Aさん(34歳、初産婦)は、夫(37歳、会社員)と2人暮らし。事務の仕事をしている。身長157cm、非妊時体重54kg。妊娠24週4日の妊婦健康診査時の体重58kgで4週前から1.5kg増加している。血圧128/88mmHg。尿蛋白( ± )、尿糖(ー)。浮腫( ± )。Hb 10g/dL、Ht 30%。子宮底長22.5cm、腹囲84cm。胎児推定体重700g。非妊時より白色の腟分泌物は多いが、搔痒感はない。
妊婦健康診査後、Aさんは看護師に「毎朝30分、電車内で立ち続けているので職場までの通勤がとても疲れます」と話した。看護師はAさんに、就労する妊娠中の女性に関する制度について説明した。 Aさんがこの時点で取得できるのはどれか。
1: 産前休業
2: 時差出勤
3: 就業の制限
4: 所定労働時間の短縮
Aさん(52歳、男性)は、 2か月で体重が7kg減少した。 2か月前から食事のつかえ感があるため受診した。検査の結果、胸部食道癌(thoracic esophageal cancer)と診断され、手術目的で入院した。
入院時の検査データは、Hb 9.5 g/dl、血清総蛋白 5.4 g/dl、アルブミン2.5 g/dl、 AST〈GOT〉24 I U/l、ALT〈GPT〉25 I U/l、γ-GTP 38 IU/l、尿素窒素 1 8 mg/dl、クレアチニン0.7mg/dl、プロトロンビン時間 82 %(基準 80〜120)であった。Aさんの状況で術後合併症のリスクとなるのはどれか。
1: 出血傾向
2: 腎機能障害
3: 低栄養状態
4: 肝機能障害
在胎40週2日、正常分娩で出生した男児。出生時体重3,300g、身長48.5cm。生後1日の体重は3,200g。バイタルサインは腋窩温37.2℃、呼吸数70/分、心拍数130/分。出生後24時間までに、排尿が1回、排便が1回みられた。
生後3日、児の体重は3,000gになった。バイタルサインに異常はみられない。手掌と足底に黄疸がみられ、傾眠傾向にあった。血清ビリルビン値18.5mg/dL。母児同室を続けるため、コットに設置可能な光線療法器を用いて治療を行うことになった。 児の光線療法に関する母親への説明で適切なのはどれか。
1: 「体温は低下します」
2: 「便の回数は減ります」
3: 「おむつは外して行います」
4: 「直接授乳は続けましょう」
Aさん(64歳、女性)は、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)で通院加療中である。 1週前から感冒様症状があり市販薬を服用し経過をみていたが、呼吸困難を訴えた後、反応が鈍くなり救急車で搬送された。Aさんは肩呼吸をしており、発汗が著明で口唇は乾燥している。体温38.3 ℃、呼吸数35/分、脈拍108/分、血圧96/70 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>89%であった。ジャパン・コーマ・スケール<JCS>Ⅱ-30。動脈血液ガス分析では動脈血酸素分圧<PaO2>60 Torr、動脈血炭酸ガス分圧<PaCO2>68 Torr、pH 7.29 であった。
Aさんは肺炎(pneumonia)による急性呼吸不全と診断され、点滴、膀胱留置カテーテルの挿入および気管内挿管が実施された。 このときのAさんの観察で最も注意すべき状態はどれか。
1: 乏尿
2: 血圧上昇
3: 末梢冷感
4: 下肢の浮腫
5: 呼吸音の減弱
Aさん(28歳、初産婦)は、妊娠 30週である。今朝から性器出血が少量認められたため外来を受診した。受診時、子宮収縮は1時間に4、5回認められ、Aさんは時々、軽い痛みを訴えた。今までの妊娠経過では、異常は認められていない。身長 160 cm、体重 60 kg(非妊時54 kg)である。
Aさんは、妊娠 32週に破水した。羊水混濁はない。胎児は頭位である。破水直後の対応として最も適切なのはどれか。
1: 外陰部洗浄を行う。
2: セミファーラー位とする。
3: 胎児心拍モニターを装着する。
4: 帝王切開の術前準備を開始する。
Aさん(55歳、男性)。胃癌(gastric cancer)のため胃全摘出術を受けた。術中の出血量は300mLで、輸血は行われなかった。既往歴に特記すべきことはない。入院時身長166cm、体重78kg。手術後1日、硬膜外持続鎮痛法が行われているが、Aさんは創部痛が強いため呼吸が浅く、離床はできていない。このときのバイタルサインは、体温37.1℃、呼吸数22/分、脈拍120/分、血圧162/90mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(鼻カニューラ2L/分 酸素投与下)。Hb13.8g/dL。尿量60mL/時。意識清明、心音および呼吸音に異常なし。頸静脈怒張なし。下肢に浮腫なし。創部に熱感や発赤を認めない。腹腔ドレーンからは少量の淡血性排液があるが膿性ではなく、異臭もない。
手術後14日、Aさんは食後に出現していた症状が落ち着き、退院が決まった。 Aさんへの退院指導の内容で適切なのはどれか。
1: 1回の食事量を増やす。
2: 海草を積極的に摂取する。
3: 食後の冷汗が出現した際には身体を温める。
4: 空腹時はコーヒーなどの刺激物の摂取を避ける。
Aちゃん(2歳0か月、女児)。昨日から下痢と嘔吐とを繰り返し、食事が摂(と)れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎(viral gastroenteritis)と診断され入院した。入院時、体温38.2℃、呼吸数36/分、心拍数136/分であった。1週前の保育所の身体計測では身長89cm、体重12.0kgであった。個室隔離とし、点滴静脈内注射による持続輸液が開始された。
入院翌日。Aちゃんは活気がなく臥床している。下痢症状は改善し嘔吐もみられなくなったが、時々顔をしかめており、母親は「まだおなかが痛いみたいです」と看護師に話す。 Aちゃんの痛みへの対応で適切なのはどれか。
1: 食事摂取を促す。
2: 日中も部屋を暗くする。
3: 1人で過ごすようにする。
4: Aちゃんが好きな絵本を読み聞かせる。
Aさん(32歳、初産婦)は前置胎盤placenta previaのため妊娠37週0日の午前10時から帝王切開術を受ける予定である。 手術前日の看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 浣腸を行う。
2: 夕食が禁食となっているか確認する。
3: 輸血の準備ができているか確認する。
4: 下肢に間欠的空気圧迫装置を装着する。
A君(2歳6か月、男児)。両親との3人暮らし。脳性麻痺(cerebral palsy)と診断され、自力で座位の保持と歩行はできず専用の車椅子を使用している。話しかけると相手の目を見て笑顔を見せ、喃語を話す。食事はきざみ食でスプーンを使うことができるが、こぼすことが多く介助が必要である。排泄、清潔および更衣は全介助が必要である。
現在、A君の母親は妊娠16週で順調に経過している。母親は「出産のときにAを預かってくれるところを探そうと思っています」と看護師に話した。父親は会社員で、毎日20時ころ帰宅する。A君の祖父母は遠方に住んでおり支援をすることができない。 母親に情報提供する社会資源で最も適切なのはどれか。
1: 乳児院
2: 病児保育
3: 情緒障害児短期入所施設
4: レスパイトを目的とする入院
5: ファミリーサポートセンター
Aさん(35歳、女性)は、昨年結婚し、夫(50歳)と2人暮らし。最近2か月で5kgの体重減少、首の違和感と息苦しさ、心悸亢進、不眠のため内科を受診した。触診で甲状腺の腫脹、超音波検査で甲状腺内に数か所の石灰化が認められたため、 甲状腺腫瘍(thyroid tumor)の疑いで大学病院に紹介された。 嗜好品:飲酒はビール700ml/日を週5日 趣 味:ジョギングとヨガ
Aさんは、手術後に甲状腺ホルモン製剤、カルシウム製剤、ビタミンD製剤の内服が開始され、手術後1週で退院することになった。A さんは「退院後の生活で気を付けることを教えてください。私は35歳ですし、夫と年が離れているため、できるだけ早く子どもが欲しいと思っています」と話している。看護師が行うAさんへの1か月後の受診までの生活指導で適切なのはどれか。
1: 「運動は控えましょう」
2: 「1年間は妊娠を控えましょう」
3: 「海藻類の摂取に制限はありません」
4: 「飲酒量は入院前と同じでよいです」
Aさん (43歳、男性、会社員 )は、 1か月前に右頸部の腫瘤に気付き、自宅近くの診療所を受診し、大学病院を紹介された。検査の結果、 Aさんは、非 Hodgkin〈ホジキン〉 リンパ腫 (non-Hodgkin lymphoma)と診断され、縦隔リンパ節腫大による上大静脈の圧迫も確認され、化学療法導入のため入院した。 Aさんは「悪性リンパ腫と言われたときにはショックだったけど、化学療法は有効であると聞いて、頑張ろうと思っている」と話す。入院時、 Aさんは体温 37.5℃、呼吸数 18/分、脈拍 84/分、血圧 124/64 mmHgであった。血液検査データは、赤血球 302万/μl、Hb 10.3 g/dl、白血球 6,400/μl、総蛋白 7.6 g/dlであった。
入院当日、 Aさんは看護師に「最近、なんとなく手がむくんでいるような気がする」と言う。 Aさんの手のむくみの原因として可能性が高いのはどれか。
1: 発熱
2: 貧血
3: 低蛋白血症
4: 上大静脈の圧迫
A君(11歳、男児)。喘息(asthma)発作のため救急外来に来院した。喘鳴が著明で、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%(roomair)、ピークフロー値45%である。 まず行うべきA君への対応で適切なのはどれか。
1: 起坐位を保つ。
2: 水分摂取を促す。
3: 胸式呼吸を促す。
4: 発作の状況を尋ねる。
Aさん(23歳、女性)は大学を卒業後、会社に就職して1人暮らしを始めた。入社後に「会社の制服が似合うようになりたい」とダイエットを始め、次第にるいそうが目立つようになった。「太るのが怖い」と言って食事を拒否するようになり、体重は1年間で10kg減少した。しかし、本人は「まだ太っているから、痩せないといけない」と話していた。久しぶりにAさんと会った母親が、過度のるいそうを心配して、内科受診を勧めた。内科ではるいそう以外に大きな異常を認めず、精神科受診を勧められた。精神科では神経性無食欲症anorexia nervosaと診断され、外来通院を開始した。その後、低血糖によるふらつきのため職場で頻回に転倒するようになった。それでも食事を十分に摂らないため、精神科病棟へ入院した。入院時、身長166cm、体重36kgであった。入院後、食事のほかに点滴による栄養補給が始まった。
入院後2週が経過した。食事のときにAさんは食べ物を細かく刻み、1時間以上時間をかけるが、摂取量は全体の25%程度である。時間があるとベッド上でいつもストレッチを行っている。Aさんと話し合ったところ「私はこの病棟で太っているほうだから少しでも痩せなきゃ」と話した。 看護師の関わりとして適切なのはどれか。。
1: 体重測定の回数を増やす。
2: 鏡でAさんの全身を映して見せる。
3: 痩せたいと思う気持ちについて話し合う。
4: Aさんは他の患者よりも痩せていると伝える。
Aさん(23歳、女性)は、大学を卒業後、インテリア会社に事務職として就職した。入社後に「ユニフォームが似合うようになりたい」とダイエットを始め、次第にやせが目立つようになった。母親がAさんに食事を作っても「太るのが怖い」と言って食べず、体重は2週間で5kg減少した。心配した母親とともに精神科外来を受診し、摂食障害(eating disorder)と診断され、開放病棟へ入院した。入院時、身長160cm、体重37kgであった。
入院後2週が経過した。Aさんは食事の時間に食べ物を細かく刻み、1時間以上 時間をかけるが、摂取量はスプーン1杯ほどである。ベッド上でストレッチを2時 間行っている。Aさんと話し合ったところ「私はこの病棟で一番太っているから少しでも痩せなきゃ」と話した。 看護師の関わりとして適切なのはどれか。
1: 体重測定の回数を増やす。
2: 鏡でAさんの全身を映して見せる。
3: 痩せたいという気持ちについて話し合う。
4: Aさんは看護師よりも痩せていると伝える。
A ちゃん(生後 4 か月、女児)は、 4 、 5 日前から鼻汁と咳嗽とが出現し、今朝から 38.0〜39.0 ℃の発熱があり水分摂取が困難になったため受診した。検査の結果、RS ウイルス抗原陽性で急性細気管支炎 (acute bronchiolitis) と診断され入院した。入院時、口唇色と顔色はやや不良、呼吸数 60/分、心拍数 150/分、血圧 90/52 mmHg で、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88 %であった。血液検査データは、赤血球 480 万/μL、Hb 12.8 g/dL、Ht 39 %、白血球 12,000/μL、CRP 5.5 mg/dL。動脈血液ガス分析は、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉45 Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉58 Torr であった。胸部エックス線撮影で肺野に異常陰影は認められない。
A ちゃんは点滴静脈内注射が開始された。処置中、A ちゃんは嗄声で啼泣したが流涙はなく、激しく抵抗することもなかった。処置後に病室に戻ったが、皮膚の弾性が低下しており活気がない。看護師が A ちゃんの呼吸状態と併せて観察する項目で優先度が高いのはどれか。
1: 哺乳力
2: 排尿の有無
3: 排便の有無
4: 瞳孔の大きさ
5: 眼瞼結膜の色調
Aさん(82歳、男性)。妻との2人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)判定基準はランクJ。Aさんは搔痒感のために皮膚科を受診し、老人性皮膚搔痒症(pruritus senilis)と診断され、抗ヒスタミン内服薬が処方された。身長165cm、体重55kg。Aさんの趣味は散歩で、毎日1km程度を歩いている。
Aさんは「食べにくくてあまり食事が摂れていない。階段の昇り降りをしたり、10分以上歩いたりすると疲れてしまい、あまり外に出なくなった」と言う。体重は1か月間で2kg減少していた。他に自覚症状はなく、血液検査の結果は、血清蛋白の低下の他に異常はなかった。 このときのAさんに出現している現象として最も考えられるのはどれか。
1: 脱水
2: 筋肉量の減少
3: 胃酸の分泌増加
4: 関節可動域〈ROM〉の制限
Aさん ( 75歳、女性 )は、娘と 2人で暮らしている。 5年前に Alzheimer〈アルツハ イマー〉病 (Alzheimer disease)と診断された。半年前から食欲不振が続き体重減少がみられ受診した。検査の結果、胃癌 (gastric cancer)と診断され胃全摘出術が行われた。入院時の改訂版長谷川式簡易知能 評価スケール〈HDS-R〉16点、 Mini-Mental State Examination〈MMSE〉18点。
術後の経過は良好で 2週間が経過した。食事は全粥、軟菜を 8割程度摂取している。娘に対する Aさんの退院後の食事指導で適切なのはどれか。
1: 食後の安静臥床を勧める。
2: 食物繊維を多く含む食品の摂取を勧める。
3: 1日の食事量を 6〜8回に分けて食べることを勧める。
4: 食事時間が長くなっても満腹になるまで摂取するように勧める。
Aさん(42歳、女性)は、2週前から腰痛と坐骨神経痛とを発症し整形外科で処方された鎮痛薬を内服している。帯下が増えて臭いもあるため婦人科を受診し、子宮頸癌(cancer of the uterine cervix)と診断された。 進行期を決めるためにAさんに行われる検査で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: ヒトパピローマウイルス検査
2: 小腸内視鏡検査
3: 腎盂尿管造影
4: 脊髄造影
5: CT
Aちゃん(5か月、女児)は、父親(会社員)、母親(主婦)、兄のB君(3歳)と4人家族である。近所に祖父母が住んでいる。Aちゃんは3日前から鼻汁と咳嗽があり、昨日夕方より39℃の発熱がみられ小児科外来を受診した。自宅で哺乳量の低下はなく、1日に1、2回咳嗽とともに嘔吐がみられていた。来院時、体温39.3℃、呼吸数45/分、脈拍142/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)であった。診察と検査の結果、RSウイルスによる急性細気管支炎acute bronchiolitisと診断され、去痰薬が処方された。
入院後7日、Aちゃんは症状が軽快し、哺乳量も増加して翌日の金曜日に退院が決定した。母親は「Aはだいぶ元気になりました。でもBが泣いたり、かんしゃくをおこしたりすることが増えているようです。どうしたらいいでしょう」と看護師に相談した。入院中、土曜日、日曜日は父親がB君の世話をしており、平日は祖父母が世話をしているとのことであった。退院時、父親は休暇をとりAちゃんと母親を迎えに来る予定である。 母親への看護師の対応として適切なのはどれか。
1: 「B君のかかりつけ医に相談しましょう」
2: 「B君の保育所への入所を検討しましょう」
3: 「B君に関わる時間をたっぷりとりましょう」
4: 「お兄ちゃんだから頑張りなさいと伝えましょう」
A君( 8歳、男児 )は、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、肉眼的血尿および両眼瞼の浮腫を主訴に病院を受診した。 1か月前に扁桃炎 (tonsillitis)に罹患した以外は既往歴に特記すべきこ とはない。扁桃炎 (tonsillitis)は抗菌薬を内服し軽快した。血液検査の結果、 溶連菌感染後急性糸球体腎炎 (poststreptcoccal acute glomerulonephritis)と診断されて入院した。入院時、 A君は体温 36.8℃、呼吸 数20/分、脈拍は 80/分、整で血圧 132/80 mmHgであった。
入院後 2週間が経過した。症状は軽快したが床上安静は続いている。仲が良かった同じ病室の児が退院して、 A君はイライラして母親をたたくこともある。 A君の母親は、毎日昼食後から夕食後まで面会をしている。 A君のストレスに対する看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 「家にすぐ帰れるから頑張ろう」
2: 「お母さんにずっといてもらおう」
3: 「好きなだけテレビを観ていいよ」
4: 「ベッドに寝たままプレイルームに行こう」