第100回午後第119問の類似問題

Aさん(38歳、男性)。23時ころ、徒歩で来院した。Aさんは胸を押さえ苦しそうに待合室で座っており、救急外来の看護師が声をかけると、Aさんは日本語を少し話すことができ、外出中に急に胸が痛くなったと話した。Aさんは英語は話せないようだった。Aさんは日本語学校の学生であり、Aさんの指定した番号に電話したところ、Aさんの妻につながり、日本語でのコミュニケーションが可能であった。妻は1時間後に病院に到着できるということだった。この病院には、夜間にAさんの母国語を話せる職員はいなかった。

第107回午前:第114問

入院後2日、冠動脈造影〈CAG〉が実施された。冠動脈に有意な狭窄はなく、Aさんは急性心外膜炎(acute pericarditis)と診断された。胸痛に対して消炎鎮痛薬5日分処方された。 処方された2日後、Aさんから「薬がなくなったので追加で処方して欲しい」と病棟看護師に依頼があった。 看護師の対応で優先されるのはどれか。

1: Aさんの痛みの程度を確認する。

2: 医師に鎮痛薬の増量を相談する。

3: Aさんが以前常用していた鎮痛薬の用量を確認する。

4: Aさんが指示された用法を守れていないことを指摘する。

Aさん(25歳、男性、飲食店店員)は、 2日前から感冒様症状があり、夜眠ろうとして横になるが息苦しくて眠れず、歩行や会話も困難となり、夜間に Aさんの家族に伴われて救急外来を受診した。 Aさんは地元の野球チームに所属し、休日には練習に参加しており、最近は残業が多く疲れていた。診察の結果、Aさんは気管支喘息発作 (bronchial asthma) と診断され、気管支拡張薬、副腎皮質ステロイドによる治療と、フェイスマスクによる酸素投与が行われたが、改善がみられず入院した。

第103回午前:第91問

入院後Aさんは呼吸困難が増悪し、発汗が著明であった。入院時の看護として最も適切なのはどれか。

1: 全身清拭を行う。

2: セミファウラー位とする。

3: 鎮静薬の処方を医師に相談する。

4: 口をすぼめてゆっくりと息を吐くように指導する。

Aさん(19歳、男性、大学生)は、実家近くのアパートに1人で暮らしている。ある日、線路沿いの道を裸足で歩きながら険しい表情でカッターナイフを振り回し、ぶつぶつと独り言を言い続けていたことから警察に保護された。Aさんは、警察から連絡を受けた両親とともに精神科病院を受診したが「自分は命を狙われている」、「この人たちは自分の親じゃない」と言い、医療者に対しても拒否的な態度をとっている。診察の結果、Aさんは統合失調症(schizophrenia)と診断された。Aさんの頭髪は乱れ、食事や睡眠がとれていない様子であったため、そのまま医療保護入院をすることになった。

第105回午後:第112問

入院当日にAさんの両親から情報収集する内容として、優先度が高いのはどれか。

1: Aさんの大学の出席状況

2: 両親がAさんと同居する可能性

3: Aさんの子ども時代の両親の育て方

4: Aさんの入院に対する両親の受け止め方

Aさん(28歳、女性、外国籍)は3年前に日本人の夫と結婚し来日した。簡単な日本語を話せたため、来日した半年後からコンビニエンスストアでアルバイトを始めた。最近になり、夫は仕事で帰りが遅くなることが多くなった。Aさんが「お客さんが自分の悪口を言っている」と話したが、夫は気にしなかった。その後、アルバイト先の上司から「Aさんが奇声を発している」「ぶつぶつと独り言を言って歩き回っている」と夫に連絡があった。夫が病院に付添い精神科外来を受診し、統合失調症schizophreniaと診断されて入院となった。入院時、Aさんの髪は乱れ、誰かに見張られている気がすると怯えていた。

第111回午前:第119問

入院後、担当看護師は毎日面会に来ている夫の表情が気になり声をかけた。夫は「先生から統合失調症schizophreniaには様々な症状があるとお聞きしました。入院して妻は落ちつきましたが、これからどう接していけばいいのか悩んでいます」と話した。担当看護師はチームカンファレンスで夫の様子を伝え、主治医の判断で、夫に家族心理教育への参加を促すことになった。  担当看護師が夫に家族心理教育を勧める声かけで適切なのはどれか。

1: 「Aさんの症状と対応について学ぶことができます」

2: 「ご家族に参加して頂くことが退院の条件です」

3: 「家族同士の自助グループです」

4: 「匿名で参加できます」

Aさん(50歳、男性、会社員)は妻と高校生の息子との3人暮らし。仕事を生きがいに働き続けていた。慢性腎不全chronic renal failureのため透析治療が必要になったが、本人の希望で連続携行式腹膜灌流法〈CAPD〉を導入することになり入院した。Aさんはこれからの生活がどのようになるのかを看護師に質問した。

第111回午前:第94問

Aさんに対する説明として正しいのはどれか。

1: 「食事療法が必要です」

2: 「通院は週に2、3回必要です」

3: 「宿泊を伴う旅行はできません」

4: 「カテーテル挿入術後の翌日から入浴できます」

Aさん(68歳、女性)は、70歳の夫と2人で暮らしている。6年前にParkinson〈パーキンソン〉病(Parkinson’s disease)と診断された。現在、レボドパ〈L-dopa〉を1日3回内服している。ヤール(Yahr,M.D.)の重症度分類ステージⅢで、要介護1である。夫が付き添い、神経難病専門クリニックに杖を使って通院している。特定疾患医療受給者証を持っているが、在宅におけるサービスは利用していない。

第102回午後:第105問

Aさんは「家事は夫がしてくれて感謝しています。介護支援専門員とも相談しながら、自宅で暮らしていきたいと思っています」と訪問看護師に話した。 Aさんへの提案で最も適切なのはどれか。

1: 訪問介護の利用

2: 短期入所の利用

3: 車椅子での室内移動

4: 訪問リハビリテーションの利用

Aさん(40歳、初産婦)は妊娠経過に異常がなく、妊娠41週に陣痛発来した。分娩中に臍帯圧迫による胎児機能不全を認めたため緊急帝王切開になった。麻酔は、脊椎麻酔に硬膜外麻酔を併用した。出生した児の体重は3150g、アプガースコアは1分後7点、5分後9点であった。Aさんは、術中の経過に異常はなく、出血量400ml。術直後の検査でHb11.5g/dlであった。

第100回午後:第114問

術後2日目に、Aさんは「頑張ったのに、帝王切開になってしまいとても悲しいです」と話す。 Aさんへの対応で最も適切なのはどれか。

1: 「過去のことですから忘れましょう」

2: 「お産の経過を振り返ってみましょうか」

3: 「よくあることなので気にする必要はないですよ」

4: 「赤ちゃんが元気だったのでよかったと思ってください」

Aさん(37歳、女性、会社員)は、1人暮らし。11月に経理部へ異動となった。新しい人間関係と慣れない仕事で帰宅後も緊張が取れず、眠れない日が続いていた。異動から3週目の朝、会社のエレベーターに乗ると、息苦しさ、動悸からパニック発作を起こした。その後も不眠とパニック発作が出現したため、異動から2か月後、精神科クリニックを受診し、パニック障害(panic disorder)と診断された。主治医からは、短時間型の睡眠薬と選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)が処方された。また、職場の協力を得て仕事量の調整をしてもらうことになった。受診から5日後、Aさんから「昨日の朝から気分が悪くなり、下痢をするようになった」と電話があった。

第108回午前:第113問

受診から1か月後、Aさんは11階の職場に向かう途中、エレベーターの中でパニック発作を再び起こした。その時は、息が止まってしまうように感じた。それ以来、エレベーターを見ると、また同じようになってしまうかもしれないと思うようになり、怖くて乗れなくなり、仕事にも支障が出るようになった。 Aさんへの看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 「エレベーターの中で息が止まる」という認知による感情・行動を修正する。

2: 同じ症状を持つ人々との話し合いを通じて症状の軽減を図る。

3: 抗うつ薬の効果についての正しい知識を教育する。

4: ロールプレイを通じて社会生活技能を訓練する。

第111回午前:第67問

Aさん(22歳、統合失調症schizophrenia)は父親、母親、妹との4人暮らし。高校卒業後、アルバイトをしていたが、症状の悪化によって初めて精神科病院に入院した。退院後に一般企業で働きたいと希望している。  看護師がAさんに提案するサービスで適切なのはどれか。

1: 行動援護

2: 就労移行支援

3: 自立生活援助

4: 地域定着支援

Aちゃん(4歳、男児)は、昨夜の土砂災害によって両親とともに小学校の体育館に避難している。母親は自分の両親の安否が不明なため眠ることができなかった。また、落ち着きがなく感情的になっている。父親はずっと毛布をかぶって横になっている。

第105回午後:第119問

Aちゃんの母親は自分の両親と連絡がとれた。避難所生活5日目、親子3人で過ごすことが多くなってきた。Aちゃんの活気がなくなってきている。 地域の病院から派遣された看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 両親のAちゃんへの関わりを見守る。

2: Aちゃんと災害時のことを一緒に話す。

3: Aちゃんが他の子どもと遊べる機会をつくる。

4: 災害時の様子を絵に描くようAちゃんに勧める。

A さん(37 歳、女性)は、アジアの出身で 1 か月前に日本人の夫 (40 歳) と娘 (12 歳)とともに日本に移住した。母国語以外に簡単な言葉であれば日本語と英語は理解できる。A さんは、胸のしこりに気付き 1 週前に受診し、検査の結果、乳癌 (breast cancer) と診断された。今後の治療について説明を受けるため外来を受診する予定である。夫から「仕事が忙しく説明に立ち会えない。妻は日本語が上手く話せないがどうしたらいいですか」と電話があった。

第104回午後:第119問

術前に、術後の A さんの苦痛の程度を確認する方法について説明をすることになった。苦痛の程度を確認する方法として最も適切なのはどれか。

1: 日本語を覚えてもらう。

2: 母国語と日本語の対応表を準備する。

3: ナースコールの利用方法を説明する。

4: まばたきをしてもらうことを説明する。

Aさん(25歳、男性)は、未婚で両親と3人で暮らしている。大学卒業後に就職し、仕事も順調であった。4ヶ月前、仕事のミスがあったことをきっかけに気分が落ち込み、食欲のない状態が1ヶ月ほど続いたが、通勤は何とか続けていた。Aさんは、2ヶ月前から不眠を訴えるようになり、先月からは、高額なマンションや車の購入契約をしたり、貯金の全額を宝くじの購入に費やしてしまうなどの行為がみられるようになった。Aさんは、心配した両親に付き添われて精神科病院を受診した。

第100回午後:第118問

Aさんは、診察室では多弁であった。また、ささいなことで怒り出し、自分は病院ではないと治療を受けることを拒否した。Aさんは躁うつ病双極性感情障害(bipolar affective disorder)と診断され、両親の同意があり、そのまま入院した。 Aさんの入院形態はどれか。

1: 応急入院

2: 任意入院

3: 緊急措置入院

4: 医療保護入院

Aさん(89歳、女性)は、認知症(dementia)と診断されており、認知症高齢者の日常生活自立度判定基準はランクⅡbである。定年退職後の長男(66歳、未婚)との2人暮らし。Aさんは「役所の世話になるのは嫌だ」と言い、要介護認定を受けることを承諾していなかった。しかし、Aさんが室内で転倒したことをきっかけに、要支援1の判定を受け介護予防訪問看護が導入された。

第106回午前:第118問

Aさんは「家事は私の仕事だ。息子にも他人にも任せられない」と言い、夕方になると、歩いて5分程度のスーパーマーケットへ買い物に行くことが長年の習慣となっている。最近、夜になっても帰宅せず、長男が探しに行くとスーパーマーケットから離れた公園のベンチに座っていることが数回あった。長男は訪問看護師に「母は私が後をついてきたと思い込んで怒るんです。このままでは心配です」と相談した。 看護師が長男へ助言する内容で最も適切なのはどれか。

1: 「先に公園で待っていてはどうですか」

2: 「ホームヘルパーの利用をお勧めします」

3: 「Aさんに買い物はやめるよう話しませんか」

4: 「荷物を持つという理由で同行してはどうですか」

第104回午後:第89問

A さん(72 歳、女性)は、 1 人で暮らしており、要介護 1 で訪問看護を利用している。昨日の訪問時、看護師は高級な羽毛布団を見かけ、A さんに尋ねると購入の覚えがないと話した。別居している長男は、週 1 回電話で A さんの様子を確認している。看護師の対応として適切なのはどれか。 2 つ選べ。

1: 長男への連絡

2: 羽毛布団の返品

3: 成年後見人の選任

4: 近隣住民への聞き取り

5: A さんの判断能力の評価

Aさん(52歳、男性)は、妻と会社員の娘と3人で暮らしている。Aさんは2年前に職場を解雇され、再就職先を探している。以前から飲酒する機会は多かったが、解雇後は朝から酒を飲み続け、妻が止めるように言っても聞き入れなかった。Aさんは、3か月前に自宅近くの診療所でアルコール性肝硬変(alcoholic cirrhosis)と診断され、断酒を勧められたが実行できずにいた。Aさんは、妻に伴われて専門医療機関を受診し、アルコール依存症(alcohol dependence)と診断された。

第101回午後:第120問

ある受診日に、Aさんは「3か月お酒を飲まないでいましたが、昨日また飲んでしまいました」と話した。看護師は、それまで断酒を続けたAさんの努力を認めた。 次に、看護師がAさんに話す内容で適切なのはどれか。

1: 「意志を強く持たないといけません」

2: 「昨日はなぜ飲みたくなったのですか」

3: 「3か月頑張ったから、少しくらいは大丈夫です」

4: 「家族の信頼を失うようなことをするのは止めましょう」

Aさん(30歳、初産婦)はX年2月5日に妊婦健康診査のために来院した。X年2月のカレンダーにAさんの受診日と分娩予定日を示す。

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第111回午前:第103問

看護師は、医師からAさんの母子健康手帳に受診時の妊娠週数と日数を記入するよう依頼された。  Aさんの受診時の妊娠週数および日数で正しいのはどれか。

1: 妊娠35週5日

2: 妊娠35週6日

3: 妊娠36週5日

4: 妊娠36週6日

Aさん(75歳、女性)は、脂質異常症(dyslipidemia)と高血圧症(hypertension)で通院中で、定期受診のため、外来待合室で順番を待っていた。Aさんは、待合室の雑誌を取ろうと立ち上がり、歩こうとしたところ、右足が思うように動かず引きずって歩いた。外来看護師が声をかけると、Aさんは「らいじょうぶ」と返答したが、ろれつが回らなかった。

第109回午前:第119問

検査の結果、Aさんは左脳の運動野に脳梗塞(cerebral infarction)を発症していることが分かった。Aさんは3週間の入院治療を経て転院し、2か月間のリハビリテーションを行うことになった。転院先の医療機関に提供する情報で最も優先するのはどれか。

1: 診療情報提供書

2: 要介護認定の申請書

3: 医療相談員の相談記録

4: 使用中の車椅子の機種

5: 身体障害者手帳の申請書

A さん(54 歳、男性)は、10 年前に心筋梗塞 (myocardial infarction) を発症し、 2 年前に慢性心不全 (chronic heart failure) と診断され外来受診を続けてきた。 1 週前からトイレ歩行時に息苦しさがあり、 4 日前から夜に咳と痰とがみられ眠れなくなっていた。本日、A さんは定期受診のため来院し、心不全 (heart failure) の増悪と診断され入院した。入院時、体温 36.3 ℃、呼吸数 24/分、脈拍 96/分、整で、血圧 124/72 mmHg であった。心エコー検査で左室の駆出率 28 %であった。体重は 1 週間で 4 kg 増加し下肢の浮腫がみられる。

第104回午前:第93問

入院治療により A さんの症状は改善し、 2 日後に退院予定である。退院後の受診についての説明で最も適切なのはどれか。

1: 「夜間の咳で受診する必要はありません」

2: 「体温が 38.0 ℃以下なら受診の必要はありません」

3: 「今回のように体重が増加したときは受診してください」

4: 「仕事から帰って足に浮腫がみられたら受診してください」

A さん(45 歳、男性)は、便に血液が混じっていたため受診した。検査の結果、直腸癌 (rectal cancer) と診断され、自律神経を部分温存する低位前方切除術が予定されている。

第104回午後:第92問

術後 1 日。順調に経過し、A さんは離床が可能になった。腹腔内にドレーンが 1 本留置され、術後の痛みに対しては、硬膜外チューブから持続的に鎮痛薬が投与されている。看護師が A さんに痛みの状態を尋ねると、A さんは「まだ傷が痛いし、今日は歩けそうにありません」と話す。このときの対応で最も適切なのはどれか。

1: 体動時に痛む場合は歩行しなくてよいと説明する。

2: 歩行には看護師が付き添うことを提案する。

3: 歩行練習を 1 日延期することを提案する。

4: 鎮痛薬の追加使用を提案し歩行を促す。

第108回午前:第57問

Aさん(90歳、男性)は、脳梗塞(cerebral infarction)による軽度の左半身麻痺がある。要介護2。最近、娘(65歳)とその家族と同居を始めた。Aさんの受診に付き添ってきた娘が看護師に「同居を始めてから疲れます」と話した。 この時の娘に対する看護師の対応で最も適切なのはどれか。

1: 心療内科の受診を勧める。

2: 娘の幼少期の親子関係を聞く。

3: Aさんの介護老人保健施設への入所を勧める。

4: 同居後に家族の生活がどのように変化したかを聞く。