Aさん(32歳、初産婦)は妊娠39週4日に3,200gの男児を経腟分娩で出産した。分娩時に会陰切開縫合術を受けた。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後10点であった。分娩時の出血量200mL、分娩所要時間12時間30分であった。分娩室から病室に帰室する前に尿意を自覚したためトイレまで歩行し、排尿があった。
帰室時に看護師がAさんに行う説明で適切なのはどれか。
1: 「排泄後は会陰部を消毒しましょう」
2: 「会陰縫合部が痛くなったら温めましょう」
3: 「6時間おきにトイレに行って排尿しましょう」
4: 「悪露に血の塊が混じったら看護師に知らせてください」
Aさん(38歳、男性)。23時ころ、徒歩で来院した。Aさんは胸を押さえ苦しそうに待合室で座っており、救急外来の看護師が声をかけると、Aさんは日本語を少し話すことができ、外出中に急に胸が痛くなったと話した。Aさんは英語は話せないようだった。Aさんは日本語学校の学生であり、Aさんの指定した番号に電話したところ、Aさんの妻につながり、日本語でのコミュニケーションが可能であった。妻は1時間後に病院に到着できるということだった。この病院には、夜間にAさんの母国語を話せる職員はいなかった。
Aさんの妻が、Aさんの国民健康保険証を持って救急外来に到着した。妻から聴取した情報によると、Aさんは特に既往はないが、時々頭痛があり、母国で市販されていた鎮痛薬を常用していたとのことであった。心電図でST上昇が認められ、Aさんと妻は、医師から「入院して冠動脈造影〈CAG〉を受けないと命の危険があるかもしれない」と説明を受けた。しかし、Aさんは「たくさんの費用は支払えないし、学校を休むのが心配だ」と検査を受けることを拒んだ。 このときの救急外来の看護師の説明で優先されるのはどれか。
1: 検査の手順を説明する。
2: 学校は退学にならないことを説明する。
3: 宗教に応じた食事対応ができることを説明する。
4: 医療費は国民健康保険が適用されることを説明する。
Aちゃん( 1歳 0か月、女児)は、つかまり立ちをしようとしてテーブルの上に手をかけたところ、熱い味噌汁の入ったお椀(わん) をひっくり返して前胸部と右前腕に熱傷 (burn) を負 ったため母親とともに救急外来を受診した。来院時、 Aちゃんは、体温 36.8℃、呼吸数 36/分、心拍数 120/分、血圧 90/60 mmHgであり、機嫌が悪く泣いている。
Aちゃんは、創部の処置と経過観察のため入院した。処置室で点滴静脈内注射と創部の処置を医師 1人と看護師 2人で行うことになった。看護師が Aちゃんの母親に同席するよう促すと「かわいそうで見ていられるか不安です」と話した。母親のつらさを受け止めた後の対応で適切なのはどれか。
1: 「Aちゃんがかわいそうですよ」
2: 「Aちゃんはもっとつらいですよ」
3: 「Aちゃんが頑張る姿を見届けるべきですよ」
4: 「Aちゃんにとってお母さんが支えになりますよ」
Aさん(68歳)は要介護1で、1人で暮らしている。間質性肺炎(interstitial pneumonia)のために在宅酸素療法が開始された。 Aさんのサービス担当者会議で訪問看護師が行う提案で適切なのはどれか。
1: 炊事の禁止
2: 毎日の体温測定
3: 1人での外出禁止
4: 訪問入浴サービスの導入
Aさん(80歳、男性)は、1人暮らし。高血圧症hypertensionで内服治療をしているが健康状態や認知機能に問題はなく、日常生活動作〈ADL〉は自立している。毎朝30分の散歩と買い物を日課とし、週1回は老人クラブでゲートボールをしている。Aさんは受診の際に看護師に「最近、昼食後に居眠りをしてしまう。今は大丈夫だが、このままだと夜眠れなくなるのではないか」と話した。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 昼食後にも散歩を促す。
2: 主治医に相談するよう勧める。
3: 老人クラブの参加回数を増やすよう勧める。
4: 30分程度の昼寝は夜の睡眠に影響はないと伝える。
Aさん(75歳、女性)は、1人暮らし。高血圧症hypertensionの内服治療をしているが、その他に既往歴はない。認知機能は問題ない。軽度の円背があるが、日常生活動作〈ADL〉は自立している。簡単な家事は自分で行っており、家の中で過ごすことが多かった。近所に住む長女が時々、Aさんの様子を見に来ていた。 ある日、Aさんは自宅の階段を踏み外して転落し、横向きになったまま動けなくなったところを訪問してきた長女に発見され、救急車で病院に運ばれ、右大腿骨頸部骨折femoral neck fractureと診断された。そのまま入院し、緊急手術を行うことになった。
手術後14日。Aさんは、回復期リハビリテーション病棟のトイレ付きの個室に移動した。Aさんは歩行訓練を行っているが、立ち上がるときにバランスを崩しやすく「夜トイレに行こうとしてベッドから立ち上がるときに、ふらふらする。また転んでしまうのが怖い」と言っている。 このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: ポータブルトイレを置く。
2: ベッドに移動介助バーを付ける。
3: ベッドの頭部側を45度挙上する。
4: 夜間はヒッププロテクターを装着する。
介護老人福祉施設の説明で適切なのはどれか。
1: 入所は市町村の措置による。
2: 入所者数200につき3人の看護職員がいる。
3: 入所者数100につき1人の常勤の医師がいる。
4: 常時介護を必要とする65歳以上の人を対象とする。
Aさん(19歳、男性、専門学校生)は、1人暮らし。「皆が自分を嫌っている」と言い、昨年から学校を休学し、アパートに引きこもるようになった。先週、夜中に大声で叫ぶ日が続いたため、アパートの管理人が両親へ連絡をした。連絡の翌日、Aさんの両親が訪ねてみると、Aさんは「隣の人に嫌がらせを受けている。助けてくれ」と叫び続けたため、両親とともに精神科病院へ行き、その日のうちに任意入院となった。Aさんは統合失調症(schizophrenia)と診断され、抗精神病薬による治療が開始された。
入院後2か月。Aさんは症状も落ち着いてきたため、退院の準備をすることになった。Aさんは看護師に「病気はすっかりよくなったのに、ずっと薬を飲まなければならないのか。体がだるく、体力が落ちた気がする。朝から学校へ行けるかどうか心配だ」と話した。 Aさんの退院の準備のために行う支援で優先度が高いのはどれか。
1: 服薬心理教育
2: 食事への援助
3: 筋力トレーニングの指導
4: アサーティブトレーニングの指導
Aさん(68歳、女性)は、胃癌(gastric cancer)のため入院した。入院初日に「夫も癌になって、亡くなる前に痛みで苦しんでいました。私も痛みが怖いんです」と言った。看護師は、Aさんが夫のように苦しむことへの恐怖や不安があることが分かり、Aさんとともに対処法について考えた。 この時点での患者-看護師関係の段階はどれか。
1: 方向付け
2: 同一化
3: 開拓利用
4: 問題解決
Aさん(38歳、男性)。23時ころ、徒歩で来院した。Aさんは胸を押さえ苦しそうに待合室で座っており、救急外来の看護師が声をかけると、Aさんは日本語を少し話すことができ、外出中に急に胸が痛くなったと話した。Aさんは英語は話せないようだった。Aさんは日本語学校の学生であり、Aさんの指定した番号に電話したところ、Aさんの妻につながり、日本語でのコミュニケーションが可能であった。妻は1時間後に病院に到着できるということだった。この病院には、夜間にAさんの母国語を話せる職員はいなかった。
医師の診察までに救急外来の看護師が行う対応として適切なのはどれか。
1: Aさんの在留資格を確認する。
2: Aさんの母国の大使館に連絡する。
3: Aさんの理解度に応じた日本語で症状を聴取する。
4: 妻が来院するまでAさんに待合室で待ってもらう。
Aちゃん(5歳、男児)は、両親と2歳の妹と4人で暮らしている。Aちゃんは、1歳のときにてんかん(epilepsy)と診断され、抗てんかん薬を服用していた。数日前から、失禁を伴う意識消失発作がみられるようになったため、検査と治療の目的で入院した。母親によると、抗てんかん薬を飲ませるのを忘れてしまうことがあったという。Aちゃんは、幼稚園に通っており、外で遊んだり絵本を見たりすることが好きである。知的発達の遅れはみられない。
Aちゃんは、入院後、突然意識が消失して動作が止まる 10秒程度の発作が1日に数回みられているが、その他は元気に過ごしている。Aちゃんへの看護で正しいのはどれか。
1: 排泄時には付き添う。
2: 食事はきざみ食とする。
3: ベッド上で安静とする。
4: 日中は病室を薄暗くしておく。
Aさん(73歳、女性)は、動悸の精密検査の目的で入院した。心電図や血液検査などで異常所見はなかったが、Aさんは全身倦怠感、食欲不振、腰痛、便秘などを訴え続け、薬物療法を行っているが症状は改善していないという。日中はぼんやりと過ごしており「心臓がドキドキして、ハッと朝早く目が覚め、死ぬんじゃないかと思い、その後眠れなくなる」と言う。
Aさんは、夜、寝る前に「入院しているのに治らない。こんなはずではなかった。ここにいても仕方がない」と看護師に訴えた。 このときの看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 「薬が効くまでの我慢ですよ」
2: 「治っているように見えますよ」
3: 「治らないと感じるのはつらいですね」
4: 「治っていないことを医師に相談しますか」
Aさん(78歳、男性)は、妻(70歳)と2人暮らしである。脳血管障害後遺症による右片麻痺があり、車椅子への移乗は部分介助、要介護2である。排泄はポータブルトイレを利用している。Aさんと妻はなるべく家で過ごしたいと考え、自宅での介護はすべて妻が行っている。長女(会社員)が県内に在住しているがAさんの介護はしていない。訪問看護を週1回利用するのみで、他のサービスは利用していない。最近、妻の腰痛が悪化し、妻から訪問看護師に「主治医から介護の負担を軽減するように言われました。でも夫は家から出たくないし、私も夫をどこかに預けるのは不安です。どうしたらよいでしょうか」と相談があった。
Aさんは入院したが、状態が安定し入院後3日で退院することが決まった。長女が「父が退院したら、母の腰痛が心配なので、私が父のポータブルトイレへの移動を手伝いたいと思います。介助の方法を教えてください」と訪問看護師に相談があった。 訪問看護師が長女に指導するベッドからポータブルトイレへの移乗の介助方法で正しいのはどれか。
1: ポータブルトイレをAさんの麻痺側に設置する。
2: ベッドから立ち上がる際はAさんに前傾姿勢になってもらう。
3: Aさんの健側に立って介助する。
4: Aさんの向きを変えるときはズボンのウエスト部分を持つ。
Aさん(90歳、女性)は、認知症(dementi)で要介護3。デイサービスの送迎の際に、同居している娘から「食事は家族と同じものを食べていたのですが、昨日から下痢が続いています。発熱はなく、元気はあります」と看護師に話があった。デイサービスでは午前中に不消化便が1回あり、おむつ交換の際に、肛門周囲の発赤がみられた。Aさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 腹部マッサージを行う。
2: 経口補水液の摂取を促す。
3: 食物繊維を多く含む食事にする。
4: 石けんを使って肛門周囲を洗う。
Aさん(23歳、女性)。両親との3人暮らし。Aさんは大学受験に失敗して以来、自宅に引きこもりがちになった。1年前から手洗いを繰り返すようになり、最近では夜中も起き出して手を洗い、手の皮膚が荒れてもやめなくなった。心配した母親が付き添って受診したところ、Aさんは強迫性障害(obsessive-compulsive disorder)と診断された。母親は、Aさんについて「中学生までは成績優秀で、おとなしい子どもだった」と言う。Aさんには極度に疲労している様子がみられたことから、その日のうちに任意入院となった。
入院後、Aさんは主治医と話し合い、1日の手洗いの回数を決めたが、毎日その回数を超えて手洗いを続けている。看護師が確認するといつも洗面所にいる。 Aさんが決めた回数を超えて洗面所で手洗いを続けているときに、看護師がとる対応で適切なのはどれか。
1: 手洗いを続けてしまうことについてAさんと一緒に話し合う。
2: 病棟は清潔であることをAさんに説明する。
3: 主治医にAさんの隔離について相談する。
4: Aさんと決めた手洗いの回数を増やす。
A君(6歳、男児)は、父母と姉との4人で暮らしている。3歳児健康診査で運動機能の発達の遅延を指摘され、5歳のときに Duchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy)の確定診断を受けた。現在は、床からの立ち上がり動作に介助が必要である。見守りが必要ではあるが、室内の歩行は自立している。在宅支援サービスは利用していない。A君の外来受診時に母親から「最近、Aの世話をしていると、8歳の姉が私にしがみついて離れないので困ります」と看護師に相談があった。 このときの看護師の対応で最も優先されるのはどれか。
1: 姉の小学校の養護教諭に家庭訪問を依頼する。
2: 姉にA君の歩行の見守りをさせるよう勧める。
3: 短期入所を利用して父母と姉とで旅行するよう勧める。
4: 居宅介護を利用して母が姉と関わる時間を確保することを提案する。
80歳の男性のAさんは軽度の認知症(dementia)で、集合住宅で1人で暮らしている。喫煙習慣がある。生活環境の安全に関する訪問看護の活動で、毎回の訪問時に確認する必要があるのはどれか。2つ選べ。
1: 戸締り
2: 喫煙本数
3: 煙草(たばこ)の吸い殻処理
4: 浴室の換気システム
5: 預金通帳の保管場所
入所者または居住者が公的保険による訪問看護サービスを受けることができるのはどれか。2つ選べ。
1: 乳児院
2: 介護老人保健施設
3: 高齢者専用賃貸住宅
4: 介護療養型医療施設
5: 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
Aちゃん(6か月、女児)は両親と3人暮らし。母親と小児科外来に来院した。母親は「Aは昨日高さ30cmのソファから転落して泣いていました。今朝になっても痛いのか右手を動かさないので受診しました」と看護師に話した。看護師が身体計測のためAちゃんの服を脱がせると、顔面、頭部と体幹に最近できた紫斑と、生じてから時間が経った紫斑が複数あった。さらに、両足に多数の円形の熱傷痕があった。Aちゃんは身長66.5cm(50パーセンタイル)、体重6.0kg(3パーセンタイル未満)であった。母親は看護師に「Aは毎晩夜泣きをするし、夫もAにはイライラさせられています」と話した。看護師は虐待の可能性があると考えて対応することとし、母子分離を図ることとなった。
このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 虐待にあたることを伝える。
2: 乳児期に起こりやすい事故について説明する。
3: 児童相談所に通告することへの母親の同意を得る。
4: プライバシーを保護できる個室で話を聞くと伝える。
5: 母親の代わりに父親がA ちゃんに面会できると伝える。
Aさん(85歳、男性)は、 5年前に脳梗塞 (cerebral infarction) を発症し右片麻痺があり、要介護 3の認定 を受けた。Aさんの子どもは遠方に住んでおり、腰痛のある Aさんの妻(80歳)が 1 人で介護している。Aさんは、週 2日通所介護を利用している。
Aさんに優先されるサービスはどれか。
1: 訪問入浴介護
2: 夜間対応型訪問介護
3: 特定施設入居者生活介護
4: 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム