: 壊死組織の除去
2: エアマットレスの使用
3: 撥水性の高いクリームの塗布
4: 亜鉛入りの栄養補助食品の摂取
Aさん(58歳、女性)は、 3年前に慢性閉塞性肺疾患(chronicobstructive pulmonary disease)と診断された。3日前に38 .0℃の発熱があった。市販の総合感冒薬を内服して様子をみていたが、昨晩から黄色痰がみられ、息苦しさが増強した。外来を受診したところ肺炎(pneumonia)と診断され、入院した。入院時の状態は、体温 38.2 ℃、呼吸数28 /分、脈拍 92/分、血圧 138/72mmHg。
1週後、Aさんは肺炎(pneumonia)が改善し、酸素吸入(1l/分)を行っている。病棟内での歩行が許可されたが、Aさんは歩くとすぐ息切れがすると言ってベッド上で過ごすことが多い。 Aさんへの指導で適切なのはどれか。
1: 「肩呼吸の練習をしてみましょう」
2: 「歩いた後に水分補給をしてください」
3: 「安静時に酸素の量を増やして回復を待ちましょう」
4: 「息切れがあるときに血液の酸素飽和度を測定してみましょう」
Aさん(56歳、男性)は、コンビニエンスストアの店長で自動車を運転して通勤している。不規則な生活が続き、ストレスが溜まることも多く、十分な睡眠がとれないこともあった。荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現し受診したところ、狭心症(angina pectoris)が疑われたため検査をすることになった。脂質異常症(dyslipidemia)の既往がある。
検査の結果、Aさんは労作性狭心症(angina of effort)と診断され、硝酸薬、カルシウム拮抗薬および抗血小板薬を内服することになった。その後、外来通院を続け、以前と同様に負荷のかかる作業もできるようになった。内服治療から1か月後、胸部の圧迫感が強くなり、時々左上腕から前腕にかけての放散痛も出現するようになったため、経皮的冠動脈形成術〈PCI〉を受けた。カテーテルは右大腿動脈から挿入されていた。 手術中から抗凝固療法を実施している。 手術直後の観察項目として適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 乏尿の有無
2: 皮膚の黄染
3: 出血の有無
4: 両足背動脈の触知
5: 刺部位の感染徴候
正常分娩した産褥2日の褥婦の状態で、順調な経過であると判断できるのはどれか。2つ選べ。
1: 後陣痛がある。
2: 乳房の緊満感がある。
3: 体温が37.6 ℃である。
4: 悪露に凝血塊が混じる。
5: 妊娠中と比べ1日の尿量が減少する。
Aちゃん(生後24日、女児)は両親と3人暮らし。母親が母子健康手帳の便色カードを見て、Aちゃんの便色が気になったため、Aちゃんを連れて近所の小児科医院を受診した。Aちゃんは在胎39週、出生体重3,100g、出生時に異常はない。 現在、混合栄養で体重は3,700gである。体温37.2℃、呼吸数36/分、心拍数108/分、整、血圧78/44mmHg。眼球結膜に黄染を認める。 血液検査結果:Hb12.6g/dL、白血球7,800/μL、血小板21万/μL、プロトロンビン時間〈PT〉88%、総ビリルビン11.3mg/dL、直接ビリルビン9.5mg/dL、AST96U/L、ALT126U/L。 紹介先の病院で腹部超音波検査を実施した結果、Aちゃんは胆道閉鎖症biliary atresiaの疑いがあり入院した。
Aちゃんは入院7日に術中胆道造影検査で胆道閉鎖症biliary atresiaと確定診断された。手術は無事に終了した。術後は絶食となり、腹腔ドレーンが挿入され、持続的点滴静脈内注射が行われている。母親は疾患や治療について理解している。術後3日、付き添っていた母親は看護師に「A はおなかが空いて泣き止まないし、私はAを抱っこもできず、何もしてあげられません。つらいです」と涙を浮かべて話した。 看護師の母親への対応で、最も適切なのはどれか。
1: 話しかけやおしゃぶりの活用など母親ができることを伝える。
2: 早期発見だったのでAちゃんは早く退院できると説明する。
3: 心療内科の受診を勧める。
4: 患者家族会を紹介する。
Aちゃん(1歳6か月、男児)は、5日前から発熱し、自宅近くのかかりつけ医に通院していたが解熱せず、昨日から眼球結膜の充血、口唇の発赤と亀裂が出現したため入院した。診察では、体幹の発疹と手足の浮腫もあり、川崎病(Kawasaki disease)および脱水症(dehydration)と診断された。Aちゃんに対し、点滴静脈内注射による脱水症(dehydration)の治療が開始され、左手掌から前腕までシーネで固定された。Aちゃんは機嫌が悪く、両手をバタバタと上下に動かしながら泣いている。左手背の留置針刺入部には、腫脹や発赤はない。
Aちゃんの血液検査の結果は、白血球15,000/μL、血小板45万/μL、CRP 4.8mg/dLであり、心臓超音波検査に異常はなかった。γ-グロブリン製剤の点滴静脈内注射が開始された。10分後にAちゃんは腹部をかきはじめ、全身にかゆみを伴う膨隆疹と喘鳴、口唇のチアノーゼが出現した。 Aちゃんの状態として最も考えられるのはどれか。
1: イレウス( ileus)
2: 心筋梗塞(myocardial infarction)
3: アレルギー反応
4: クループ症侯群(croup syndrome)
A さん(54 歳、男性)は、10 年前に心筋梗塞 (myocardial infarction) を発症し、 2 年前に慢性心不全 (chronic heart failure) と診断され外来受診を続けてきた。 1 週前からトイレ歩行時に息苦しさがあり、 4 日前から夜に咳と痰とがみられ眠れなくなっていた。本日、A さんは定期受診のため来院し、心不全 (heart failure) の増悪と診断され入院した。入院時、体温 36.3 ℃、呼吸数 24/分、脈拍 96/分、整で、血圧 124/72 mmHg であった。心エコー検査で左室の駆出率 28 %であった。体重は 1 週間で 4 kg 増加し下肢の浮腫がみられる。
入院治療により A さんの症状は改善し、 2 日後に退院予定である。退院後の受診についての説明で最も適切なのはどれか。
1: 「夜間の咳で受診する必要はありません」
2: 「体温が 38.0 ℃以下なら受診の必要はありません」
3: 「今回のように体重が増加したときは受診してください」
4: 「仕事から帰って足に浮腫がみられたら受診してください」
Aさん(70歳、女性)は1人暮らし。夫とは1年前に死別した。近くの診療所で高血圧症hypertensionと心不全heart failureと診断され、内服治療をしていた。月1回は診療所で内服薬の処方と食事指導や体重測定などの生活指導を受けていたが、時々薬を飲んだことを忘れてしまうことがあった。日常生活は自立しており、認知機能は問題ない。週2日、事務職のパートとして働いており、電車を使って通勤していた。息子(42歳)と娘(37歳)は仕事のため遠方に住んでいる。1か月前からAさんは家事や外出するときに軽い息切れを感じるようになり、2、3日前からは咳と痰が出るようになった。両足のむくみが出てきたため、診療所から自宅近くの病院を紹介され外来受診した。身体所見:意識は清明。身長159cm、体重61.3kg。 体温37.1℃、呼吸数21/分、脈拍95/分、不整、血圧164/96mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(room air)。 両下肢に軽度の浮腫を認めた。
診察の結果、Aさんは心不全heart failureの悪化を認めたため入院することになり、個室を希望した。入院後、酸素マスクによる酸素療法や利尿薬による薬物療法、塩分制限などの食事療法が開始された。入院3日、夜勤の看護師から日勤の看護師への朝の申し送りで、昨晩のAさんは夜間全く眠っていないこと、「ここはどこですか」と繰り返し尋ねてきたこと、娘が学校から帰ってくるのを待っていると言って病室の入り口を気にしていたことが報告された。日勤の看護師は、Aさんの睡眠状況を改善する必要があると考え、Aさんへの対応について検討した。 看護師のAさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 終日、病室を明るくする。
2: 日中眠っていたら覚醒を促す。
3: 睡眠導入薬の使用を医師に相談する。
4: 夜間覚醒している場合は、夜は眠るよう説得する。
Aさん(72歳、男性)。妻と2人暮らし。朝6時に、妻が一緒に寝ていたAさんの様子がおかしいことに気付き、救急車を呼んだ。Aさんは病院に搬送された。病院到着時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉 II-10。右片麻痺および失語がみられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数20/分、心拍数110/分、血圧150/90mmHg。身長160cm、体重60kg。頭部CTで明らかな異常所見はなく、頭部MRIを行う予定である。
Aさんは翌日の2時に尿意があり、自然排尿があった。8時に「昨夜は後陣痛の痛みが強くて眠れませんでした。おっぱいを飲ませたら、後陣痛がさらに強くなって、汗が出てきました」と言う。子宮底の高さは臍高、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられる。Aさんのバイタルサインは、体温37.0℃、脈拍68/分、血圧125/70mmHgであった。 このときのAさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 授乳を促す。
2: 入浴を勧める。
3: 骨盤底筋体操を指導する。
4: 鎮痛薬の使用を医師に相談することを伝える。
A君(8歳、男児)。公園から自転車で帰宅途中に転倒し、利き腕である右肘を強打した。疹痛と腫脹とがあり受診した。単純エックス線撮影の結果、右上腕骨顆上骨折(supracondylar fracture of the humerus)と診断され、治療のために入院した。
入院後2日。全身麻酔下で骨接合術が施行され、再び上腕から手関節までシーネ固定を行った。術後の全身状態は安定しており、夕食から食事が開始された。 このときのA君の食事摂取の方法で最も適切なのはどれか。
1: 側臥位で摂取する。
2: 流動食を摂取する。
3: 左手を使って摂取する。
4: 右手を使って摂取する。
Aさん(65歳、男性)は、大動脈弁狭窄症 (aortic stenosis) で大動脈弁置換術が実施された。術後 2日、 Aさんは集中治療室に入室中である。Aさんは中心静脈ライン、心嚢・縦隔ドレーン、胸腔ドレーン、動脈ライン、 3本の末梢静脈ライン、膀胱留置カテーテルが挿入されている。Aさんの意識は清明で、呼吸状態、循環動態は安定しているが、挿入されているライン類を気にする様子がみられる。
転室後も Aさんの状態は安定しており、歩行を開始することになった。安全管理対策として適切なのはどれか。
1: 胸腔ドレーン挿入中は病室内歩行とする。
2: 胸腔ドレーン挿入中に歩行する時は看護師を呼ぶように伝える。
3: 末梢静脈ライン挿入中は看護師が同伴して歩行する。
4: 不整脈が出現しても気分不快がなければ歩行を継続する。
Aさん(25歳、男性、飲食店店員)は、 2日前から感冒様症状があり、夜眠ろうとして横になるが息苦しくて眠れず、歩行や会話も困難となり、夜間に Aさんの家族に伴われて救急外来を受診した。 Aさんは地元の野球チームに所属し、休日には練習に参加しており、最近は残業が多く疲れていた。診察の結果、Aさんは気管支喘息発作 (bronchial asthma) と診断され、気管支拡張薬、副腎皮質ステロイドによる治療と、フェイスマスクによる酸素投与が行われたが、改善がみられず入院した。
入院後Aさんは呼吸困難が増悪し、発汗が著明であった。入院時の看護として最も適切なのはどれか。
1: 全身清拭を行う。
2: セミファウラー位とする。
3: 鎮静薬の処方を医師に相談する。
4: 口をすぼめてゆっくりと息を吐くように指導する。
夜勤帯に、A看護師がスタッフステーションで抗菌薬の点滴静脈内注射を準備しているときに、発汗した患者から寝衣交換の依頼があり、別の患者から口渇で飲水したいという希望があった。直後に患者に装着されている人工呼吸器のアラームが鳴った。他の看護師は別の病室で重症者のケアをしている。 A看護師が最も優先すべきなのはどれか。
1: 点滴静脈内注射の準備
2: 発汗した患者の寝衣交換
3: 飲水を希望する患者への対応
4: 人工呼吸器を装着している患者の観察