Aさん(76歳、女性)は、長女(46歳、会社員)との2人暮らし。Aさんは5年前に2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus)と診断された。1年前から血糖測定とインスリン自己注射を朝1回行っている。炊事は主にAさんが担当している。Aさんは、長女の帰宅に合わせて夕食を摂るため、夕食時間にばらつきがある。定期の外来受診時にAさんは「時々汗が出て手が震えることがあります」と外来看護師に相談した。Aさんのバイタルサインは、体温36.4℃、脈拍74/分、血圧128/80mmHg。身長154cm、体重68kgである。
1か月後、Aさんと一緒に外来を訪れた長女は「今までインスリンの治療は母に任せてきましたが、母は眼が見えにくく、インスリンの量が多い日があったようです。母が自己注射を続けられるように、私も手伝えればと思います」と外来看護師に話した。外来受診時、Aさんに末梢神経障害の症状は認められず、手指の動きに問題はなかった。 Aさんがインスリン自己注射を行う上で、外来看護師が行う長女への助言で適切なのはどれか。
1: 「インスリンの量は娘さんが一緒に確認しましょう」
2: 「血糖測定は娘さんが代わりに行いましょう」
3: 「注射の針はつけたままにしましょう」
4: 「注射の部位は上腕を選びましょう」
認知症(dementia)の高齢者に対するノーマライゼーションで正しいのはどれか。
1: 散歩を勧める。
2: 決められた服を着るよう勧める。
3: 重度の場合は精神科病棟に入院を勧める。
4: 食べこぼしのあるときに箸を使用しないよう勧める。
Aちゃん5歳、(男児)は、2日前に39 ℃に発熱して両側の耳下腺部の痛みを訴えた。昨日から同部位の腫脹がみられ、頭痛を訴えている。夜間に嘔吐が4回あり、発熱と頭痛が持続したため、本日父親に連れられて来院し、髄膜炎(meningitis)の疑いで個室に入院した。通っている幼稚園には、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)(mumps) 罹患児が数名いる。 既往歴 :特記すべきことはない。 予防接種歴:年齢の定期接種はすべて済んでいる。おたふくかぜワクチンは未接種である。 家族歴 :両親は流行性耳下腺炎(mumps)罹患の既往がある。妹のBちゃん、(3歳)は、年齢相応の定期予防接種は済んでいるが、おたふくかぜワクチンは未接種である。また、流行性耳下腺炎(mumps)罹患の既往はない 。 身体所見 :体温39.2 ℃、項部硬直あり。両側耳下腺部の腫脹と圧痛あり。胸部聴診で異常なし。腹部は平坦で軟、圧痛なし。Kernig<ケルニッヒ>徴候あり。 検査所見 :白血球8,760/μL。血清アミラーゼ834 U/L (基準44~132)、CRP 0.1mg/dL。
検査の結果、Aちゃんはムンプス髄膜炎(mumps meningitis)と診断された。父親から看護師に「先ほど主治医の先生から、面会やAの入院中の生活に制限があると聞きました。詳しく教えてください」と質問があった。看護師の説明で適切なのはどれか。
1: 「親の面会は可能です」
2: 「Bちゃんの面会は可能です」
3: 「Aちゃんはプレイルームで遊べます」
4: 「Aちゃんは病室内でガウンを着てもらいます」
Aちゃん(8歳、女児)は、白血病(leukemia)の終末期で入院しているが、病状は安定している。両親と姉のBちゃん(10歳)の4人家族である。 Aちゃんの家族へ看護師が伝える内容として適切なのはどれか。
1: 「Aちゃんは外出できません」
2: 「Bちゃんは面会できません」
3: 「Aちゃんが食べたい物を食べて良いです」
4: 「Aちゃんよりもご家族の意思を優先します」
5: 「Aちゃんに終末期であることは伝えないでください」
Aさん(99歳、女性)は、特別養護老人ホームに入所している。脳卒中(stroke)の後遺症で左片麻痺がある。肺炎(pneumonia)をきっかけに寝たきりになり、食事摂取量が低下した。Aさんは「私はここで最期を迎えたい。痛い思いはしたくない。死ぬときは苦しまないようにしてもらいたい」と何度も話すようになった。娘夫婦と孫とが頻繁に面会に来ている。医師が家族に回復の見込みが低いことを伝え、家族は特別養護老人ホームでの看取りに同意した。
Aさんは「1人で死ぬのは寂しい」と看護師に話した。看護師の対応で最も適切なのはどれか。
1: 「死ぬときは苦しくないようですよ」
2: 「Aさんは十分頑張ってきましたね」
3: 「できるだけAさんのそばにいますよ」
4: 「そんなことを言うとご家族が心配しますよ」