A さん(50 歳、男性)は、上腹部痛が突然出現したため、冷や汗をかき腹部を押さえながら家族と来院した。A さんは十二指腸潰瘍 (duodenal ulcer) の既往がある。このときに観察する徴候として最も適切なのはどれか。
1: Romberg〈ロンベルグ〉徴候
2: Blumberg〈ブルンベルグ〉徴候
3: Courvoisier〈クールボアジェ〉徴候
4: Trendelenburg〈トレンデレンブルグ〉徴候
Aさん(30歳、初産婦)は、正常分娩で児を出産した。第2度会陰裂傷を認め、会陰縫合術を受けた。分娩時間後に、分娩室から褥室へ帰室した。産褥1日のAさんのバイタルサインは、体温36.8 ℃、脈拍72/分、血圧118/70mmHgであった。子宮底は臍下1横指で、子宮は硬く触れ、血性悪露中等量、後陣痛がみられる。会陰縫合部の痛みはあるが発赤はない。乳房緊満(-)、乳管開口数は左右とも4、5本。「昨夜は興奮してなかなか眠れなかった」と言う。
産褥2日。Aさんから会陰縫合部の疼痛の増強はないが、離開の不安から排便ができないと訴えがあった。看護師は縫合部の異常がないことを確認した。Aさんは妊娠中の便秘はなかった。看護師の対応で優先度が高いのはどれか。
1: 産褥体操をAさんに勧める。
2: 水分を多く摂るようAさんに勧める。
3: 医師に緩下薬の処方について相談する。
4: 縫合部の離開の心配はないことをAさんに説明する。
Aちゃん(7歳、女児、小学1年生)は、3歳ころから夜間就寝中や保育所の昼寝の時に時々いびきがあり、保育所の友達に「Aちゃんがうるさくて眠れない」と言われた。母親が心配してAちゃんを小児科外来に連れて行った。その後、Aちゃんは外来で経過観察されてきたが、今年の4月から7月までの間に、急性扁桃炎(acute tonsillitis)を3回起こしていることや、睡眠時無呼吸がみられるようになったことから、8月中に扁桃腺摘出術を受けることになった。
手術後1日。Aちゃんはベッド上で、静かにぬり絵をして遊んでいたが、昼食時には黙って涙ぐみ、食事や水分も摂ろうとしない。付き添っている母親は「痛くて食べられないようです」と看護師に言った。Aちゃんのバイタルサインは、体温37.6 ℃、血圧100/60 mmHg。看護師がAちゃんの痛みを把握するのに最も適切な方法はどれか。
1: Aちゃんの表情を観察する。
2: 母親にAちゃんの痛みの様子を聞く。
3: Aちゃんに痛みの程度を話してもらう。
4: Aちゃんに痛みスケールを使って示してもらう。
Aさん(85歳、男性)は、5年前に発症した右脳梗塞の後遺症(cerebral infarction)のため、左半身麻痺がある。現在、療養病床に入院中である。右膝関節の軽度拘縮のため、ベッド上で過ごすことが多く、自力で体位変換をすることができない。全身の発汗が多く、便失禁と尿失禁とがあり、1日5回以上のオムツ交換を行っている。仙骨部に褥瘡を認め、創底の直径は5cm、創面は黄色、皮下脂肪組織までの欠損がある。毎日1回の褥瘡処置を行っている。現在のAさんは身長162cm、体重48kgである。
Aさん(85歳、男性)は、5年前に発症した右脳梗塞の後遺症(cerebral infarction)のため、左半身麻痺がある。現在、療養病床に入院中である。右膝関節の軽度拘縮のため、ベッド上で過ごすことが多く、自力で体位変換をすることができない。全身の発汗が多く、便失禁と尿失禁とがあり、1日5回以上のオムツ交換を行っている。仙骨部に褥瘡を認め、創底の直径は5cm、創面は黄色、皮下脂肪組織までの欠損がある。毎日1回の褥瘡処置を行っている。現在のAさんは身長162cm、体重48kgである。 肛門周囲の皮膚は湿潤しており暗赤色であった。 看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 殿部をアルカリ性石鹸で洗浄する。
2: 肛門周囲の皮膚に保護オイルを塗布する。
3: 肛門周囲の皮膚をマッサージする。
4: ベッドにウレタンマットレスを敷く。
A君(2か月、男児)は、1か月児健康診査で尿道下裂(hypospadias)の疑いを指摘され、小児科を受診した。検査の結果、遠位型尿道下裂(distal hypospadias)と診断された。主治医から母親に対し、体重の増加を待ち1歳前後で尿道形成術を行う必要性について説明があった。母親から看護師に対し「手術を受けるまでの間、どう過ごしたらよいですか」と質問があった。
A君は、手術を受けて1週が経過した。全身状態が安定したため、尿道カテーテルが抜去された。医師から母親に「3日間、経過を観察し、問題がなければ退院できます。退院1か月後に外来を受診してください」と説明があった。退院から外来受診までの日常生活の留意点に関して看護師が母親へ指導することになった。 指導で適切なのはどれか。
1: 「水分は控えましょう」
2: 「入浴は避けましょう」
3: 「1日1回導尿をしましょう」
4: 「腹ばいの姿勢は避けましょう」
総胆管結石(choledocholithiasis)による閉塞性黄疸(obstructive jaundice)と胆管炎(cholangitis)とを発症した患者に、内視鏡的経鼻胆道ドレナージ術を行った。ドレナージ術は問題なく終了し、術後24時間の経過は良好である。 正しいのはどれか。
1: 抗菌薬の投与は必要ない。
2: 血清ビリルビン値が低下する。
3: 尿の色が黄色から褐色に変化する。
4: ドレナージチューブをクランプする。
Aさん(57歳、男性)は、妻(55歳)と長女(28歳)の3人暮らし。4年前に直腸癌(rectal cancer)と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後、Aさんは直腸癌を再発し、治療を行ったが効果がなく、腹部のがん疼痛を訴えたため、疼痛をコントロールする目的で入院した。主治医からAさんと家族に余命4か月程度と告知され、Aさんは「痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない。自宅で好きなことをして過ごしたい」と話している。現在、Aさんはオキシコドン塩酸塩を1日2回内服し、痛みがなければ日常生活動作<ADL>は、ほぼ自立している。
退院後3か月。Aさんの食事や水分の摂取量は減り、徐々に傾眠傾向になってきた。Aさんの妻は訪問看護師に「少し怖いが、できればこのまま自宅で看ていきたい」と話した。Aさんを自宅で看取るための訪問看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 高カロリー輸液の開始を医師と相談する。
2: Aさんの清潔ケアは看護師が行うことを妻に伝える。
3: 今後起こりうるAさんの状態の変化を妻に説明する。
4: Aさんが亡くなるまで家族がそばを離れないように伝える。
Aさん(56歳、男性)は、化学療法後の血液検査にて好中球数300/mm3であった。 Aさんの状態で正しいのはどれか。
1: 入浴を控える必要がある。
2: 日和見感染症(opportunistic infection)のリスクが高い。
3: 口腔ケアには歯間ブラシを用いる必要がある。
4: 化学療法の開始前と比べリンパ球数は増加している。
Aさん(88歳、男性)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で、要介護5の認定を受けている。Aさんは意思を明確に表出できない。63歳の娘が介護を行っている。娘が食事形態を工夫して摂食の援助を行ってきたが、これまでにAさんは2回の誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)を起こしている。今回、3回目の誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)で入院し、低栄養状態を改善するための栄養管理方法の1つとして、医師が娘に胃瘻の造設を提案した。
Aさんは胃瘻を造設しないで、自宅で療養することになった。退院後に訪問診療と訪問看護とを受ける手続きをして退院した。退院後3日、訪問看護師はAさんの自宅を訪問した。 Aさんを援助するための情報で最も重要なのはどれか。
1: 身体活動性
2: 経口摂取の状況
3: 娘の調理の技術
4: 排泄介助の方法
5: 娘の胃瘻に関する知識
Aちゃん (生後 1か月、男児 )は、 2日前から嘔吐があり、昨日は噴水様嘔吐が 5回あったため外来を受診し入院した。 Aちゃんは体重 4,200 g、体温 36. 8℃、呼吸数 36/分、心拍数 120/分である。眼球結膜に黄染を認めない。上腹部に腫瘤を触知する。 Aちゃんの血液検査データは、赤血球 540万/μl、Ht 45%、白血球 10,100/μl、血小板 58.6万/μl、アルブミン 4.4 g/dl、Na 140 mEq/l、K 3.5 mEq/l、Cl 92 mEq/l、動脈血 pH 7.48であった。
Aちゃんは入院時にも胃液様の嘔吐がみられた。 Aちゃんの現在の状態で考えられるのはどれか。
1: 代謝性アシドーシス
2: 呼吸性アシドーシス
3: 代謝性アルカローシス
4: 呼吸性アルカローシス
順調に分娩が進行している産婦から「腟から水っぽいものが流れ、下着が濡れた」と看護師に訴えがあった。流出したものを確認すると、量は少量で、羊水特有の臭いを認めた。その時の産婦への対応で優先されるのはどれか。
1: 更衣を促す。
2: 体温を測定する。
3: 食事摂取を勧める。
4: 胎児心拍数を確認する。
Aさん(56歳、女性、主婦)は、胆石症 (cholelithiasis) と診断され、腹腔鏡下胆嚢摘出術予定で入院 した。 Aさんは身長 152 cm、体重 70 kgである。Aさんは、数年前に脂質異常症 (dyslipidemia) を指摘されたが、治療は受けていない。Aさんにその他の特記すべき既往歴はない
Aさんは、全身麻酔下で気腹法による腹腔鏡下胆嚢摘出術を受けた。手術中にAさんに最も生じやすいのはどれか。
1: 褥 瘡
2: 高体温
3: 無気肺 (atelectasis)
4: 脳梗塞 (cerebral infarction
Aさん(52歳、男性)は、5年前にC型肝炎(hepatitis C)、肝硬変(liver cirrhosis)と診断され、1回の入院歴がある。退院後、医療機関への受診を中断し3年が経過している。毎日、ウイスキーを約300mL飲んでいる。夕食の2時間後に約1,100mLの吐血があり、緊急入院となった。 身体所見:体温35.4℃、呼吸数26/分、脈拍122/分、血圧86/42 mmHg、顔面は蒼白、冷汗を認める。意識は清明だが不安げな表情をしている。 検査所見:赤血球278万/μL、Hb 8.4g/dL、総ビリルビン4.1mg/dL、アンモニア188μg/dL、K 3.9mEq/L、血糖102mg/dL。
入院から4日が経過し、Aさんは医師から「C型肝炎(hepatitis C)、肝硬変(liver cirrhosis)の患者は肝細胞癌(hepatocellular carcinoma)を発症することがある」と説明を受けた。Aさんはスクリーニングの目的で、肝臓から骨盤内臓器までの範囲で腹部超音波検査を受けることになった。 検査前日に看護師が行う説明で正しいのはどれか。
1: 「検査直前に排尿を済ませてください」
2: 「おならは検査が終わるまで我慢してください」
3: 「造影剤のアレルギーがあれば教えてください」
4: 「検査当日は、起床時から飲食物を摂取しないでください」
Aさん(82歳、男性)は、4年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症(dementia of Alzheimer type)の診断を受けた。要介護4で、1年前からグループホームで生活している。高血圧症(hypertension)に対して持続性カルシウム拮抗薬を内服している。他に治療を必要とする疾患は認められない。 1週前から夜はほとんど眠らず、居間のソファに腰かけたり、歩き回ったりする状態が続いている。昼間もベッドに横になることはない。食欲が低下してきたが、先月よりも体重は2kg増加している。
Aさんは直ちに救急車で病院に搬送され、治療を受けて症状は軽快した。入院後 1週が経過し、尿量が確保されていることを確認したため、入院直後から挿入していた膀胱留置カテーテルを抜去した。抜去3時間後、Aさんはグループホームの職員の名前を大声で呼び始めたため、病棟看護師が病室に行ってみると、Aさんはオムツを外して失禁していた。Aさんへの援助で適切なのはどれか。
1: 鎮静薬の使用を検討する。
2: 膀胱留置カテーテルを再度挿入する。
3: 排尿記録をつけ排尿パターンを把握する。
4: グループホームの職員に付き添いを依頼する。
Aちゃん(11歳、女児)。眼瞼浮腫がみられたため、眼科を受診し治療を受けたが改善しなかった。その後、Aちゃんと母親が下腿の浮腫に気付き眼科の医師に相談したところ、特発性ネフローゼ症候群(idiopathic nephrotic syndrome)を疑われたため、小児科のある病院を紹介され受診した。
Aちゃんは排尿回数が減少し、全身に浮腫が認められた。血圧は110/68mmHgであった。尿検査を行い、尿蛋白4袷であった。血液検査は、アルブミン1.3g/dL、総コレステロール350mg/dL、クレアチニン0.4mg/dL、Na130mEq/L、K4.5mEq/Lであった。特発性ネフローゼ症候群(idiopathic nephrotic syndrome)と診断され入院した。 Aちゃんが摂取を制限する必要があるのはどれか。
1: ナトリウム
2: カリウム
3: 蛋白質
4: 水分
5: リン
Aちゃん(2歳10か月、女児)は昨日から下痢と嘔吐を繰り返し、食事が摂れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎viral gastroenteritisによる中等度の脱水症dehydrationと診断され入院した。入院時、体温38.2℃、呼吸数36/分、心拍数136/分であった。3日前の保育所の身体計測では身長90cm、体重12.5kgであった。
Aちゃんにみられる状態はどれか。
1: 昏睡状態である。
2: 流涙は普段と変わらない。
3: 体重は3日前と変わらない。
4: 排尿頻度は普段通りである。
5: 皮膚のツルゴールは低下している。
Aさん(42歳、女性)は、2週前から腰痛と坐骨神経痛とを発症し整形外科で処方された鎮痛薬を内服している。帯下が増えて臭いもあるため婦人科を受診し、子宮頸癌(cancer of the uterine cervix)と診断された。 進行期を決めるためにAさんに行われる検査で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: ヒトパピローマウイルス検査
2: 小腸内視鏡検査
3: 腎盂尿管造影
4: 脊髄造影
5: CT