第111回午前第99問の類似問題

第103回午後:第48問

Aさん ( 56歳、男性 )は、進行結腸癌 (advanced colonic cancer)の術後に両側の多発肺転移が進行し、終末期 で在宅療養中であったが呼吸困難が増悪したため入院した。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉は 95%であるが、安静時でも呼吸困難を訴え、浅い頻呼吸となっている。発熱はなく、咳嗽はあるが肺炎 (pneumonia)の併発はない。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 仰臥位を保つ。

2: 酸素投与は行わない。

3: モルヒネ塩酸塩の投与を検討する。

4: 安静を保つため訪室は最低限とする。

Aさん(60歳、男性)は、自宅近くを散歩中に突然の胸痛が出現し、救急車を要請した。救急隊到着時のバイタルサインは、呼吸数28/分、脈拍100/分、血圧80/40mmHgであった。冷汗が著明で、前胸部から左肩にかけての激痛を訴えていた。問診で狭心症(angina pectoris)の既往歴があることが分かった。入院時の検査で急性心筋梗塞(acute myocardial infarction)と診断された。

第106回午後:第118問

緊急心臓カテーテル検査で左冠動脈起始部に90%の閉塞を認め、緊急冠動脈バイパス術が行われた。術後5日、集中治療室から一般病棟に転棟した。Aさんは「手術も無事終わって命が助かった。リハビリテーションが大切と聞いたので、頑張って廊下を歩きますよ」と看護師に話した。術後のADL拡大は順調に進み、Aさんは病棟内での200mの歩行が許可されている。胸部症状の出現や心電図の変化は認めない。 Aさんへの心臓リハビリテーションについて適切なのはどれか。

1: 息苦しさが出現したら中止する。

2: 気分の良いときに階段昇降を勧める。

3: 衣服の着脱は家族に介助してもらう。

4: レジスタンストレーニングを中心に行う。

第111回午前:第68問

Aさん(80歳、女性)は1人暮らし。要介護2の認定を受け、長男(50歳、会社員)、長男の妻(45歳、会社員)、孫(大学生、男性)と同居することになった。長男の家の間取りは、洋室5部屋、リビング、台所である。Aさんは同居後に訪問看護を利用する予定である。訪問看護を利用するにあたりAさんの家族から「在宅介護は初めての経験なのでどうすればよいですか」と訪問看護師に相談があった。  訪問看護師の説明で最も適切なのはどれか。

1: 「Aさんの介護用ベッドはリビングに置きましょう」

2: 「Aさんの介護に家族の生活リズムを合わせましょう」

3: 「活用できる在宅サービスをできる限り多く利用しましょう」

4: 「特定の同居家族に介護負担が集中しないように家族で話し合いましょう」

Aちゃん(生後3か月)は、体重 2,850gで出生した。Aちゃんは、出生直後から心雑音を認め、中等度の心室中隔欠損症(ventricular septal defect)と診断された。強心薬と利尿薬との内服で経過観察していた。昨日から喘鳴と哺乳力低下とがみられるようになり、心不全の治療のため入院となった。入院時、Aちゃんは体重 5,050g、体温 37.6 ℃、呼吸数52 /分、発汗が著明である。チアノーゼはみられない。ミルクは約 100 ml/回を1日6、7回哺乳している。

第101回午前:第111問

入院後5日の朝、看護師が病室に行くと母親は疲れた顔をしてAちゃんを抱いていた。母親は「この子は泣いたら泣き止まないんです。オムツを替えても抱っこしてもだめなんです。 この子は私を責めているんです。私は母親失格です」と涙を浮かべて話した。母親の話を傾聴した後の対応で最も適切なのはどれか。

1: 精神科の受診を勧める。

2: 親がしっかりしなければと励ます。

3: 泣き止むまで泣かせて良いと伝える。

4: 母親の対応が悪いのではないと伝える。

Aさん(35歳、男性、会社員)は妻(32歳、主婦)と子ども(2歳)と3人暮らし。5年前にうつ病depressionと診断された。半年前に営業部門に異動し、帰宅後も深夜まで仕事をする日が続いていた。「仕事のことが気になってしまい、焦りと不安ばかりが増して眠れない。会社に行くのが苦しい、入院させてもらえないか」と訴えがあり、休養と薬物の調整を目的として精神科病院に入院となった。入院後、Aさんから「実は薬を飲むのが嫌で、途中から飲むのをやめていたんです。薬を飲みたくないのですが、どうしたらよいでしょうか」と看護師に相談があった。

第111回午後:第109問

看護師のAさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 薬を飲みたくない理由を尋ねる。

2: 薬を飲むことを約束してもらう。

3: 自己判断で薬をやめたことへの反省を促す。

4: 薬の管理はAさんの妻にしてもらうよう勧める。

Aさん(30歳、初産婦、会社員)は、夫と2人暮らし。妊婦38週6日で3,200gの児を正常分娩した。分娩後から母子同室を開始しており、母乳育児を希望している。

第108回午前:第111問

産褥4日。Aさんは乳頭を児にうまくくわえさせられず「上手におっぱいがあげられない。退院してからも続けていけるか心配です」と言う。Aさんの乳房からは移行乳の分泌がみられる。児の体重は3,040g、排尿は5回/日、排便は4回/日である。 Aさんへの授乳時のアドバイスとして、適切なのはどれか。2つ選べ。

1: 3時間ごとに授乳させる。

2: 児が前屈姿勢になるように支える。

3: 児が啼泣している時に授乳させる。

4: 児の舌の上に乳頭がのるようにくわえさせる。

5: 児が大きく口を開けたタイミングで乳頭をくわえさせる。

Aさん(19歳、男性)は、幼い頃から忘れ物や遅刻が多く、落ち着いて授業を受けることが難しかった。学校からは精神科の受診を勧められていたが、受診することなく高校まで卒業した。卒業後は事務職として働きはじめたが、仕事上のトラブルで上司や同僚から叱責を受けたことをきっかけに、仕事を無断で休むことが多くなった。産業医から精神科外来を紹介され、両親とともに受診した。本人の診察と両親からの生育歴の聴取が行われ、注意欠如・多動性障害attention-deficit/hyperactivity disorder〈ADHD〉と診断された。

第110回午前:第114問

Aさんは予約した受診日を忘れてしまい、受診できないことが度々あった。Aさんは、これまで忘れないための工夫を何もしてこなかったと外来看護師に話した。  Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 「ご家族に予定を管理してもらいましょう」

2: 「忘れてしまった理由を考えてみましょう」

3: 「予定を忘れたことで生じる不利益を整理してみましょう」

4: 「今予約した次回の受診日をこの場で予定表に書き込みましょう」

Aさん(50歳、女性)は右乳癌(breast cancer)と診断され、手術を受けるために入院した。Aさんは夫を3年前に腎臓癌(kidney cancer)で亡くしたが、貸しビル業を引き継いでおり、経済的な問題はない。趣味はテニスである。

第100回午前:第104問

Aさんの術後の経過は良好で、外来で抗癌化学療法を受ける予定で退院した。Aさんは患側上肢のだるさ、疲れやすさが残ると外来看護師に話した。 Aさんの患側上肢の浮腫を予防する方法で適切なのはどれか。

1: 使い捨てカイロを患側の腋窩にあてる。

2: 患側上肢はなるべく動かさないようにする。

3: 患側上肢のマッサージを中枢から末梢へ行う。

4: 患側上肢の静脈では抗癌薬の静脈内注射を行わない。

Aさん(35歳、女性)は、夫と7歳の息子、2歳の娘と4人で暮らしている。ある日、震度6強の地震が起こり、Aさんの家は半壊した。Aさんは倒れてきた家具の下敷きになるところだったが、何とか免れ、家族は全員かすり傷程度の怪我(けが)で済んだ。被災後、家族は避難所である小学校で生活をしている。

第100回午前:第119問

Aさんから、「また地震の日のような状態になってしまうことが不安です。大丈夫でしょうか」と看護師に相談があった。 Aさんへの看護師の対応で適切なのはどれか。

1: 「すぐに受診をした方が良いと思います」

2: 「つらい体験は早く忘れるようにしましょう」

3: 「誰にでもよいので積極的に自分の体験を話してください」

4: 「気分転換にご主人と一緒に家の片付けなどしてはいかがでしょう」

5: 「強いストレスを体験したときには誰もがなり得る正常な反応です」

第100回午前:第87問

80歳の男性のAさんは軽度の認知症(dementia)で、集合住宅で1人で暮らしている。喫煙習慣がある。生活環境の安全に関する訪問看護の活動で、毎回の訪問時に確認する必要があるのはどれか。2つ選べ。

1: 戸締り

2: 喫煙本数

3: 煙草(たばこ)の吸い殻処理

4: 浴室の換気システム

5: 預金通帳の保管場所

Aちゃん(2歳10か月)は、両親と生後3か月の妹と4人で暮らしている。Aちゃんは、6日前に発熱および不定形の発疹が腹部と背部とに出現した。解熱薬の使用によって、体温は一時的に低下したが、再び上昇したので受診した。受診時、口唇の充血と乾燥とが著明で、眼球結膜の充血と四肢の硬性浮腫とがみられた。受診時の血液検査の結果は、CRP 15.7mg/dl、AST〈GOT〉22 I U/l、ALT〈GPT〉54 I U/lであった。Aちゃんは川崎病(Kawasaki disease)と診断され、入院した。アスピリンの内服と γ-グロブリンの点滴静脈内注射とが開始された。

第101回午後:第108問

心エコー検査で冠状動脈瘤(coronary artery aneurysm)が発見されたが、Aちゃんは元気にしており、退院することになった。Aちゃんの家族への退院指導で適切なのはどれか。

1: 走らせない。

2: 塩分摂取を制限する。

3: 激しく泣かせない。

4: 予防接種は退院後6か月以降に行う。

Aちゃん(2歳10か月、女児)は昨日から下痢と嘔吐を繰り返し、食事が摂れなくなったため、母親に抱かれて小児科外来を受診した。診察の結果、ウイルス性胃腸炎viral gastroenteritisによる中等度の脱水症dehydrationと診断され入院した。入院時、体温38.2℃、呼吸数36/分、心拍数136/分であった。3日前の保育所の身体計測では身長90cm、体重12.5kgであった。

第111回午後:第104問

Aちゃんは、個室隔離での入院となり、持続点滴静脈内注射が開始された。排泄が自立していないため普段から紙オムツを使用している。  Aちゃんのオムツ交換における注意点について、入院に付き添う母親への看護師の説明で適切なのはどれか。

1: 布オムツに切り替える。

2: 使い捨て手袋は1日1回交換する。

3: オムツ交換後に石けんで手洗いを行う。

4: アルコール入りのおしり拭きで殿部の清拭を行う。

第109回午前:第71問

Aさん(88 歳、男性)は、長女(60歳、無職)と2人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度判定基準ランクC2。 仙骨部の褥瘡の治療のため、膀胱留置カテーテルを挿入することになった。 膀胱留置カテーテルを挿入中のAさんを介護する長女に対して、訪問看護師が指導する内容で適切なのはどれか。

1: 「褥瘡が治癒するまでおしりは洗浄しないでください」

2: 「体位変換ごとに蓄尿バッグを空にしてください」

3: 「カテーテルは太ももに固定してください」

4: 「尿に浮遊物がないか確認してください」

第108回午後:第20問

転倒・転落の危険性が高い成人の入院患者に看護師が行う対応で正しいのはどれか。

1: 夜間はおむつを使用する。

2: 履物はスリッパを使用する。

3: 離床センサーの使用は控える。

4: 端坐位時に足底が床につくベッドの高さにする。

Aさん(82歳、女性)は息子(57歳、会社員)と息子の妻(55歳、パート勤務)との3人暮らし。3年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症Alzheimer diseaseと診断され、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準Ⅱb、要介護2である。Aさんの介護は、主に息子の妻が行っていた。Aさんは、声かけがあれば日常生活動作〈ADL〉を自分で行うことができた。しかし、Aさんは徐々に認知症が重度化し、1人で外出すると帰ってくることができなくなり、夜間に落ちつきなく動き回ることが多くなった。息子と息子の妻はAさんの介護について介護支援専門員に相談していたが、息子の妻は睡眠不足となり、体調を崩してしまった。そのため、Aさんは介護老人保健施設に入所することになった。

第111回午後:第97問

看護師からAさんに施設について説明したが、その後もAさんは「ここはどこ」と繰り返し聞いていた。息子の妻は「私がやらなければいけないことは何ですか」と聞いてきた。  息子の妻に対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 「面会に来てください」

2: 「家族会に参加しましょう」

3: 「まずは休息をとりましょう」

4: 「認知症への対応を覚えましょう」

第102回午後:第52問

精神科病院に入院中の患者の法的処遇について正しいのはどれか。

1: 患者は退院を請求できる。

2: 看護師は面会を制限できる。

3: 保護者は外出の可否を判断できる。

4: 精神保健指定医は手紙の発信を制限できる。

Aさん(52歳、男性)は、妻と会社員の娘と3人で暮らしている。Aさんは2年前に職場を解雇され、再就職先を探している。以前から飲酒する機会は多かったが、解雇後は朝から酒を飲み続け、妻が止めるように言っても聞き入れなかった。Aさんは、3か月前に自宅近くの診療所でアルコール性肝硬変(alcoholic cirrhosis)と診断され、断酒を勧められたが実行できずにいた。Aさんは、妻に伴われて専門医療機関を受診し、アルコール依存症(alcohol dependence)と診断された。

第101回午後:第119問

Aさんは黄疸がみられるようになったことをきっかけに、アルコール依存症(alcohol dependence)の治療を受けることになった。妻は、これまで1日中酒ばかり飲んでいたAさんに対する強い不満を看護師に話した。 看護師から妻への助言で最も適切なのはどれか。

1: 家にある酒類はすべて捨てるように話す。

2: Aさんの代わりに家計を支えるように話す。

3: Aさんに飲酒の害を再度伝えることを提案する。

4: 家族のためのセルフヘルプグループへの参加を勧める。

A さん(90 歳、女性)は、Alzheimer〈アルツハイマー〉病 (Alzheimer disease) で、重度の認知機能の低下がある。要介護 4 で、短期入所〈ショートステイ〉や通所介護を利用している。長年、長男夫婦が自宅で介護している。

第104回午前:第101問

A さんは、誤嚥性肺炎 (aspiration pneumonia) のために入退院を繰り返している。今回の入院で主治医はA さんの家族に胃瘻の造設を含めた今後の方針を説明した。A さんの長男は胃瘻の造設を希望せず、主に介護を行ってきた長男の妻は「私には決められない」と迷っている。A さんの長男の妻に対する看護師の対応として最も適切なのはどれか。

1: 「あなたが A さんの立場ならどうしますか」

2: 「介護支援専門員の考えを聞いてみましょう」

3: 「私の経験から胃瘻を造らないことを勧めます」

4: 「A さんはこのような状況になったとき、どうしたいと言っていましたか」

第110回午前:第16問

緩和ケアの説明で適切なのはどれか。

1: 入院が原則である。

2: 家族もケアの対象である。

3: 創の治癒を目的としている。

4: 患者の意識が混濁した時点から開始する。

第102回午後:第53問

Aさん(19歳、女性)は、境界性人格〈パーソナリティ〉障害(borderline personality disorder)で入院している。病棟では、安全管理のため、個人用の爪切りをナースステーションで管理している。Aさんが自分の爪切りを使用した後、看護師が返却を求めると「主治医の先生は自分で持っていてもいいって言ったのよ」と攻撃的な口調で抵抗した。この日、主治医は不在であった。 Aさんへの対応として最も適切なのはどれか。

1: 「先生はそのようなことは言わないと思います」

2: 「先生は不在なので、私の指示に従ってください」

3: 「病棟の安全が守れないので退院していただきます」

4: 「先生に確認がとれるまで、こちらでお預かりします」