A 君( 5 歳、男児)は、先天性水頭症 (congenital hydrocephalus) で脳室-腹腔〈V-P〉シャントが挿入されている。定期受診の際、看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。
1: 頭囲
2: 聴力
3: 微細運動
4: 便秘の有無
呼吸困難を訴えて来院した患者の動脈血液ガス分析は、pH 7.32、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉72 Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉50 Torr、HCO3- 26.0 mEq/L であった。このときのアセスメントで適切なのはどれか。
1: 肺胞低換気
2: 過換気症候群 (hyperventilation syndrome)
3: 代謝性アシドーシス
4: 呼吸性アルカローシス
Aさん(30歳、初産婦)は妊娠39週3日で陣痛発来し、4時に入院した。その後、陣痛が増強して順調な分娩進行と診断されて、11時45分の診察で子宮口が8cm開大となった。看護師が12時に昼食を配膳にいくとAさんは額に汗をかいて、側臥位で「陣痛がつらくて何も飲んだり食べたりしたくありません」と言っている。陣痛発作時は強い産痛と努責感を訴え、目を硬く閉じて呼吸を止めて全身に力を入れている。
Aさんは16時15分、3,300gの男児を経腟分娩で出産した。Apgar〈アプガー〉スコアは1分後9点。胎盤娩出直後から凝血の混じった暗赤色の性器出血が持続している。この時点での出血量は600mL。臍高で柔らかい子宮底を触れた。脈拍90/分、血圧116/76mmHg。意識は清明。Aさんは「赤ちゃんの元気な泣き声を聞いて安心しました」と言っている。 このときの看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 子宮底の輪状マッサージを行う。
2: 膀胱留置カテーテルを挿入する。
3: 水分摂取を促す。
4: 全身清拭を行う。
Aくん(12歳、男子)は、5歳で気管支喘息(bronchial asthma)と診断され、抗アレルギー薬の服用と副腎皮質ステロイドの吸入をしている。アレルゲンはハウスダストである。Aくんは小学3年生までは、年に数回の中発作を起こし入院治療をしていた。その後は、月に1回の外来通院で症状はコントロールされ、入院することはなかった。小学6年生の冬に学校で中発作を起こし、学校に迎えに来た母親とともに救急外来を受診した。
救急外来受診時のAくんの状態で考えられるのはどれか。
1: 呼気の延長はない。
2: 坐位になることを好む。
3: 日常会話は普通にできる。
4: 安静時の呼吸困難感はない。
5: 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は90%である。
A 君( 8 歳、男児)は、携帯型電子ゲームやサッカーが好きである。A 君は宿題をしているときに、突然意識を失い、10 数秒持続する四肢の屈曲を伴うけいれんを起こした。その後、全身の筋肉の収縮と弛緩を繰り返すけいれんが 10 秒程度続き、A 君の呼吸は停止しチアノーゼが認められた。けいれんが終了し呼吸は回復したが、意識障害が持続していたため病院に救急搬送された。
A 君の意識は徐々に回復したが、健忘が認められる。頭部 CT 検査で頭部外傷は認められなかった。A 君は、てんかん (epilepsy) の疑いで入院した。A 君に対する検査で優先度が高いのはどれか
1: 脳波検査
2: 知能検査
3: 人格検査
4: 脳脊髄液検査
Aさん(38歳、初産婦)は、妊娠38週3日に2,900gの女児を正常分娩した。出産前は、Aさんは夫と2人で暮らしていた。引っ越して3か月であり、周囲に親しい知り合いや友人はまだいない。
産褥3日。子宮底の高さは臍下3横指にあり硬度良好であった。乳房は軽度緊満しており、乳汁分泌がみられる。体温37.0℃、脈拍76/分、血圧124/72mmHgであった。訪室時、Aさんは「体がなんとなくだるいです。理由もないのに涙が出てきます」と涙ぐんでいた。 Aさんの状態として考えられるのはどれか。
1: 産褥熱(puerperal fever)
2: 高血圧症(hypertension)
3: 産後うつ病(postpartum depression)
4: マタニティブルーズ(maternity blues)
Aさん(48歳、男性)は、直腸癌(rectal cancer)のため全身麻酔下で手術中、出血量が多く輸血が行われていたところ、41 ℃に体温が上昇し、頻脈となり、血圧が低下した。麻酔科医は下顎から頸部の筋肉の硬直を確認した。既往歴に特記すべきことはない。 この状況の原因として考えられるのはどれか。
1: アナフィラキシー
2: 悪性高熱症(malignant hyperthermia)
3: 菌血症(bacteremia)
4: 貧血
Aさん(35歳、男性)は1人暮らし。両親は他県に住んでいる。30歳のときに双極性障害bipolar disorderと診断され、これまでに4回の入退院を繰り返している。給料をインターネットゲームの利用料金で度々使い果たし、それが原因で両親と何度も口論になったことがある。仕事では同僚とトラブルを起こすたびに転職を繰り返しており、今回も同僚と口論になり自ら退職した。Aさんは「前の職場の同僚に嫌がらせをしてやる」と母親に電話をかけ、心配した両親が一緒に精神科病院を受診した。診察室では多弁で大きな声を出し、椅子を蹴るなどの行為がみられた。医師の診察の結果、入院して治療することになった。
入院時、AさんのBMIは29.5。この数日は食事をとっていなかった。入院後も興奮状態がおさまらず、壁に頭を打ちつけはじめたため、医師から抗精神病薬の点滴静脈内注射と身体的拘束の指示がでた。 身体的拘束中のAさんの看護で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 水分摂取は最小限にする。
2: 肺血栓塞栓症pulmonary thromboembolismを予防する。
3: 頻回に様子を見に来ることを伝える。
4: 身体的拘束の原因となった行為を一緒に振り返る。
5: 興奮状態が落ち着いたら看護師の判断で身体的拘束を解除する。
Aさん(50歳、男性、会社員)は半年ほど前から労作時に胸痛と呼吸困難感があり、狭心症angina pectorisと診断され内服治療を受けている。本日明け方から胸部に圧迫感があった。出勤途中に強い胸痛を自覚し、自ら救急車を要請した。救急外来到着時のバイタルサインは、体温35.8℃、呼吸数30/分、脈拍112/分、血圧96/52mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉93%(酸素2L/分)。意識は清明。12誘導心電図はV1~V4でST上昇、Ⅱ、Ⅲ、aVF でST低下がみられた。
心臓カテーテル検査の結果、Aさんは急性心筋梗塞acute myocardial infarctionと診断された。心係数2.4L/分/m2、肺動脈楔入圧20mmHgでForrester〈フォレスター〉分類Ⅱ群であった。 身体所見:両側下肺野で呼吸音が減弱しており、軽度の粗い断続性副雑音が聴取される。 心エコー検査:左室駆出率〈LVEF〉58% 胸部エックス線検査:心胸郭比〈CTR〉48% このときのAさんのアセスメントで適切なのはどれか。
1: 心拡大が認められる。
2: 肺うっ血が起きている。
3: 末梢循環不全が起きている。
4: 左心室の収縮力が低下している。
Aさん(32歳、経産婦)は、身長160cmで、非妊時体重は52kgであった。妊娠33週2日の妊婦健康診査では、体重59kg、血圧110/76mmHg、尿蛋白(-)、尿糖(-)、浮腫+、子宮底長は28cmである。胎児心拍の最良聴取部位は左臍棘線中央にあり、「最近、動くとおなかが頻繁に張ります。便秘がひどくなっているせいかもしれません」と言う。
妊娠36週0日の午前10時、Aさんは、子宮収縮が強くなったため入院した。Aさんは、午後3時に体温37.3度、脈拍86/分、血圧128/80mmHgであった。Aさんに分娩監視装置を装着した結果、陣痛周期4分、胎児心拍基線は150bpm、基線細変動があり、一過性徐脈はなかった。子宮口6cm開大で「陣痛のときに、いきみたい感じがでてきました」と言う。 この時点のアセスメントで適切なのはどれか。
1: 分娩第2期である。
2: 胎児心拍は正常である。
3: 母体に感染の徴候がみられる。
4: 努責を行うための指導が必要である。
Aさん ( 21歳、男性 )は、統合失調症 (schizophrenia)と診断され、入院してハロペリドールの投与が開始された。入院後 3日、 39.5℃の急激な発熱、発汗、筋固縮および意識障害を認めた。 Aさんの状態で考えられるのはどれか。
1: 昏迷
2: 悪性症候群 (malignant syndrome)
3: てんかん発作
4: 静座不能〈アカシジア〉
Aさん(29歳、初産婦)は、妊娠37週0日で2,780gの男児を正常分娩で出産した。出生後5分の児の状態は、心拍数150/分、四肢を屈曲させて啼泣している。顔面を清拭されると激しく啼泣し、全身はピンク色である。
出生後1時間。児の状態は、直腸温37.0℃、呼吸数40/分、心拍数120/分、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉96%(room air)、四肢冷感やチアノーゼを認めない。哺乳は開始していない。Aさんの経過は順調である。 このときの児への看護で適切なのはどれか。
1: ビタミンK2シロップを経口投与する。
2: 風通しの良いところに児を寝かせる。
3: 先天性代謝異常検査を行う。
4: 早期母子接触を行う。
A さん(79 歳、女性)は、癌の化学療法を受けていたが、脳出血 (cerebral hemorrhage) を起こし意識不明の状態になった。A さんの家族は回復する見込みはないと医師から説明を受けた。家族は A さんの延命を望んでおり、医師と今後の治療方針を決定する前に看護師に相談した。A さんの家族への対応で最も適切なのはどれか。
1: 医師に方針を決めてもらうよう伝える。
2: 病院の倫理委員会に判断を依頼するよう伝える。
3: A さんのアドバンスディレクティブ〈事前指示〉を確認するよう伝える。
4: 経管栄養法を開始することで A さんの身体の状態は維持できると伝える。
Aさん(29歳、初産婦)は、妊娠37週0日で2,780gの男児を正常分娩で出産した。出生後5分の児の状態は、心拍数150/分、四肢を屈曲させて啼泣している。顔面を清拭されると激しく啼泣し、全身はピンク色である。
産褥4日。Aさんは、血圧112/80mmHg、脈拍76/分、Hb11.2g/dL、Ht37.0%。子宮底を臍下4横指に硬く触れる。悪露は赤褐色で少量。凝血の混入や悪臭はない。乳房は緊満しており移行乳が分泌している。Aさんは「夜中も3 時間ごとくらいに授乳をするためほとんど眠れていません」と話している。表情は穏やかである。 Aさんのアセスメントとして適切なのはどれか。
1: 貧血である。
2: 産後うつ病postpartum depressionである。
3: 子宮復古は順調である。
4: 乳汁分泌が遅れている。
Aさん(75歳、女性)は、脂質異常症(dyslipidemia)と高血圧症(hypertension)で通院中で、定期受診のため、外来待合室で順番を待っていた。Aさんは、待合室の雑誌を取ろうと立ち上がり、歩こうとしたところ、右足が思うように動かず引きずって歩いた。外来看護師が声をかけると、Aさんは「らいじょうぶ」と返答したが、ろれつが回らなかった。
検査の結果、Aさんは左脳の運動野に脳梗塞(cerebral infarction)を発症していることが分かった。Aさんは3週間の入院治療を経て転院し、2か月間のリハビリテーションを行うことになった。転院先の医療機関に提供する情報で最も優先するのはどれか。
1: 診療情報提供書
2: 要介護認定の申請書
3: 医療相談員の相談記録
4: 使用中の車椅子の機種
5: 身体障害者手帳の申請書
A君(2歳6か月、男児)。両親との3人暮らし。脳性麻痺(cerebral palsy)と診断され、自力で座位の保持と歩行はできず専用の車椅子を使用している。話しかけると相手の目を見て笑顔を見せ、喃語を話す。食事はきざみ食でスプーンを使うことができるが、こぼすことが多く介助が必要である。排泄、清潔および更衣は全介助が必要である。
定期受診のため外来を受診した。バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数32/分、心拍数120/分、血圧108/48mmHg であった。両上肢と手関節は屈曲、両下肢は交差伸展し、背を反らしており、全身が緊張している。母親は看護師に「Aは、便は出ない日がありますが大体毎日出ています。時々夜遅くまで眠らない日がありますが日中は機嫌良くしています」と話した。 母親に指導すべき内容で優先度が高いのはどれか。
1: 感染予防
2: 筋緊張の緩和
3: 排便コントロール
4: 呼吸機能の悪化予防
5: 睡眠パターンのコントロール
人工呼吸器による陽圧換気によって生じるのはどれか。
1: 肺水腫(pulmonary edema)
2: 脳内出血(intracerebral hemorrhage)
3: 胃液分泌の低下
4: 心拍出量の低下
A君(11歳、男児)。喘息(asthma)発作のため救急外来に来院した。喘鳴が著明で、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%(roomair)、ピークフロー値45%である。 まず行うべきA君への対応で適切なのはどれか。
1: 起坐位を保つ。
2: 水分摂取を促す。
3: 胸式呼吸を促す。
4: 発作の状況を尋ねる。
Aさん(80歳、男性)は、脳梗塞(cerebral infarction)の治療のために入院した。Aさんは多弁であり「めがねをとってください」のことを「めとねをとってください」などと話す様子が観察される。 Aさんの症状で正しいのはどれか。
1: 錯語
2: 感情失禁
3: 喚語困難
4: 運動性失語
臓器の移植に関する法律における脳死の判定基準で正しいのはどれか。
1: 瞳孔径は左右とも3mm以上
2: 脳波上徐波の出現
3: 微弱な自発呼吸
4: 脳幹反射の消失
5: 浅昏睡