Aさん(73歳、女性)は、既往歴はなく自立した生活を送っていた。最近、尿意を我慢できず尿失禁することがあり、夜間の排尿回数も増えたため、病院を受診した。その結果、過活動膀胱overactive bladderと診断された。 Aさんへの看護師の指導内容で適切なのはどれか。
1: 腹筋を鍛える。
2: 膀胱訓練を行う。
3: 水分摂取を控える。
4: 尿意を感じたらすぐトイレに行く。
高齢者施設に入所中のAさん(78歳、女性)は、長期間寝たきり状態で、便秘傾向のため下剤を内服している。下腹部痛と便意を訴えるが3日以上排便がなく、浣腸を行うと短く硬い便塊の後に、多量の軟便が排泄されることが数回続いている。既往歴に、消化管の疾患や痔(hemorrhoid)はない。 Aさんの今後の排便に対する看護として最も適切なのはどれか。
1: 直腸の便塊の有無を確認する。
2: 止痢薬の処方を医師に依頼する。
3: 1日の水分摂取量を800mL程度とする。
4: 食物繊維の少ない食事への変更を提案する。
A君(2歳6か月、男児)。両親との3人暮らし。脳性麻痺(cerebral palsy)と診断され、自力で座位の保持と歩行はできず専用の車椅子を使用している。話しかけると相手の目を見て笑顔を見せ、喃語を話す。食事はきざみ食でスプーンを使うことができるが、こぼすことが多く介助が必要である。排泄、清潔および更衣は全介助が必要である。
定期受診のため外来を受診した。バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数32/分、心拍数120/分、血圧108/48mmHg であった。両上肢と手関節は屈曲、両下肢は交差伸展し、背を反らしており、全身が緊張している。母親は看護師に「Aは、便は出ない日がありますが大体毎日出ています。時々夜遅くまで眠らない日がありますが日中は機嫌良くしています」と話した。 母親に指導すべき内容で優先度が高いのはどれか。
1: 感染予防
2: 筋緊張の緩和
3: 排便コントロール
4: 呼吸機能の悪化予防
5: 睡眠パターンのコントロール
Aさん(48歳、女性)は、子宮頸癌(cancer of the uterine cervix)の手術を受けた。その後、リンパ節再発と腰椎への転移が発見され、放射線治療を受けた。現在は、外来で抗癌化学治療法を受けている。癌性疼痛に対しては、硫酸モルヒネ徐放錠を内服している。 Aさんへの外来看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 「吐き気がしても我慢してください」
2: 「毎日、1時間のウォーキングをしましょう」
3: 「家族に症状を訴えても心配をかけるだけです」
4: 「便秘で痛みが強くなるようなら、緩下剤で調節してください」
正常に経過している分娩第1期の産婦への説明で適切なのはどれか。
1: 「食事は摂(と)らないようにしてください」
2: 「ベッド上で安静にしていてください」
3: 「2、3時間に1回は排尿をしてください」
4: 「眠気を感じても眠らないようにしてください」
Aさん(30歳、初産婦)はX年2月5日に妊婦健康診査のために来院した。X年2月のカレンダーにAさんの受診日と分娩予定日を示す。
看護師は、医師からAさんの母子健康手帳に受診時の妊娠週数と日数を記入するよう依頼された。 Aさんの受診時の妊娠週数および日数で正しいのはどれか。
1: 妊娠35週5日
2: 妊娠35週6日
3: 妊娠36週5日
4: 妊娠36週6日
正期産で出生した生後3日目の女児の状態で、異常が疑われるのはどれか。
1: 平坦(へいたん)な大泉門
2: 伸展した四肢の姿勢
3: 性器からの少量の出血
4: 手掌に触れたものを握る動作
Aちゃん(7歳、女児、小学1年生)は、3歳ころから夜間就寝中や保育所の昼寝の時に時々いびきがあり、保育所の友達に「Aちゃんがうるさくて眠れない」と言われた。母親が心配してAちゃんを小児科外来に連れて行った。その後、Aちゃんは外来で経過観察されてきたが、今年の4月から7月までの間に、急性扁桃炎(acute tonsillitis)を3回起こしていることや、睡眠時無呼吸がみられるようになったことから、8月中に扁桃腺摘出術を受けることになった。
定期外来の受診時に、手術が決まったことが医師からAちゃんに伝えられた。Aちゃんは「なんで手術するの」と涙ぐんでいる。扁桃腺摘出術を受けるAちゃんに対する看護師の説明で適切なのはどれか。
1: 「寝ているときに息を止めてしまうことがあるからだよ」
2: 「のどにいる悪い虫をとるためだよ」
3: 「のどにお熱があるからだよ」
4: 「いびきが大きいからだよ」
Aさん(32歳、初産婦)は前置胎盤placenta previaのため妊娠37週0日の午前10時から帝王切開術を受ける予定である。 手術前日の看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 浣腸を行う。
2: 夕食が禁食となっているか確認する。
3: 輸血の準備ができているか確認する。
4: 下肢に間欠的空気圧迫装置を装着する。
Aさん(52歳、男性、独身)は、銀行員。切除不能の大腸癌(colon cancer)と診断され、外来で抗癌薬の点滴静脈内注射を受けることになった。Aさんは「治療を受けながら仕事を続けたいのですが、どうすれば良いか教えてください」と外来看護師に相談した。 外来看護師が行うAさんへの助言で最も適切なのはどれか。
1: 「所属部署の変更を上司に申し出ましょう」
2: 「副作用が出てから対応を考えましょう」
3: 「会社の健康管理部門に相談しましょう」
4: 「有給休暇を使って治療を受けましょう」
Aちゃんは、在胎37週0日に正常分娩で体重3,200 gで出生した。AちゃんのApgar〈アプガー〉スコアは 1分後 9点、 5分後 10点であった。出生時は、体温 37.1℃、呼吸数 42/分、心拍数 154/分であり、頭部に産瘤があった。 Aちゃんの両親の血液型は B型 Rh(+)である。
生後 1日。Aちゃんは、体重 3,100 g、体温 37.0℃、呼吸数 38/分、心拍数 142/ 分で、皮膚に黄染はみられない。 Aちゃんは看護師の手指が手掌に触れると握り締めた。オムツ交換時には、暗緑色の便が少量みられた。 Aちゃんの状態として考えられるのはどれか。2つ選べ。
1: 早産児である。
2: 頻脈がみられる。
3: 移行便がみられる。
4: 把握反射がみられる。
5: 生理的体重減少の範囲である。
A君 (6歳、男児)は、昨日午後から今朝にかけて5回の下痢便がみられ、体温が38.0 ℃であったため祖母と受診した。経口摂取は昨日の昼食が最後である。便の簡易検査の結果、ノロウイルスによる胃腸炎(gastroenteritis)と診断され、個室に入院した。入院後、末梢静脈ラインが左手背に留置され持続点滴が開始された。両親は同様の症状があるため面会できない。祖母が帰宅した後、A君は顔をしかめ、側臥位で膝を腹部の方に寄せ抱えるようにしている。バイタルサインは、体温37.5 ℃、呼吸数36/分、心拍数120/分であった。
入院後3日になったが両親は来院できない状況が続いている。A君は下痢が改善し体温も下がり笑顔がみられるようになった。看護師が清拭しながらA君と話していると「僕がお母さんの言うことを聞かなかったから病気になっちゃったんだ」と話した。 このときの看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 「お母さんが悲しむからそんなことを言ってはいけないよ」
2: 「気持ちは分かるけれど病気になったのはA君のせいではないよ」
3: 「A君の言うとおりだとすると入院している子はみんな悪い子なのかな」
4: 「お母さんの言うことを聞いていたら病気にならなかったかもしれないね」
Aさん(20歳、男性、大学生)は、炎天下で長時間サッカーをしていたところ転倒し、左膝と左側腹部を強打した。「左膝がカクッと折れて力が入らない。左腹部が痛い」ことを主訴に救急外来を受診した。 受診時のバイタルサインは、体温37.0℃、呼吸数14/分、脈拍98/分、血圧102/58mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)98%。血液検査の結果、赤血球550万/μL、Hb 16.0g/dL、Ht 55%、白血球8,900/μL、CRP 0.3mg/dLであった。尿検査は尿潜血(ー)、尿比重1.025、濃縮尿であった。胸部・腹部・下肢のエックス線写真に異常なし。胸腹部CTでは脾臓損傷を否定できなかった。このため、左半月板損傷と外傷性脾臓損傷を疑い入院となった。
Aさんの状態をアセスメントするために、救急外来受診時に優先して観察すべき項目はどれか。
1: 尿の性状
2: 腸蠕動音
3: 脈拍数
4: 体温
Aさん(50歳、男性、会社員)は妻と高校生の息子との3人暮らし。仕事を生きがいに働き続けていた。慢性腎不全chronic renal failureのため透析治療が必要になったが、本人の希望で連続携行式腹膜灌流法〈CAPD〉を導入することになり入院した。Aさんはこれからの生活がどのようになるのかを看護師に質問した。
Aさんは「主治医からCAPDの合併症に腹膜炎peritonitisがあると聞きました。腹膜炎peritonitisに早く気付くにはどうすればよいですか」と看護師に質問した。 Aさんに指導する観察項目はどれか。2つ選べ。
1: 腹痛
2: 体重の増加
3: 腹部の張り
4: 下肢のむくみ
5: 透析液の排液のにごり
Aさん(28歳、初産婦)は、妊娠 30週である。今朝から性器出血が少量認められたため外来を受診した。受診時、子宮収縮は1時間に4、5回認められ、Aさんは時々、軽い痛みを訴えた。今までの妊娠経過では、異常は認められていない。身長 160 cm、体重 60 kg(非妊時54 kg)である。
Aさんは、妊娠 32週に破水した。羊水混濁はない。胎児は頭位である。破水直後の対応として最も適切なのはどれか。
1: 外陰部洗浄を行う。
2: セミファーラー位とする。
3: 胎児心拍モニターを装着する。
4: 帝王切開の術前準備を開始する。
Aさん(54歳、女性)は、排便困難のため外来を受診し、酸化マグネシウムとセンナとを処方された。腹腔内手術の既往歴がある。 Aさんへの指導で適切なのはどれか。
1: 「運動は控えてください」
2: 「下痢が続いても心配ありません」
3: 「おなかの張りが続くようなら、また受診してください」
4: 「旅行をする場合は酸化マグネシウムの内服を控えてください」
Aさん(57歳、女性)は、子宮体癌(uterine corpus cancer)のため子宮全摘術を受けた。離床が十分に進まず、術後2日に初めて歩行を試みようとベッドから降りたところ、突然、呼吸困難を訴えてうずくまった。 まず疑うべき疾患はどれか。
1: 自然気胸(spontaneous pneumothorax)
2: 肺塞栓症(pulmonary embolism)
3: 肋間神経痛(intercostal neuralgia)
4: 解離性大動脈瘤(dissecting aortic aneurysm)
Aちゃん(生後10か月)は、それまで機嫌よく過ごしていたが、夕方から突然不機嫌になり、15〜20 分ごとに激しく泣いては、泣き止むことを繰り返した。Aちゃんは夕食の離乳食を食べず哺乳もしなかったが、嘔吐したため21時に保護者と救急病院を受診した。担当医師は保護者に、腸重積症(intussusception)が疑われるためグリセリン浣腸を行って便性を確認する、と説明した。体温は37.1℃であった。
Aちゃんは、高圧浣腸により重積が整復され、経過観察のため入院した。翌朝、経口摂取が可能となり、状態も落ちついているため退院が決定した。保護者から「退院後に何か注意することはありますか」と看護師に質問があった。 保護者への説明で適切なのはどれか。
1: 「月1回の受診をしてください」
2: 「3日間は入浴を控えてください」
3: 「1週間は離乳食を1日1回にしてください」
4: 「同じような症状が出たら受診してください」
Aさん(32歳、初産婦)は妊娠39週4日に3,200gの男児を経腟分娩で出産した。分娩時に会陰切開縫合術を受けた。児のApgar〈アプガー〉スコアは1分後9点、5分後10点であった。分娩時の出血量200mL、分娩所要時間12時間30分であった。分娩室から病室に帰室する前に尿意を自覚したためトイレまで歩行し、排尿があった。
産褥4日、看護師はAさんに退院指導をすることにした。Aさんの児の経過は順調である。 Aさんと児が受けられるサービスとして、看護師が退院指導時に説明するのはどれか。
1: 養育支援訪問
2: 育成医療の給付
3: 養育医療の給付
4: 乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)
A さん(30 歳、経産婦)は、妊娠 40 週 1 日で、妊娠経過は順調であった。本日、午後 5 時に体重 3,900 g の女児を正常分娩した。会陰縫合術を受け、分娩時出血量は400 mL であった。分娩後 2 時間のバイタルサインは、体温 37.1 ℃、脈拍 64/分、血圧 124/70 mmHg であった。排尿後の子宮底の位置は臍下 1 横指、収縮良好で帰室した。A さんは午後 8 時に夕食を全量摂取し、寝るまでに水を 500 mL 飲んだ。
産褥 5 日。A さんは、体温 37.0 ℃、脈拍 66/分、血圧 118/60 mmHg であった。子宮底の位置は恥骨結合上 3 横指で、収縮は良好であった。児の体重は 3,950 g。直接授乳を行っており、授乳後に児はよく眠っていた。A さんは「本日退院ですが、家で気をつけることは何でしょうか。教えてください」と話す。A さんに対する退院後の指導で最も適切なのはどれか。
1: 「浴槽に入って清潔にしてください」
2: 「蛋白質の少ない食事にしてください」
3: 「悪露が増えたときは受診してください」
4: 「授乳ごとに赤ちゃんへ追加のミルクを飲ませてください」