夜勤帯に、A看護師がスタッフステーションで抗菌薬の点滴静脈内注射を準備しているときに、発汗した患者から寝衣交換の依頼があり、別の患者から口渇で飲水したいという希望があった。直後に患者に装着されている人工呼吸器のアラームが鳴った。他の看護師は別の病室で重症者のケアをしている。 A看護師が最も優先すべきなのはどれか。
1: 点滴静脈内注射の準備
2: 発汗した患者の寝衣交換
3: 飲水を希望する患者への対応
4: 人工呼吸器を装着している患者の観察
成人の持続点滴静脈内注射のために選択される部位で最も適切なのはどれか。
1: 足背
2: 鼠径
3: 前腕内側
4: 肘関節付近
Aさん(52歳、男性、独身)は、銀行員。切除不能の大腸癌(colon cancer)と診断され、外来で抗癌薬の点滴静脈内注射を受けることになった。Aさんは「治療を受けながら仕事を続けたいのですが、どうすれば良いか教えてください」と外来看護師に相談した。 外来看護師が行うAさんへの助言で最も適切なのはどれか。
1: 「所属部署の変更を上司に申し出ましょう」
2: 「副作用が出てから対応を考えましょう」
3: 「会社の健康管理部門に相談しましょう」
4: 「有給休暇を使って治療を受けましょう」
在宅中心静脈栄養法〈HPN〉について適切なのはどれか。
1: 輸液ポンプは外出時には使えない。
2: 24 時間持続する注入には適さない。
3: 輸液の調剤は薬局の薬剤師に依頼できる。
4: 家族が管理できることが適用の必須条件である。
皮下埋込みポートを用いた在宅中心静脈栄養法<HPN>で適切なのはどれか。
1: 抜針して入浴することができる。
2: 24時間持続する注入には適さない。
3: 同居の家族がいることが必須条件である。
4: 外出時に輸液ポンプを使うことはできない。
A君(8歳、男児、小学3年生)は、父親(40歳、会社員)と母親(38歳、主婦)との3人暮らし。 多飲と夜尿を主訴に小児科を受診した。尿糖4+のため、1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)の疑いで病院に紹介され、精密検査を目的に入院した。A君は身長123cm、体重27.5kg(1か月前の体重は29.5 kg)。入院時のバイタルサインは、体温36.9℃、脈拍100/分、血圧98/42mmHg。随時血糖300mg/dL、HbA1c 9.3%、抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ<GAD>抗体陽性。尿糖4+、尿ケトン体3+。血液ガス分析pH 7.02であった。
入院後、インスリンの持続点滴静脈内注射が開始された。入院後3日に血糖値が安定し、インスリンの持続点滴静脈内注射が中止された。ペン型注射器によるインスリン療法が開始され、看護師は母親とA君に自己血糖測定とインスリン自己注射について説明した。A君は「自分で注射するなんてできない」と言ってインスリン自己注射の練習が進まない。A君への看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: インスリン自己注射の必要性を繰り返し説明する。
2: A君が納得するまで母親にインスリン注射をしてもらう。
3: インスリン自己注射ができるようになったら退院できると話す。
4: インスリン自己注射をしている同年代の糖尿病患児と話す機会を作る。
脳血管造影を行う患者の看護について適切なのはどれか。
1: 前日に頭部の剃毛を行う。
2: 検査中は患者に話しかけない。
3: 穿刺部末梢側の動脈の拍動を確認する。
4: 検査30分前まで食事摂取が可能である。
静脈血採血の方法で正しいのはどれか。
1: 駆血帯を巻いている時間は2分以内とする。
2: 針の刃面を下に向けて血管内に刺入する。
3: 静脈内に針を刺入したら強く内筒を引く。
4: 針を抜いてから1分程度の圧迫止血を行う。
成人の前腕に静脈留置針を穿刺するときの刺入角度で適切なのはどれか。
1: 10~20度
2: 30~40度
3: 50~60度
4: 70~80度
針刺し事故対策で最も適切なのはどれか。
1: 針刺し部位を消毒液に浸す。
2: 注射針のリキャップを習慣化する。
3: 事故の当事者を対象にした研修を行う。
4: 使用済みの針は専用容器に廃棄することを徹底する。
Aさん(56歳、男性)は、コンビニエンスストアの店長で自動車を運転して通勤している。不規則な生活が続き、ストレスが溜まることも多く、十分な睡眠がとれないこともあった。荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現し受診したところ、狭心症(angina pectoris)が疑われたため検査をすることになった。脂質異常症(dyslipidemia)の既往がある。
検査の結果、Aさんは労作性狭心症(angina of effort)と診断され、硝酸薬、カルシウム拮抗薬および抗血小板薬を内服することになった。その後、外来通院を続け、以前と同様に負荷のかかる作業もできるようになった。内服治療から1か月後、胸部の圧迫感が強くなり、時々左上腕から前腕にかけての放散痛も出現するようになったため、経皮的冠動脈形成術〈PCI〉を受けた。カテーテルは右大腿動脈から挿入されていた。 手術中から抗凝固療法を実施している。 手術直後の観察項目として適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 乏尿の有無
2: 皮膚の黄染
3: 出血の有無
4: 両足背動脈の触知
5: 刺部位の感染徴候
待機的に行う食道静脈瘤硬化療法について正しいのはどれか。
1: 全身麻酔下で行う。
2: 前日に下剤を内服する。
3: 治療後48時間の安静が必要である。
4: 治療翌日の朝から常食を開始する。
5: 治療後に胸部痛が出現する可能性がある。
脳血管造影を行う患者の看護について最も適切なのはどれか。
1: 前日に側頭部の剃毛を行う。
2: 検査 30 分前まで食事摂取が可能である。
3: 検査中は患者に話しかけない。
4: 穿刺部の末梢側の動脈の拍動を確認する。
1,500mLの輸液を朝9時からその日の17時にかけて点滴静脈内注射で実施する。20滴で1mLの輸液セットを用いた場合の1分間の滴下数を求めよ。ただし、小数点以下の数値が得られた場合には、小数点以下第1位を四捨五入すること。
Aさんは在宅療養をしており、皮下埋め込み式ポートから高カロリー輸液を間欠的に注入している。 訪問看護師がAさんに行う日常生活の指導内容として適切なのはどれか。
1: 穿刺針の固定は不要である。
2: 抜針した当日の入浴はできない。
3: 穿刺針は一般廃棄物として処理する。
4: 刺入部の発赤を認めた場合は訪問看護師に連絡する。
静脈血採血の穿刺時の皮膚に対する針の適切な刺入角度はどれか。
1: 10〜30 度
2: 35〜40 度
3: 55〜60 度
4: 75〜80 度
Aちゃん(6歳、女児)は、重症の新生児仮死で出生した。誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)で入退院を繰り返しているため、今回の入院で経鼻経管栄養法を導入し、退院後は週1回の訪問看護を利用することになった。現在は四肢と体幹の著しい運動障害があり、姿勢保持が困難で、移動および移乗は全介助である。声かけに笑顔はみられるが、指示に応じることはできない。
訪問看護師が行う母親への経管栄養法の指導で適切なのはどれか。
1: 注入する前に排便させる。
2: 注入中は側臥位を保つようにする。
3: カテーテルは毎日場所を変えて固定する。
4: 家族と同じ食事を流動食にして注入する。
腰椎転移のある食道癌(esophageal cancer)の患者。癌性疹痛にフェンタニル貼付剤を使用しているが、右下肢に神経因性疹痛が頻発している。1日に4〜6回レスキューとしてのモルヒネ注射薬を使用しており、入眠すると15秒程度の無呼吸がみられる。 緩和ケアチームで検討すべき対応はどれか。
1: 酸素吸入
2: 鎮痛補助薬の使用
3: モルヒネ注射薬の増量
4: フェンタニル貼付剤の増量
Aさん(88歳、男性)は、10年前に脳梗塞cerebral infarctionを発症し左半身麻痺の後遺症がある。杖歩行はでき、要介護2で介護保険サービスを利用中である。Aさんが最近食欲がなく、水分もあまり摂らず、いつもと様子が違うことを心配した妻がAさんに付き添って受診した。 身体所見:呼びかけに対して返答はあるが反応はやや遅い。麻痺の症状に変化はない。 バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数20/分、脈拍100/分、血圧140/60mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。 検査所見:赤血球410万/μL、白血球6,800/μL、Ht50%、総蛋白6.5g/dL、尿素窒素25mg/dL、Na150mEq/L、K3.8mEq/L、血糖値110mg/dL、CRP0.01mg/dL。胸部エックス線写真に異常なし。
Aさんは入院となり、点滴静脈内注射が開始された。入院当日の夜間、Aさんは「ここはどこか、家に帰る」などと言い、点滴ラインを触ったり杖を使わずにトイレに1人で行こうとしたりして落ち着かず、ほとんど眠っていなかったと夜勤の看護師から日勤の看護師に申し送りがあった。 日勤でAさんを受け持つ看護師の対応として適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 時計をAさんから見える場所に置く。
2: 主治医にAさんの退院について相談する。
3: 日中はAさんにスタッフステーションで過ごしてもらう。
4: 点滴ラインがAさんの視界に入らないようにする。
5: 日中はAさんの病室の窓のカーテンを閉めておく。
静脈血採血時に使用する器具の取り扱いで適切なのはどれか。
1: 真空採血管で採血する場合は素手で行う。
2: 抜針した採血針はキャップをして破棄する。
3: 針専用の廃棄容器は実施者の手の届く範囲に置く。
4: 針専用の廃棄容器は廃棄物が投入口まで達したら交換する。