Aさん(47歳、女性、会社員)は、夫(54歳)と2人暮らし。6か月前から月経不順になり、閉経前の症状と思い様子をみていた。しかし、徐々に普段の月経時の出血量よりも多くなり、下腹部痛が出現してきたため、病院の婦人科外来を受診した。診察後、経腟超音波検査の指示が出され、看護師はAさんに検査について説明することになった。
Aさんは、経腟超音波検査で異常所見が認められ、その後の精密検査で子宮体癌uterine corpus cancerと診断されて準広汎子宮全摘出術と両側付属器(卵巣、卵管)切除術を受けた。術後の経過はよく、排尿障害もなく順調に回復していた。術後12日目のバイタルサイン測定時に「身体のほてりがあり、急に汗が出るようになったりして、夜もよく眠れません。そのためかイライラします」と看護師に訴えた。 Aさんに出現している症状の原因はどれか。
1: エストロゲンの減少
2: プロラクチンの減少
3: アンドロゲンの増加
4: オキシトシンの増加
5: プロゲステロンの増加
正常に経過している分娩第1期の産婦への説明で適切なのはどれか。
1: 「食事は摂(と)らないようにしてください」
2: 「ベッド上で安静にしていてください」
3: 「2、3時間に1回は排尿をしてください」
4: 「眠気を感じても眠らないようにしてください」
Aさん(40歳、男性)。入院時体重65kg。既往歴に特記すべきことはなく、全身状態は良好である。胃癌(gastric cancer)のため胃全摘出術を受けた。術中の出血量は 450mlで輸血はされなかった。術後1日、体温37.5℃、呼吸数24/分、脈拍120/分、血圧162/90mmHg。Hb14.8 g/dl。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(酸素吸入3l/分)。尿量50ml/時。創部のドレーンからは少量の淡血性排液がある。硬膜外持続鎮痛法が行われているが、創痛が強いため呼吸が浅く、離床はできていない。
術後1週から食事が開始されたが、毎食後に下腹部痛を伴う下痢があり、Aさんは「食事をするのが怖い」と訴えた。 看護師が確認する必要があるのはどれか。
1: 食後の体位
2: 1日の歩行量
3: 術前の食事の嗜好
4: 食事摂取の所要時間
Aさん(81歳、女性)は、1人暮らし。7年前から糖尿病(diabetes mellitus)、高血圧症(hypertension)、便秘症(constipation)で病院の内科に定期的に通院しており、近所に住む長女が時々様子を見に来ていた。本日、長女がAさん宅を訪ねたところ、Aさんは床に倒れて起き上がれなくなっていた。受診の結果、胸椎と腰椎の圧迫骨折(compression fracture)で病院に入院した。入院時、Aさんは病棟看護師に「朝食は食べていません。朝の薬を飲んだと思うが、はっきり覚えてません。家に帰ればわかります」と話した。病棟看護師が体のことで心配なことはあるかを問うと「この半年で体重が2kg減りました。最近は疲れやすく歩くのもゆっくりで、握力も弱くなり荷物を持つのがつらいです。このまま寝たきりになるのではないかと不安です」と話した。内科のカルテには1か月前の計測で身長150cm、体重41kgと記載されていた。入院時のバイタルサインは、体温36.6℃、呼吸数16/分、脈拍80/分、血圧144/88mmHg。血糖値114mg/dLで、軽度の皮膚湿潤があった。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは29点であった。
Aさんは、入院中に要介護1と認定された。退院後は週2回の家事援助サービスを利用した。退院3か月後、Aさんは長女と病院の整形外科外来を受診した。長女は診察を待つ間、外来看護師に「母は最近、ご飯を食べたのに食べていない、と近所の人に言うので困っている。薬の飲み忘れも目立ってきた。どうしたらよいか」と話した。 外来看護師が長女に説明する内容で適切なのはどれか。
1: 「介護度の見直しについて、介護支援専門員に相談しましょう」
2: 「食べ物を目につく場所に置きましょう」
3: 「近所に出かけないよう説明しましょう」
4: 「入院した高齢者によくある症状です」
Aさん(50歳、男性、会社員)は妻と高校生の息子との3人暮らし。仕事を生きがいに働き続けていた。慢性腎不全chronic renal failureのため透析治療が必要になったが、本人の希望で連続携行式腹膜灌流法〈CAPD〉を導入することになり入院した。Aさんはこれからの生活がどのようになるのかを看護師に質問した。
Aさんに対する説明として正しいのはどれか。
1: 「食事療法が必要です」
2: 「通院は週に2、3回必要です」
3: 「宿泊を伴う旅行はできません」
4: 「カテーテル挿入術後の翌日から入浴できます」
Aさん(81歳、男性)は、妻(73歳)と2人暮らし。自宅でのADLは自立し、認知機能に障害はない。Aさんは食欲不振と腹部不快感、微熱を主訴に受診したところ、急性胆嚢炎(acute cholecystitis)と診断され、その日のうちに入院した。Aさんのバイタルサインは、体温37.3 ℃、呼吸数22/分、脈拍90/分、血圧136/84mmHg。入院後は絶飲食の指示があり、持続点滴静脈内注射と抗菌薬の投与が開始された。トイレ歩行の許可は出ている。
入院後3週、Aさんは症状が改善し、退院することになった。Aさんは「退院したら孫たちと温泉旅行をして、おいしいものをたくさん食べることが楽しみです。何か気を付けることはありますか。」と看護師に話した退院時のAさんへの指導で適切なのはどれか。
1: 「上腹部の痛みがあったら受診してください」
2: 「食事内容の制限はありません」
3: 「運動は控えてください」
4: 「入浴しないでください」
A市に住むBさん(40歳、経産婦)は、妊娠20週0日である。夫(42歳、会社員)、長女のCちゃん(5歳)の3人暮らし。朝食を終えた午前8時、大規模災害が発生し、夫は倒壊した家屋に両下肢が挟まれ身動きがとれなくなった。一緒にいたBさんとCちゃんは無事だったが、慌てるBさんのそばでCちゃんは泣きながら座りこんでいた。午前10時、夫は救助隊に救出されたが、下肢の感覚はなくなっていた。 病院に搬送された夫は、その日のうちに入院となった。
被災当日にBさんはCちゃんとともに避難所に入所した。被災後1日、Bさんは巡回してきた看護師に「今妊娠20週目ですが、おなかが張ることがあります」と話した。 看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。
1: 下肢の浮腫の程度
2: 食事の摂取状況
3: 性器出血の有無
4: 排泄状況
Aちゃんは、在胎37週0日に正常分娩で体重3,200 gで出生した。AちゃんのApgar〈アプガー〉スコアは 1分後 9点、 5分後 10点であった。出生時は、体温 37.1℃、呼吸数 42/分、心拍数 154/分であり、頭部に産瘤があった。 Aちゃんの両親の血液型は B型 Rh(+)である。
生後 5日、午前 9時に沐浴が行われた。Aちゃんは、体重 3,210 g、体温 36.9℃、呼吸数 36/分、心拍数 138/分である。昨日は排尿 7回、排便 5回であった。眼脂は認めない。午前 11時に母児ともに退院予定である。退院前の Aちゃんへの処置で優先度が高いのはどれか。
1: 殿部の清拭
2: 哺乳量の測定
3: 抗菌薬の点眼
4: ビタミン K2シロップの与薬
Aさん(38歳、初産婦)は、妊娠38週3日に2,900gの女児を正常分娩した。出産前は、Aさんは夫と2人で暮らしていた。引っ越して3か月であり、周囲に親しい知り合いや友人はまだいない。
産褥3日。子宮底の高さは臍下3横指にあり硬度良好であった。乳房は軽度緊満しており、乳汁分泌がみられる。体温37.0℃、脈拍76/分、血圧124/72mmHgであった。訪室時、Aさんは「体がなんとなくだるいです。理由もないのに涙が出てきます」と涙ぐんでいた。 Aさんの状態として考えられるのはどれか。
1: 産褥熱(puerperal fever)
2: 高血圧症(hypertension)
3: 産後うつ病(postpartum depression)
4: マタニティブルーズ(maternity blues)
妊娠の成立の機序で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 原始卵胞から卵子が排出される。
2: 排卵後の卵子は卵管采によって卵管に取り込まれる。
3: 受精は精子と卵子との融合である。
4: 受精卵は子宮内で2細胞期になる。
5: 着床は排卵後3日目に起こる。
Aさん(58歳、男性)は、妻(55歳、会社員)、長女夫婦および生後5か月の孫の5人で暮らしている。頸椎の後縦靱帯骨化症(ossification of posterior longitudinal ligament)と診断され椎弓形成術を受けた。リハビリテーション病院に転院し2か月前に退院した。退院時から週1回の訪問看護を受けている。現在の症状は、下肢のしびれ、知覚鈍麻、筋力低下、上下肢の痙性麻痺および膀胱直腸障害である。移動は車椅子で、食事はリハビリテーション用のフォークを使用して座位で摂取している。排泄は家族に見守られながら尿器とポータブルトイレとを使用し、自分で行っている。
Aさんは1週前から排便がなく、センノシドを毎日就寝前に継続して内服している。訪問看護師が観察すると左腹部に便塊を触れ、腸蠕動音は微弱であった。Aさんは、2日間排便がないときはピコスルファートナトリウム水和物を適宜内服するよう医師に言われているが、以前に内服して下痢になったため内服していないと話す。 看護師のAさんへの提案で適切なのはどれか。
1: 「もう少し様子をみましょう」
2: 「下剤は2種類とも飲みましょう」
3: 「便意を感じたらトイレに座りましょう」
4: 「浣腸をしてもよいか医師に確認しましょう」
受精と着床についての説明で正しいのはどれか。
1: 卵子が受精能をもつ期間は排卵後48時間である。
2: 卵管采で受精が起こる。
3: 受精卵は受精後4、5日で子宮に到達する。
4: 受精卵は桑実胚の段階で着床する。
Aさん(34歳、経産婦)は、夫(35歳)と長男のB君(3歳)との3人暮らし。これまでの妊娠経過に異常はなかった。20時に体重3,150gの男児を正常分娩した。分娩所要時間は6時間30分、分娩時出血量は480mLであった。第1度会陰裂傷のため、縫合術を受けた。その他の分娩の経過に問題はなかった。
さらに2週が経過し、Aさんは鎮咳薬の服用をやめる意思を強く固め、今後の依存症の治療について真剣に考えるようになった。Aさんの父親はAさんが幼少期のころ死亡しており、Aさんは母親と2人で暮らしていた。母親は週2回面会に来て、Aさんに対して小さな子どもに接するように世話をしていた。担当看護師が母親と今後のことについて話すと、母親は「私が何とかします。私しかこの子の力になってあげられないのです。本当はもっとAにしっかりして欲しい。でも、そう言うとAは怒ってしまいます」と話した。 担当看護師の母親への声かけで適切なのはどれか。
1: 「親戚で頼りになる方はいませんか」
2: 「なるべく怒らせないようにすることが大切です」
3: 「お母さんは今までどおりの関わりで良いですよ」
4: 「Aさんが自分で自分のことをできるようにサポートしていきましょう」
妊娠34週で死産をした褥婦への援助で適切なのはどれか。
1: 児とのお別れの機会をつくる。
2: 児の抱っこはしないように助言する。
3: 児のために準備したものを処分することを提案する。
4: 退院時の指導で、次の妊娠をできるだけ早く計画するように勧める。
母子保健法が規定するのはどれか。
1: 不妊手術
2: 産前産後の休業
3: 出産育児一時金
4: 新生児訪問指導
Aさん(42歳、女性)は、交通事故による脊髄損傷(spinal cord injury)で入院し、リハビリテーションを受けた。Aさんの排泄の状況は、間欠的導尿による排尿と、坐薬による3日に1回の排便である。同居する夫と実母が導尿の指導を受け、退院することになった。初回の訪問看護は退院後3日目とし、その後は訪問看護を週2回受けることになった。 入院していた医療機関から提供された患者情報のうち、初回訪問のケア計画を立案するのに最も優先度の高い情報はどれか。
1: 食事の摂取量
2: 1日の導尿回数
3: 最終排便の日時
4: リハビリテーションの内容
Aさんは妊娠 28週で子宮内胎児死亡のため死児を出産した。翌日、児との面会で、Aさんは「ごめんね」と言い、身動きせずにじっと児を見つめていた。 Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 「つらいですよね」
2: 「早く忘れましょう」
3: 「元気を出してください」
4: 「次の妊娠について考えましょう」
Aさん(58歳、男性)、建築作業員。趣味はジョギングで毎日5kmを走っている。 55歳のときに肺気腫(pulmonary emphysema)を指摘されている。1か月前から咳嗽が続いて止まらないため、自宅近くの病院を受診した。胸部エックス線撮影で異常陰影が認められ、精密検査の結果、右下葉に肺癌(lung cancer)が見つかり、標準開胸右下葉切除術が予定された。20歳から喫煙歴があり、肺気腫(pulmonary emphysema)を指摘されるまで1日40本程度吸っていた。
術後2日。硬膜外持続鎮痛法が行われているが、Aさんは咳嗽時や体動時に苦痛表情をしている。 看護師の対応として適切なのはどれか。
1: 体動を少なくするように指導する。
2: 創部のガーゼの上から温罨法を行う。
3: 鎮痛薬の追加使用について医師と検討する。
4: 胸腔ドレーンの吸引圧について医師と検討する。
Aさん(59歳、女性)は、午前2時ころにバットで殴られたような激しい頭痛を自覚し、嘔吐した。午前4時、Aさんは、頭痛を我慢できなくなったために、家族に付き添われて救急搬送され、緊急入院した。入院時、ジャパン・コーマ・スケール 〈JCS〉Ⅰ-1、四肢の麻痺を認めない。
Aさんは、入院後に緊急開頭術を受けることになった。手術を受けるまでの看護で適切なのはどれか。
1: 浣腸を行う。
2: 排痰法の練習を勧める。
3: テタニー徴候を観察する。
4: 不整脈(arrhythmia)の出現に注意する。
Aさん ( 17歳、女子、高校生 )は、 3か月前から月経初日に腹痛や腰痛が生じて、学校を休むようになったため婦人科を受診した。 Aさんの月経周期は 26〜34日、持続日数は 4〜 6日である。 Aさんはコーヒーを毎朝 1杯飲んでおり、運動習慣はない。 Aさんは身長 162 cm、体重 55 kgであり、既往歴に特記すべきことはない。
診察の結果、器質的病変は確認されなかった。 Aさんは「生活で何か気を付けることはありますか」と尋ねた。 Aさんへの月経時の生活指導で適切なのはどれか。
1: 安静の保持
2: 腰部の温罨法
3: コーヒー摂取量の増量
4: 腹部を締めつける下着の着用