Aさん(83歳、女性)は1人暮らし。誤嚥性肺炎aspiration pneumoniaで入退院を繰り返していた。今回の退院後に、訪問看護が導入されることになり、退院前カンファレンスが行われた。 誤嚥性肺炎aspiration pneumoniaの再発を予防するために病棟看護師が訪問看護師に情報提供する内容で優先されるのはどれか。
1: 嚥下機能検査の判定結果
2: 栄養状態を示す検査データ
3: 入院中の日常生活動作〈ADL〉
4: 誤嚥性肺炎aspiration pneumoniaの治療に用いられた薬剤
Aちゃん(4歳、男児)は、昨夜の土砂災害によって両親とともに小学校の体育館に避難している。母親は自分の両親の安否が不明なため眠ることができなかった。また、落ち着きがなく感情的になっている。父親はずっと毛布をかぶって横になっている。
Aちゃんの母親は自分の両親と連絡がとれた。避難所生活5日目、親子3人で過ごすことが多くなってきた。Aちゃんの活気がなくなってきている。 地域の病院から派遣された看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 両親のAちゃんへの関わりを見守る。
2: Aちゃんと災害時のことを一緒に話す。
3: Aちゃんが他の子どもと遊べる機会をつくる。
4: 災害時の様子を絵に描くようAちゃんに勧める。
退院調整部署と連携しながら、ある患者の退院支援を進めることになった。 病棟看護師が行う支援として最も適切なのはどれか。
1: 経済問題への対応
2: 患者の希望の聴取
3: 介護保険制度の説明
4: 在宅のケアプラン立案
Aさん男性、(26歳、会社員)は、高校時代に自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)の診断を受け、外来通院をしながら仕事を続けていた。これまでの職場ではストレスが少なく、規則正しい生活ができていた。しかし、1か月前に新しい職場に異動になってから生活が不規則となり、数日前より無断欠勤が続いている。同居している家族に対して Aさんは「家にいると仕事のことばかり考えてしまい眠れない。食欲もないし、環境を変えてゆっくり休みたい」と話したため、Aさんは家族とともに精神科外来を受診し、休養目的で任意入院することになった。
看護師が入院時に聴取する情報で優先度が高いのはどれか。
1: 業務量の変化
2: 職場での人間関係
3: 最近1か月の生活状況
4: 無断欠勤に対する親の反応
Aさん(87歳、女性)は、 6年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症(dementia of Alzheimer type)を発症した。在宅で療養していたが、夫が介護に疲れたために施設に入所した。現在、長谷川式簡易知的機能評価スケール〈HDS-R〉10点、障害高齢者の日常生活自立度判定基準B-1である。下肢筋力や立位バランスの低下がある。自宅では自分で車椅子に移乗してトイレに行き排泄していた。尿失禁はなかった。入所直後、Aさんは表情が険しく落ち着きがなく、看護師が声をかけても応じない。自発的にトイレに行きたいという発言はなく、着衣を尿で汚染することが多いためトイレ誘導を行うことにした。
入所後2週。Aさんの表情は穏やかになり行動も落ち着くようになった。自発的に車椅子に乗り廊下を移動している。尿意はあるが、尿失禁が続いている。 尿失禁の状態を把握するために行う看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 排泄動作を全介助する。
2: 夜間は下着をオムツに変更する。
3: 尿失禁の不快感について質問する。
4: 廊下を移動中、トイレに行きたいのかを確認する。
Aさん(52歳、男性)は、49歳から高血圧症hypertensionで内服治療と食事や運動に関する生活指導を受けている。2か月間の予定で開発途上国に出張することになり、予防接種を受ける目的で渡航外来を受診した。Aさんから「渡航にあたって何か注意することはありますか」と質問があった。 Aさんへの看護師の説明で適切なのはどれか。
1: 「出張中は、減塩の必要はありません」
2: 「出張先では有酸素運動は控えましょう」
3: 「現地に到着してから健康診断を受診しましょう」
4: 「持参する高血圧症hypertensionの薬について、かかりつけ医に相談しましょう」
Aさん(47歳、女性、会社員)は、夫(54歳)と2人暮らし。6か月前から月経不順になり、閉経前の症状と思い様子をみていた。しかし、徐々に普段の月経時の出血量よりも多くなり、下腹部痛が出現してきたため、病院の婦人科外来を受診した。診察後、経腟超音波検査の指示が出され、看護師はAさんに検査について説明することになった。
Aさんはその後、順調に経過し退院した。退院後、初回の外来受診時に看護師がAさんに心配なことを尋ねると「退院のときも性生活の説明を聞きましたが、子宮がなくなって自分の身体がどう変化しているかわからないし、やっぱり性生活のことが気がかりです。夫も私の身体を気遣ってくれて、今日も一緒に病院に来てくれました」と語った。 Aさんへの性生活の説明で適切なのはどれか。
1: 術後1年までは性行為を控える。
2: 夫と別々に説明することを提案する。
3: 性行為再開後は避妊を続けてもらう。
4: 腟の乾燥に対して潤滑ゼリーを用いるとよい。
Aさん(35歳、女性)は、夫と7歳の息子、2歳の娘と4人で暮らしている。ある日、震度6強の地震が起こり、Aさんの家は半壊した。Aさんは倒れてきた家具の下敷きになるところだったが、何とか免れ、家族は全員かすり傷程度の怪我(けが)で済んだ。被災後、家族は避難所である小学校で生活をしている。
Aさんから、「また地震の日のような状態になってしまうことが不安です。大丈夫でしょうか」と看護師に相談があった。 Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 「すぐに受診をした方が良いと思います」
2: 「つらい体験は早く忘れるようにしましょう」
3: 「誰にでもよいので積極的に自分の体験を話してください」
4: 「気分転換にご主人と一緒に家の片付けなどしてはいかがでしょう」
5: 「強いストレスを体験したときには誰もがなり得る正常な反応です」
Aさん(19歳、女性)は、境界性人格〈パーソナリティ〉障害(borderline personality disorder)で入院している。病棟では、安全管理のため、個人用の爪切りをナースステーションで管理している。Aさんが自分の爪切りを使用した後、看護師が返却を求めると「主治医の先生は自分で持っていてもいいって言ったのよ」と攻撃的な口調で抵抗した。この日、主治医は不在であった。 Aさんへの対応として最も適切なのはどれか。
1: 「先生はそのようなことは言わないと思います」
2: 「先生は不在なので、私の指示に従ってください」
3: 「病棟の安全が守れないので退院していただきます」
4: 「先生に確認がとれるまで、こちらでお預かりします」
A君( 8歳、男児 )は、頭痛、食欲不振、全身倦怠感、肉眼的血尿および両眼瞼の浮腫を主訴に病院を受診した。 1か月前に扁桃炎 (tonsillitis)に罹患した以外は既往歴に特記すべきこ とはない。扁桃炎 (tonsillitis)は抗菌薬を内服し軽快した。血液検査の結果、 溶連菌感染後急性糸球体腎炎 (poststreptcoccal acute glomerulonephritis)と診断されて入院した。入院時、 A君は体温 36.8℃、呼吸 数20/分、脈拍は 80/分、整で血圧 132/80 mmHgであった。
A君の入院時の看護計画で適切なのはどれか。
1: 水分摂取を促す。
2: 背部の冷罨法を行う。
3: 1日 3回の血圧測定を行う。
4: 食事の持ち込みを許可する。
Aさん(85歳、女性)は、 1人で暮らしており、高血圧症 (hypertension) がある。物忘れがあり、 要支援 2の認定を受け、通所介護と訪問看護を利用している。 Aさんの長女は他県に住んでいる。 Aさんの健康状態を維持するために訪問看護師が行う支援で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 服薬管理の支援を行う。
2: 水分の摂取状況を把握する。
3: 入浴は控えるよう助言する。
4: Aさんの長女に同居を勧める。
5: 1人で買い物に行かないように助言する。
Aさん(76歳、女性)は、長女(46歳、会社員)との2人暮らし。Aさんは5年前に2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus)と診断された。1年前から血糖測定とインスリン自己注射を朝1回行っている。炊事は主にAさんが担当している。Aさんは、長女の帰宅に合わせて夕食を摂るため、夕食時間にばらつきがある。定期の外来受診時にAさんは「時々汗が出て手が震えることがあります」と外来看護師に相談した。Aさんのバイタルサインは、体温36.4℃、脈拍74/分、血圧128/80mmHg。身長154cm、体重68kgである。
6か月後の外来受診時に、同席していた長女が「甘い物ばかり食べる母を叱ってしまいます」と外来看護師に話した。Aさんは黙って話を聞いていた。前回の受診から低血糖症状はなく、体重は3kg増加した。Aさんは日中テレビを観て過ごしていることが多い。 外来看護師が別室で長女に提案する内容で最も適切なのはどれか。
1: 「糖尿病食の作り方を覚えましょう」
2: 「厳しいことを言わないようにしましょう」
3: 「甘い物をAさんから見えない場所に置きましょう」
4: 「甘い物を食べてしまうAさんの気持ちを聞いてみましょう」
A さん(14 歳、男子、中学生)は、両親と弟( 7 歳)との 4 人で暮らしている。Duchenne〈デュシェンヌ〉型筋ジストロフィー (Duchenne muscular dystrophy) で 2 年前に誤嚥性肺炎 (aspiration pneumonia) を繰り返し、経鼻経管栄養法と在宅酸素療法とを開始した。その後、呼吸障害が進行し、非侵襲的陽圧換気による呼吸管理目的で入院した。A さんは「特別支援学校に戻って友達に会いたい。夜に使うマスクに早く慣れたい」と訴えた。A さんは自宅に戻って訪問看護を利用する予定である。身体障害者手帳(肢体不自由 1 級)が交付されている。
退院後 1 週。夜間に落雷による停電が起こった。A さんの父親から「まだ停電は続いていますが人工呼吸器は動いています。私は今から何をすればいいでしょうか」と慌てた様子で訪問看護師に電話があった。この時点の訪問看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 「救急車で病院に行きましょう」
2: 「主治医に連絡をとりましょう」
3: 「用手換気に切り替えましょう」
4: 「主電源を外部バッテリーに切り替えましょう」
Aさん(74歳、女性)は、右肺尖部癌(apical lung cancer)と診断され、外科的治療は困難で、外来で抗癌化学療法を実施していた。半年後、胸壁への浸潤が進行したため、抗癌化学療法目的で入院した。Aさんは5年前に夫を亡くしてからは1人暮らしをしており、入院前は、近所に住むAさんの娘が毎日訪問していた。
入院後、呼吸苦と前胸部の痛みに対して、緩和ケアチームが関わることを主治医がAさんに提案した。その後、Aさんは病棟看護師に「私は末期ではないのになぜ緩和ケアを受けるのですか」と尋ねた。 病棟看護師の説明で適切なのはどれか。
1: 「有効な治療方法がないので緩和ケアに切り替えましょう」
2: 「痛みが我慢できるなら緩和ケアを受ける必要はないですね」
3: 「緩和ケアは病気の段階とは関係なくつらい症状を緩和するものです」
4: 「痛みを軽減するための麻薬が処方できるのは緩和ケアチームの医師に限られるからです」
Aさん(90歳、女性)は、認知症(dementi)で要介護3。デイサービスの送迎の際に、同居している娘から「食事は家族と同じものを食べていたのですが、昨日から下痢が続いています。発熱はなく、元気はあります」と看護師に話があった。デイサービスでは午前中に不消化便が1回あり、おむつ交換の際に、肛門周囲の発赤がみられた。Aさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 腹部マッサージを行う。
2: 経口補水液の摂取を促す。
3: 食物繊維を多く含む食事にする。
4: 石けんを使って肛門周囲を洗う。
Aさん(75歳、女性)は、脂質異常症(dyslipidemia)と高血圧症(hypertension)で通院中で、定期受診のため、外来待合室で順番を待っていた。Aさんは、待合室の雑誌を取ろうと立ち上がり、歩こうとしたところ、右足が思うように動かず引きずって歩いた。外来看護師が声をかけると、Aさんは「らいじょうぶ」と返答したが、ろれつが回らなかった。
検査の結果、Aさんは左脳の運動野に脳梗塞(cerebral infarction)を発症していることが分かった。Aさんは3週間の入院治療を経て転院し、2か月間のリハビリテーションを行うことになった。転院先の医療機関に提供する情報で最も優先するのはどれか。
1: 診療情報提供書
2: 要介護認定の申請書
3: 医療相談員の相談記録
4: 使用中の車椅子の機種
5: 身体障害者手帳の申請書
Aさん ( 42歳、男性 )は、血尿を主訴に泌尿器科を受診した。診察の結果、 Aさんは膀胱鏡検査を受けることになった。 Aさんへの検査についての説明で適切なのはどれか。
1: 「入院が必要です」
2: 「前日は夕食を食べないでください」
3: 「局所麻酔で行います」
4: 「終了後は水分の摂取を控えてください」
Aさん(80歳、女性)は、肺炎(pneumonia)で入院して持続点滴中である。消灯時、訪室すると「体がだるくて眠れない」と訴えている。 Aさんへの入眠に向けた援助で最も適切なのはどれか。
1: テレビをつける。
2: 足浴を実施する。
3: そのまま様子をみる。
4: 睡眠薬を処方してもらう。
Aさん ( 50歳、男性 )は、アルコール依存症 (alcohol dependence)のために断酒目的で入院した。入院前日の夜まで毎日飲酒をしていたと話している。入院当日に優先的に行うのはどれか。
1: 抗酒薬の説明を行う。
2: 断酒会への参加を促す。
3: 振戦の有無を確認する。
4: ストレス対処行動を分析する。
Aさん(52歳、男性)は、 2か月で体重が7kg減少した。 2か月前から食事のつかえ感があるため受診した。検査の結果、胸部食道癌(thoracic esophageal cancer)と診断され、手術目的で入院した。
その後、順調に回復し、術後3週目に退院する予定となった。退院後の食事の指導で適切なのはどれか。
1: 「蛋白質を控えた食事にしてください」
2: 「食事は1日3回にしてください」
3: 「食事は時間をかけて食べてください」
4: 「食事の前にコップ1杯の水分を摂(と)るようにしてください」
5: 「食後は横になって過ごしてください」