第105回午前第88問の類似問題

第106回午後:第60問

Aさん(55歳、女性)は、夫と2人で暮らしている。進行性の多発性硬化症(multiple sclerosis)で在宅療養をしている。脊髄系の症状が主で、両下肢の麻痺、膀胱直腸障害および尿閉がある。最近は座位の保持が難しく、疲れやすくなってきている。排尿はセルフカテーテルを使用してAさんが自己導尿を行い、排便は訪問看護師が浣腸を行っている。夫は仕事のため日中は不在である。 Aさんの身体状態に合わせた療養生活で適切なのはどれか。

1: 入浴はシャワー浴とする。

2: 介助型の車椅子を利用する。

3: ベッドの高さは最低の位置で固定する。

4: セルフカテーテルはトイレに保管する。

Aさん(25歳、初産婦)は、正常な妊娠経過で妊娠 39週5日に3,100 gの児を分娩した。分娩所要時間 16時間 30分、出血量は 300 m l。会陰切開・縫合術を受けた。

第101回午後:第109問

産褥1日。Aさんは、体温 36.8 ℃、脈拍 78/分、血圧 116/70 mmHgである。排尿後の観察では、子宮底の位置は臍下1横指、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられる。会陰縫合部に発赤はないが、痛みがあるため円座を使用している。Aさんは「トイレに行きたい感じがはっきりしません」と言う。観察すると膀胱充満はみられなかった。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 「導尿しましょう」

2: 「お水をたくさん飲みましょう」

3: 「3、4時間ごとにトイレに行きましょう」

4: 「縫合部の痛みがなくなれば感覚が戻ってくるでしょう」

A さん(48 歳、専業主婦)は、夫と 2 人で暮らしている。月経周期が 35〜61 日と不規則となり、外来を受診した。診察時、A さんは「一人娘が結婚して遠方に住み、私の体調不良について話しにくく、つらいです。夫とは以前はよく一緒に出かけましたが、今は仕事で忙しく、私は家にいることが多いです」と話した。

第104回午前:第106問

医師は更年期障害 (climacteric disorder) と診断した。診察後、A さんは「どうしてこのような症状が出るのかしら」と看護師に尋ねた。A さんへの説明で適切なのはどれか

1: 「子宮が固くなったためです」

2: 「卵管が狭くなったためです」

3: 「卵巣の機能が低下したためです」

4: 「視床下部の機能が低下したためです」

Aさん(35歳、経産婦)は、妊娠中に妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus)と診断され、食事療法を行っていた。Aさんは、妊娠 39週3日に3,500 gの児を自然分娩した。分娩の所要時間は2時間 45分、出血量は 450 m l、第1度会陰裂傷のため縫合術を受けた。児の Apgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点であった。

第101回午後:第113問

分娩後6時間。Aさんは、体温 37.2 ℃、脈拍 64/分、血圧 126/68 mmHgである。子宮底の位置は臍高、子宮はやや軟らかく触れ、血性悪露が中等量みられる。下腹部痛はないが会陰縫合部の痛みが軽度ある。乳房に緊満はなく、乳腺開口は 2、3本である。 このときのAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 床上安静を勧める。

2: 下腹部に温罨法を行う。

3: 子宮底の輪状マッサージを行う。

4: 乳房の自己マッサージを指導する。

Aさん(40歳、初産婦)は妊娠経過に異常がなく、妊娠41週に陣痛発来した。分娩中に臍帯圧迫による胎児機能不全を認めたため緊急帝王切開になった。麻酔は、脊椎麻酔に硬膜外麻酔を併用した。出生した児の体重は3150g、アプガースコアは1分後7点、5分後9点であった。Aさんは、術中の経過に異常はなく、出血量400ml。術直後の検査でHb11.5g/dlであった。

第100回午後:第113問

術後1日目のAさんの状態は、体温37.2度、脈拍78/分、血圧110/62mmHgであり、腸蠕動音が聴取される。子宮底の位置は臍高では収縮は良好、血性悪露が中等量ある。硬膜外チューブが挿入されており、体動時に創部痛が軽度ある。 Aさんの術後1日目の看護で適切なのはどれか。

1: 禁食

2: 授乳の介助

3: ベッド上安静

4: 子宮底の輪状マッサージ

Aさん(34歳、男性)は、運送会社で配達を担当している。6か月前の職場の健康診断で、血圧142/90 mmHg と尿蛋白2+、尿潜血2+を指摘されたが放置していた。1週前、感冒様症状の後に紅茶色の尿がみられたため内科を受診した。血清IgA が高値でIgA腎症(IgA nephropathy)が疑われ入院した。

第105回午前:第96問

Aさんは退院後、仕事が忙しくなり一度も受診をせずに2年が経過した。2か月前から疲れやすくなったが、仕事のせいだと思い放置していた。1週前から息切れ、食欲不振および浮腫があり、昨日から眠気、悪心および嘔吐が出現したため外来を受診した。体温36.5 ℃、脈拍98/分、血圧238/112 mmHg であった。血液検査データは、尿素窒素100 mg/dL、クレアチニン12.0mg/dL、Hb 7.1 g/dL。胸部エックス線写真で心拡大と肺うっ血とが認められ入院した。 直ちに行われるのはどれか。2つ選べ。

1: 輸血

2: 血液透析

3: 利尿薬の内服

4: 胸腔ドレナージ

5: 降圧薬の点滴静脈内注射

第107回午前:第88問

Aさん(63歳、男性)。BMI24。前立腺肥大症(prostatic hyperplasia)のため経尿道的前立腺切除術を受け、手術後3日で膀胱留置カテーテルが抜去された。数日後に退院する予定である。 Aさんへの退院指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 散歩を控える。

2: 水分摂取を促す。

3: 長時間の座位を控える。

4: 時間をかけて入浴する。

5: 排便時に強くいきまないようにする。

第110回午後:第28問

膀胱癌bladder cancerについて正しいのはどれか。

1: 女性に多い。

2: 尿路上皮癌より腺癌が多い。

3: 経尿道的生検によって治療法を決定する。

4: 表在性の癌に対して膀胱全摘除術が行われる。

Aさん(32歳、初産婦)は妊娠39週4日に3,200gの男児を経腟分娩で出産した。分娩時に会陰切開縫合術を受けた。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後10点であった。分娩時の出血量200mL、分娩所要時間12時間30分であった。分娩室から病室に帰室する前に尿意を自覚したためトイレまで歩行し、排尿があった。

第111回午後:第107問

産褥2日、Aさんは、体温37.2℃、脈拍76/分、血圧112/80mmHg、子宮底を臍下2横指に硬く触れ、悪露は赤褐色で少量。会陰縫合部の発赤なし、腫脹なし。下肢の浮腫は認めない。乳房緊満があり、左右の乳頭に2本ずつ乳管が開通しており、初乳がにじむ程度に分泌している。Aさんは、看護師に会陰縫合部が痛くて歩きにくいと話している。  Aさんのアセスメントで適切なのはどれか。

1: 会陰縫合部の感染を起こしている。

2: 乳房の変化は産褥日数相当である。

3: 深部静脈血栓症deep vein thrombosisの疑いがある。

4: 子宮復古が遅れている。

Aさん(74歳、女性)は、右肺尖部癌(apical lung cancer)と診断され、外科的治療は困難で、外来で抗癌化学療法を実施していた。半年後、胸壁への浸潤が進行したため、抗癌化学療法目的で入院した。Aさんは5年前に夫を亡くしてからは1人暮らしをしており、入院前は、近所に住むAさんの娘が毎日訪問していた。

第101回午前:第95問

Aさんは抗癌化学療法を開始したが、副作用が強かったため、「治療をやめて家で過ごしたい」と希望し、退院した。退院後3日、訪問看護が開始された。 訪問看護師が今後注意すべきAさんの症状はどれか。

1: 構音障害

2: 聴力の低下

3: 片麻痺の出現

4: 上肢の強い痛み

Aさん(34歳、初産婦)は、夫(37歳、会社員)と2人暮らし。事務の仕事をしている。身長157cm、非妊時体重54kg。妊娠24週4日の妊婦健康診査時の体重58kgで4週前から1.5kg増加している。血圧128/88mmHg。尿蛋白( ± )、尿糖(ー)。浮腫( ± )。Hb 10g/dL、Ht 30%。子宮底長22.5cm、腹囲84cm。胎児推定体重700g。非妊時より白色の腟分泌物は多いが、搔痒感はない。

第108回午前:第108問

Aさんは夫に付き添われ、妊娠35週4日に妊婦健康診査を受けた。体重62kg、血圧126/76mmHg。尿蛋白(ー)、尿糖(ー)。浮腫( ± )。子宮底長30cm、腹囲88cm。Aさんは看護師に「膝の裏の血管が膨らんで、青く浮き出てきました。夕方になると足がだるくなり、夕食の準備のため立っているとつらくなります」と言う。 Aさんへの指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 「水分を控えましょう」

2: 「体重を減らしましょう」

3: 「ガードルを着用しましょう」

4: 「弾性ストッキングを着用しましょう」

5: 「寝るときは足を高くして横になりましょう」

第104回午前:第64問

高齢女性に生じやすい疾患と原因の組合せで正しいのはどれか。

1: 腟炎 (vaginitis) ──── 腟分泌物の酸性化

2: 外陰炎 (vulvitis)  ──── プロゲステロンの減少

3: 子宮脱 (uterine prolapse)  ──── 骨盤底筋群の筋力低下

4: 子宮体癌 (uterine corpus cancer)  ──── プロラクチンの増加

第104回午後:第69問

A さん(80 歳、女性)は、 1 人で暮らしている。内科と整形外科とを受診しているが、 2 週前から内服薬の飲み間違いがあり、主治医から訪問看護師に服薬管理の依頼があった。A さんがセルフケアを維持して内服するための訪問看護師の服薬管理の支援で最も適切なのはどれか。

1: 内服薬は薬局から訪問看護師が受け取る。

2: 自宅での内服薬の保管場所を分散する。

3: 内服指導を診療科ごとに依頼する。

4: 内服薬を 1 回分ごとにまとめる。

Aさん(40歳、男性)。入院時体重65kg。既往歴に特記すべきことはなく、全身状態は良好である。胃癌(gastric cancer)のため胃全摘出術を受けた。術中の出血量は 450mlで輸血はされなかった。術後1日、体温37.5℃、呼吸数24/分、脈拍120/分、血圧162/90mmHg。Hb14.8 g/dl。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(酸素吸入3l/分)。尿量50ml/時。創部のドレーンからは少量の淡血性排液がある。硬膜外持続鎮痛法が行われているが、創痛が強いため呼吸が浅く、離床はできていない。

第102回午前:第95問

術後1週から食事が開始されたが、毎食後に下腹部痛を伴う下痢があり、Aさんは「食事をするのが怖い」と訴えた。 看護師が確認する必要があるのはどれか。

1: 食後の体位

2: 1日の歩行量

3: 術前の食事の嗜好

4: 食事摂取の所要時間

Aちゃん5歳、(男児)は、2日前に39 ℃に発熱して両側の耳下腺部の痛みを訴えた。昨日から同部位の腫脹がみられ、頭痛を訴えている。夜間に嘔吐が4回あり、発熱と頭痛が持続したため、本日父親に連れられて来院し、髄膜炎(meningitis)の疑いで個室に入院した。通っている幼稚園には、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)(mumps) 罹患児が数名いる。 既往歴    :特記すべきことはない。 予防接種歴:年齢の定期接種はすべて済んでいる。おたふくかぜワクチンは未接種である。 家族歴    :両親は流行性耳下腺炎(mumps)罹患の既往がある。妹のBちゃん、(3歳)は、年齢相応の定期予防接種は済んでいるが、おたふくかぜワクチンは未接種である。また、流行性耳下腺炎(mumps)罹患の既往はない 。 身体所見  :体温39.2 ℃、項部硬直あり。両側耳下腺部の腫脹と圧痛あり。胸部聴診で異常なし。腹部は平坦で軟、圧痛なし。Kernig<ケルニッヒ>徴候あり。 検査所見  :白血球8,760/μL。血清アミラーゼ834 U/L (基準44~132)、CRP 0.1mg/dL。

第109回午後:第100問

Aちゃんに腰椎穿刺を行うことになった。看護師が検査の準備を始めると、Aちゃんは「何をするの?」と不安そうな表情をして尋ねてきた。看護師の適切な返答はどれか。

1: 「泣いちゃだめだよ」

2: 「気にしないでいいよ」

3: 「痛いことはしないよ」

4: 「背中にお注射するよ」

第110回午前:第40問

Aさん(63歳、男性)は、右肺癌lung cancerで化学療法を受けていたが、右腕を動かしたときに上腕から肩にかけて痛みが生じるようになった。検査を行ったところ骨転移が認められ、疼痛の原因と判断された。WHO3段階除痛ラダーに基づいてがん疼痛のコントロールを開始することになった。  この時点でAさんに使用する鎮痛薬で適切なのはどれか。

1: 非オピオイド鎮痛薬

2: 弱オピオイド鎮痛薬

3: 強オピオイド鎮痛薬

4: 鎮痛補助薬

Aさん(85歳、女性)は、1人暮らしで、他県に住んでいる長男家族がいる。腰部脊柱管狭窄症(lumbar spinal canal stenosis)と診断されているが、ゆっくりとした動作であれば日常生活が可能であり、畑で野菜をつくることを趣味としている。

第105回午後:第99問

Aさんは、買い物の途中で急に強い腰痛が出現して動けなくなり、入院した。入院後1日。腰痛は軽減したが「また痛くなりそうで怖い。家に戻りたいけど心配です」と話す。 看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 「痛くなれば、また入院して治療しましょう」

2: 「入院が長引くと、もっと動けなくなりますよ」

3: 「1人暮らしが心配なら息子さんと同居したらいかがですか」

4: 「自宅でも痛みが強くならないような生活の工夫を考えましょう」

Aさん(38歳、男性)。23時ころ、徒歩で来院した。Aさんは胸を押さえ苦しそうに待合室で座っており、救急外来の看護師が声をかけると、Aさんは日本語を少し話すことができ、外出中に急に胸が痛くなったと話した。Aさんは英語は話せないようだった。Aさんは日本語学校の学生であり、Aさんの指定した番号に電話したところ、Aさんの妻につながり、日本語でのコミュニケーションが可能であった。妻は1時間後に病院に到着できるということだった。この病院には、夜間にAさんの母国語を話せる職員はいなかった。

第107回午前:第113問

Aさんの妻が、Aさんの国民健康保険証を持って救急外来に到着した。妻から聴取した情報によると、Aさんは特に既往はないが、時々頭痛があり、母国で市販されていた鎮痛薬を常用していたとのことであった。心電図でST上昇が認められ、Aさんと妻は、医師から「入院して冠動脈造影〈CAG〉を受けないと命の危険があるかもしれない」と説明を受けた。しかし、Aさんは「たくさんの費用は支払えないし、学校を休むのが心配だ」と検査を受けることを拒んだ。 このときの救急外来の看護師の説明で優先されるのはどれか。

1: 検査の手順を説明する。

2: 学校は退学にならないことを説明する。

3: 宗教に応じた食事対応ができることを説明する。

4: 医療費は国民健康保険が適用されることを説明する。

Aさん(80歳、女性)は、数年前から腰痛に悩まされ、腰部脊柱管狭窄症(lumbar spinal canal stenosis)と診断されている。他に疾患はない。ADLは自立しているが、歩くと腰が痛むため活動は控えがちである。Aさんは夫と死別して1人で暮らしている。娘が1人いるが子育てのため、娘は毎日は手伝いに来られない。

第100回午後:第104問

Aさんは腰痛が激しくなり、娘と一緒に受診した。 痛みを起こさないための指導で適切なのはどれか。

1: 「腰をひねる運動が効果的です」

2: 「しゃがむときは、腰を曲げずに膝を曲げましょう」

3: 「物を持ち上げるときは、体から話して持ち上げましょう」

4: 「ベッドから起きあがるときは、まずあお向けになりましょう」

第103回午後:第48問

Aさん ( 56歳、男性 )は、進行結腸癌 (advanced colonic cancer)の術後に両側の多発肺転移が進行し、終末期 で在宅療養中であったが呼吸困難が増悪したため入院した。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は 95%であるが、安静時でも呼吸困難を訴え、浅い頻呼吸となっている。発熱はなく、咳嗽はあるが肺炎 (pneumonia)の併発はない。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 仰臥位を保つ。

2: 酸素投与は行わない。

3: モルヒネ塩酸塩の投与を検討する。

4: 安静を保つため訪室は最低限とする。