第101回午後第78問の類似問題

Aさん(87歳、男性)。3年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症(dementia of Alzheimer type)と診断された。1年前に妻が亡くなってから1人で暮らしている。日常生活は問題なく送れていたが、最近Aさんは薬を飲み忘れることが増えてきたり、電話の応対ができなかったりすることがあり、日常生活に支障が出るようになった。

第107回午後:第98問

その後、Aさんは、コンロの火を消し忘れることや、買い物に行って自宅に戻れないことが何度もあり、在宅での生活が困難になったため、介護老人福祉施設に入所した。Aさんは自分の思い通りにならないときに、大声を出して暴れることがあった。時折落ち着かない様子で施設内を徘徊することがあったが、看護師が話しかけると、立ち止まり「散歩しています」と笑顔で話していた。ある日、Aさんがエレベーター前に人で立っていたため、看護師がどこへ行くのか尋ねると、Aさんは「家に帰ります」と言った。 このときの看護師の対応として最も適切なのはどれか。

1: 「一緒に出かけましょう」としばらく周囲を歩く。

2: 「トイレに行きましょう」とトイレに誘導する。

3: 「転んだら危ないですよ」と車椅子に誘導する。

4: 「入所中なので家には帰れません」と説明する。

Aさん(73歳、女性)は、動悸の精密検査の目的で入院した。心電図や血液検査などで異常所見はなかったが、Aさんは全身倦怠感、食欲不振、腰痛、便秘などを訴え続け、薬物療法を行っているが症状は改善していないという。日中はぼんやりと過ごしており「心臓がドキドキして、ハッと朝早く目が覚め、死ぬんじゃないかと思い、その後眠れなくなる」と言う。

第100回午前:第108問

Aさんは午前0時ころ覚醒し、ベッドサイドでため息をついている。 看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 就寝時間を遅くするように言う。

2: 眠れなくても横になっているよう話す。

3: 医師に確認して睡眠導入薬の服用を促す。

4: ベッドを離れるよう誘い、しばらく話をする。

Aさん(73歳、女性)は夫(73歳)と2人暮らし。6年前にParkinson〈パーキンソン〉病Parkinson diseaseと診断され、レボドパ〈L-dopa〉を1日3回内服している。Hoehn - Yahr〈ホーエン・ヤール〉重症度分類のステージⅢ、要介護1である。夫が付き添い神経内科外来に月1回、杖歩行で通院している。外来受診のとき、Aさんは足がすくんで転びやすくなったことを主治医に相談し、レボドパ〈L-dopa〉を1日4回に増量して様子を見ることになった。Aさんと夫は薬の副作用〈有害事象〉について外来看護師に尋ねた。

第111回午前:第116問

1か月後の外来受診のときに、Aさんは「いつもと違う時間に入浴したら転んでしまった。怪我をしなくてよかった」と主治医に話した。主治医から勧められ、Aさんは訪問看護を週に1回利用することになった。  今後Aさんが安全な入浴をするために訪問看護師がアセスメントする内容で最も優先するのはどれか。

1: 浴室の床の素材

2: 居室から浴室までの距離

3: 転倒による打撲痕の状態

4: 日常生活動作〈ADL〉の日内変動

第107回午前:第65問

日本の医療提供施設について正しいのはどれか。

1: 病院数は1995年から増加傾向である。

2: 2013年の人口対病床数は先進国の中で最も多い。

3: 介護老人保健施設数は2000年から減少傾向である。

4: 精神科の平均在院日数は1990年から先進国で最短である。

Aさん(88歳、男性)は、10年前に脳梗塞cerebral infarctionを発症し左半身麻痺の後遺症がある。杖歩行はでき、要介護2で介護保険サービスを利用中である。Aさんが最近食欲がなく、水分もあまり摂らず、いつもと様子が違うことを心配した妻がAさんに付き添って受診した。 身体所見:呼びかけに対して返答はあるが反応はやや遅い。麻痺の症状に変化はない。  バイタルサインは、体温37.5℃、呼吸数20/分、脈拍100/分、血圧140/60mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉98%(room air)。 検査所見:赤血球410万/μL、白血球6,800/μL、Ht50%、総蛋白6.5g/dL、尿素窒素25mg/dL、Na150mEq/L、K3.8mEq/L、血糖値110mg/dL、CRP0.01mg/dL。胸部エックス線写真に異常なし。

第110回午後:第118問

Aさんの状態をアセスメントするために、外来看護師が収集すべき情報で優先度が高いのはどれか。

1: 口渇感

2: 呼吸音

3: 尿比重

4: 腹部膨満感

第104回午後:第67問

プロセスレコードについて正しいのはどれか。

1: 看護過程の 1 つの段階である。

2: 患者と家族間の言動を記述する。

3: 看護師の対人関係技術の向上に活用する。

4: 患者の精神症状をアセスメントする方法である。

Aさん(16歳、女子)は、両親と弟と4人で暮らしている。中学生の頃からモデルにあこがれてダイエットを始めた。高校に入ってからは、太ることへの恐怖から食べた後に吐いたり、緩下薬を服用することも多くなった。次第にやせが顕著になり、無月経となった。Aさんの状態を心配した母親に伴われ、心療内科を受診し、医師から入院治療を勧められ、Aさんは入院した。

第101回午前:第119問

入院後、服薬が開始された。体重と摂取エネルギーについては目標値を設定し、体重増加に応じて活動範囲を拡大していくことになった。医師からAさんに治療方針が説明され、行動範囲は病室内とし、食後1時間はベッド上で安静を保つよう伝えられた。入院後7日、Aさんは「太るのが怖くて、また吐いてしまった」と暗い表情で看護師に話した。看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: あまり気にしないよう伝える。

2: 本人に目標体重を再度確認する。

3: 吐いた分を間食で補うよう提案する。

4: 自分から嘔吐について話したことを肯定的に評価する。

Aさん(70歳、男性)は、妻(68歳)と2人暮らし。3年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis)(ALS)と診断され、在宅で療養生活を続けていた。その後、Aさんは症状が悪化し、入院して気管切開下の人工呼吸療法、胃瘻による経管栄養法を受けることになった。妻は、退院後に必要なケアの技術指導、人工呼吸器や胃瘻の管理方法、緊急・災害時の対応について病棟看護師から指導を受けた。退院前カンファレンスにおいて、訪問看護のほかに必要な在宅サービスについて検討することになった。妻は慢性腎不全(chronic renal failure)のため、週に3回の血液透析を受けており、1回に約6時間の外出が必要である。

第108回午後:第115問

Aさんが利用する在宅サービスで最も優先度が高いのはどれか。

1: 定期巡回・随時対応型訪問介護看護

2: 通所リハビリテーション

3: 短期入所生活介護

4: 療養通所介護

Aちゃん(2歳10か月、女児)は昨日から下痢と嘔吐を繰り返し、食事が摂れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎viral gastroenteritisによる中等度の脱水症dehydrationと診断され入院した。入院時、体温38.2℃、呼吸数36/分、心拍数136/分であった。3日前の保育所の身体計測では身長90cm、体重12.5kgであった。

第111回午後:第105問

入院2日。Aちゃんは、水様便は続いているが嘔吐はなくなった。付き添ってる母親は「Aは大泣きして、ストレスが溜まっているみたいです。アイスクリームを食べたいみたいです」と看護師に話した。  このときに看護師が母親に伝える内容で適切なのはどれか。

1: プレイルームで遊べること

2: アイスクリームを食べてよいこと

3: 個室隔離が明日、解除されること

4: Aちゃんの好きなおもちゃを自宅から持参してよいこと

5: Aちゃんが静かに過ごせるよう看護師の訪室を控えること

第108回午後:第10問

要介護者に対し、看護・医学的管理の下で必要な医療や日常生活上の世話を行うのはどれか。

1: 介護老人保健施設

2: 短期入所生活介護

3: 保健センター

4: 有料老人ホーム

Aさん(82歳、女性)は、アルツハイマー型認知症(dementia of Alzheimer type)で、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱb、要介護1である。息子と2人暮らしであったが、1年前から認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入所している。息子は仕事が忙しいため、2か月に1回面会に来所する。Aさんは2日前から活気がなくなり、食事量も減少した。本日、発熱や下痢を主訴に介護職員に付き添われて外来を受診した。外来の看護師が介護職員に普段の健康状態の把握の方法を尋ねると、1日1回の体温と血圧の測定、月1回の体重測定、レクリエーションへの参加の様子を確認しているという回答を得た。Aさんは、看護師の簡単な質問に答えることができる。 身体所見:体温37.0℃、呼吸数24/分、脈拍72/分、血圧132/82mmHg、呼吸音は異常なし。水様便が3回/日、濃縮尿、手指の冷感あり、顔色は不良。皮膚の乾燥あり。体重45.8kg。 検査所見:Ht 40%、白血球9,800/μL、尿素窒素25mg/dL。Na 150mEq/L、尿比重1.030。

第108回午後:第99問

入院後3日。Aさんは開始された食事を全量摂取し、活気が出てきた。Aさんは自ら水分を摂ることはなかったが、看護師がお茶を勧めると、少量ずつ摂取している。体重47kg。Aさんの尿の性状は淡黄色で尿臭はなく、血液検査データは改善して基準値となったため、点滴静脈内注射が中止となり、退院が決まった。 Aさんが外来受診時と同じ状態を起こさないために、看護師が介護職員に伝える予防策で適切なのはどれか。

1: 室温は30℃に保つ。

2: 8 g/日の食塩を摂取する。

3: カフェインを含む水分を摂取する。

4: 熱の放散を抑制する衣類を選択する。

5: 食事を含めて1,300mL/日の水分を摂取する。

第105回午後:第42問

不安の強い入院患者に対し問題中心の対処を促す方法で適切なのはどれか。

1: 読書をして気分転換を促す。

2: 原因に気付くように支援する。

3: 平常な気持ちを保つように助言する。

4: 家族に不満を聞いてもらうことを勧める。

Aさん( 50歳、女性)は、子宮頸癌(cancer of the uterine cervix)の終末期で入院し緩和ケア治療を行っている。倦怠感は強いが食事は摂れている。麻薬を使用し疼痛のコントロールはできており、ふらつきはあるがトイレ歩行はできる。医師からは余命2か月と告知されており、退院して自宅で最期を迎えたいと希望している。主な介護者となる夫は58歳で、5年前の脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で不全麻痺がある。経済的には安定している。子どもはいない。

第105回午前:第119問

看護師が退院に向けて最も連携すべき職種はどれか。

1: 理学療法士

2: 管理栄養士

3: 介護支援専門員

4: 保健所の保健師

第102回午後:第61問

Aさん(80歳、女性)は、脳血管性認知症(cerebrovascular dementia)、Mini-Mental State Examination〈MMSE〉18点で施設に入所している。看護師が「お風呂に入りますよ」と声をかけると、Aさんは「男の人は入っていないか」と尋ねる。看護師が「男の人はいませんよ」と説明するが、Aさんは「本当にいないのか」と繰り返し、なかなか納得しない。 Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 「男の人はいないから行きましょう」

2: 「お風呂に入ったら気持ちよくなりますよ」

3: 「遅くなるとお風呂に入れなくなりますよ」

4: 「男の人がいないことを一緒に確認してみましょうか」

第105回午後:第48問

認知症(dementia)の高齢者に対するノーマライゼーションで正しいのはどれか。

1: 散歩を勧める。

2: 決められた服を着るよう勧める。

3: 重度の場合は精神科病棟に入院を勧める。

4: 食べこぼしのあるときに箸を使用しないよう勧める。

Aさん(50歳、男性)は、双極性障害(bipolar disorder)で、これまでにうつ状態と躁状態で入院歴がある。会社員の兄と2人で暮らしている。3か月前から服薬を中断するようになり、気分が沈みはじめ、1週前から朝起きられなくなった。2日前から1日中ベッドの中にいるようになったため、兄に付き添われて入院した。入院時は亜昏迷状態で、発語はほとんどなく、自力での歩行が困難なほど脱力が強かった。入院後、三環系抗うつ薬が開始された。

第102回午前:第102問

Aさんの精神状態の経過観察において最も注意すべき症状はどれか。

1: 錯乱

2: 強迫行為

3: 失見当識

4: 気分高揚

Aさん(82歳、男性)。長男夫婦との3人暮らし。4年前に認知症(dementia)と診断された。Barthel〈バーセル〉インデックスは100点、Mini Mental State Examination〈MMSE〉は18点。環境の変化で落ち着きがなくなることがある。日頃は温泉旅行やカラオケを楽しんでいる。右外果にできた創傷から右下腿の腫脹と疼痛が出現したため病院を受診したところ、蜂窩織炎(cellulitis)と診断されて入院した。入院翌日、右下腿の腫脹と疼痛は続いている。担当看護師は、認知症(dementia)の行動・心理症状〈BPSD〉を最小限にするための看護を計画することとした。

第107回午後:第120問

担当看護師が計画するAさんへの看護で適切でないのはどれか。

1: 右下腿を足浴する。

2: 右下腿を挙上する。

3: 温泉旅行の話をする。

4: Aさんが好きな歌を歌う機会をつくる。

第101回午前:第46問

病院内の退院調整部署による退院支援について正しいのはどれか。

1: 65歳以上の高齢者を対象とする。

2: 医師が退院日を決めてから、支援を開始する。

3: 退院調整看護師は、訪問看護導入の要否を検討する。

4: 退院調整部署の設置は診療報酬の算定要件ではない。