第107回午前第113問の類似問題

Aさん(47歳、男性)は、統合失調症(schizophrenia)で20年間精神病院に入院している。父親はすでに亡くなっており、80歳になる母親は病気がちのため、面会は年に1回程度である。Aさんは看護師の声かけに応じて、月に1回の病棟レクリエーションや週に2回の作業療法に参加している。それ以外の時間はほとんど病室のベッド上で寝て過ごしている。発病以来、薬物療法を続けており、時々飲み忘れることはあるが、ほぼ自己管理できている。病状は安定していることから、退院の話が出るようになった。

第100回午後:第116問

Aさんのベッド周囲の状況について同室者から看護師に苦情の訴えがあった。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: Aさんと話し合いながら整理・整頓(せいとん)を行う。

2: 同室者にAさんの病状について説明を行う。

3: Aさんの母親に連絡を取り、不要な物を持ち帰ってもらう。

4: 看護師が定期的にAさんのベッド周囲の整理・整頓(せいとん)を行う。

第105回午後:第36問

Aさん(56歳、男性)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症のためにリハビリテーションをしている。食事中に箸がうまく使えずイライラしている。 この状況で看護師が最も連携すべき専門職はどれか。

1: 精神保健福祉士

2: 社会福祉士

3: 理学療法士

4: 作業療法士

Aさん(88歳、男性)は、10年前に脳梗塞cerebral infarctionを発症し左半身麻痺の後遺症がある。杖歩行はでき、要介護2で介護保険サービスを利用中である。Aさんが最近食欲がなく、水分もあまり摂らず、いつもと様子が違うことを心配した妻がAさんに付き添って受診した。 身体所見:呼びかけに対して返答はあるが反応はやや遅い。麻痺の症状に変化はない。  バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数20/分、脈拍100/分、血圧140/60mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。 検査所見:赤血球410万/μL、白血球6,800/μL、Ht50%、総蛋白6.5g/dL、尿素窒素25mg/dL、Na150mEq/L、K3.8mEq/L、血糖値110mg/dL、CRP0.01mg/dL。胸部エックス線写真に異常なし。

第110回午後:第119問

Aさんは入院となり、点滴静脈内注射が開始された。入院当日の夜間、Aさんは「ここはどこか、家に帰る」などと言い、点滴ラインを触ったり杖を使わずにトイレに1人で行こうとしたりして落ち着かず、ほとんど眠っていなかったと夜勤の看護師から日勤の看護師に申し送りがあった。  日勤でAさんを受け持つ看護師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 時計をAさんから見える場所に置く。

2: 主治医にAさんの退院について相談する。

3: 日中はAさんにスタッフステーションで過ごしてもらう。

4: 点滴ラインがAさんの視界に入らないようにする。

5: 日中はAさんの病室の窓のカーテンを閉めておく。

第100回午後:第42問

Aさんに鎖骨下静脈から中心静脈カテーテルを挿入した。その直後、Aさんに呼吸困難が出現した。 最も優先される検査はどれか。

1: 胸部CT

2: 心電図(ECG)

3: 気管支鏡検査

4: 胸部エックス線撮影

第105回午前:第75問

Aちゃん(3歳、女児)は、病室で朝食を食べていた。そこに、医師が訪室して採血を行いたいと話したところ、Aちゃんは何も答えず下を向いて泣き始めた。その様子を見ていた看護師は、Aちゃんは朝食を中断して採血されるのは嫌だと思っているようなので、朝食後に採血して欲しいと医師に話した。 この看護師の対応の根拠となる概念はどれか。

1: アセント

2: コンセント

3: アドボカシー

4: ノーマライゼーション

5: ノンコンプライアンス

第106回午前:第66問

Aさん(42歳、女性)は、交通事故による脊髄損傷(spinal cord injury)で入院し、リハビリテーションを受けた。Aさんの排泄の状況は、間欠的導尿による排尿と、坐薬による3日に1回の排便である。同居する夫と実母が導尿の指導を受け、退院することになった。初回の訪問看護は退院後3日目とし、その後は訪問看護を週2回受けることになった。 入院していた医療機関から提供された患者情報のうち、初回訪問のケア計画を立案するのに最も優先度の高い情報はどれか。

1: 食事の摂取量

2: 1日の導尿回数

3: 最終排便の日時

4: リハビリテーションの内容

第110回午後:第66問

Aさん(69歳、女性)は、主治医、訪問看護師とともに、母(91歳)を自宅で看取った。死亡確認の直後、Aさんは涙ぐみながら「母のためにもっとできることがあったのではないかと申し訳なく思います」と話した。  このときに訪問看護師が行うAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 遺族の会を紹介する。

2: 母への思いを傾聴する。

3: 遺品を整理することを勧める。

4: 新たなことに取りかかるよう促す。

A さん(52 歳、女性、専業主婦)は、夫と 2 人の息子との 4 人で暮らしている。A さんは内向的な性格であり、順番にまわってきた町内会の役員を引き受けたことで悩むことが多くなった。 2 か月前から食欲不振と不眠が続いている。 1 か月前から家事ができなくなり、死んでしまいたいと言い始めたため、夫が付き添って精神科を受診したところ、うつ病 (depression) と診断された。

第104回午後:第111問

入院後 2 か月。A さんと夫は主治医と面接し、A さんは 2 週後に自宅への退院を目指すことになった。それ以来、A さんは積極的に病院から自宅への外出を繰り返すようになったが、夕方に外出から戻ってくるとすぐにベッドに入り臥床していることが多くなった。うつ病 (depression) の回復期にある A さんについて情報収集する項目で優先度が高いのはどれか。

1: 希死念慮の確認

2: 外出時の食事内容

3: 外出時の服薬状況

4: A さんの家庭の経済状況

A ちゃん(10 歳、女児)は、両親と 3 人で暮らしている。発熱と顔色不良とを主訴に受診し入院した。血液検査データは、Hb 7.5 g/dL、白血球 75,000/μL、血小板 4 万/μLであった。骨髄検査の結果、急性リンパ性白血病 (acute lymphocytic leukemia) と診断された。医師が両親と A ちゃんに対し、病名と今後の抗癌薬治療および入院期間について説明した。両親はショックを受けていたが現実を受け止め、今後の治療や入院生活について質問し、経済的な不安を訴えた。

第104回午後:第105問

入院後 4 か月。A ちゃんは治療が順調に進み、退院して外来で維持療法を行うことになった。今後、学校に通学する際の A ちゃんと母親に対する説明で適切なのはどれか。

1: 「体育は見学してください」

2: 「授業中はお母さんが付き添いましょう」

3: 「給食はみんなと同じものを食べてよいです」

4: 「日焼け止めクリームを塗って登校してください」

5: 「体育館での全校集会は参加しない方がよいです」

第108回午後:第41問

Aさん(48歳、男性)は、仕事中に生じた胸部と右肩の違和感を主訴に来院した。バイタルサインは安定しているが、スタンフォード分類B型の急性大動脈解離(acute aortic dissection)と診断され、医師から手術を勧められた。 治療の選択で迷っている様子のAさんへの対応で適切なのはどれか。

1: 「医師からの治療のリスクや合併症の説明で、不明な点はありますか」

2: 「手術を受けるか受けないか、すぐに決めたほうがよいです」

3: 「医師の判断に任せるのが一番よいと思います」

4: 「緊急度が高いので、話はあとにしましょう」

Aさん(30歳、初妊婦)は、夫( 32歳、会社員)と2人暮らし。身長は160cm、非妊時体重60kg である。妊娠8週の妊婦健康診査を受診し順調な経過と診断された。嘔吐はないが、時々嘔気があると訴え、対処法について質問があった。

第110回午前:第108問

Aさんは、妊娠34週4日の妊婦健康診査を受けた。Aさんの母は祖母の介護をしており、産後の支援を期待できない。妊婦健康診査後、「産後は夫と2人で子育てをしていきます。子育てのために何か利用できる制度はありますか」と相談があった。  産後、Aさんの夫が適用となる制度はどれか。

1: 育児休業

2: 育児時間

3: 休日労働の制限

4: 勤務時間の変更

Aさん(88歳、男性)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で、要介護5の認定を受けている。Aさんは意思を明確に表出できない。63歳の娘が介護を行っている。娘が食事形態を工夫して摂食の援助を行ってきたが、これまでにAさんは2回の誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)を起こしている。今回、3回目の誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)で入院し、低栄養状態を改善するための栄養管理方法の1つとして、医師が娘に胃瘻の造設を提案した。

第101回午前:第92問

Aさんは胃瘻を造設しないで、自宅で療養することになった。退院後に訪問診療と訪問看護とを受ける手続きをして退院した。退院後3日、訪問看護師はAさんの自宅を訪問した。 Aさんを援助するための情報で最も重要なのはどれか。

1: 身体活動性

2: 経口摂取の状況

3: 娘の調理の技術

4: 排泄介助の方法

5: 娘の胃瘻に関する知識

Aさん(57歳、男性)は、妻(55歳)と長女(28歳)の3人暮らし。4年前に直腸癌(rectal cancer)と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後、Aさんは直腸癌を再発し、治療を行ったが効果がなく、腹部のがん疼痛を訴えたため、疼痛をコントロールする目的で入院した。主治医からAさんと家族に余命4か月程度と告知され、Aさんは「痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない。自宅で好きなことをして過ごしたい」と話している。現在、Aさんはオキシコドン塩酸塩を1日2回内服し、痛みがなければ日常生活動作<ADL>は、ほぼ自立している。

第109回午前:第117問

退院後3か月。Aさんの食事や水分の摂取量は減り、徐々に傾眠傾向になってきた。Aさんの妻は訪問看護師に「少し怖いが、できればこのまま自宅で看ていきたい」と話した。Aさんを自宅で看取るための訪問看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 高カロリー輸液の開始を医師と相談する。

2: Aさんの清潔ケアは看護師が行うことを妻に伝える。

3: 今後起こりうるAさんの状態の変化を妻に説明する。

4: Aさんが亡くなるまで家族がそばを離れないように伝える。

第101回午前:第53問

Aさんは会議中に時々動悸を感じることがあるため受診した。安静時心電図に異常は認められなかった。 次に行う検査はどれか。

1: 運動負荷心電図

2: 動脈血ガス分析

3: 心臓カテーテル検査

4: Holter〈ホルター〉心電図

第108回午前:第76問

看護師Aが患者Bの点滴ボトルに薬剤を注入しているとき、新人看護師から患者Cについて相談を受けた。看護師Aが作業を中断し新人看護師に対応した後、患者Bの点滴ボトルに患者Cの名前を記入するというヒヤリハットが発生した。 この病棟の看護師長が行う再発防止策で適切なのはどれか。

1: 看護師Aに対策を考えさせる。

2: 看護師Aを注射の業務から外す。

3: 作業中断の対策を病棟チームで検討する。

4: 再発防止カンファレンスを1か月後に計画する。

Aさん(28歳、女性、外国籍)は3年前に日本人の夫と結婚し来日した。簡単な日本語を話せたため、来日した半年後からコンビニエンスストアでアルバイトを始めた。最近になり、夫は仕事で帰りが遅くなることが多くなった。Aさんが「お客さんが自分の悪口を言っている」と話したが、夫は気にしなかった。その後、アルバイト先の上司から「Aさんが奇声を発している」「ぶつぶつと独り言を言って歩き回っている」と夫に連絡があった。夫が病院に付添い精神科外来を受診し、統合失調症schizophreniaと診断されて入院となった。入院時、Aさんの髪は乱れ、誰かに見張られている気がすると怯えていた。

第111回午前:第119問

入院後、担当看護師は毎日面会に来ている夫の表情が気になり声をかけた。夫は「先生から統合失調症schizophreniaには様々な症状があるとお聞きしました。入院して妻は落ちつきましたが、これからどう接していけばいいのか悩んでいます」と話した。担当看護師はチームカンファレンスで夫の様子を伝え、主治医の判断で、夫に家族心理教育への参加を促すことになった。  担当看護師が夫に家族心理教育を勧める声かけで適切なのはどれか。

1: 「Aさんの症状と対応について学ぶことができます」

2: 「ご家族に参加して頂くことが退院の条件です」

3: 「家族同士の自助グループです」

4: 「匿名で参加できます」

Aさん(35歳、女性)は、昨年結婚し、夫(50歳)と2人暮らし。最近2か月で5kgの体重減少、首の違和感と息苦しさ、心悸亢進、不眠のため内科を受診した。触診で甲状腺の腫脹、超音波検査で甲状腺内に数か所の石灰化が認められたため、 甲状腺腫瘍(thyroid tumor)の疑いで大学病院に紹介された。 嗜好品:飲酒はビール700ml/日を週5日 趣  味:ジョギングとヨガ

第109回午後:第93問

Aさんは、手術後に甲状腺ホルモン製剤、カルシウム製剤、ビタミンD製剤の内服が開始され、手術後1週で退院することになった。A さんは「退院後の生活で気を付けることを教えてください。私は35歳ですし、夫と年が離れているため、できるだけ早く子どもが欲しいと思っています」と話している。看護師が行うAさんへの1か月後の受診までの生活指導で適切なのはどれか。

1: 「運動は控えましょう」

2: 「1年間は妊娠を控えましょう」

3: 「海藻類の摂取に制限はありません」

4: 「飲酒量は入院前と同じでよいです」

Aちゃん(2歳10か月、女児)は昨日から下痢と嘔吐を繰り返し、食事が摂れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎viral gastroenteritisによる中等度の脱水症dehydrationと診断され入院した。入院時、体温38.2℃、呼吸数36/分、心拍数136/分であった。3日前の保育所の身体計測では身長90cm、体重12.5kgであった。

第111回午後:第105問

入院2日。Aちゃんは、水様便は続いているが嘔吐はなくなった。付き添ってる母親は「Aは大泣きして、ストレスが溜まっているみたいです。アイスクリームを食べたいみたいです」と看護師に話した。  このときに看護師が母親に伝える内容で適切なのはどれか。

1: プレイルームで遊べること

2: アイスクリームを食べてよいこと

3: 個室隔離が明日、解除されること

4: Aちゃんの好きなおもちゃを自宅から持参してよいこと

5: Aちゃんが静かに過ごせるよう看護師の訪室を控えること

A さん(65 歳、男性、会社員)は、午後 2 時、会議の最中に急に発語しづらくなり、右上下肢に力が入らなくなったため、同僚に連れられて救急外来を受診した。既往歴に特記すべきことはない。来院時、ジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅰ- 3 、瞳孔径は両側 2.0 mm。呼吸数 18/分、脈拍 60〜80/分、不整で、血圧 176/100 mmHg。右上下肢に麻痺がある。午後 4 時、A さんの頭部 CT の所見で特に異常は認められなかったが、MRI の所見では左側頭葉に虚血性の病変が認められた。

第104回午後:第95問

A さんは心原性の脳梗塞 (cerebral infarction) と診断され、入院後に治療が開始された。入院後 5 日、意識レベルがジャパン・コーマ・スケール〈JCS〉Ⅱ-30 まで低下した。頭部 CT で出血性梗塞と脳浮腫とが認められ、気管内挿管・人工呼吸器管理を行い、マンニトールを投与してしばらく経過をみることになった。この時点の看護で適切なのはどれか。 2 つ選べ。

1: 電気毛布で保温する。

2: 瞳孔不同の有無を観察する。

3: 水分出納を正のバランスに管理する。

4: Cushing〈クッシング〉現象に注意する。

5: ベッドを水平位にして安静を維持する。

Aさん(47歳、男性)は、統合失調症(schizophrenia)で20年間精神病院に入院している。父親はすでに亡くなっており、80歳になる母親は病気がちのため、面会は年に1回程度である。Aさんは看護師の声かけに応じて、月に1回の病棟レクリエーションや週に2回の作業療法に参加している。それ以外の時間はほとんど病室のベッド上で寝て過ごしている。発病以来、薬物療法を続けており、時々飲み忘れることはあるが、ほぼ自己管理できている。病状は安定していることから、退院の話が出るようになった。

第100回午後:第117問

Aさんは、これまで1人暮らしの経験はなく、自宅への退院を希望している。母親は電話で、「帰ってくるのはいいけれど、自分も体がつらくて、息子の世話までできない。日中、息子が出掛ける場所があるとよいのですが」と話している。 Aさんに勧める社会資源として適しているのはどれか。2つ選べ。

1: 福祉ホーム

2: 精神科デイケア

3: ショートステイ

4: ホームヘルプサービス

5: 公共職業安定所〈ハローワーク〉