第107回午後第98問の類似問題

Aさん(83歳、男性)は妻(81歳)と2人暮らし。息子夫婦は共働きで同市内に住んでいる。Aさんは自宅の廊下で倒れているところを妻に発見され、救急搬送された。Aさんは右上下肢に力が入らず、妻の声かけにうなずくが発語はなかった。頭部CTで左中大脳動脈領域の脳梗塞cerebral infarctionと診断されたため救急外来で血栓溶解療法が行われ、入院となった。血栓溶解療法による治療後2週。Aさんは右上下肢麻痺、失語などの後遺症があるが、自宅への退院を希望したため、機能訓練の目的で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。転棟後1日。Aさんはベッドから車椅子への移乗動作の訓練を始めたが、健側の下肢筋力が低下しているため、立位のときにバランスを崩しやすい状況である。

第111回午後:第101問

Aさんは妻や看護師との話の内容は理解しているようだが、返答の際に言葉を間違えてしまうことや言葉がなかなか出てこないことがある。  Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

1: Aさんの言葉を推測しながら話す。

2: Aさんの言い誤りを訂正する。

3: 大きな声で話す。

4: 話題を変える。

第106回午前:第69問

Aさん(65歳、女性)は、夫と実父との3人暮らしである。脊柱管狭窄症(spinal canal stenosis)の術後、地域包括ケア病棟に入院中である。退院後は自宅に戻り室内で車椅子を利用する予定である。Aさんの障害高齢者の日常生活自立度判定基準はB-1である。 看護師による家族への指導で最も適切なのはどれか。

1: 家族の生活習慣を中心に屋内環境を整備する。

2: 夜間の車椅子によるトイレへの移動は制限する。

3: 退院後の生活の課題に応じて福祉用具を選定する。

4: ベッドから車椅子への移動介助にリフトの導入を勧める。

Aさん男性、(26歳、会社員)は、高校時代に自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)の診断を受け、外来通院をしながら仕事を続けていた。これまでの職場ではストレスが少なく、規則正しい生活ができていた。しかし、1か月前に新しい職場に異動になってから生活が不規則となり、数日前より無断欠勤が続いている。同居している家族に対して Aさんは「家にいると仕事のことばかり考えてしまい眠れない。食欲もないし、環境を変えてゆっくり休みたい」と話したため、Aさんは家族とともに精神科外来を受診し、休養目的で任意入院することになった。

第109回午前:第113問

入院中のAさんは、面会や検査等の予定が急に変更になると混乱し、看護師に対して予定を繰り返し確認することがあった。このときのAさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 文字や図を用いて説明する。

2: 確認を繰り返す理由を尋ねる。

3: 複数の情報を同時に提供する。

4: 状況を考えて行動するよう説明する。

第102回午前:第56問

Aさん(42歳、男性)、会社員。うつ病(depression)で自殺企図のために入院した。外傷はない。入院時に看護師が「大変でしたね」と声をかけたが、Aさんは一言も話そうとせず、硬い表情をしている。 この時点でのAさんへの対応で適切なのはどれか。

1: 「気分転換にお散歩に行きませんか」

2: 「今夜は多床室で休んでいただきます」

3: 「仕事が合わないのではありませんか」

4: 「持ち物を一緒に確認させていただけますか」

Aさん(99歳、女性)は、特別養護老人ホームに入所している。脳卒中(stroke)の後遺症で左片麻痺がある。肺炎(pneumonia)をきっかけに寝たきりになり、食事摂取量が低下した。Aさんは「私はここで最期を迎えたい。痛い思いはしたくない。死ぬときは苦しまないようにしてもらいたい」と何度も話すようになった。娘夫婦と孫とが頻繁に面会に来ている。医師が家族に回復の見込みが低いことを伝え、家族は特別養護老人ホームでの看取りに同意した。

第101回午後:第103問

Aさんは「1人で死ぬのは寂しい」と看護師に話した。看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 「死ぬときは苦しくないようですよ」

2: 「Aさんは十分頑張ってきましたね」

3: 「できるだけAさんのそばにいますよ」

4: 「そんなことを言うとご家族が心配しますよ」

Aさん(70歳、男性)。妻(74歳)と2人で暮らしている。Aさんがトイレに入ったまま戻ってこないので妻が見に行くと、トイレで倒れていた。妻が発見直後に救急車を要請した。救急隊からの情報ではジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ- 20で右片麻痺があり、バイタルサインは、体温36.5℃、呼吸数16/分、脈拍108/分、血圧200/120mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%であった。

第106回午前:第117問

入院から4週が経過し、病状が安定して意識が回復した。Aさんは後遺症として運動性失語が残り、言葉がうまく発せられないため涙ぐむことがあった。妻は面会後「夫が話す言葉が分からず、どう接すればよいか分からない」と言って戸惑っていた。 妻に対する対応で最も適切なのはどれか。

1: 「いつもどおり話をしてあげてください」

2: 「看護師も同席してAさんとお話ししましょう」

3: 「リハビリテーションで話せるようになりますよ」

4: 「分かりやすい言葉で話しかけてあげてください」

Aさん(28歳、女性)は、両親と3人で暮らしている。24歳のときに統合失調症(schizophrenia)を発症し治療を開始している。Aさんは大学卒業後に一度就職したが、発症後に退職し、現在も無職である。2週前から元気がなく、自室に引きこもって独り言を言っているのが目立つようになったため、両親同伴で外来を受診した。両親からは、1年前から便秘が続き、Aさんが薬の副作用(有害事象)を気にするようになったという話があった。

第106回午後:第108問

さらに3か月後、家事の手伝いができるようになり、家庭内で落ち着いた日常生活を送れるようになった。Aさんは「自分のことは自分でできるようになって、将来はまた働きたい」と話すようになり、社会復帰に向けて社会資源の利用を検討することになった。 この時点でAさんに紹介する社会資源で適切なのはどれか。

1: 就労移行支援

2: 地域活動支援センター

3: 居宅介護〈ホームヘルプ〉

4: 短期入所〈ショートステイ〉

5: 共同生活援助〈グループホーム〉

Aさん(40歳、女性)は統合失調症(schizophrenia)で入院歴があり、退院後は共同生活援助(グループホーム)を利用していた。1週前から同じグループホームに住む女性と口論したり、夜中にグループホームから飛び出したりするようになったため、職員に付き添われて精神科病院を受診した。診察時は、Aさんは意味不明の言葉を発し、時々興奮したように大声で叫んだ。また、診察室から飛び出したり、衣服を脱いだりする行為も観察された。

第102回午前:第104問

診察の結果、Aさんは入院することになり、外来看護師に付き添われて閉鎖病棟に来た。病棟の入り口でドアを開けた看護師が優先的に行うのはどれか。

1: 持参した薬を確認する。

2: 病棟のホールに誘導する。

3: 他の病棟スタッフに協力を要請する。

4: 入院のオリエンテーションを実施する。

Aさん(68歳、男性、自営業)は、妻(73歳)と2人暮らし。Aさんの就寝時刻は21時で、入眠後90分以上が経過した睡眠中に、大声で叫び、腕や足を振り回し暴れる行動が繰り返しみられたが、昼寝では夜間のような行動はみられない。日中、台所で子どもが遊んでいると言い、妻が台所を確認しても誰もいないことが何度かあった。心配になった妻がAさんとともに病院を受診し、Lewy〈レビー〉小体型認知症dementia with Lewy bodiesと診断された。

第111回午前:第110問

Aさんは定期的に精神科外来を受診することになった。受診6か月後、Aさんは足の筋肉がこわばり、動きが鈍くなった。また、幻視を訴える頻度が増え、感情のコントロールができず、妻に暴言や暴力を振るうことが多くなったため、精神科病院に入院となった。入院2日、Aさんは歩行時に床に子どもが寝転んでいると訴えて、子どもをよける動作で転びそうになった。また、突然、興奮して大声で怒り出すため、同室患者が苦情を訴えた。  Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

1: Aさんに別の病室へ移動することを提案する。

2: 歩行時は看護師と一緒に歩くように声をかける。

3: 怒りをコントロールできる方法を見つけるように伝える。

4: 床に子どもがいるように見えるのは幻視であることを説明する。

Aさん(42歳、男性)は、統合失調症(schizophrenia)で入院中だが、3ヶ月の治療で症状が改善したため、退院することになった。Aさんは、統合失調症(schizophrenia)で数回の入院経験があるが、前回の退院後に拒薬がみられたため、今回は2週間に1回の訪問看護が計画されている。Aさんはアパートで1人で暮らしている。身体的な疾患はない。

第100回午後:第92問

ある日、看護師が訪問時刻に遅れてしまったが、Aさんは電話の設置をいやがっていたため、連絡がとれなかった。看護師が15分遅れでAさんの家に到着し、すぐに謝ったが、Aさんは「バカにしているなら帰れ」と怒鳴った。 看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 電話を設置してほしいと依頼する。

2: そんなに怒らなくてもよいと話す。

3: Aさんを心配していることを伝える。

4: 遅刻の話題には触れず、訪問活動を続ける。

Aさん(32歳、男性)は、仕事上のストレスを抱えていた際に知人から誘われ、覚せい剤を常用するようになり逮捕された。保釈後、薬物依存症の治療を受けることができる精神科病院に入院し、治療プログラムに参加することになった。

第110回午後:第109問

入院時のAさんへの看護師の対応として適切なのはどれか。

1: 二度と使用しないと約束させる。

2: 回復が期待できる病気であることを伝える。

3: 使用をやめられなかったことに対する反省を促す。

4: 自分で薬物を断ち切る強い意志を持つように伝える。

Aちゃん(5歳、男児)は、両親と2歳の妹と4人で暮らしている。Aちゃんは、1歳のときにてんかん(epilepsy)と診断され、抗てんかん薬を服用していた。数日前から、失禁を伴う意識消失発作がみられるようになったため、検査と治療の目的で入院した。母親によると、抗てんかん薬を飲ませるのを忘れてしまうことがあったという。Aちゃんは、幼稚園に通っており、外で遊んだり絵本を見たりすることが好きである。知的発達の遅れはみられない。

第101回午前:第114問

てんかん発作がみられなくなり、Aちゃんは退院することになった。退院後の内服について、母親は「指導を受けて忘れない工夫はしているのですが、 2歳の妹の世話が大変で、つい忘れてしまうのではないかと不安です」と言う。看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 服薬を忘れたときは、次の服薬時に倍量を飲ませるよう指導する。

2: 母親の育児・家事の負担を減らす方法について話し合う。

3: 服薬管理はAちゃん自身に任せるよう指導する。

4: 入院期間の延長を提案する。

Aさん(56歳、男性)は、若いころテニスの選手で、現在も趣味でテニスを続けている。膀胱癌(bladder cancer)と診断され、膀胱全摘除術・回腸導管造設術の手術目的で入院した。Aさんは「外来で病名を聞いたときは動揺しましたが、家族と話し合い、今は心の準備ができています」と看護師に話した。

第101回午前:第105問

看護師は、Aさんから「退院後はどのように生活が変わりますか」と質問された。看護師の説明で適切なのはどれか。

1: 「入浴の際、浴槽の湯に入ることはできません」

2: 「食事の内容を変える必要はありません」

3: 「排尿のときは導尿が必要です」

4: 「テニスはできなくなります」

山間部の地域で、 1 時間雨量 80 mm 以上の降雨で土石流が発生し、地域の住民は市民体育館に避難した。避難所には近くの医療機関から医師と看護師とが派遣された。

第104回午前:第120問

看護師の A さんは、土石流の発生直後から被災地に 1 か月派遣された。その後、病院に戻り 3 か月が経過した。A さんは勤務中に表情が乏しく考え込む様子がみられた。A さんへの看護管理者の対応として最も適切なのはどれか。

1: 忙しい部署に異動させる。

2: 仕事に専念するよう伝える。

3: すぐに忘れるものだと励ます。

4: 体験を語ることができる場を設ける。

Aさん(19歳、男性、大学生)は、実家近くのアパートに1人で暮らしている。ある日、線路沿いの道を裸足で歩きながら険しい表情でカッターナイフを振り回し、ぶつぶつと独り言を言い続けていたことから警察に保護された。Aさんは、警察から連絡を受けた両親とともに精神科病院を受診したが「自分は命を狙われている」、「この人たちは自分の親じゃない」と言い、医療者に対しても拒否的な態度をとっている。診察の結果、Aさんは統合失調症(schizophrenia)と診断された。Aさんの頭髪は乱れ、食事や睡眠がとれていない様子であったため、そのまま医療保護入院をすることになった。

第105回午後:第114問

入院後2か月が経過し、主治医からは退院の話も出始めた。Aさんは入院をきっかけに大学を休学している。Aさんの両親が「Aは学業の遅れを心配して、退院後すぐに復学したいと言っています。Aはすぐに復学できるのでしょうか」と相談してきた。 看護師の説明として適切なのはどれか。

1: 「復学の時期を大学に判断してもらいましょう」

2: 「復学できる状態になるまで退院を延期しましょう」

3: 「ご両親からAさんに焦らないよう説得してください」

4: 「まずは家庭での日常生活に慣れることから始めましょう」

第108回午後:第64問

Aさん(60歳、女性)は、統合失調症(schizophrenia)で10年間入院していた。来月退院予定となったため、Aさん、医師、看護師でチームを作り、退院支援計画を立てることになった。Aさんは「両親も亡くなってしまい、これからの生活費や住む場所がとても心配だ」と訴えてきた。 退院支援を進めるにあたり、チームに加わるメンバーで最も適切なのはどれか。

1: 薬剤師

2: 精神保健福祉士

3: ピアサポーター

4: 臨床心理技術者(臨床心理士・公認心理師 等)

A さん(72 歳、男性)は、アパートの 1 階に 1 人で暮らしている。家族や親戚はいない。15 年前から心不全 (heart failure) のために利尿薬を毎朝内服している。半年前に要支援 2 の認定を受け、介護予防通所介護を週に 2 回利用している。早朝、A さんは玄関の外で座り込んでいるところを近所の人に発見され救急搬送された。来院時、体温37.4 ℃、呼吸数 20/分、脈拍 98/分、血圧 100/70 mmHg であった。血液検査と尿検査の結果、脱水症と診断された。

第104回午前:第99問

入院後 5 日。A さんの症状は改善し、明日退院する予定である。床頭台の隅に利尿薬が残っていたため看護師が質問すると、A さんは「看護師さんから薬をもらうとすぐ飲んでいるよ」と話した。また、自分の病室を間違えることが数回あった。A さんが在宅療養を継続するために、看護師が介護支援専門員へ伝える情報として優先度が高いのはどれか。

1: 生活リズム

2: 食事の摂取量

3: 服薬管理の状況

4: 脱水症の治療内容

A君 (6歳、男児)は、昨日午後から今朝にかけて5回の下痢便がみられ、体温が38.0 ℃であったため祖母と受診した。経口摂取は昨日の昼食が最後である。便の簡易検査の結果、ノロウイルスによる胃腸炎(gastroenteritis)と診断され、個室に入院した。入院後、末梢静脈ラインが左手背に留置され持続点滴が開始された。両親は同様の症状があるため面会できない。祖母が帰宅した後、A君は顔をしかめ、側臥位で膝を腹部の方に寄せ抱えるようにしている。バイタルサインは、体温37.5 ℃、呼吸数36/分、心拍数120/分であった。

第105回午前:第102問

入院後3日になったが両親は来院できない状況が続いている。A君は下痢が改善し体温も下がり笑顔がみられるようになった。看護師が清拭しながらA君と話していると「僕がお母さんの言うことを聞かなかったから病気になっちゃったんだ」と話した。 このときの看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 「お母さんが悲しむからそんなことを言ってはいけないよ」

2: 「気持ちは分かるけれど病気になったのはA君のせいではないよ」

3: 「A君の言うとおりだとすると入院している子はみんな悪い子なのかな」

4: 「お母さんの言うことを聞いていたら病気にならなかったかもしれないね」

Aさん(78歳、男性)は、76歳の妻と娘の3人で暮らしている。Aさんは、大腸癌(colon cancer)と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後、再発し、治療を行ったが効果がなく、在宅で緩和ケアを行うことになった。Aさんは腹部の癌性疼痛を訴え、オキシコドン塩酸塩徐放錠を1日2回内服している。Aさんは食べたいときに食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少してきている。妻は腰痛があり、娘は日中、仕事に出ている。

第100回午前:第94問

Aさんは退院後、訪問看護を利用することになった。 病棟看護師による家族への退院指導の内容で最も適切なのはどれか。

1: 食事摂取量を継続的に観察する。

2: ストーマを造ったので便秘の心配はない。

3: ストーマ用品は訪問看護ステーションから買う。

4: 痛みが増強したときは次回の外来受診時に伝える。

第100回午前:第62問

Aさん(85歳、男性)は、じん肺症(pneumoconiosis)で入院した経験があり、現在は自宅で1人で暮らしている。認知障害はなく、身の回りのことは自分でできるため、介護保険は申請していない。しかし、最近、日常の買い物で荷物を持つことが困難になった。 Aさんに勧めるサービスで最も適しているのはどれか。

1: 短期入所

2: 配食サービス

3: グループホーム

4: 近医による訪問診療