在宅看護の原則として正しいのはどれか。
1: 療養者の自己決定を尊重する。
2: 日常のケアは看護師が中心に行う。
3: 居室の環境整備は医療者の意向を優先する。
4: 介護保険の導入は介護支援専門員が決定する。
看護師と患者の信頼関係の構築において最も考慮すべき要素はどれか。
1: 病院の方針
2: 看護師の思い
3: 患者の価値観
4: 家族の経済状況
訪問看護ステーションの管理・運営について正しいのはどれか。
1: 事務所を設置する必要はない。
2: 訪問看護の利用回数の調整は市町村が行う。
3: 利用者が希望すれば訪問看護の記録を開示する。
4: 利用者とのサービス契約後に重要事項を説明する。
Aちゃん(1歳2か月、女児)は、在胎38週2日、2,300g、新生児仮死状態で出生し、NICUで全身管理が行われた。人工呼吸器は3週後に離脱できたが、咳嗽反射が弱く嚥下障害がみられた。追視がなく、痙直性の四肢麻痺がみられるようになり、生後8か月で脳性麻痺と診断された。1歳の時点で小児病棟へ転棟し、退院に向けた準備を行っている。現在、身長と体重は年齢相当で、鼻腔から経管栄養を行っており、日常的に口腔内吸引が必要である。Aちゃんは第1子で、父親は会社員、母親は専業主婦である。
母親は経管栄養と口腔内吸引とを1人で実施できるようになったが、「退院したら、昼間、Aと2人だけで過ごすのは心配です。Aの具合が悪いときにはどうしたら良いのでしょう」と話す。 Aちゃんが在宅療養に移行するために検討する内容で優先度が高いのはどれか。
1: 保育所への入所
2: 訪問看護の依頼
3: 家事支援のヘルパーの依頼
4: 地域の子育てグループへの参加
患者と看護師との協働について適切なのはどれか。
1: 患者が目標達成できるよう支援する。
2: 治療に関する情報は看護師が占有する。
3: 看護計画は看護師の視点を中心に立案する。
4: ケアは看護師の業務予定に基づき実施する。
看護過程における情報収集で適切なのはどれか。
1: 既往歴は情報に含めない。
2: 看護計画立案後も情報収集を継続する。
3: 看護問題を特定してから情報収集を開始する。
4: 不安の内容はclosed question〈閉じた質問〉で情報収集する。
要介護者に対し、看護・医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行うのはどれか。
1: 介護老人保健施設
2: 短期入所生活介護
3: 保健センター
4: 有料老人ホーム
Aさん (32歳、男性、会社員 )は、 2年前にうつ病 (depression)による入院歴がある。 Aさんは仕事中に「新しい営業戦略を考えついた」と上司に大声でまとまりのない話を続け、止めようとすると激怒するようになった。会社から連絡を受けたAさんの両親に付き添われて精神科を受診したところ、 Aさんは双極性障害 (bipolar disorder)と診断され入院した。
入院後 1週間が経過し、 Aさんの食事摂取量は増えたが、他の患者への過度な干渉や、自宅への頻繁な電話は続いている。 Aさんは「以前は仕事をしすぎて疲れただけで病気ではない。今すぐ退院して仕事に戻りたい」と話しているが、主治医は退院を許可していない。看護師の対応で適切なのはどれか。
1: Aさんの上司に配置転換を相談する。
2: Aさんに入院前の言動の問題点を指摘する。
3: Aさんの両親に入院の継続を説得してもらう。
4: Aさんと現時点で可能なことや困難なことを確認する。
Aさん(52歳、女性)は、未婚で1人暮らしである。近くに親戚はいない。物が握りにくい、細かい作業ができないという症状があり、精密検査のため入院したところ、筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉(amyotrophic lateral sclerosis )と診断された。
Aさんは、球麻痺症状はなく、上肢の運動障害があるが、歩行は自立している。退院調整看護師が病室で面談したところ「これからどのようになっていくのか分からない」と不安そうに訴えた。Aさんは在宅サービスの必要性を感じていなかったが、退院調整看護師は訪問看護の利用を勧め、Aさんは同意した。訪問看護に依頼する内容で、優先度が高いのはどれか。
1: 入浴の介助
2: 疾病受容の支援
3: 呼吸機能の評価
4: 上肢のリハビリテーション
介護保険制度における施設サービスはどれか。
1: 介護医療院サービス
2: 小規模多機能型居宅介護
3: サービス付き高齢者向け住宅
4: 認知症対応型共同生活介護〈認知症高齢者グループホーム〉
終末期の癌患者の在宅ケアで正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 家族の悲嘆のケアも含まれる。
2: 訪問看護は介護保険の適用である。
3: 夜間・休日を含めた連絡体制を整える。
4: ADLが自立している患者は対象とならない。
5: 主治医は在宅療養支援診療所の医師に限られる。
Aさん男性、(26歳、会社員)は、高校時代に自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)の診断を受け、外来通院をしながら仕事を続けていた。これまでの職場ではストレスが少なく、規則正しい生活ができていた。しかし、1か月前に新しい職場に異動になってから生活が不規則となり、数日前より無断欠勤が続いている。同居している家族に対して Aさんは「家にいると仕事のことばかり考えてしまい眠れない。食欲もないし、環境を変えてゆっくり休みたい」と話したため、Aさんは家族とともに精神科外来を受診し、休養目的で任意入院することになった。
入院中のAさんは、面会や検査等の予定が急に変更になると混乱し、看護師に対して予定を繰り返し確認することがあった。このときのAさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 文字や図を用いて説明する。
2: 確認を繰り返す理由を尋ねる。
3: 複数の情報を同時に提供する。
4: 状況を考えて行動するよう説明する。
要介護2と認定された高齢者の在宅療養支援において、支援に関与する者とその役割の組合せで適切なのはどれか。
1: 介護支援専門員 ──── 家事の援助
2: 市町村保健師 ──── 居宅サービス計画書の作成
3: 訪問看護師 ──── 日常生活動作〈ADL〉の向上のための訓練
4: 訪問介護員 ──── 運動機能の評価
健康保険法による訪問看護サービスで正しいのはどれか。
1: サービス対象は75歳以上である。
2: 訪問看護師が訪問看護計画を立案する。
3: 要介護状態区分に応じて区分支給限度基準額が定められている。
4: 利用者の居宅までの訪問看護師の交通費は、診療報酬に含まれる。
Aさん(35歳、男性)は1人暮らし。両親は他県に住んでいる。30歳のときに双極性障害bipolar disorderと診断され、これまでに4回の入退院を繰り返している。給料をインターネットゲームの利用料金で度々使い果たし、それが原因で両親と何度も口論になったことがある。仕事では同僚とトラブルを起こすたびに転職を繰り返しており、今回も同僚と口論になり自ら退職した。Aさんは「前の職場の同僚に嫌がらせをしてやる」と母親に電話をかけ、心配した両親が一緒に精神科病院を受診した。診察室では多弁で大きな声を出し、椅子を蹴るなどの行為がみられた。医師の診察の結果、入院して治療することになった。
入院後2か月、Aさんの状態は落ち着き、退院に向けての準備が進められている。Aさんは、「会社で同僚と言い合いになってこれまでも仕事を変わってきた。そのたびに調子が悪くなって、何度も入院した。家族と言い合いをしたぐらいで近所から苦情があって、嫌になって引っ越した」と看護師に訴えた。 Aさんの退院に向けて連携をとる機関はどれか。
1: 警察
2: 保健所
3: 保護観察所
4: 地域活動支援センター
Aさん(85歳、男性)は、 5年前に脳梗塞 (cerebral infarction) を発症し右片麻痺があり、要介護 3の認定 を受けた。Aさんの子どもは遠方に住んでおり、腰痛のある Aさんの妻(80歳)が 1 人で介護している。Aさんは、週 2日通所介護を利用している。
Aさんに優先されるサービスはどれか。
1: 訪問入浴介護
2: 夜間対応型訪問介護
3: 特定施設入居者生活介護
4: 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム
Aさん( 50歳、女性)は、子宮頸癌(cancer of the uterine cervix)の終末期で入院し緩和ケア治療を行っている。倦怠感は強いが食事は摂れている。麻薬を使用し疼痛のコントロールはできており、ふらつきはあるがトイレ歩行はできる。医師からは余命2か月と告知されており、退院して自宅で最期を迎えたいと希望している。主な介護者となる夫は58歳で、5年前の脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で不全麻痺がある。経済的には安定している。子どもはいない。
看護師が退院に向けて最も連携すべき職種はどれか。
1: 理学療法士
2: 管理栄養士
3: 介護支援専門員
4: 保健所の保健師
午前 6時 30分、 A県立病院の看護師は勤務中に突然、立っていられないほどの大きな揺れを感じた。病院の電源は自家発電に切り替わり A県北部を震源とするマグニチュード 7.0の地震が発生したと院内放送があった。
病棟看護師が発災直後にとる行動で最も優先するのはどれか。
1: 病棟内の患者の安全確認
2: 病院外への患者の避難誘導
3: 水道・ガスの被害状況の確認
4: 患者への病棟内は安全という通知
患者の情報の取扱いについて正しいのはどれか。
1: 看護師の守秘義務は医療法で規定されている。
2: 統計的に処理された情報から患者個人を特定できる。
3: 利用目的が明確であっても患者の情報の活用は制限される。
4: 転院先の病院と患者の情報を共有する場合は患者の同意が必要である。
Aさん(92歳、女性)は、脳梗塞cerebral infarctionの後遺症のため要介護4で、2年前から特別養護老人ホームに入所している。入所時は、日常生活は全介助で、話しかけるとうなずいたり首を振るなど自分の意思を伝えることができた。Aさんは歌が好きで、歌に関するレクリエーションには車椅子で参加し、笑顔がみられていた。家族は週1回、面会に来ていた。入所時に、Aさんは「延命処置を望まない」、家族は「できるだけ長生きしてほしい」と言っていた。 最近、ほとんど食事を摂らなくなり、閉眼していることが多く、看護師や施設職員の声かけに対する反応が徐々に鈍くなってきた。家族が面会時に声をかけると、目を開け、うなずくなどの意思表示がある。Aさんの状態から、医師と相談し看護師は看取りの準備が必要であると判断した。
Aさんの死の迎え方を決めるために優先されるのはどれか。
1: 主治医の治療方針
2: 施設の職員のケア方針
3: 入所時のAさんの意思
4: 現在のAさんと家族の意思