第111回午後第113問の類似問題

Aさん(75歳、男性)は、妻(70歳)と2人暮らし。2型糖尿病(type 2 diabetes mellitus)の治療中で、2年前から1日2回朝・夕食前に混合型インスリン注射が開始となった。その後、糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)による視力障害が進んだため、現在は妻と一緒に単位数や針の確認をし、インスリンの自己注射を実施している。

第109回午後:第115問

外来受診時にAさんの妻から外来看護師に「人で協力してインスリン注射することには慣れてきました。たまには夜に夫とゆっくり和食を食べに行きたいのですが、外出時の注射で気を付けることを教えてほしい」と相談があった。Aさんと妻への外来看護師の指導内容で適切なのはどれか。

1: 「お店に着いたらすぐに注射を打ちましょう」

2: 「インスリンを常温で持ち運ぶことはできません」

3: 「注射ができる場所をお店の人に確認しましょう」

4: 「普段よりもインスリン量を増やす必要があります」

Aさん(40歳、女性)は統合失調症(schizophrenia)で入院歴があり、退院後は共同生活援助(グループホーム)を利用していた。1週前から同じグループホームに住む女性と口論したり、夜中にグループホームから飛び出したりするようになったため、職員に付き添われて精神科病院を受診した。診察時は、Aさんは意味不明の言葉を発し、時々興奮したように大声で叫んだ。また、診察室から飛び出したり、衣服を脱いだりする行為も観察された。

第102回午前:第104問

診察の結果、Aさんは入院することになり、外来看護師に付き添われて閉鎖病棟に来た。病棟の入り口でドアを開けた看護師が優先的に行うのはどれか。

1: 持参した薬を確認する。

2: 病棟のホールに誘導する。

3: 他の病棟スタッフに協力を要請する。

4: 入院のオリエンテーションを実施する。

Aさん(37歳、初産婦)、会社員。妊娠41週1日の午後11時に3,200gの女児を分娩した。妊娠や分娩の経過は順調であり、会陰切開術を受けた。分娩後2時間の子宮底の高さは臍下2横指、縫合部に異常はみられなかった。

第102回午後:第115問

産褥1日午前5時、赤色悪露が少量みられた。子宮底の高さは臍上1横指で、膀胱部に軽度の膨満を触知したため、トイレでの排尿を促した。しかし、Aさんは「切開した傷が痛くて、排尿しようとしても出ません。どうしましょう」と看護師に相談してきた。 Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 「水分を摂(と)らないようにしてください」

2: 「腹部を温めてみましょう」

3: 「授乳をしてみましょう」

4: 「尿を管で取りましょう」

Aさん(40歳、男性)。入院時体重65kg。既往歴に特記すべきことはなく、全身状態は良好である。胃癌(gastric cancer)のため胃全摘出術を受けた。術中の出血量は 450mlで輸血はされなかった。術後1日、体温37.5℃、呼吸数24/分、脈拍120/分、血圧162/90mmHg。Hb14.8 g/dl。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉92%(酸素吸入3l/分)。尿量50ml/時。創部のドレーンからは少量の淡血性排液がある。硬膜外持続鎮痛法が行われているが、創痛が強いため呼吸が浅く、離床はできていない。

第102回午前:第94問

術後1日のAさんのアセスメントで適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 体温の上昇は感染による。

2: 脈拍の増加は貧血による。

3: 血圧の上昇は麻酔の影響による。

4: 酸素飽和度の低下は創痛による。

5: 尿量の減少は循環血液量の減少による。

Aちゃん(6歳、女児)は、重症の新生児仮死で出生した。誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)で入退院を繰り返しているため、今回の入院で経鼻経管栄養法を導入し、退院後は週1回の訪問看護を利用することになった。現在は四肢と体幹の著しい運動障害があり、姿勢保持が困難で、移動および移乗は全介助である。声かけに笑顔はみられるが、指示に応じることはできない。

第106回午後:第110問

訪問看護師は、Aちゃんの誤嚥性肺炎(aspiration pneumonia)を予防するケアの方法を母親に指導することにした。 母親が行うAちゃんへのケアとして適切なのはどれか。

1: 腹式呼吸を促す。

2: 咳嗽の訓練を行う。

3: 胸郭可動域の訓練を行う。

4: 含嗽液を用いてうがいをさせる。

Aさん(68歳、女性)は、1人暮らし。隣の市に娘がいる。日常生活は自立している。10年前に糖尿病(diabetes mellitus)と診断され、血糖降下薬を服用している。最近の血液検査でHbA1c が8.5% のため、インスリンの自己注射を導入するかどうかを検討することになった。医師からAさんには自己注射についてまだ説明されていない。

第108回午前:第99問

朝食前の自己注射によって、Aさんの血糖値は安定していた。6年後、Aさんはサービス付き高齢者向け住宅に転居した。転居後の外来受診時、Aさんは外来看護師に「施設の食堂で食事をしている。食堂に行く前は化粧で忙しいが、毎日楽しい。間食はしていない」と話す。転居後2か月のHbA1c値が上昇していたため、外来看護師がAさんに質問すると「引っ越してから、注射を忘れることがあった」と話した。Aさんの自己注射の手技に問題はなく、Mini-Mental State Examination(MMSE)は29点だった。Aさんの娘に確認すると、Aさんの自室の冷蔵庫に、未使用のインスリンが余っていることが分かった。 外来の看護師からAさんと娘への助言で最も適切なのはどれか。

1: 訪問看護師に注射を依頼する。

2: 注射をしたらカレンダーに印をつける。

3: 化粧で使う鏡に「朝食前に注射」のメモを貼る。

4: サービス付き高齢者向け住宅の職員にインスリンの残量を数えてもらう。

第102回午後:第56問

Aさん(68歳)は要介護1で、1人で暮らしている。間質性肺炎(interstitial pneumonia)のために在宅酸素療法が開始された。 Aさんのサービス担当者会議で訪問看護師が行う提案で適切なのはどれか。

1: 炊事の禁止

2: 毎日の体温測定

3: 1人での外出禁止

4: 訪問入浴サービスの導入

Aさん(34歳、経産婦)は、夫(35歳)と長男のB君(3歳)との3人暮らし。これまでの妊娠経過に異常はなかった。20時に体重3,150gの男児を正常分娩した。分娩所要時間は6時間30分、分娩時出血量は480mLであった。第1度会陰裂傷のため、縫合術を受けた。その他の分娩の経過に問題はなかった。

第107回午後:第108問

さらに2週が経過し、Aさんは鎮咳薬の服用をやめる意思を強く固め、今後の依存症の治療について真剣に考えるようになった。Aさんの父親はAさんが幼少期のころ死亡しており、Aさんは母親と2人で暮らしていた。母親は週2回面会に来て、Aさんに対して小さな子どもに接するように世話をしていた。担当看護師が母親と今後のことについて話すと、母親は「私が何とかします。私しかこの子の力になってあげられないのです。本当はもっとAにしっかりして欲しい。でも、そう言うとAは怒ってしまいます」と話した。 担当看護師の母親への声かけで適切なのはどれか。

1: 「親戚で頼りになる方はいませんか」

2: 「なるべく怒らせないようにすることが大切です」

3: 「お母さんは今までどおりの関わりで良いですよ」

4: 「Aさんが自分で自分のことをできるようにサポートしていきましょう」

Aちゃん(2歳10か月)は、両親と生後3か月の妹と4人で暮らしている。Aちゃんは、6日前に発熱および不定形の発疹が腹部と背部とに出現した。解熱薬の使用によって、体温は一時的に低下したが、再び上昇したので受診した。受診時、口唇の充血と乾燥とが著明で、眼球結膜の充血と四肢の硬性浮腫とがみられた。受診時の血液検査の結果は、CRP 15.7mg/dl、AST〈GOT〉22 I U/l、ALT〈GPT〉54 I U/lであった。Aちゃんは川崎病(Kawasaki disease)と診断され、入院した。アスピリンの内服と γ-グロブリンの点滴静脈内注射とが開始された。

第101回午後:第108問

心エコー検査で冠状動脈瘤(coronary artery aneurysm)が発見されたが、Aちゃんは元気にしており、退院することになった。Aちゃんの家族への退院指導で適切なのはどれか。

1: 走らせない。

2: 塩分摂取を制限する。

3: 激しく泣かせない。

4: 予防接種は退院後6か月以降に行う。

A ちゃん(10 歳、女児)は、両親と 3 人で暮らしている。発熱と顔色不良とを主訴に受診し入院した。血液検査データは、Hb 7.5 g/dL、白血球 75,000/μL、血小板 4 万/μLであった。骨髄検査の結果、急性リンパ性白血病 (acute lymphocytic leukemia) と診断された。医師が両親と A ちゃんに対し、病名と今後の抗癌薬治療および入院期間について説明した。両親はショックを受けていたが現実を受け止め、今後の治療や入院生活について質問し、経済的な不安を訴えた。

第104回午後:第105問

入院後 4 か月。A ちゃんは治療が順調に進み、退院して外来で維持療法を行うことになった。今後、学校に通学する際の A ちゃんと母親に対する説明で適切なのはどれか。

1: 「体育は見学してください」

2: 「授業中はお母さんが付き添いましょう」

3: 「給食はみんなと同じものを食べてよいです」

4: 「日焼け止めクリームを塗って登校してください」

5: 「体育館での全校集会は参加しない方がよいです」

Aちゃん(2歳10か月、女児)は昨日から下痢と嘔吐を繰り返し、食事が摂れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎viral gastroenteritisによる中等度の脱水症dehydrationと診断され入院した。入院時、体温38.2℃、呼吸数36/分、心拍数136/分であった。3日前の保育所の身体計測では身長90cm、体重12.5kgであった。

第111回午後:第105問

入院2日。Aちゃんは、水様便は続いているが嘔吐はなくなった。付き添ってる母親は「Aは大泣きして、ストレスが溜まっているみたいです。アイスクリームを食べたいみたいです」と看護師に話した。  このときに看護師が母親に伝える内容で適切なのはどれか。

1: プレイルームで遊べること

2: アイスクリームを食べてよいこと

3: 個室隔離が明日、解除されること

4: Aちゃんの好きなおもちゃを自宅から持参してよいこと

5: Aちゃんが静かに過ごせるよう看護師の訪室を控えること

第107回午前:第31問

排泄行動が自立している入院中の男性高齢者が、夜間の排尿について「夜は何度もトイレに行きたくなります。そのたびにトイレまで歩くのは疲れます」と訴えている。 この患者の看護で適切なのはどれか。

1: おむつの使用

2: 夜間の尿器の使用

3: 就寝前の水分摂取の制限

4: 膀胱留置カテーテルの挿入

第101回午後:第52問

外来で抗癌化学療法を実施していた胃癌(gastric cancer)の患者に、皮下埋め込み式ポートによる中心静脈栄養法を開始することになった。患者・家族への指導で正しいのはどれか。

1: 入浴は禁止する。

2: 針は2週間留置可能である。

3: 注入時刻は、患者の生活に合わせる。

4: 使用済みの針は缶に入れ、市町村の分別ごみに出す。

Aさん(23歳、女性)。両親との3人暮らし。Aさんは大学受験に失敗して以来、自宅に引きこもりがちになった。1年前から手洗いを繰り返すようになり、最近では夜中も起き出して手を洗い、手の皮膚が荒れてもやめなくなった。心配した母親が付き添って受診したところ、Aさんは強迫性障害(obsessive-compulsive disorder)と診断された。母親は、Aさんについて「中学生までは成績優秀で、おとなしい子どもだった」と言う。Aさんには極度に疲労している様子がみられたことから、その日のうちに任意入院となった。

第107回午後:第109問

入院後、Aさんは主治医と話し合い、1日の手洗いの回数を決めたが、毎日その回数を超えて手洗いを続けている。看護師が確認するといつも洗面所にいる。 Aさんが決めた回数を超えて洗面所で手洗いを続けているときに、看護師がとる対応で適切なのはどれか。

1: 手洗いを続けてしまうことについてAさんと一緒に話し合う。

2: 病棟は清潔であることをAさんに説明する。

3: 主治医にAさんの隔離について相談する。

4: Aさんと決めた手洗いの回数を増やす。

第103回午後:第52問

Aさん ( 42歳、男性 )は、血尿を主訴に泌尿器科を受診した。診察の結果、 Aさんは膀胱鏡検査を受けることになった。 Aさんへの検査についての説明で適切なのはどれか。

1: 「入院が必要です」

2: 「前日は夕食を食べないでください」

3: 「局所麻酔で行います」

4: 「終了後は水分の摂取を控えてください」

Aさん(40歳、女性)は統合失調症(schizophrenia)で入院歴があり、退院後は共同生活援助(グループホーム)を利用していた。1週前から同じグループホームに住む女性と口論したり、夜中にグループホームから飛び出したりするようになったため、職員に付き添われて精神科病院を受診した。診察時は、Aさんは意味不明の言葉を発し、時々興奮したように大声で叫んだ。また、診察室から飛び出したり、衣服を脱いだりする行為も観察された。

第102回午前:第105問

入院後2週、症状が安定して、意思の疎通も良好となり、興奮もみられなくなった。入院後1か月にはADLもほぼ自立していた。入院後1か月のAさんへの看護で適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 長期間の入院が必要であると説明する。

2: 退院して家族と同居することを検討する。

3: 入居していたグループホームと連絡を取る。

4: 警察にAさんの退院予定日を知らせておく。

5: 服薬の自己管理を開始するためのアセスメントを行う。