Aさん(63歳、男性)は3年前から肺気腫pulmonary emphysemaで定期受診を続けていた。最近、歩行時の息切れが強くなってきたことを自覚し、心配になったため受診した。受診時、呼吸数は34/分で、口唇のチアノーゼがみられた。 Aさんについて正しいのはどれか。
1: 1回換気量が増加している。
2: 呼気よりも吸気を促すと効果的である。
3: 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は上昇している。
4: 病状が進行すると動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉が上昇する。
Aさん ( 58歳、女性 )は、 10年前に肺気腫 (pulmonary emphysema)を指摘されたが喫煙を続け、体動時に軽 い息切れを自覚していた。 Aさんは、肺炎 (pneumonia)で救急病院に入院し経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉86%でフェイスマスクによる酸素投与 ( 4 l/分 )が開始された。抗菌薬投与後 6日、鼻腔カニューラによる酸素投与 ( 2 l/分 )で Aさんの経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉が 94%まで回復した。夜間 Aさんは眠れているようだが、早朝に頭痛を訴え、日中も傾眠傾向になった。 Aさんへの対応で適切なのはどれか。
1: 抗菌薬の変更
2: 酸素投与量の増加
3: 動脈血液ガス分析の実施
4: 胸部エックス線撮影の実施
Aさん(65歳、男性)は、肺気腫(pulmonary emphysema)で在宅酸素療法を受けている。ある日、Aさんの妻(70歳)から「同居している孫がインフルエンザ(influenza)にかかりました。今朝から夫も体が熱く、ぐったりしています」と訪問看護ステーションに電話で連絡があったため緊急訪問した。 訪問看護師が確認する項目で優先度が高いのはどれか。
1: 喀痰の性状
2: 胸痛の有無
3: 関節痛の有無
4: 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉
Aさん(75歳、男性)。1人暮らし。慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉(chronic obstructive pulmonary disease)のため、2年前から在宅酸素療法を開始し、週に2回の訪問看護を利用している。訪問看護師はAさんから「最近、洗濯物を干すときに息が苦しくて疲れるが、自分でできることは続けたい」と相談された。 Aさんの労作時の息苦しさを緩和する方法について、訪問看護師が行う指導で適切なのはどれか。
1: 労作時は酸素流量を増やす。
2: 呼吸は呼気より吸気を長くする。
3: 動作に合わせて短速呼吸をする。
4: 腕を上げるときは息を吐きながら行う。
肺気腫(pulmonary emphysema)の患者への日常生活の指導で適切なのはどれか。
1: 胸式呼吸
2: 水分の制限
3: 低カロリー食の摂取
4: 下肢の筋力トレーニング
Aさん(58歳、女性)は、 3年前に慢性閉塞性肺疾患(chronicobstructive pulmonary disease)と診断された。3日前に38 .0℃の発熱があった。市販の総合感冒薬を内服して様子をみていたが、昨晩から黄色痰がみられ、息苦しさが増強した。外来を受診したところ肺炎(pneumonia)と診断され、入院した。入院時の状態は、体温 38.2 ℃、呼吸数28 /分、脈拍 92/分、血圧 138/72mmHg。
1週後、Aさんは肺炎(pneumonia)が改善し、酸素吸入(1l/分)を行っている。病棟内での歩行が許可されたが、Aさんは歩くとすぐ息切れがすると言ってベッド上で過ごすことが多い。 Aさんへの指導で適切なのはどれか。
1: 「肩呼吸の練習をしてみましょう」
2: 「歩いた後に水分補給をしてください」
3: 「安静時に酸素の量を増やして回復を待ちましょう」
4: 「息切れがあるときに血液の酸素飽和度を測定してみましょう」
Aさん(34歳、女性)は、気管支喘息bronchial asthmaで定期的に通院をしている。朝から喘息発作があり呼吸困難が生じたため、救急外来を受診した。 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉95%、動脈血液ガス分析(room air)で動脈血酸素分圧〈PaO2〉90Torr、動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉55Torr、pH7.30、HCO3-25mEq/Lであった。 Aさんの状態で考えられるのはどれか。
1: 呼吸性アシドーシス
2: 呼吸性アルカローシス
3: 代謝性アシドーシス
4: 代謝性アルカローシス
Aちゃん(8歳、女児)は、両親と妹(3歳)の4人家族である。2歳時に気管支喘息(bronchial asthma)と診断された。5歳までは喘息発作のため救急外来を受診することも多く年に1回は入院していた。6歳から発作を起こすこともなくなり、定期受診はしなくなっていた。アレルゲンは、ダニとハウスダストである。
救急外来で気管支拡張薬の吸入が行われたが、吸入後も呼吸数32/分、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)94%であったため入院することになった。入院後、鼻カニューレによる酸素投与と点滴静脈内注射が開始され、1日3回のステロイド薬の静脈内注射と1日4回の気管支拡張薬の吸入が開始された。翌日、酸素投与は中止された。バイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数22/分、心拍数94/分、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)97%。聴診で喘鳴が聴取された。Aちゃんは「楽になった」と話し、笑顔が見られるようになった。 この時のAちゃんへの看護で適切なのはどれか。
1: 排痰を促す。
2: 胸式呼吸を促す。
3: 水分摂取を控える。
4: ベッド上安静とする。
A君(11歳、男児)。喘息(asthma)発作のため救急外来に来院した。喘鳴が著明で、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%(roomair)、ピークフロー値45%である。 まず行うべきA君への対応で適切なのはどれか。
1: 起坐位を保つ。
2: 水分摂取を促す。
3: 胸式呼吸を促す。
4: 発作の状況を尋ねる。
慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)について正しいのはどれか。
1: 残気量は減少する。
2: %肺活量の低下が著明である。
3: 肺コンプライアンスは上昇する。
4: 可逆性の気流閉塞が特徴である。
Aさん(60歳、男性、元建設業)は、妻(57歳) と2人暮らし。 2年前に 悪性胸膜中皮腫(malignant pleural mesothelioma)と診断され、化学療法を受けたが効果がみられず、外来通院していた。2週前から、胸痛、息苦しさ、倦怠感が増強したため、症状コントロール目的で入院した。 バイタルサイン:体温36.0 ℃、呼吸数24/分、脈拍92/分、血圧126/88mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>86~90%(room air)。 身体所見:両側下肺野で呼吸音が減弱しており、軽度の副雑音が聴取される 。 血液所見:赤血球370万/μL、Hb 8.8g/dL、白血球6,700/μL、総蛋白5.2g/dL、アルブミン3.8g/dL、CRP1.5mg/dL。 動脈血液ガス分析(room air):pH7.31、動脈血二酸化炭素分圧<PaCO2>40Torr、動脈血酸素分圧<PaO2>63Torr。 胸部エックス線写真:胸膜肥厚と肋骨横隔膜角の鈍化が認められる。肺虚脱なし。
入院後、症状緩和のためモルヒネの内服と経鼻カニューレによる酸素療法2L/分が開始された。経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>は95%前後で維持されるようになったが、Aさんは夜間の息苦しさを訴えている。Aさんの呼吸困難を緩和するための体位で適切なのはどれか。
1: 半腹臥位
2: 右側臥位
3: 左側臥位
4: セミファウラー位
入院後2週、Aさんの身体状態は急激に悪化し、A さんは「息が吸えない。苦しい。何とかしてくれ」と訴え、眉間にしわを寄せて口呼吸をしている。軽度の喘鳴がみられ、経皮的動脈血酸素飽和度<SpO2>は88~92%(経鼻カニューレによる酸素療法2L/分)である。また、頻繁に体位を変えて落ち着きがなく、つじつまが合わない訴えと場所の見当識障害もみられる。毎日面会に来ている妻は「どうなってしまったのでしょうか。苦しそうでかわいそう」と涙ぐみ、ベッドから離れたところで座っている。Aさんの妻への看護師の説明で適切なのはどれか。
1: 「Aさんが場所を間違っても否定しないで下さい」
2: 「口腔内吸引をするとAさんの呼吸が楽になります」
3: 「タッチングをするとAさんの安心感につながります」
4: 「Aさんの症状が落ち着くまで自宅で待機して下さい」
Aさん(64歳、男性)は、人工心肺装置を使用した冠動脈バイパス術〈CABG〉を受け、ICUに入室した。手術時間10時間、手術中の輸液量6,200ml、出血量480ml、尿量980mlであった。
術後1日。経口気管チューブが挿入され、人工呼吸器による補助換気が行われている。吸入酸素濃度40%、動脈血酸素分圧〈PaO2〉96Torr、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉35Torr。断続性副雑音が聴取され、気道から泡沫状の分泌物が吸引された。胸部エックス線写真で両肺全体に透過性の低下を認める。胸水を認めない。 Aさんに起こっていると考えられる合併症はどれか。
1: 無気肺(atelectasis)
2: 肺水腫(pulmonary edema)
3: 肺血栓塞栓症(pulmonary thromboembolism)
4: 人工呼吸器関連肺炎(ventilator-associated pneumonia)
Aさんは、胃癌(gastric cancer)の終末期で、肺の癌性リンパ管症(lymphangiosis carcinomatosa)による呼吸困難があり「夜も眠れない」と訴えている。フェイスマスクによる酸素(8l/分)とモルヒネ塩酸塩(20 mg/日)とを投与中である。呼吸数30 /分。脈拍 120/分。痛みの訴えはない。 看護師の対応で適切なのはどれか。
1: 酸素流量を15l/分に増やす。
2: モルヒネ塩酸塩の増量を検討する。
3: 呼吸は数日で楽になると説明する。
4: ネブライザーによる吸入で気道を加湿する。
A さん(70 歳、男性)は、 1 人で暮らしている。慢性閉塞性肺疾患 (chronic obstructive pulmonary disease) のため 1 週前から在宅酸素療法(0.5 L/分、24 時間持続)が開始された。A さんは階段の昇降時に息切れがみられる。自宅での入浴の方法に関する訪問看護師の説明で最も適切なのはどれか。
1: 脱衣は看護師が全介助する。
2: 浴槽に入ることは禁止する。
3: 身体を洗うときはシャワーチェアを使う。
4: 入浴中は携帯用酸素ボンベを利用できない。
呼吸困難とはどれか。
1: 脈拍数の増加
2: 息苦しさの自覚
3: 動脈血酸素分圧〈PaO2〉の低下
4: 経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉の低下
呼吸困難を訴えて来院した患者の動脈血液ガス分析は、pH 7.32、動脈血炭酸ガス分圧〈PaCO2〉72 Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉50 Torr、HCO3- 26.0 mEq/L であった。このときのアセスメントで適切なのはどれか。
1: 肺胞低換気
2: 過換気症候群 (hyperventilation syndrome)
3: 代謝性アシドーシス
4: 呼吸性アルカローシス
Aさん ( 56歳、男性 )は、進行結腸癌 (advanced colonic cancer)の術後に両側の多発肺転移が進行し、終末期 で在宅療養中であったが呼吸困難が増悪したため入院した。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は 95%であるが、安静時でも呼吸困難を訴え、浅い頻呼吸となっている。発熱はなく、咳嗽はあるが肺炎 (pneumonia)の併発はない。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。
1: 仰臥位を保つ。
2: 酸素投与は行わない。
3: モルヒネ塩酸塩の投与を検討する。
4: 安静を保つため訪室は最低限とする。
Aさん(73歳、男性)は慢性閉塞性肺疾患chronic obstructive pulmonary diseaseで在宅酸素療法〈HOT〉を受けている。受診時にAさんが「1人でお風呂に入っているが、息切れが強い」と訴えたため、外来看護師は入浴時の具体的な状況を確認した。 外来看護師がAさんに確認した内容で、息切れの原因と考えられるのはどれか。
1: 入浴はシャワー浴にしている。
2: 椅子に座って更衣を行っている。
3: 洗髪時に鼻カニューレを外している。
4: 浴室の扉を開けたまま入浴している。
Aさん(60歳、男性)は、慢性心不全(chronic heart failure)の終末期で、積極的な治療を行わないことを希望している。現在、入院中で、リザーバーマスク10L/分で酸素を吸入し、水分制限がある。時々息切れがみられるが、Aさんは面会に来た長女との会話を楽しみにしている。バイタルサインは呼吸数28/分、脈拍110/分、血圧76/50mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉88%であった。 このときの対応で最も適切なのはどれか。
1: 面会は制限しない。
2: 水分制限を厳しくする。
3: Aさんに仰臥位を維持してもらう。
4: 面会中は酸素マスクを鼻腔カニューラに変更する。