第104回午後第93問の類似問題

Aさん(72歳、女性)は、 1人で暮らしている。Aさんは 1年前に夫を亡くした後、近所付き合いが少なくなっていた。遠方に住む Aさんの息子が時々電話で様子を確認していた。最近は元気がなく、 Aさんの息子が心配して様子を見に来たところ、食事を食べた様子がなく、ごみは捨てられていなかった。 Aさんは発熱してぐったりしており、息子に連れられて病院を受診した。 Aさんは脱水状態の治療と抑うつ状態の疑いのため検査が必要であると判断されて入院した。Aさんの既往歴に特記すべきことはない。

第103回午前:第98問

入院後 1週間、Aさんの脱水状態は改善したが臥床していることが多い。 Aさんは排泄時、手すりを使用してトイレまで歩行しているが、着脱動作が緩慢で失禁することが多い。 Aさんへの排泄援助として最も適切なのはどれか。

1: オムツの着用を勧める。

2: トイレに近い病室に変更する。

3: 膀胱留置カテーテルの挿入を検討する。

4: ポータブルトイレをベッドの横に設置する。

A君(13歳、男子)。2週前から下腿の紫斑、腹痛、膝関節の疼痛が出現し、近くのクリニックを受診した。血尿および蛋白尿も認められたため、病院を紹介され受診した。既往歴および家族歴に特記すべきことはない。 身体所見:体温36.7 ℃、血圧110/66mmHg。意識清明。腹痛、浮腫なし。両膝関節の軽度の疼痛があるが、腫脹および発赤なし。両下腿に紫斑が散在している。 検査所見:血液所見:赤血球470万/μL、白血球5,600/μL、血小板21万/μL。プロトロンビン活性〈PT活性〉105%(基準値80〜120%)、活性化部分トロンボプラスチン時間〈APTT〉32.0秒(基準対照31.2秒)。クレアチニン0.56mg/dL、アルブミン3.7g/dL、CRP0.1mg/dL。補体価(CH50)41IU/mL(基準値30〜45IU/mL)、抗核抗体陰性。尿所見:蛋白3+、潜血2+、赤血球50〜99/1視野。

第107回午後:第104問

その後6か月間、A君は外来で経過観察となった。関節症状および紫斑は自然に消失したが、尿の異常と低蛋白血症は変わらず、その他の所見も変化がなかった。 A君の尿の異常の確定診断をするために最も重要な検査はどれか。

1: 腎生検

2: 咽頭培養

3: 腹部MRI

4: クレアチニンクリアランスの測定

Aさん(36歳、2回経産婦)は正常な妊娠経過で、妊娠37週2日に2600gの児を正常分娩した。分娩の所要時間は3時間40分、出血量は250ml、会陰裂傷はない。

第100回午後:第109問

産褥1日目、体温37.3度、脈拍70/分、血圧104/68mmHgである。子宮底の位置は臍下2横指、子宮は硬く触れ、血性悪露が中等量みられる。Aさんは「授乳後におなかが痛くなりました」と言う。 Aさんへの対応で適切なのはどれか。

1: 経過観察

2: 授乳の中止

3: 全粥食への変更

4: 下腹部の冷罨法

Aさん(82歳、男性)は、4年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症(dementia of Alzheimer type)の診断を受けた。要介護4で、1年前からグループホームで生活している。高血圧症(hypertension)に対して持続性カルシウム拮抗薬を内服している。他に治療を必要とする疾患は認められない。 1週前から夜はほとんど眠らず、居間のソファに腰かけたり、歩き回ったりする状態が続いている。昼間もベッドに横になることはない。食欲が低下してきたが、先月よりも体重は2kg増加している。

第101回午後:第100問

Aさんは廊下でうずくまっているところを発見された。肩呼吸をしており、四肢に冷感があり下肢の浮腫が強い。体温 36.1 ℃、脈拍 120/分、血圧86/50 mmHg、呼吸数40 /分であった。Aさんの状態で最も考えられるのはどれか。

1: 心不全(heart failure)

2: 上気道感染(upper respiratory infection)

3: 狭心症発作(angina pectoris)

4: 閉塞性呼吸障害(obstructive respiratory disorder)

Aさん(56歳、女性、主婦)は、胆石症 (cholelithiasis) と診断され、腹腔鏡下胆嚢摘出術予定で入院 した。 Aさんは身長 152 cm、体重 70 kgである。Aさんは、数年前に脂質異常症 (dyslipidemia) を指摘されたが、治療は受けていない。Aさんにその他の特記すべき既往歴はない

第103回午前:第96問

Aさんの術後の経過は良好で、退院の許可が出た。退院後の日常生活に関する説明で正しいのはどれか。

1: 「低蛋白食を摂取してください」

2: 「退院後 1週間、シャワー浴はできません」

3: 「脂肪分の多い食事で下痢をするかもしれません」

4: 「傷口が赤く腫れてきたら、消毒をしてください」

Aさん(47歳、女性、会社員)は、夫(54歳)と2人暮らし。6か月前から月経不順になり、閉経前の症状と思い様子をみていた。しかし、徐々に普段の月経時の出血量よりも多くなり、下腹部痛が出現してきたため、病院の婦人科外来を受診した。診察後、経腟超音波検査の指示が出され、看護師はAさんに検査について説明することになった。

第110回午後:第95問

Aさんは、経腟超音波検査で異常所見が認められ、その後の精密検査で子宮体癌uterine corpus cancerと診断されて準広汎子宮全摘出術と両側付属器(卵巣、卵管)切除術を受けた。術後の経過はよく、排尿障害もなく順調に回復していた。術後12日目のバイタルサイン測定時に「身体のほてりがあり、急に汗が出るようになったりして、夜もよく眠れません。そのためかイライラします」と看護師に訴えた。  Aさんに出現している症状の原因はどれか。

1: エストロゲンの減少

2: プロラクチンの減少

3: アンドロゲンの増加

4: オキシトシンの増加

5: プロゲステロンの増加

Aさん(71歳、女性)は、要介護1で、ベッドからの立ち上がりや入浴などに一部介助を必要とするが、歩行器で室内を移動できる。失禁することがあるため失禁用のパッドを装着している。Aさんは介護老人保健施設の短期入所〈ショートステイ〉を利 用している。入所した日の夕方から、水様便と嘔吐とがみられ、感染性胃腸炎(infectious gastroenteritis)が疑われてトイレ付きの個室に移動した。

第106回午前:第99問

発症から2日目の午後、Aさんの仙骨部に直径2cm程度のステージⅠの褥瘡が出現した。嘔吐は消失したが下痢が続き、2〜5時間ごとにトイレを使用している。 この時点の褥瘡に対する看護で最も優先されるのはどれか。

1: 壊死組織の除去

2: エアマットレスの使用

3: 撥水性の高いクリームの塗布

4: 亜鉛入りの栄養補助食品の摂取

在胎39週4日で、正常分娩で出生した児。出生体重3,000g、身長48.0cm。出生直後、児に付着していた羊水をふき取り、インファントラジアントウォーマーの下で観察を行った。体温37.5 ℃、呼吸数56/分、心拍数150/分、呼吸音は異常なし。看護師は観察を終え、温めておいたベビー服を着衣させ、同様に温めておいた寝具を用いて準備をしたコットに児を寝かせた。コットは壁際や窓辺を避け、空調の排気口からの風が当たらない場所に配置した。

第109回午前:第111問

生後3日。看護師が朝の観察を行った時の児の状態は、体温37.0℃、呼吸数40/分、心拍数130/分。体重2,680g。顔面と胸部の皮膚に黄染が認められる。その他の部位は淡紅色である。手関節と足関節の皮膚に落屑がある。尿は6回/日、便は2回/日で移行便である。児の状態で生理的特徴から逸脱しているのはどれか。

1: 体温

2: 呼吸数

3: 皮膚色

4: 体重減少率

5: 皮膚の落屑

第100回午後:第88問

2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus)の患者の胃全摘術後における管理で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 血糖値が安定するまでは、2~6時間ごとに血糖を測定する。

2: 1日1回ドレーンの排液の糖濃度を測定する。

3: 創の発赤を認めたら創感染を疑う。

4: 術後2日目に腸蠕動の低下を認めたら腸閉塞を疑う。

5: 排ガスが認められた日から全粥食(1600kcal)摂取が可能になる。

第100回午前:第46問

65歳の男性のAさんは上部消化管の内視鏡検査を受ける際、抗コリン薬を投与された。 看護師がAさんに行う説明で適切なのはどれか。

1: 検査直後から自動車を運転して帰宅できる。

2: 検査終了後の半日は飲食を禁止する。

3: 排尿困難を生じる可能性がある。

4: 腹痛が強くても下血がなければ様子をみる。

第105回午前:第72問

Aさん(60歳、男性)は、胃癌(gastric cancer)の手術目的で入院した。大動脈弁置換術を受けた既往があり、内服していたワルファリンをヘパリンに変更することになった。 確認すべきAさんの検査データはどれか。

1: PT-INR

2: 赤血球数

3: 白血球数

4: 出血時間

5: ヘモグロビン値

第103回午後:第61問

Aちゃん ( 3歳 0か月 )は、午後から 38.0℃の発熱があったが、食事は摂取でき活気があった。夜間になり、 3回嘔吐したため救急外来を受診した。来院時、 Aちゃんは傾眠傾向にあった。診察の結果、髄膜炎 (meningitis)が疑われ、点滴静脈内注射を開始し入院した。入院時、 Aちゃんは、体温 38.5℃、呼吸数 30/分、心拍数 120/分、血圧 102/60 mmHgであった。入院時の Aちゃんへの対応で最も優先度が高いのはどれか。

1: 冷罨法を行う。

2: 水平仰臥位を保つ。

3: 意識レベルを観察する。

4: 大泉門の状態を観察する。

Aさん(35歳、経産婦)は、妊娠中に妊娠糖尿病(gestational diabetes mellitus)と診断され、食事療法を行っていた。Aさんは、妊娠 39週3日に3,500 gの児を自然分娩した。分娩の所要時間は2時間 45分、出血量は 450 m l、第1度会陰裂傷のため縫合術を受けた。児の Apgar〈アプガー〉スコアは1分後8点、5分後9点であった。

第101回午後:第113問

分娩後6時間。Aさんは、体温 37.2 ℃、脈拍 64/分、血圧 126/68 mmHgである。子宮底の位置は臍高、子宮はやや軟らかく触れ、血性悪露が中等量みられる。下腹部痛はないが会陰縫合部の痛みが軽度ある。乳房に緊満はなく、乳腺開口は 2、3本である。 このときのAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 床上安静を勧める。

2: 下腹部に温罨法を行う。

3: 子宮底の輪状マッサージを行う。

4: 乳房の自己マッサージを指導する。

Aさん(30歳、初産婦、会社員)は、夫と2人暮らし。妊婦38週6日で3,200gの児を正常分娩した。分娩後から母子同室を開始しており、母乳育児を希望している。

第108回午前:第110問

産褥3日。Aさんの子宮底は臍下3横指、硬度は硬い。悪露は血性少量であった。乳房は左右とも全体的に硬く触れ、熱感と発赤があり痛みを訴えている。乳汁分泌状態は、乳管口は開口数左右5本ずつ、移行乳の分泌を認める。Aさんのバイタルサインは体温37.9℃、脈拍72/分、血圧108/60mmHgであった。 Aさんの状態として最も考えられるのはどれか。

1: 産褥熱(puerperal fever)

2: 子宮復古不全(sub-involution of the uterus)

3: 乳腺炎(mastitis)

4: 乳房緊満(breast fullness)

Aちゃん(生後3週)は、在胎40週、3,070gで出生した。生後5日で退院し、退院時の体重は3,080gであった。完全母乳栄養である。 現病歴:5日前から嘔吐があり、次第に哺乳のたびに噴水状に嘔吐するようになった。今朝も嘔吐があり、吐物は白色である。排尿もないため家族に連れられ来院した。Aちゃんは肥厚性幽門狭窄症hypertrophic pyloric stenosisが疑われ入院した。 身体所見:体重3,380g、体温36.7℃。脈拍120/分、整。血圧74/52mmHg。大泉門は陥凹、皮膚のツルゴールは低下、上腹部は軽度膨隆。 検査所見:白血球9,600/μL。Na131mEq/L、K3.4mEq/L、Cl86mEq/L、CRP0.1mg/dL。

第110回午後:第102問

入院後3日。Aちゃんは全身状態が安定し、全身麻酔下で腹腔鏡を用いた粘膜外幽門筋切開術(Ramstedt〈ラムステッド〉手術)を受けた。  術後の看護で適切なのはどれか。

1: 授乳前後の排気

2: 人工乳への変更

3: 予防接種の計画立案

4: 腸管の縫合不全の観察

第111回午後:第39問

52歳の女性が上腹部痛と吐血を主訴に受診し輸血を行うこととなった。  輸血時の対応で正しいのはどれか。

1: 赤血球製剤を30~37℃で融解する。

2: 血液型検査とクロスマッチ検査用の採血を同時に行う。

3: クロスマッチ検査の結果を医師と看護師で確認する。

4: 輸血開始から15分後にアレルギー反応の初回観察を行う。

Aさん(16歳、女子)は、両親と弟と4人で暮らしている。中学生の頃からモデルにあこがれてダイエットを始めた。高校に入ってからは、太ることへの恐怖から食べた後に吐いたり、緩下薬を服用することも多くなった。次第にやせが顕著になり、無月経となった。Aさんの状態を心配した母親に伴われ、心療内科を受診し、医師から入院治療を勧められ、Aさんは入院した。

第101回午前:第118問

入院時、Aさんの身長は 162 cm、体重は36 kg。体温 35.0 ℃。血圧 90/60mmHg。脈拍 56/分、不整。血液検査で最も注意すべきデータはどれか。

1: 尿酸

2: 血清カリウム

3: 中性脂肪

4: HbA1c

Aさん(28歳、初妊婦)は、夫(30歳、会社員)と2人暮らし。妊娠37週0日で妊婦健康診査のため来院した。身長160cm、体重62kg(非妊時体重54kg)。血圧122/74mmHg。Hb12.1g/dL、Ht36%。尿蛋白(-)、尿糖(-)。下肢に軽度の浮腫を認める。子宮底長32cm、推定胎児体重2,810g。Aさんは「1時間に、1時間に2、3回お腹が張ることがありますが、休んでいるとおさまります」と言う。

第109回午前:第107問

妊婦健康診査後、Aさんは「数日前から頻回に尿意を感じるようになり、夜間もトイレへ行くために目が覚め、よく眠れない」と看護師に訴えてきた。Aさんに排尿時痛および残尿感はない。Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 水分摂取を促す。

2: 骨盤底筋群の運動を促す。

3: 分娩後には改善する可能性が高いと説明する。

4: 睡眠薬の処方について医師に相談すると伝える。

Aさん (43歳、男性、会社員 )は、 1か月前に右頸部の腫瘤に気付き、自宅近くの診療所を受診し、大学病院を紹介された。検査の結果、 Aさんは、非 Hodgkin〈ホジキン〉 リンパ腫 (non-Hodgkin lymphoma)と診断され、縦隔リンパ節腫大による上大静脈の圧迫も確認され、化学療法導入のため入院した。 Aさんは「悪性リンパ腫と言われたときにはショックだったけど、化学療法は有効であると聞いて、頑張ろうと思っている」と話す。入院時、 Aさんは体温 37.5℃、呼吸数 18/分、脈拍 84/分、血圧 124/64 mmHgであった。血液検査データは、赤血球 302万/μl、Hb 10.3 g/dl、白血球 6,400/μl、総蛋白 7.6 g/dlであった。

第103回午後:第96問

治療は正午から開始され、午後 5時ころから胸やけと悪心が出現した。その後、 Aさんは制吐薬を追加投与され、症状は軽減した。それ以降、 Aさんに悪心・嘔吐はないが、翌日も食欲がなく、食事は 1/4程度の摂取であった。治療後 3日には症状が改善し、食事は全量摂取できた。 Aさんは「楽になったけど、やっぱりつらかった。思い出すだけでもちょっと気持ち悪くなる」と話す。治療後 3日までの状況を踏まえて、次回の治療時の対応で最も適切なのはどれか。

1: 治療前日の夕食を控えてもらう。

2: 治療薬の減量を医師に相談する。

3: 1日 1,000 mlの水分摂取を促す。

4: 病院食以外は食べないよう指導する。

5: 治療前の制吐薬の追加投与を検討する。

Aさん(34歳、初産婦)は、夫(37歳、会社員)と2人暮らし。事務の仕事をしている。身長157cm、非妊時体重54kg。妊娠24週4日の妊婦健康診査時の体重58kgで4週前から1.5kg増加している。血圧128/88mmHg。尿蛋白( ± )、尿糖(ー)。浮腫( ± )。Hb 10g/dL、Ht 30%。子宮底長22.5cm、腹囲84cm。胎児推定体重700g。非妊時より白色の腟分泌物は多いが、搔痒感はない。

第108回午前:第108問

Aさんは夫に付き添われ、妊娠35週4日に妊婦健康診査を受けた。体重62kg、血圧126/76mmHg。尿蛋白(ー)、尿糖(ー)。浮腫( ± )。子宮底長30cm、腹囲88cm。Aさんは看護師に「膝の裏の血管が膨らんで、青く浮き出てきました。夕方になると足がだるくなり、夕食の準備のため立っているとつらくなります」と言う。 Aさんへの指導で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 「水分を控えましょう」

2: 「体重を減らしましょう」

3: 「ガードルを着用しましょう」

4: 「弾性ストッキングを着用しましょう」

5: 「寝るときは足を高くして横になりましょう」