Aさん(43歳、女性)は夫と2人暮らし。身長150cm、体重98kg。既往歴はない。先日、庭で転倒し右腓骨を骨折し、膝関節から足関節までのギプス固定をしている。来週、プレート固定術を受けることになっており、本日は夫と一緒に術前オリエンテーションに来院した。来院時のAさんのバイタルサインは、体温36.8℃、呼吸数16/分、脈拍80/分、血圧138/80mmHgであった。夫によると「妻は、寝ているときはいつも大きないびきと、時々無呼吸があるので、慌てて起こしている」と言う。
手術までの自宅でのAさんの過ごし方で、優先して指導すべき内容はどれか。
1: 食事制限
2: 足趾の運動
3: ベッド上安静
4: 体位変換の方法
介護保険制度による訪問看護で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 理学療法士による訪問は含まれない。
2: 主治医の訪問看護指示書が必要である。
3: 訪問滞在時間によって介護報酬は異なる。
4: 利用頻度は介護支援専門員の指示による。
5: 利用できる訪問看護事業所は1か所に限る。
看護師Aが患者Bの点滴ボトルに薬剤を注入しているとき、新人看護師から患者Cについて相談を受けた。看護師Aが作業を中断し新人看護師に対応した後、患者Bの点滴ボトルに患者Cの名前を記入するというヒヤリハットが発生した。 この病棟の看護師長が行う再発防止策で適切なのはどれか。
1: 看護師Aに対策を考えさせる。
2: 看護師Aを注射の業務から外す。
3: 作業中断の対策を病棟チームで検討する。
4: 再発防止カンファレンスを1か月後に計画する。
Aさん(82歳、男性)は、4年前にAlzheimer〈アルツハイマー〉型認知症(dementia of Alzheimer type)の診断を受けた。要介護4で、1年前からグループホームで生活している。高血圧症(hypertension)に対して持続性カルシウム拮抗薬を内服している。他に治療を必要とする疾患は認められない。 1週前から夜はほとんど眠らず、居間のソファに腰かけたり、歩き回ったりする状態が続いている。昼間もベッドに横になることはない。食欲が低下してきたが、先月よりも体重は2kg増加している。
Aさんは直ちに救急車で病院に搬送され、治療を受けて症状は軽快した。入院後 1週が経過し、尿量が確保されていることを確認したため、入院直後から挿入していた膀胱留置カテーテルを抜去した。抜去3時間後、Aさんはグループホームの職員の名前を大声で呼び始めたため、病棟看護師が病室に行ってみると、Aさんはオムツを外して失禁していた。Aさんへの援助で適切なのはどれか。
1: 鎮静薬の使用を検討する。
2: 膀胱留置カテーテルを再度挿入する。
3: 排尿記録をつけ排尿パターンを把握する。
4: グループホームの職員に付き添いを依頼する。
Aさん(74歳、女性)は、右肺尖部癌(apical lung cancer)と診断され、外科的治療は困難で、外来で抗癌化学療法を実施していた。半年後、胸壁への浸潤が進行したため、抗癌化学療法目的で入院した。Aさんは5年前に夫を亡くしてからは1人暮らしをしており、入院前は、近所に住むAさんの娘が毎日訪問していた。
Aさんは抗癌化学療法を開始したが、副作用が強かったため、「治療をやめて家で過ごしたい」と希望し、退院した。退院後3日、訪問看護が開始された。 訪問看護師が今後注意すべきAさんの症状はどれか。
1: 構音障害
2: 聴力の低下
3: 片麻痺の出現
4: 上肢の強い痛み
Aちゃん(3歳、女児)は、病室で朝食を食べていた。そこに、医師が訪室して採血を行いたいと話したところ、Aちゃんは何も答えず下を向いて泣き始めた。その様子を見ていた看護師は、Aちゃんは朝食を中断して採血されるのは嫌だと思っているようなので、朝食後に採血して欲しいと医師に話した。 この看護師の対応の根拠となる概念はどれか。
1: アセント
2: コンセント
3: アドボカシー
4: ノーマライゼーション
5: ノンコンプライアンス
患者と看護師が面談をする際、両者の信頼関係を構築するための看護師の行動で最も適切なのはどれか。
1: 患者の正面に座る。
2: メモを取ることに集中する。
3: 患者と視線の高さを合わせる。
4: 事前に用意した文章を読み上げる。
患者の自立支援で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 不足している知識を補う。
2: 発病前の生活習慣を尊重する。
3: 支援目標を看護師があらかじめ定める。
4: できないことに焦点を当てて行動を修正する。
5: 支援者である看護師が上位の関係が望ましい。
Aさん ( 42歳、男性 )は、血尿を主訴に泌尿器科を受診した。診察の結果、 Aさんは膀胱鏡検査を受けることになった。 Aさんへの検査についての説明で適切なのはどれか。
1: 「入院が必要です」
2: 「前日は夕食を食べないでください」
3: 「局所麻酔で行います」
4: 「終了後は水分の摂取を控えてください」
Aさん(78歳、女性)は、脳梗塞(cerebral infarction)を発症し入院治療した後、回復期リハビリテーション病棟に転棟した。担当の理学療法士は、Aさんは早く自宅に帰りたいと熱心に歩行練習をしていると話していた。転棟後、1週を経過したころから、Aさんは疲労感を訴えて病室で臥床していることが多くなった。理学療法後の血圧と脈拍とに変動はみられない。肝機能と腎機能とに異常はない。 Aさん、看護師および担当の理学療法士で検討する内容として最も適切なのはどれか。
1: 運動強度の軽減
2: 家事動作練習の追加
3: 翌日の理学療法の中止
4: 病棟での歩行回数の増加
Aさん(82歳、女性)は、脳梗塞cerebral infarctionの既往があり、要介護2で、夫(85歳)と2人暮らし。訪問看護師の訪問時、Aさんは体温37.0℃、脈拍62/分、血圧100/50mmHg、少し汗をかいており、唇の乾燥がみられた。訪問看護師は、翌日予定されている訪問介護の担当者とAさんの援助の方向性について共有することにした。 共有する内容で適切なのはどれか。
1: ポータブルトイレでの排泄に変更する。
2: 水分を多めに摂取するよう促す。
3: 頻繁に寝衣を交換する。
4: 入浴介助を中止する。
A ちゃん( 3 歳、男児)は、斜視 (strabismus) の手術のために母親とともに歩いて入院した。入院期間は 3 日の予定である。 3 週前に外来で医師と看護師が A ちゃんに手術と入院とについて説明した。入院時、A ちゃんはやや緊張した表情をしているが「眼の手術をしに来たの。病院に 2 つ泊まるんだよ」と看護師に話した。
手術当日の朝、A ちゃんは麻酔の前投薬としてミダゾラムとアトロピンを経口で服用した。両親が早朝から面会に来て A ちゃんのそばに付き添っている。Aちゃんは少し興奮気味で、両親に「おなかがすいた。のどが渇いた」と話しかけている。30 分後に手術室に入室する予定である。手術室に入室するまでの A ちゃんへの対応で適切なのはどれか。
1: 水を飲ませる。
2: 前投薬の追加を医師に相談する。
3: ベッド上で絵本を読み聞かせる。
4: 両親と一緒にプレイルームで遊ばせる。
Aさん(52歳、男性)は、5年前にC型肝炎(hepatitis C)、肝硬変(liver cirrhosis)と診断され、1回の入院歴がある。退院後、医療機関への受診を中断し3年が経過している。毎日、ウイスキーを約300mL飲んでいる。夕食の2時間後に約1,100mLの吐血があり、緊急入院となった。 身体所見:体温35.4℃、呼吸数26/分、脈拍122/分、血圧86/42 mmHg、顔面は蒼白、冷汗を認める。意識は清明だが不安げな表情をしている。 検査所見:赤血球278万/μL、Hb 8.4g/dL、総ビリルビン4.1mg/dL、アンモニア188μg/dL、K 3.9mEq/L、血糖102mg/dL。
入院から4日が経過し、Aさんは医師から「C型肝炎(hepatitis C)、肝硬変(liver cirrhosis)の患者は肝細胞癌(hepatocellular carcinoma)を発症することがある」と説明を受けた。Aさんはスクリーニングの目的で、肝臓から骨盤内臓器までの範囲で腹部超音波検査を受けることになった。 検査前日に看護師が行う説明で正しいのはどれか。
1: 「検査直前に排尿を済ませてください」
2: 「おならは検査が終わるまで我慢してください」
3: 「造影剤のアレルギーがあれば教えてください」
4: 「検査当日は、起床時から飲食物を摂取しないでください」
終末期の患者の妻は患者の死期が近いことを受け入れがたい状態である。妻の気持ちを受容する看護師の言動として最も適切なのはどれか。
1: 「今がつらいときですね」
2: 「死を受け入れるしかないと思いますよ」
3: 「最期にしてあげたいことを考えましょう」
4: 「亡くなった後の準備をすぐに始めましょう」
Aちゃん(11歳、女児)は、両親と3人で暮らしている。3週前から疲労感を訴え昼寝をするようになった。そのころから夜間に尿意で起きてトイレに行くようになり、1日の尿の回数が増えた。2日前から食欲がなくヨーグルトや水分を摂取していたが、今朝から吐き気と嘔吐とがあり水分も摂れない状態になったため、母親とともに受診した。血液検査データは、赤血球580万/μL、Hb 13.9 g/dL、Ht 44 %、白血球9,500/μL、尿素窒素31 mg/dL、クレアチニン0.7 mg/dL、Na 141 mEq/L、K4.8 mEq/L、Cl 94 mEq/L、随時血糖900 mg/dL。動脈血ガス分析は、pH 7.21、BE-12.3、HCO3-10.9 mEq/L。尿検査は、尿糖2+、尿ケトン体3+であった。Aちゃんは1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)の疑いで入院した。
Aちゃん及び両親は、1型糖尿病(type 1 diabetes mellitus)の療養生活に必要な知識や手技を順調に獲得した。血糖値が良好にコントロールされたため、退院に向けてAちゃんと両親、主治医、担当看護師および学校の関係者との間でこれからの学校生活について話し合った。 医療者から学校の関係者に伝える内容で最も適切なのはどれか。
1: 「長距離走や水泳の授業は見学させてください」
2: 「宿泊を伴う校外活動は保護者の同伴が必要です」
3: 「教室内にインスリン注射を行う場所を設けてください」
4: 「家庭科の調理実習は同級生と違う献立にしてください」
5: 「手指の震えや強い空腹感があるときはブドウ糖の補食が必要です」
Aさん(38歳、女性)は、大腸癌colon cancerの終末期である。癌性腹膜炎cancerous peritonitisによる症状緩和の目的で入院し、鎮痛薬の静脈内注射と高カロリー輸液が開始された。Aさんは自宅で過ごしたいと希望したため、医師と看護師で検討し、症状緩和をしながら自宅退院の方向で退院支援カンファレンスを開催することになった。 退院支援カンファレンスの参加者で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 薬剤師
2: 言語聴覚士
3: 臨床検査技師
4: 介護支援専門員
5: ソーシャルワーカー
Aさん(75歳、男性)は、脳梗塞後遺症による右半身不全麻痺がある。妻と 2人で暮らしている。 Aさんは要介護 3で、訪問介護と通所介護のサービスを利用している。今回、Aさんは誤嚥性肺炎 (aspiration pneumonia) で入院し、退院後に訪問看護が導入された。 訪問看護師と介護支援専門員が連携して行う内容で優先度が高いのはどれか。
1: 住宅改修の検討
2: Aさんの妻の介護負担の把握
3: 肺炎予防に必要なケアの提供
4: 訪問介護による生活援助内容の確認
Aさん (43歳、男性、会社員 )は、 1か月前に右頸部の腫瘤に気付き、自宅近くの診療所を受診し、大学病院を紹介された。検査の結果、 Aさんは、非 Hodgkin〈ホジキン〉 リンパ腫 (non-Hodgkin lymphoma)と診断され、縦隔リンパ節腫大による上大静脈の圧迫も確認され、化学療法導入のため入院した。 Aさんは「悪性リンパ腫と言われたときにはショックだったけど、化学療法は有効であると聞いて、頑張ろうと思っている」と話す。入院時、 Aさんは体温 37.5℃、呼吸数 18/分、脈拍 84/分、血圧 124/64 mmHgであった。血液検査データは、赤血球 302万/μl、Hb 10.3 g/dl、白血球 6,400/μl、総蛋白 7.6 g/dlであった。
入院当日、 Aさんは看護師に「最近、なんとなく手がむくんでいるような気がする」と言う。 Aさんの手のむくみの原因として可能性が高いのはどれか。
1: 発熱
2: 貧血
3: 低蛋白血症
4: 上大静脈の圧迫
Aさん(81歳、男性)は、妻(73歳)と2人暮らし。自宅でのADLは自立し、認知機能に障害はない。Aさんは食欲不振と腹部不快感、微熱を主訴に受診したところ、急性胆嚢炎(acute cholecystitis)と診断され、その日のうちに入院した。Aさんのバイタルサインは、体温37.3 ℃、呼吸数22/分、脈拍90/分、血圧136/84mmHg。入院後は絶飲食の指示があり、持続点滴静脈内注射と抗菌薬の投与が開始された。トイレ歩行の許可は出ている。
入院後日、妻がAさんについて「入院してからよく寝ています。時々ここが病院だとわからないようです。話しかけても気づかず、天井を眺めていることもあるし、しゃべり続けることもあります」と看護師に訴えた。Aさんのバイタルサインは、体温36.9 ℃、呼吸数20/分、脈拍88/分、血圧144/80mmHg。Aさんの状態で最も考えられるのはどれか。
1: うつ病(depression)
2: せん妄(delirium)
3: ナルコレプシー(narcolepsy)
4: 急性ストレス反応
Aさん(56歳、女性、主婦)は、胆石症 (cholelithiasis) と診断され、腹腔鏡下胆嚢摘出術予定で入院 した。 Aさんは身長 152 cm、体重 70 kgである。Aさんは、数年前に脂質異常症 (dyslipidemia) を指摘されたが、治療は受けていない。Aさんにその他の特記すべき既往歴はない
看護師が手術オリエンテーションを行い、術後の入院期間は 5日程度であると説明した。これに対して Aさんは「 1年前に妹が同じ手術を受けたが、食事はしばらく食べられず 3週間以上管が抜けなかった。自分にも妹と同じ合併症が起こるかもしれない」と心配そうに話した。 Aさんが心配している、妹に起こった合併症はどれか。
1: 肺 炎 (pneumonia)
2: 胆汁瘻
3: 皮下気腫
4: 深部静脈血栓症 (deep vein thrombosis)